けさの朝刊発行については、東北自動車道の通行止めや幹線道路の渋滞で新聞印刷会社(新聞社の印刷部門はほとんど別会社化されています)から販売店への輸送が大幅に遅れることになりました。新聞配達の遅れは直接読者宅へ新聞を届ける配達スタッフによるものだけではなく、天候によって輸送トラックの事故などで遅れるケースもあります。
今回の大雪でも南東北一円の毎日新聞を印刷する毎日新聞首都圏センター・福島工場で印刷・配送される16日付本紙および諸紙がトラックによる輸送が不能となり、欠配になったエリアが生じました(販売店には17日付朝刊と同送との連絡が入りました)。
そのような新聞産業の流通部門の方々がご苦労をされている最中、ツイッターで発信(ツイート)された写真にエラく感動しました。
『今朝の新聞、大雪の影響で届かなかった。そのお知らせと共に、広告だけは入ってた。配達、お疲れ様です。。。』
この方のツイートに対し、「そういうことだったんですね。今朝何も入っていない郵便受。今日は休刊日?なんて思っていました」とか、「わが家にも届いていました。広告とお知らせ。それも届くのが遅くなったのでしょう」という複数の方からの返信が続き、「手書きの『お知らせ』とチラシだけでも配ろうという販売店のやる気をを感じる」という好意的なコメントが見受けられました。
いわき市のとある新聞販売店さんの仕事ぶりなのですが、手本とすべき新聞販売部門(不測の事態が生じた場合は販売店に委ねられますが)の行動だと思います。実際には大雪の時などは「災害時における折込取扱いの免責」が適用されるので、チラシを配らなくても広告主から免責されるわけです。でも、宅配網は新聞だけではなく、折り込みチラも読者宅へ届けるーとの使命感を持って仕事をされているということですね。
おととしの3月12日(東日本大震災翌日)のことを思い出しました。地元紙の河北新報は緊急事態のなか新聞を発行。8ページの新聞に(12日は週末の土曜日でした)20枚超のチラシを組み込んで届けたこと。現場からは「緊急事態なのでチラシは組み込まず新聞だけで…」という声もあがったのですが、経営トップの「広告主からあずかっている商品だ。最善を尽くせ」との一言で決まりました。あの暗闇の中を分厚いチラシを組み込んだ8ページの新聞を届けてもらった配達スタッフには感謝しつつ、今回のような状況下でも同じような行動がとれるようスタッフ間の理解と協力がさらに必要だと感じます。
その昔、先輩から「この商売(新聞販売)の優先順位は配達・集金・拡張だ」と教わりました。まずは読者との約束を守り配達して、毎月の購読料をしっかり回収して、読者を増やす営業をしていく―ということです。でも近年、内側から「配達」の仕事を軽んじられているように思えてなりません。なんか残念。
▽災害時における折込取扱いの免責について
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