2006年11月04日

格差社会を考える

 先日、豊島区東池袋にある豊島公会堂で開かれた「格差社会を考える11.1のつどい」に参加してきました。来場者は約500人。

 「格差社会」が流行語となっている昨今、労働界では1986年に制定された労働者派遣法の運用や法律自体の是非が問われはじめ、朝日新聞の偽装請負の実態を追った紙面キャンペーンなども後押して大きな社会的な問題になっています。現在、三人に一人が非正規雇用(契約社員や派遣社員、アルバイト、パートなど)として、正社員との具体的な線引きもなく同じような労働に従事しています。大きな労働条件の格差を招いているばかりでなく、労働契約上の使用者責任もあいまいで企業の都合の良いように扱われている非正規雇用の問題点について考える討論会でした。  
   
 はじめに今回の「つどい」実行委員長の伊藤潤一氏(東京地評)が挨拶しました。伊藤氏は「いまホワイトカラーエグゼンプション
(アメリカの労働時間制度において、一定の要件(職種・職務や賃金水準)を満たすホワイトカラー労働者を労働時間規制の適用除外とする制度。日本でも導入が検討されている)のような労働契約法の改悪が進められている。現在、裁判中の2つの事件で最高裁が問われているのは労働基準法の第一条であり、通常雇用者と非正規雇用者は同じ労働者だということだ。憲法の理念を守り、経営者の利益を守るのではなく労働者(生活者)のための判決が出されるよう願う。働くルールの確立を目指し、最高裁へのアピールとなるつどいにしたい」と語りました。  
   

現在、最高裁で争っている「一橋出版=マイスタッフ事件」と「伊予銀行事件」の派遣労働の問題をテーマにしたパネルディスカッションでは、@雇用の二極化と格差社会A伊予銀行・一橋出版事件の特徴と両高裁判決の問題点Bいま最高裁は何を問われているのか−について討論されました。

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2006年10月04日

産経新聞は業界の切り込み隊長?

 産経新聞社が11月1日から「Sankei Express」(サンケイ エクスプレス)を創刊。
20代から30代の無購読者をターゲットにしたこの新媒体は、東京、神奈川、千葉、埼玉となぜか京都市内を発行エリアとし、タブロイド版32頁、購読料は月極め1,680円で、駅やコンビに売りはせず宅配のみの発行だということです。産経新聞社の住田良能社長は「新聞業界がおかれている閉鎖的な状況を打開しようという産経新聞社なりのひとつの挑戦」とし、「新聞を購読しない若者などに、新しい新聞の魅力を提示して、印刷媒体を毎日手にする楽しみを味わってもらえるようにする」と語ったそうです。

 フジサンケイグループのバックアップがあるとは言え、最近の産経新聞社は「フットワークが軽いなぁ」という印象を受けます。そのキーワードは「挑戦」といったところでしょうか。首都圏の夕刊廃止や新聞休刊日減らし、駅売りのワンコイン価格政策、新聞休刊日の縮小策、フジサンケイビジネス・アイの創刊や記者ブログで話題を呼んだiza(イザ)運営など、常に「仕掛け」を撃ってくるのが産経新聞なのです。また、新聞情報(業界紙)によると「産経新聞本紙とのセット販売は行わない」とのこと。数ヶ月前には産経新聞とサンケイスポーツのセット販売(特別価格を設定して)も噂され、「特殊指定崩しを公然と行う気か?」と冷や汗をかいた地方紙経営者もいるほど…。
産経新聞の動きは今後も波紋を呼びそうです。

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2006年09月12日

郵政民営化の余波 地方の切捨てから始まってきた

 物流業界の動きを逃さずアップしているのですが、ヤマトと郵政公社の争いというネタしか登場しないのも「なんだかなぁ」と思いつつ、業界の王者を倒すにはキメ細かいサービスよりも資本力なのだとするご時勢を再認識しました。


 ひとつ目は、ヤマト運輸が郵政公社を独禁法違反で調査するよう公正取引委員会に申告というもの。郵政が展開する「ゆうパック」とヤマトが展開する「宅急便」の争いは事欠かないのですが、今回は低価格で提供している「ゆうパック」が「宅急便」の顧客が奪われているというもの。その理由に安価に提供できるのは「手紙やハガキなど郵政が事実上独占している信書便事業との共通費用を節約しているためにでき得る安価な設定は違法」だとの訴えのようです。
 

 もうひとつは、郵政公社の集配業務が全国149箇所で廃止というニュース。来年10月の民営化に向けて、郵便事業の効率化(集配局再編の第1弾)がはじまりました。 来年3月までに計1048局を無集配局にする計画ですが無集配局となった後も、郵便物の引き受けや郵便貯金、簡易保険などの窓口業務は続けられるとのこと。
 

 郵政民営化の大合唱は「効率=採算」の構図を生み、全国どこにいても共通のサービスが受けられることは不可能になってしまいました。小泉政権を選んだ国民へのツケは、地方の切捨てという形で始まっているのです。  

