2011年01月18日

リクルートのチラシ宅配サービス「タウンマーケット」がサービス終了

 2008年3月にリクルートがサービスを開始した「登録型」の無料チラシ宅配サービス「タウンマーケット」が2月25日発行号でサービスを終了することになったようです。

▽タウンマーケット・宅配サービス終了のお知らせ
http://www.recruit.jp/info/info20110117


 創刊からちょうど3年。小ブログでもその可能性についていろいろ考察してきましたが、サービス終了に至った理由を考えると、@売出し日を重視する媒体だけに週1回の宅配ではスポンサーの要望に応えきれなかったA宅配コスト(チラシ封入や宛名付け作業含む)を上回る利益が確保できなかったB総体的に折込広告(チラシ)の総量が縮小してきた―といったところでしょうか。
 リクルートは「近年の情報入手の動向として、WEBやモバイル・スマートフォンなどの利用が著しく増加。地域のチラシについても、インターネットやスマートフォンで見たい、という方が増えてきていることなどから、今回のサービス終了を決定致しました」と説明し、今後はタウンマーケット・WEBサービス(チラシ閲覧サイト『Town Market』)でサービスを継続するとしています。電子チラシについては既にDNPのオリコミーオ!、凸版印刷のShufoo!(シュフー)と大手印刷会社が展開していますが、印刷会社では新聞折込用のチラシとして印刷を受注しているスポンサーへの「付加価値」として、チラシのPDF画像を独自の「チラシのポータルサイト」へ提供しているだけであって、経費も掛らないのですが収益的に単体でビジネスになるとは思えません。

 いずれ、内需拡大のための広告産業が全体的に下落傾向であるために、消費が上向かなければ何をやっても仕組化されないというジレンマもあります。一方で、バブル期の消費動向が再来するなどと期待している人はいないと思いますが、ビジネスはチャレンジすることをあきらめた時点で下降線を辿るだけ。新聞販売店も読者からの信頼を最優先にしながら、果敢にチャレンジしていくしかないのです。
* * *
 リクルートつながりで先週末にはこんなネタもありました。
▽R25、大阪・名古屋版発行へ リクルートの無料情報誌(asahi.com 1月14日付)
http://www.asahi.com/business/update/0114/OSK201101140103.html


 若手男性向け無料情報誌「R25(アールニジュウゴ)」を、今月20日から大阪と名古屋でも発刊するとのこと。著名人のインタビュー記事やコラムなどは首都圏版と同じだそうですが、地域イベントなどは別版で掲載されるのだそうです。大阪版は7万部、名古屋版は3万部を発行。

 フリーペーパー業界も広告不況に苦しんでいて、R25は週刊から隔週へ、主要駅の留め置きスペースも縮小する一方で、全頁をウェブ版で提供したことなどから、「紙媒体の発行を止めるのでは」と囁かれていましたが、ナント勢力拡大です。すばらしい!

 以前、リクルートの方に夕刊の販促用(夕刊の定期購読者に毎週木曜R25・L25を折り込む)として「夕刊折込で配るから宅配版R25を仙台で展開できないか」と相談したことがあったのですが、その際に「うちはいいけど新聞社(広告局)から嫌われているからなぁ」とポツリ…。結構イケると思ったのですがペンディングしてしまいました。


 新聞の付加価値とは、宅配制度だとか本紙以外の特集号だとか、販売店からの云々というものだけと決めてかかると読者とのズレは広がるばかり。顧客のロイヤルティを高めるために何を提供するのが効果的か。流通部門は常に消費者目線で考えていかなければなりません。

▽電子チラシを考えてみる
http://minihanroblog.seesaa.net/article/68850396.html
▽リクルート チラシ広告を狙う
http://minihanroblog.seesaa.net/article/111636803.html

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2010年12月25日

日刊紙2010年総発行部数が23年ぶりに5000万部割り込む

 日本新聞協会経営業務部がまとめた「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」(2010年10月現在)の調査結果によると、スポーツ紙、業界紙を含む総発行部数は前年を103万991部(▲2.0%)下回り4932万1840部となったそうです。5000万部を下回ったのは1987年以来23年ぶり。
 発行部数は6年連続でマイナスしており、昨年と今年は100万部以上の減紙となりました。なかでもスポーツ紙の減紙幅(▲5.9%)が大きく10年連続のマイナス。地区別では人口動態や全国紙の進出具合にもよりますが沖縄県の落ち込みが最も大きく(▲6.9%)、次いで東京、大阪など大都市圏が続いています。