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2006年09月10日

紙とネットは別モノ でも新聞販売には役立っていない…

 全国の共同通信社加盟のブロック紙、地方紙51社が、それぞれの地域情報や国内外のニュースを展開するポータルサイトを立ち上げることが決まりました。 
 仕掛けは共同通信社なのでしょうが、「全国新聞ネット」と称するウェブサイト運営会社を9月に設立するとのことです。 
 それぞれの地方紙が大同団結をし、広告収入を引き上げたい戦略のようです。全国紙対地方紙という構図ではなく、ヤフーやグーグル対新聞連合サイトといったところでしょうか。 
 
 どこまでシナジー効果が期待されるか分かりませんが、実際に取材をする新聞社がこのポータルサイトを立ちあげるのであれば、いっそのことヤフーやグーグルなどへの記事配信を止めたらいいのに…とも考えるのですが。そうすると海外のメディアが日本に取材網を創り出すかもしれませんね。 
 
 新聞社がネットコンテンツを拡大させる時には「新聞読者サービスの充実」を謳っていますが、新聞を購読しているから閲覧、アクセスできる顧客管理が構築され「会員化」が進んでいる新聞社はまだまだ少ない。新聞購読者への付加価値にはなっていないように感じます。そうすると宅配する新聞と新聞社のネット展開は、全く別モノとして考えなければなりません。 
 
 
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2006年08月14日

従業員が放火 人材確保が難しい新聞販売店の雇用事情

 とても不幸な事件です。大阪府大東市にある毎日新聞の販売店が放火により全焼。なんと火を放ったのがその販売店に勤めるアルバイト従業員だったのですから。 
 自ら働く職場に火を放つなんて言語道断。火を放った22歳のアルバイト従業員は、「店が燃えたら仕事をしなくていいだろうと思った」と供述しているそうですが、被害にあった販売店主サンはこのアルバイト従業員の勤務態度について「悪かったのだが…」と述べているとのこと。そもそも雇用する段階で吟味できないのかと一般の方は言われるかもしれませんが、悪くとも雇用せざるを得ない状況に追い込まれている販売店も少なくありません。配達業務は、まず人員確保をしないと配りきれないのですから。 
 
 
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2006年08月03日

物流コスト削減で「質」は問われなくなって行く

日本経済新聞によると郵政公社が2007年度の郵便配達コストを今年度より15%削減する計画を発表しました。  
現在の郵政公社の郵便配達業務に従事する労働者は約67000人。現行の業務は手紙や書留を通常営業時間内に届ける部門、速達や時間指定のある小包等を配る部門に分かれて作業を進めており、その他外部業者に小包の配達を委託しています。来年度からは「顧客に会わずに郵便受けに投げ込む郵便物」の業務を6割アルバイト化し、「顧客に直接手渡す郵便物」も外部への配達委託をやめて職員が当たるなど作業内容の質に応じて2つの区分に再編。人件費の削減を図るとしています。  

 「手渡しの必要がない郵便物を届ける作業はアルバイト」物流業界においてコスト削減の勢いは止まることなく進んでいます。ガソリン代の値上げがあっても価格は据え置かれ、末端で働く労働者への人件費抑制がまかり通ってしまっている昨今、それが資本主義経済であって、自由経済なのではないでしょうか?格差社会が当たり前というアメリカンナイズされたエリートの皆さんには理解できないのかもしれませんが…。


新聞の配達もいまでこそ主婦層のウエイトが大きくなっていますが、労働条件も整わない戦後の時代から安価な労働力に頼らざるを得ない時代が続きました。「新聞少年」に代表されるような小・中学生や新聞奨学生など若年層の安い労働力に頼ってきたわけです。しかし、1990年頃から配達従業員不足に業界全体が陥り、外国人留学生の雇用などできるだけ経費を押さえ込む政策を講じてきましたが、やはり賃金面や休日面など労働条件の整備無しには労働力を確保することが出来ず、各新聞社、新聞販売店が配達コストを引き上げてきた経緯があるのです。

それを考えると「上流階級以外の生活者がさらにコスト削減競争を強いられる世の中」に逆戻りしているのだと思います。「質」など問わない大量生産・大量消費型の経済が果たして日本に合うのでしょうか?


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2006年07月26日

守秘義務って? モラルの問題だけでしょうか

">日経新聞東京本社広告局の社員(31歳)が、新聞紙面に掲載される法定公告の情報を入手、証券取引法違反(">インサイダー取引)容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。今日の新聞各紙1面で大きく取り上げられ、見出しは「日経社員インサイダー取引で3000万円ボロもうけ」と大々的に報道されています。報道機関社員によるインサイダー取引摘発は初めてで、個人による同取引額は過去3番目ということです。

 

 先週、「昭和天皇の側近者のメモ」報道で脚光を浴びた日本経済新聞だったのですが…。企業との繋がりが深い日本経済新聞には、このネット社会でも株価の動きや企業の決算報告などがくまなく掲載(企業も日経に掲載さすることをステイタスだと思っている)されており、一部の社員の悪行によって大きく信頼を損ねました。でも今回の報道については、「社説でのお詫び」や「社内調査の概要」、「法定告知掲載までの流れ」、「本社社長声明」、「記者会見のQ&Å」など述べ4面にわたって掲載しています。これまで「自社の過ち」に関する紙面の扱いは小さく、他紙に叩かれ放題の構図でしたが今回はちょっと違うなぁ… 今年2月24日に証券取引等監視委員会の調査を受けて準備をしてきたのでしょう。


 読売新聞の社説にも「多くの情報が集まる報道機関には、厳しい情報管理や法令順守の姿勢が求められる。報道機関の関係者は、読者や視聴者の信頼を損なわないように、身を律しなければならない」と書かれていましたが、当然のことですし「販売問題」についても“知らぬ顔を”せずに正常販売に真剣に取り組むべきです。 

 「守秘義務」は事件や事故など個人に関わる問題だけに適応するものではなく、企業の情報も含めてその扱いを委ねられている新聞社の倫理感は求められて当然ですが、国際的な問題や国家財政の問題点については「守秘義務?」のごとく、政府の動きに先駆けて問題点を指摘するスクープも少なくなっているように感じます。

">記者クラブ問題に起因するのでしょうが、自ら取材をする手法から発表ものを得る権利を有して情報を整理するだけの報道機関にだけはなって欲しくないものです。

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2006年06月30日

物流業界の再編と新聞販売店

 最近サボっていましたが、物流関連のニュースを溜め込んでいたのでチョットまとめてエントリーします。
 まず2週間前からガヤガヤと郵政公社の動きが慌しくなってきました。ヤマトが動くと郵政公社も追随する構図が物流業界の当たり前になってきています。

ネタ@郵政公社、郵便強化に1800億円投資・06年度
 郵政公社が手紙やはがき、小包を扱う郵便事業を強化するために昨年度の4倍(1800億円)資金投入のニュース。「ゆうパック」冷凍配達版の整備や、インターネットを使ったサービスを充実させるという。2007年10月の民営化を前に駆け込み的な大規模投資に「民業圧迫」という批判が続出する可能性は大!民営化される郵便と貯金、保険の事業分割があるため、その前に郵便事業で大型投資をするのが得策と判断しようです。

ネタA郵便局再編、1048局で集配中止・来年3月までに
 郵政公社が郵便物の集荷や配達をする集配郵便局の再編策を固めたというニュース。現在、集配業務をしている約4700局のうち、1048局は業務を近隣の局に移管して窓口業務に特化するとのこと。再編策は集配業務をしている約4700局を(1)郵便物の集荷・選別・配達をする「統括センター」(1088局)(2)集荷・配達をする「配達センター」(2560局)(3)窓口業務だけの無集配局(1048局)の3つに分けるということです。これで年間100億円の費用削減? もう生き残り策? 利益追求で利用者のこと考えてないのねぇ!

ネタB郵政公社、国際物流合弁白紙に・オランダTNTとズレ
 郵政公社がオランダの物流大手TNTと進めてきた国際物流分野の提携交渉を白紙に戻すって言うニュース。これもヤマトの後追いだったような気がしますが・・・。今回の白紙撤回で世界進出戦略の見直しを迫られるのは必至だとのこと。

 そんでもって郵政公社のネタが続くとヤマトも黙ってはいられません。
ネタCヤマトなどの共同会社に12社参加、企業間物流が全国網に
 ヤマトと西濃運輸の両グループが共同出資で設立した物流会社「ボックスチャーター」に、8月からトナミ運輸、名鉄運輸など中堅トラック輸送12社が資本参加することになったというニュース。すでに日本通運の参加が決まっているこの会社、まだまだ膨らむ可能性があるんじゃないかなぁと思います。

 郵政公社VSヤマトに統合される民間物流会社―物流業界も大変な時代を迎えています。ガソリン代は値上がるは、駐車監視員制度の導入でツーマン態勢を余儀なくされるなど、間違いなく経費は嵩んでいるのですが…。競争を終えた後は、勝者がコストを引き上げて我慢した分の回収にまわるのでしょうか?

 そんな慌しい物流業界事情なのですが、こんな話題も入ってきました。6月は忙しいですねぇ信書便(ハガキ等)を扱う事業への民間事業者の参入促進策を検討している竹中平蔵総務相の研究会が、郵政公社の配達ネットワークなどの郵便網を、新規事業者が有料で利用できるようにすることを柱とした報告の要旨をまとめました。将来的には民間参入を全面自由化する案も盛り込むとのこと。詳しくは「とある新聞販売所の偏り日報」に要点がまとめられていますが、新聞販売店が物流部門で生き延びていけるか否か・・・。来年10月の民営化を前に、数千世帯へ約2時間の間に宅配ができる機能を持つ新聞販売店が、どう絡んでいけるのかどうかが問われてきます。夕刊は歩留まりが悪く、物流会社の下請け受注をしたメール便との併用で経費割れを補っていますが、何せ2輪車ではその物量も限られてくる。でも販売店が持ち合わせている地域顧客のデータは活かせると思うのですがねぇ。どちらにしても将来を見越した経営戦略を立てられなければ新聞販売店も運送業と同じで統廃合が進むこと間違いなし。でもその方(販売行為と配達業務の分離)が、健全な新聞業界への再生につながるのかなぁ。
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2006年06月19日