日本新聞協会ホームページより
▽2010年日刊紙 総発行部数4932万1840部
http://www.pressnet.or.jp/news/headline/110101_947.html


 新聞協会経営業務部はこのほど、2010年10月現在の「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」調査結果をまとめた。総発行部数は前年比(以下同)103万991部(2.0%)減の4932万1840部だった。6年連続の減少。2年連続で100万部以上減った。5千万部を下回ったのは、1987年以来23年ぶり。
 調査対象は、協会加盟の120紙で、内訳はセット38紙、朝刊単独68紙、夕刊単独14紙。前回の調査後、夕刊を休刊した北日本(09年12月末)と岩手日報(10年6月末)が朝刊単独紙に移行した。
 また、夕刊デイリーが09年12月に入会。一方、奈良日日が10年6月末で退会した。内外タイムス(リアルスポーツ)は09年11月末で除名となった。10年10月末で退会した日本繊維は、調査対象に含まれている。
 一般紙は1.6%減で6年連続、スポーツ紙は5.9%減で10年連続の減少となった。スポーツ紙は10年間で最大の落ち込み幅だった。
 セット部数は5.8%減で、20年連続の前年割れ。朝刊単独は0.4%減。夕刊単独は3.3%減だった。
 地区別にみると、昨年に続き全地区で減少した。沖縄は減少率が最も大きく6.9%減。以下、東京(3.5%減)、大阪(3.2%減)、四国(3.1%減)と続き、他の地区も2.3〜1.2%減少した。


 1世帯当たりの部数は0.92部で、3年連続で1部を割った。あくまでも各社の公称部数をカウントしたものなので、実際にはどの程度の世帯普及率(発表では0.92部)なのか確認するすべはありません。新聞社が提供する記事はネット上やテレビ、ラジオなどを通じて広く発信されていますが、媒体力をはかる指標はやはり発行部数。その部数を伸ばすために競争が生まれ、並行して無駄も生じるものです。発行部数の増減が販売収入はもとより広告収入に大きく影響を及ぼすわけですが、ホテルやファミレスへ無料(安価)で新聞を届けてまで(部数のかさ上げをして)部数維持が図れる資本力のある新聞社が値上げもせずに我慢比べをしている一方、体力のない新聞社は身を削り廃刊だけは免れようと、言論機能だけは維持させようと踏ん張っているのです。

 大新聞社の「赤字決算」が紙面を賑わせていますが、単年度赤字を計上したとてまだまだ潤沢な内部留保を抱えている新聞社も少なくありません。逆に小さいながらも地域住民から親しまれている新聞社こそ、年々深刻な問題に直面しているのだと感じます。そのような地域紙は従業員の労働条件もすこぶる高いわけではないのだから、値上げをお願いしても理解されると思うのですが…。それとも大新聞社と資本提携をして生き残りの道を模索するのも言論機能の維持のための手段だと思います。

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2010年12月17日

特定支出控除の経費に「新聞代」が加えられた

 「企業は軽く、個人に重い税負担」と受け取れる2011年度の税制改正大綱が16日、閣議決定されました。なかでも新聞産業に関係あるものとしては、個人所得課税の特定支出控除の経費として「新聞代」が加えられることになりました。すでに11月9日の時点で政府税制調査会が特定支出控除へ新聞・図書代を加える方針であることは各メディアで伝えられていましたが、きのう、確定されたわけです。

 特定支出控除を調べてみると、サラリーマンは年間65万円の給与所得控除が認められおり、通勤費、引っ越し費用、技術・知識習得の経費、スーツ代など、サラリーマン業としての年間経費(65万円)とその支出項目が定められています。いわゆるサラリーマンの給与収入から特定の支出額を差し引いて税金を安くすることができる「特定支出控除」の対象に、新聞代が加えられたということです。