格差社会を生んだ規制緩和 安全を守るため「揺り戻し法」でふたたび規制強化

 今国会で成立した法律のうち、政府が規制緩和を進めてきた交通、住宅、流通、金融などの分野で、再び規制を強化する「揺り戻し法」が20件になると朝日新聞が報じています。
 規制緩和による安全規制の不備が鉄道事故やマンションの耐震偽装事件の原因につながったと実質的に認めたわけです。規制緩和を進めてきた政府も「安全、安心」にかかわる分野では路線の修正を迫られているようです。

 最も大規模に規制を見直したのは交通分野。鉄道事業、航空、海上運送などの交通関連12法を改正する「運輸安全法」が成立し、鉄道、航空、運輸会社などに取締役の「安全統括管理者」を置くことや安全管理体制についての内部監査を義務づける。国の事業改善命令に従わない場合の罰金も引き上げた。
 昨年から今年にかけて公共交通機関の事故やトラブルが続発したことが改正のきっかけだ。90年代以降の規制緩和で、国の監査体制や企業の安全管理体制を十分に整えていなかった。
 昨年4月にはJR宝塚線(福知山線)の脱線事故が発生。01年に車体重量や車輪の大きさなどの数値基準を廃止したが、車体の軽量化などでコスト削減や効率化を進めようとする鉄道会社の安全軽視が指摘された。
 90年代に新規参入を認め、サービス競争を促した航空業界では、日本航空やスカイマークエアラインズの運航トラブルが続発。タクシー、トラック業界も競争激化で運転手の長時間労働が原因の交通事故が増えた。
 住宅では昨年11月、マンションなどの耐震強度偽装事件が発覚し、民間の指定確認検査機関が偽装を見抜けなかったことが問題になった。99年に建築確認を民間開放したが、耐震強度などを十分にチェックさせる体制ではなかった。今国会で建築基準法など関連4法を改正し、第三者機関による再チェックや罰則強化を盛り込んだ。
 北側国土交通相は16日の閣議後会見で「経済的な規制の緩和は大事だが、安全面のような社会的な規制まで緩くなってはいけない」と述べた。
 緩和一辺倒だったスーパーなどの小売業界に対する規制は、強化へと路線転換された。大型店の出店を制限してきた大規模小売店舗法(大店法)を緩和・廃止した結果、大型店が郊外出店へと流れ、中心商店街で閉鎖店舗が並ぶ「シャッター通り」化が深刻になったためだ。まちづくり3法のうち2法を改正し、大型店の郊外出店の原則禁止を打ち出した。
 90年代後半に証券取引や金融サービスの規制を緩和する「日本版ビッグバン」(金融制度改革)を進めた金融分野では、ライブドアの粉飾決算や村上ファンドのインサイダー取引疑惑の発覚で法律の抜け道が明らかになったほか、ハイリスクの金融商品で損失を被る消費者の被害も相次いだ。
 今国会で金融商品取引法を成立させ、企業買収のための株式公開買い付け(TOB)の規制や投資ファンドに対する規制を強化して取引の透明性を高めたほか、幅広い金融商品の販売ルールを定めた。


 「失われた10年」、バブル崩壊の後遺症はまだ尾を引いています。政府が推進してきた「競争促進」「効率重視」に乗った企業経営者は、文字で綴られているルールさえ守れば「何をやっても構わない」という倫理欠如の経営を“やむなし”としてきました。安い人件費を求めて社員の雇用を制限し、キャリアもなく立場の弱い契約社員へと切り替えていった行為が、結果的に『人命』まで危険にさらすことになってしまいました。
 また、「街づくり」にも大きな影響を与えています。「平成の大合併」、道州制への動きは地方分権の道を閉ざしてしまいました。大店舗法の緩和によって郊外型大手スーパーに対抗できない商店街はシャッター通りへと姿を変えてしまいました。過疎化が進み、個人情報保護の過度な取扱いによって地域コミュニティも活性化されない状況が続いています。
 はぁ〜。書きながら嫌になってきましたが、「他人よりもっと良い生活がしたい」という発想は誰しもが思うことです。でも、「自分さえ良ければ・・・」という風潮がこの国を染めているような気がしてなりません。「並み居る人を掻き分けて・・・」私たちが住む日本に合っているのか?と考えるこの頃です。
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2006年06月15日

東京高裁があらためて「情報源の秘匿」を認める決定を下しました

 取材活動で得た情報源はどこまで秘匿することができるのか?取材源秘匿の是非が争われた「米国健康食品会社の日本法人への課税処分」に関する一連の問題で、読売新聞記者が米嘱託証人尋問で取材源にかかわる証言を拒絶したことの当否が争われた裁判の即時抗告審は、東京高裁が「拒絶の大半を理由がないとした東京地裁決定を取り消す」とし、取材源の秘匿を認める決定をしました。
 東京高裁の赤塚信雄裁判長は「取材活動は公権力介入から自由でなければならず、取材源は 公表しないとの信頼関係があって初めて正確な情報提供が可能になる」として、取材源は 民事訴訟法で証言拒絶が認められる「職業の秘密」に当たると判断。「公共性のある報道では、取材源秘匿を認めるのが相当で、対象となった読売新聞の報道は国家機関である国税当局の活動と多額の所得隠しを取り上げており、公共の利害に関するものであることは明らかだ」と認定しました。

 この問題は、米国の健康食品会社などが米国政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問で、月刊誌「THEMIS(テーミス)」(2002年10月号)の編集長らが取材源に関する証言を拒絶したことが正当か否かが争われた裁判で、今年3月14日の東京地裁(藤下健裁判官)が「取材源が国税職員だった場合、その職員は法令に違反して情報を漏らした可能性が強く疑われ、拒絶を認めるのは間接的に犯罪行為隠蔽に加担するに等しい」として、読売新聞記者が証言拒絶をした21問中の14問の拒絶を認めない判決を下し、読売新聞側が即時抗告をしていました。
 証言拒絶裁判をめぐっては、読売新聞、NHK、共同通信などが各裁判所などで係争しており、今回の決定で「取材活動で知り得た情報の秘匿は担保される」という司法判断が下されたことによって、取材活動と情報源の秘匿は当たり前ですが、これまで通りとの方向に進むようです。

 取材源は情報提供者であるわけですが、その情報を過大に扱ったり、裏も取れずに加筆してしまうような取材であってはなりません。「記者の地道な取材活動」と「何かを優位に進めるための情報リーク」伝える側の姿勢がさらに問われていると感じていただきたいと思います。

 余談ですが、今回の問題については読売新聞側の一貫した姿勢にうなづくのですが、11日のプロ野球「ジャイアンツvsマリーンズ」の試合で、李選手のホームランで一塁走者だった小関選手が3塁ベースを踏み忘れて得点が取り消された判定で、よみうり寸評まで使って「誤審だ」と読者に訴える必要があるのか・・・新聞人としてどうなのだろうと首を傾げました。プロスポーツとはいえ、エンターテイメントですからね〜。最近不調だからなのでしょうか?清武球団代表が抗議書(映像付)をセ・リーグ連盟に提出したようですし・・・球団運営と新聞紙面の関係には秩序を持って扱ってもらいたいものです。
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2006年05月24日

ヤマトとの競争が原因? 郵便局の不正な割引による徴収漏れ

 新聞各紙の報道によるとヤマト運輸が企業のダイレクトメールなどに使われるクロネコメール便の料金体系を10月1日から値下げすると発表。最も高い料金が310円から240円に下がるほか、「A4判厚さ2センチまで」の料金は、部あたり160円以下になるそうで、日本郵政公社の冊子小包(150グラム以内180円)との価格競争がさらに激しくなるようです。
 ヤマト運輸が発表した今回の料金改定のミソは、重量制からサイズ制に変更したこと。利用が最も多い「A4判厚さ1センチまで」のサイズなら1冊80円で送れるようになる。配達期間については従来の翌日配達の需要は少ないと判断し、3〜4日までの間と変更。

関連性はないのかもしれませんが…

郵便局31箇所が「料金別納制度で徴収漏れ 総額7億2千万円」
 新潟県長岡市の長岡郵便局が料金別納制度で27億円の徴収漏れがあったと報道されましたが、日本郵政公社は24日に31郵便局で総額約7億2000万円の徴収漏れがあったことを発表しました。なんで6億7000万円が未回収で、取引相手の業者に対して損害賠償の訴訟を起こしているようです。
 同公社によると、徴収漏れは、長岡郵便局同様、業者が大量のダイレクトメールを郵便局に持ち込み、局員が正確な数を確認しないまま、業者の申告に基づいて実際よりも少ない額の料金を受け取っていたケースのほか、規則に反して不正に割引していたものもあったということです。
朝日読売で徴収漏れの金額や対象の郵便局の数に違いがあるので調査中です。

 職場にはチェック体制があるのですから、個人的な犯行というよりは局単位で「○月は何件受注必達」のような目標設定があって、それを達成させるために「職員ぐるみで割引」を容認せざるを得ない状況だったのでしょう。ヤマト運輸との競争が生んだ歪だと感じます。

 競争になると不正な割引をしてまで目先の獲得件数を追いかけるのは、表面化しないだけでどこの業界でも起こってしまうことなのでしょうね。その典型が「新聞」ですよ。
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2006年05月10日

ヤマト運輸 今度は海運にも進出!