▽国税庁HPより
給与所得者の特定支出控除
 [平成22年4月1日現在法令等]
 給与所得者が次の1から5の特定支出をした場合、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、確定申告によりその超える金額を給与所得控除後の金額から差し引くことができる制度があります。
 これを給与所得者の特定支出控除といいます。
 この特定支出とは、給与所得者が支出する次に掲げる支出のうち一定のものです。
1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの
3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
4 職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出
5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの
 なお、これらの五つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られます。
 また、給与の支払者から補てんされる部分があり、かつ、その補てんされる部分に所得税が課税されていないときは、その補てんされる部分は特定支出から除かれます。
 この特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
 その際、特定支出に関する明細書及び、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付又は申告書を提出する際に提示してください。
 なお、以上の書類のほかに給与所得の源泉徴収票も申告書に添付してください。
(所法57の2、所令167の3〜167の5)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1415.htm
※そのほか、特定支出控除に関する記事
▽給与控除、年収1500万円上限案 政府税調が最終調整(asahi.com 11月26日)
http://www.asahi.com/politics/update/1126/TKY201011250589.html
▽新聞代も控除対象に サラリーマン「特定支出」(YOMIURI ONLINE 11月10日)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/manda/20101110-OYT8T00263.htm


 もともと利用者が極めて少ないと言われる同制度に、突如として新聞代が加えられたことへ疑問を投げかける評論家も少なくありません。「新聞業界のロビー活動だ」、「民主党が新聞社に餌を与えた」、「スポーツ紙も対象になるのか」などネット上ではこうした意見も出ています。もちろん新聞紙面には掲載されるはずもありませんが…。
 私が思うに、新聞業界が求めている(新聞購読料の)消費税の軽減税率の適用が認められないから、その落とし処として特定支出控除に加えたとも考えられすが…。うぅーん。でも“自己利益のためなら権力をも動かす新聞業界”なのでそれはないか…。
 そうだとすると(これも勝手に)、すでに新聞は高所得者しか読まない商品になったからとは言いませんが、今回の税制改革でこれまで高所得者に有利な給与所得控除に上限を設けたので、その見返りとして「新聞を定期購読」、「図書も中古ではなく新刊を購入」など必要経費が多い方への控除対象を拡充したとみるのが現実的でしょう。宝くじで3億円が当たるよりも稀な年間で10人足らずの超高所得サラリーマンが申告している制度なのですがね。

【追記】
 日経の図解がわかりやすく書かれています。読売や共同配信の地方紙など今回の改正に伴い「新聞も対象に・・・」との小見出しをつけて取り上げているところが目立つなか、朝日は1行も「新聞も」という表記は使っていません。なぜなのか?
▽特定支出控除、新聞など゙も対象に(日経web刊 12月17日)
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819481E3E4E2E0E28DE3E4E3E0E0E2E3E29797E3E2E2E2;bm=96958A9C93819481E3E4E2E39F8DE3E4E3E0E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

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2010年12月03日

新聞販売店のインフラ機能の活用法とは

 毎日の販売店も実験とはいえよく引き受けたなぁ―というのが第一印象でしたが、業界紙にこんな記事が掲載されていました。


毎日とファミマ 商品宅配実験「買い物弱者」に貢献
スキャン.jpg 毎日新聞社とファミリーマートは、共同で商品の宅配実験を実施することで合意し、25日発表した。ファミリーマートの店舗で商品の注文を受け、配達業務などを毎日新聞の販売店が担当する。食料品をはじめとした日常の買い物が困難な「買い物弱者」への貢献も期待される。
 12月に大阪、堺両市内の毎日新聞販売店14店舗とファミリーマート直営8店舗で実験を開始する。当面は、店舗近隣にあるオフィスへの昼食の配達から始め、その後、お年寄りなど個人宅への宅配も行う計画になっている。
 両社はCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)のTポイント提携企業で、毎日新聞社は地域に密着した販売店の活性化、ファミリーマートは店舗以外での新たな販売チャネルの構築を目指す。
 経済産業省の「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書」によると、日常の買物が困難な状況にある「買物弱者」は約600万人と推計され、増加傾向にある。農村部での過疎化による商店の撤退、都市部での外出困難な高齢者の増加などによるもので、都心部のオフィス街でも、昼食などの買い物に不便を感じている人が多いという。
 このため両社は、双方が持つインフラを活用した宅配事業を通じて、買い物の不便解消に努めることにした。(新聞通信 11月29日付より引用)