 ヤマト運輸と日本郵船が業務提携というニュースが飛び込んできました。
 
 宅配便最大手のヤマトホールディングスと海運最大手の日本郵船は資本・業務提携する。ヤマトの国内トラック網と、郵船の船・航空機による国際輸送網を組み合わせ、陸、海、空運の一貫輸送体制を築くそうです。物流市場では日本郵政公社が国際物流に参入するなど競争が激しくなっています。ヤマトと郵船が首位連合を組むことで、陸海空の垣根を超えた物流再編が一気に加速する予感がします。
 ヤマト運輸グループの持ち株会社、ヤマトHDと日本郵船はまず、5月末をメドに資本提携。ヤマトHDが郵船に1%弱を出資するほか、郵船子会社の郵船航空サービス、日本貨物航空(NCA)にもそれぞれ1.5%、4.6%出資するとのこと。

 物流部門においても国際的な競争力が求められているのかなぁ…。いずれにしても他に追従を許さないヤマトの業務拡大のスピードは凄まじい。
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2006年04月27日

問題点を分けて考えなければならないのですが…

 いろいろな問題がダブってしまい…きちんと問題点を分けて考えなければならないのですが、うぅ〜ん…。「報道に法規制は不要」vs「宅配網維持のために特殊指定は必要」。問題は違いますよ!でもねぇ。きちんとした論調を主張するならば、やはり両論併記の原則を守ってもらいたいものです。

衆院特別委参考人質疑
「報道に法規制不要」国民投票法案で新聞協会
 衆院憲法調査特別委員会は27日午前、全国の報道機関が加盟する日本新聞協会の樽崎憲二編集小委員会(読売新聞東京本社編集局次長)ら三氏を招いて参考人質疑を行い、憲法改正手続きを定める国民投票法案の焦点であるメディア規制について意見を聞いた。
 樽崎氏は「報道・評論にかかわる法的規制は必要ないというのがわれわれの立場だ」と強調。その上で「憲法は二十一条で言論、表現の自由を保障しており、メディア規制条項は現行憲法の精神にも反するのではないか」と指摘。与党が法案骨子案に盛り込んだ自主規制規定についても「取材報道活動を萎縮させ、活発な憲法論議を妨げる恐れがある。容認できない」と反対を表明した。
 同小委副委員長の石井勤朝日新聞東京本社編集局長補佐は「穏やかな規制でもいったん法律に盛り込まれると必ずそれを振りかざした議論が出てくる」と危険性を強調。同小委委員の藤原健毎日新聞東京本社編集局総務も反対の立場を強く打ち出した。
 一方、樽崎氏は憲法論議における報道の役割について「幅広い判断材料を国民に提供するのが使命だ」と強調した。(4/27付、河北新報夕刊より引用)


その他、共同通信の配信を徳島新聞東奥日報のWebサイトにアップされています。

参考人の発言要旨 衆院憲法調査特別委員会
 27日の衆院憲法調査特別委員会での参考人発言要旨は次の通り。
 楢崎憲二日本新聞協会編集小委員会委員長(読売新聞東京本社編集局次長) 報道機関は幅広い判断材料を国民に提供するのが使命だ。報道・論評にかかる法的規制は必要ないというのがわれわれの立場だ。憲法は21条で言論、表現の自由を保障しており、メディア規制条項は現行憲法の精神にも反するのではないか。自主規制の訓示規定であっても取材報道活動を委縮させ、活発な憲法論議を妨げる恐れがある。容認できない。
 石井勤同小委副委員長(朝日新聞東京本社編集局長補佐) 緩やかな規制でもいったん法律に盛り込まれると必ずそれを振りかざした議論が出てくる。
 藤原健同小委委員(毎日新聞東京本社編集局総務) 自律的な判断を信頼、信用してもらいたい。報道の公正さは規制から生まれるものではない。


まさに
 新聞業界ってオモシロイ!?
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2006年03月16日

「特殊指定」の堅持求める 新聞協会が特別決議

 3月15日、社団法人日本新聞協会(会長は毎日新聞社の社長 北村正任氏)は東京都内で会員総会を開き、公正取引委員会に対して「現行の新聞特殊指定の堅持」を求める特別決議を採択しました。
これまでも、同協会では「特殊指定プロジェクトチーム」を設置、特殊指定維持に取り組んでいます。

 決議は「特殊指定の見直しは、特殊指定と一体である再販制度を骨抜きにする。販売店の価格競争は戸別配達網を崩壊に向かわせる」とした上で「その結果、多様な新聞を選択できるという読者・国民の機会均等を失わせることにつながる」と訴えています。
 決議採択後、北村会長は「他の物品と同じように価格競争にさらし、生き残るものだけが残ればいいというものではない」と新聞が果たしている公共的な役割を強調しました。

 また、日本新聞販売協会も同日、「戸別配達制度は新聞社、販売店が一体となって長年にわたって築き上げてきたもので、多くの読者は制度の継続を望んでいる。特殊指定の改廃は、戸別配達制度の崩壊を招く」という中畦光行会長(毎日新聞販売店)の談話も発表されました。

 新聞業界あげての総力戦。悲しいかな“そこに読者はいない”のです。もっと編集と販売が協力をして読者の声を伝えられる体制や、信頼される紙面づくりに取り組めれば、もっ違う展開が出来るのでしょうが…。