 シミュレーション図によると通常通信販売との差別化ポイントとして「配達員によるダイレクトコミュニケーション営業可能(確実に商品が届く→消費者の安心感)」と表記されていますが、販売店からすると新聞配達のインフラには乗せられないので、専業スタッフの活用がポイントになりそうです。専業スタッフのコミュニケーション力というか「サザエさんの三河屋(サブちゃん)のようになれる人材がいるかどうか」という問題もあります。最近、新聞販売店が「貢献」という言葉を必要以上に使っているように感じますが、労働力への対価が支払われる以上、貢献ではなく儲けがなければ仕組化されません。
 もうひとつは「営業およびパンフレットポスティング」によって(販売店側が)どの程度の注文が取れるのかは未知数。毎日1,000円程度の食材(弁当2つに飲料水)を届けて手数料200円では割高感が強い。といってコンビニで1週間分の食材をまとめ買いができるはずもない。コンビニで取り扱う商品のほとんどはバイクに積載できるので、一度に4〜5件分の配達は可能かもしれませんが…。

 前述したように新聞配達のついでに届けることも可能ではないかというのは机上の理論。販売店とコンビニが併設すれば作業効率もあがると思いますが、薄利(配達手数料)であれば多売するしかないわけです。その需要があるのかどうか、24時間営業が売りのコンビニの優位性が発揮されないなど課題もまだまだありそうですね。

posted by 今だけ委員長 at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年11月29日

著作物再販制の見極めは… 公取委、著作物再販協議会を廃止

 著作物再販売価格維持行為(以下、著作物再販制)の「当面存置」を公正取引委員会が発表した2001年3月23日から9年経過しました。この間、「当面存置」としたものの著作物再販制の弾力的な運用と価格設定の多様化など、各業界の進捗を監視することを目的に公取委が立ち上げた著作物再販協議会が毎年開催(09年は未開催)されてきたのですが、同協議会は10月25日に廃止されたようです。今後は公取委が直接、著作物再販制対象の3業種に直接ヒアリングすることになるのだとか…。日本新聞協会HPから引用します。


著作物再販協議会:公取委発信.JPG再販協議会の廃止を了承【販売委員会】
 第540回販売委員会は11月18日、事務局会議室で開かれ、著作物再販協議会の廃止に関する報告を了承した。このほか、各地区新聞公正取引協議会委員長から、新聞週間中に街頭や大学で試読紙配布を実施したとの報告があった。
 著作物再販協議会については10月25日、公正取引委員会から新聞協会に対し、協議会を廃止し、今後は毎年1回、新聞、書籍・雑誌、音楽用CDの3業種別にヒアリングを実施するとの申し出があった。
 同協議会は2001年、著作物再販制度が当面存置となったことを受け、制度の弾力的運用の取り組み状況について意見交換するために公取委が設置した。新聞社からの会員2人のほか、出版・音楽CD業界の代表者、大学教授ら有識者、消費者団体代表などで構成し、08年まで毎年1回開催していた。しかし、景品表示法の所管が公取委から消費者庁に移管されることが閣議決定したことを受け、09年以降は開催を休止していた。
 公取委は、今年度中に1回目のヒアリングを開きたいとしている。来月度の委員会までに、在京6紙と地方紙から各1人、計2人を出席者として決める。

http://www.pressnet.or.jp/news/headline/101118_904.html
 この協議会は「著作物再販制の廃止を推進する学者や消費者団体のガス抜きの場」として公取委が立ち上げたという話が一部で囁かれていましたが、これまで8回の議事録を見ると、新聞側の答弁内容は著作物再販制の必要性をさらに補完するというよりも、産経新聞社などが時代の変化にあわせて「業界の既得権」を打ち破る動きが強まり、「牛歩」ながら規制緩和を推進せざるを得ない状況に進んできたと分析されます。
 「10年サイクルで必ず公取委は再販問題を持ち出してくる」とは、山田健太氏・専修大准教授の弁。音楽用CDも書籍・雑誌もそのコンテンツがネット上で流通される時代にあって、公取委からすると著作物再販制全面廃止の障害は『新聞』だけなのでしょう。
 今回の協議会廃止は、規制緩和の最終章として著作物再販制の廃止に動き出したのか、もしくは廃止せずとも販売や広告収入が大きく落ち込み苦境に立たされている新聞産業界を横目に、協議会運営という無駄な労力をかけなくなったのか…。どのような見極めを公取委はしているのでしょう。


 以下に新聞労連産業政策研究会の第二期報告書「新聞2009 明日への道標」から、「著作物再販制度―新聞の流通・取引慣行の弊害是正について」から、著作物再販協議会に関する一部記述と資料を引用します。

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2010年09月02日

朝日新聞の「学割」は、実験というレベルにあるのか疑問

 朝日新聞社が今春に実施した「学割キャンペーン」に引き続き、「秋の学割キャンペーン」に取り組みます。


朝日が学割キャンペーン
 朝日新聞社は経済的負担が大きい学生を支援するため、9月1日から「秋の学割キャンペーン」を開始した。10年春に続く実験で、今回は実施地域をほぼ全国に広げた。購読料は春と同じセット2,500円、統合版2,000円。キャンペーンは11月30日に終了する。
 朝日新聞社は09年春に弘前大、同年秋から金沢大で学割の実験を開始した。10年春には対象地域、大学を広げ、首都圏19大学、東北地方、茨城県の4大学、大阪本社の統合版地区23大学、計46大学で実施した。これらを踏まえ、大学生の就活シーズンが始まる10年秋にも実施対象、宣伝方法などを変えて引き続き実験し、効果を測定することにした。公正取引員会からは、新聞業の特殊指定告示にある「正当かつ合理的な理由」が認められるとの見解を得た。
 今回の実施地域は静岡、山梨、長野、新潟、富山、沖縄県を除く全都道府県。実施地域に居住している一人暮らし(寮を含む)の学生であれば、在籍している学校に関係なく学割で購読できる。大学生のほか、大学院生、予備校生なども対象になる。
 契約期間は1年だが、契約切れ後も学生であれば2回更新でき、最長で36カ月間学割価格となる。支払いは自動振込みかクレジットカード払いのみで、一時止め、途中解約はできない。現在、通常価格で契約している学生は契約満了後に学割契約に切り替えることが出来る。
 申し込みはこれまでの専用はがきに加え、インターネットからもできるようにした。ネットではアサヒ・コムや大学生が多く集まるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のサイトに掲載した広告から申し込める。専用はがきは、提携した大学の生協や購買会に配置する。一部地域では郵送のほか、ファクスによる申し込みも受け付ける。大学ではポスターを掲示するなどして宣伝する。(新聞情報9月1日付から引用)

 現場で拡張をしていると「朝日新聞を学割で購読(年間契約)しているので、新聞を切り替えるつもりはありません」という学生さんに出くわすこともしばしば。でも学割価格(ほかの新聞と比べて安いから)だから購読した学生がどの程度なのか知りたいものです。私が学生に話を聞いた限りでは「もともと(朝日を)購読しようと思っていたので、(学割により)安く読めてラッキー」という印象なのですが…。

 朝日は、公取委や同業他社に対するカモフラージュとして「実験し、効果を測定」としていますが、これまでなかった値下げも含めて部数拡大に向けた価格政策に乗り出したのではないかと感じています。

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2010年08月30日

新聞販売店のイメージが少しは変わるかなぁ 映画「おにいちゃんのハナビ」

 きのうの朝日新聞朝刊に映画「おにいちゃんのハナビ」の全面広告が掲載されていました。
 「映画の全面広告はこの時期珍しいなぁ」とよく見てみると、その広告には主人公であろう男性が「ASA」(朝日サービスアンカー:朝日新聞販売店)のジャンパーを着て、新聞配達用の自転車にまたがっている姿が…。下段を見ると「特別協力 朝日新聞社」となっていました。

 さっそく、インターネットで調べてみると…
http://hanabi-ani.jp/

 ticket[1].gifc 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会
 
 予告編を見ただけで、じんわりと涙が…。
 ストーリーを読んでみると、引きこもりの少年が社会復帰の第一歩として新聞配達のアルバイトを始める―という一節がありました。新聞配達という仕事はさまざまな事情で人とのコミュニケーションが苦手な人たちの「就労のセーフティーネット」という役割も担っていることを多くの方に知ってもらいたいと思います。


 9月11日から映画の舞台となった新潟県で先行公開のあと、25日から全国各地で公開されるそうです。
必ず見に行くぞ〜。


▽〈映画大好き!〉「おにいちゃんのハナビ」 白血病の妹支える兄 実話もとに(6月25日付アサヒコム)
http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY201006250331.html

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2010年08月16日

「金婚」ご夫婦の名前を掲載する紙面

 束の間のお盆休み。実家のある米沢市へ家族で帰省してきました。
 実家では地元の山形新聞と毎日新聞を購読しているのですが、けさの山形新聞はお盆期間中にもかかわらず、結構なページ数。広げてみると、結婚50年の節目を迎えた夫婦を祝福する「おしどり金婚さん」を4ページにわたって紹介していました。