【関連記事】
読売新聞  朝日新聞
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2006年03月15日

政治的力で推し進めるしかできないのだろうか

 埼玉県の新聞販売店連合に続き、北海道内に本社・支社を置く日本新聞協会加盟の新聞社(9社)が、特殊指定の堅持に関する請願を採択するよう北海道議会の全5会派に要請しました。
 「北海道は過疎地もあり、新聞の宅配制度を維持する要請趣旨は大いに理解できる」と議員の方々も請願採択に前向きのようです。

 特殊指定の存置をめぐって、社団法人日本新聞協会社団法人日本新聞販売協会日本新聞労働組合連合などの団体が、声明発表や公取委との「対話」を行なっていますが、自民党の有志議員で作る新聞販売懇話会や今回のような議会への請願など、政治力で特殊指定の存置を推し進める動きが気になります。

 政治家いわゆる権力側に新聞経営陣は擦り寄ってよいのだろうか…。なりふり構わぬ行動が、国民の目にどう映っているのか考えないのでしょうか。もっと国民の利益につながるような規定をいまの制度に追加事項として盛り込んだ逆提案を求めたいのですが。



posted by 今だけ委員長 at 13:42 | Comment(3) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2006年03月11日

ヤマトとドイツポスト 合弁でDM企画会社を設立 

 ヤマト運輸の持ち株会社であるヤマトホールディングスは、国際物流事業会社のドイツの郵便会社ドイツポスト・ワールドネット傘下のDHLグローバルメール・ジャパン(東京)と合弁。ダイレクトメールの効果的な送付方法を企画提案、市場調査などを手がける新会社「ヤマトダイアログ&メディア」を4月に設立すると3月10日に発表しました。本社は東京で、資本金1億円。出資割合はヤマトが51%、ドイツポストが49%を出資する。3年後をメドに売り上げ100億円を目指すとのこと。

 ヤマト運輸の小倉社長は「メール便市場はさらなる成長が期待できる」と語っています。ヤマトホールディングスは一千億円のDM事業の売り上げを五年後には1.5倍にまで引き上げたい考えを示唆しています。


 ヤマトは郵政民営化による新会社設立を見据え、競争激化に備えて事業拡大を着々と進めています。今回の新会社設立も「クロネコメール便」の売り上げ増につなげるのが狙い。流通産業の2極化はさらに進み、劇的な事業の統合が展開されようとしています。

 中小の流通会社は、ヤマト、郵政新会社の「下請け、孫受け」の作業受託により、これまで以上の「低コスト(低賃金)」を強いられることは必至です。

posted by 今だけ委員長 at 11:05 | Comment(2) | TrackBack(1) | 時事ニュース

2006年03月04日

自民党新聞販売懇話会 ネット検索では扱いを操作…

 自民党の有志議員で作る新聞販売懇話会が3日、東京・永田町の自民党本部で開かれました。

 公正取引委員会が昨年11月に見直しを表明した「特殊指定」について、公取委や日本新聞協会、日本新聞販売協会(日販協)との意見交換。出席した議員からは「国民は宅配制度を望んでいる」「活字文化を守るためにも必要だ」との“見直し反対”の意見が相次いだようです。

 ちょっと気になったのが、『自民党新聞販売懇話会』をMSNヤフーなどのポータル検索でのトップビューとグーグル検索によるトップビュー(3月4日11:30現在)。

これもひとつの情報操作?
posted by 今だけ委員長 at 11:54 | Comment(3) | TrackBack(1) | 時事ニュース

2006年03月01日

ヤマトと郵政新会社  二極化がすすむ物流業界

 おととい「ヤマト運輸と西濃運輸が新会社設立」のエントリーを立てたばかりですが、郵政の民営化に端を発し、流通業界は物凄いスピードで「新規業務の拡大」が進んでいるようです。

 まずは、郵政公社が「メール便」に参入。ヤマトとのし烈な戦いが拡大!日本郵政公社がポストに投函できて、どこまで運ばれたかも追跡確認できる「簡易小包(愛称・ポスパケット)」を4月1日から始めると発表しました。新聞販売店でも取り組んでいる「メール便」の配達業務は、ヤマト運輸はその8割の物流を抑えていますが、民営化を控えた郵政公社の参入でまた新たな競争が繰り広げられようとしています。
 ネット回線普及の時にあった“ヤフーBBが先手を打ったものの、いずれ巨人NTTが攻勢に立つ”という構図になるのかなぁと感じます。

 一方、ヤマトは高島屋の物流業務全般を受託ヤマト運輸が、百貨店最大手の高島屋と物流業務全般を受託したと発表しました。宅配業務だけでなく、包装や伝票添付、クレーム処理、卸業者の納品確認、売り場への配送なども請け負うということです。
 大量消費の時代、大量に在庫を抱えなければならないスーパーや百貨店は、できるだけ物流費を削減したいーというニーズに“クレーム処理”や“納品確認”のオプションまで付くのなら有難いでしょうね。物流業界は「ヤマトと郵政新会社の二極化」の様相が見えてきました。
posted by 今だけ委員長 at 19:52 | Comment(2) | TrackBack(1) | 時事ニュース

2006年02月27日

ヤマト運輸と西濃運輸が共同出資会社を設立

 ヤマト運輸(小倉 康嗣社長)と西濃運輸(田口 義隆社長)が、企業間物流を請け負う共同出資会社「ボックスチャーター」を3月中に設立する方針を明らかにしました。新会社は製品を生産拠点から倉庫や販売店まで定期的輸送を請け負い、実際の輸送は、東京―大阪間など幹線部分は西濃運輸が担当し、幹線から配達先までは両社が分担して届けるとのこと。株式の比率はヤマトホールディングスが85%、セイノーホールディングスが15%を出資し、社長はヤマト運輸側が担うようです。
個人向けの宅配便を主力商品としてきたヤマト運輸ですが、日本郵政公社との競争が激しくなっており、企業間物流事業への進出で新たな収益確保を目指すとの報道がされています。

 流通部門において巨大化するヤマト運輸ですが、並み居る業者の価格競争に左右されず夜間配送などの利用者ニーズに合わせた営業態勢が功を奏したように思います。しかし、夜の10時に宅配便が受け取れるというニーズが新たな雇用を生み出すとは限りません。事業の拡大によって若干従業員(ほとんどがアルバイト)も増えているのでしょうが、労働者の超過勤務によって「時給変わらずとも生産性をあげる」ことが支えられているのです。

 広がる「格差社会」。業界をリードする企業が雇用の安定と向上に取り組まなければ、利用者のニーズも消費力すらも縮小していくのだと感じます。
posted by 今だけ委員長 at 13:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2006年02月25日

全下野労組の印刷部門別会社化争議『苦渋の末、地労委あっせんで収束』

 栃木県にある下野新聞社と全下野新聞労働組合の争議(印刷部門の別会社化と印刷部員組合員の転籍)が、24日に開かれた労働委員会の第3回あっせんで、収拾の方向に向かっています。労使間で、会社の新会社設立、転籍者募集、新会社での社員採用に対して、組合が異議を述べないことや、転籍者の労働条件については今後協議し、年収ベースのカット幅を最大17%にするなどの協定書に調印。細部の調整については、今後の団体交渉などで決めていくとのこと。
詳しくは全下野労組ブログ「闘争日誌!」を参照してください。

今回の争議を少なからず支援をしてきた側からすると複雑な気持ちですが、自分たちの労働条件を自分たちで決定し、自分たちで運営する労働組合(執行部)の決断なのですから尊重したいと思います。大変お疲れ様でした。今後の条件整備に向けて更なる団結を願ってやみません。

この争議を通じて、個人的に2つの問題点を考えさせられました。
ひとつは「労働協約とは社外でどの程度の効力があるのか」という点です。労働法の概念自体が「資本の原理」や「格差社会」によって弱まってきているのではないかと感じています。今回の争議で同労組が宇都宮地裁に対して「会社側計画撤廃」仮処分申請を行ないましたが、宇都宮地裁の判断は「会社が十分に組合に説明すれば、組合の合意はなくとも構わない」という解釈を示しました。労働協約はそれぞれの労使間の憲法のような位置づけなのですが、会社分割制度(商法改正により2001年4月施行)などの法改正によって、企業に働く人達は「持ち株会社」に支配され「子会社の社員」になってもおかしくないという企業側の理屈によって、私たち労働者の権利が徐々に後退して行くのではないかという不安は拭えません。

ふたつ目は、「新聞社の印刷部門の切り離し別会社化の更なる加速と資本独立の意義が危ぶまれる」という点です。新聞社の印刷部門を別会社にするという動きは全国的に広がっています。東北でも福島民友新聞社(転籍)、河北新報社(出向)が、すでに印刷部門を別会社として稼動させており、今年4月から秋田魁新報社(出向)も別会社を設立し印刷業務を移管させるようです。
新聞は取材、印刷、宅配それぞれの工程を辿ってひとつの商品となるわけですが、宅配に加えて印刷部門までも別会社となると新聞社の意に反して輪転機が回らないという事態も起こり得るのではないかと心配します。「別会社とはいえ経営権は有している」と経営側は語るのでしょうが、例えば印刷会社に別な労働組合が組織されストライキが行なわれた場合なども想定されるわけです。印刷会社の従業員として採用される方々が「新聞の使命」をどれだけ認識できるのかは未知数ですし、これまで読者に提供してきた新聞の流通の質的向上にはつながらない思います。
また、新聞社資本の印刷会社も稼働率を上げようと印刷物の受注をめぐって、既存の印刷業社との軋轢も起こりえるでしょう。

【全下野新聞労働組合のコメントから】
 我ら敗れり、しかし倒れず。組合再生、経営民主化、新聞印刷と印刷の仲間を守る・・・この言葉を噛みしめて、進んでいくことをここに表明します。

 噛み締めましょう・・・

posted by 今だけ委員長 at 12:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時事ニュース

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