山形新聞 金婚さん.jpg 「おしどり金婚さん顕彰事業」は山形新聞と山形放送の共催で1989年からスタートし、これまで5万8595組の夫婦を顕彰しています。喜びや悲しみを分かち合いながら家族、地域、さらに社会の今を築いてきた夫婦をたたえ、健康と長寿を祈念することが目的だとか。今年は1767組の応募があり、夫婦の名前を刻んだレリーフが進呈されました。確か西日本新聞社でも「金婚」の催しに取り組んでいたと思います。


 市町村別に夫婦の名前が4ページの紙面を使ってふんだんに掲載されています。これぞ地方紙ならではの新聞ファンづくりと感心しました。紙面に掲載された自分の名前や両親の名前を探すのはイイですよね。
posted by 今だけ委員長 at 22:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年08月02日

政権与党が新聞報道にクレーム?

 消費税論議で自爆した菅(感)も否めない民主党(山形県連)が先月29日、山形新聞社に対して報道が「不公平」だとする抗議文を出していたことが報じられました。
 抗議の内容は、参院選挙期間中の7日付け夕刊1面に掲載された自民党・小泉進次郎衆院議員来県の記事で、イケメン小泉議員の扱い(記事や写真)が均衡を欠いているというものと、15日付け夕刊に掲載された渡部昇一氏(上智大名誉教授)の寄稿記事で、民主党マニュフェスト(外国人の地方参政権、夫婦別姓制度、人権侵害救済法案)に対して、「国家の解体を促進する法案」などと書いていることにクレームをつけたようです。抗議を受けた山形新聞社はこれに当然反論し、「抗議を受ける理由はない」としています。


▽山形新聞に民主県連が抗議 参院選小泉議員の扱いに不満(J-CASTニュース7月29日付)
http://www.j-cast.com/2010/07/29072251.html?p=1
 民主党の山形県連が、山形新聞社に対して報道が「不公平」だとする抗議文を出していたことが分かった。参議院選挙の応援弁士についての記事などが「均衡を欠いている」と主張。一方の山形新聞社はこれに反論、「抗議を受ける理由はない」としている。
   抗議文は2010年7月23日に、山形新聞社に届いた。民主党山形県連会長の和嶋未希衆院議員によると、和嶋議員名義で、同社寒河江浩二常務取締役編集局長宛てに送られたという。


▽「山形新聞の参院選報道不公平」 民主県連が異例の抗議(河北新報7月29日付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/07/20100729t53011.htm
 民主党山形県連(会長・和嶋未希衆院議員)は28日までに、山形新聞社(山形市)の参院選についての報道が不公平だとして文書で抗議した。選挙報道をめぐって政党が報道機関に文書で抗議するのは異例。識者からは「政権与党らしくない対応だ」という指摘もある。


 「参院選で負けた腹いせ」と思うのは素人考え(という私も素人ですが…)。過去にあった山形県下の報道体制が繰り返されないようにと民主党県連幹部が“一石を投じた”と考えるのは素人の私だけしょうか?

 山形の首領、服部天皇と呼ばれ県内のメディアを牛耳っていた故服部敬雄氏(山形新聞・山形放送・山形テレビ・山形交通の社長会長を歴任)が現役のころは、それこそ自民党王国だったわけです。私の義父(米沢市在住)も今では山形新聞を購読していますが、それまでは服部体制が嫌で毎日新聞を購読していたほど。現在は“社長の血の入れ替え”もあって紙面は右派左派のわけ隔てなく編集されているように感じます。というか、産経新聞のようなものと言ってしまえば分りやすいし、自民党を称賛する記事を書いてもイイじゃないかという意見もあると思いますが、その当時はほとんどの地元メディアの経営に服部氏が参画していたので、それこそ地元メディアが総じて偏りすぎた時代があったのです。
 こういう言い方をすると山形新聞の方に怒られるかなぁ。でも同社の知人は「社内で天皇にたて突くと翌日には記者職から蔵王スキー場のキップきりへ飛ばされる」と語り、「書きたいことが書けない」と酒を飲むたびに嘆いていました。もう過去の話ですが。


メディア帝国の恐怖と貧困.jpg 「メディアの集中排除」を山形県内で訴え続け、多くの著書も書かれている相澤嘉久治氏と一度会って話をうかがう機会もありました。「地方紙や地方テレビ局は地元名士がオーナーという場合が多い。そうすると地方の住民は偏った情報しか得られなくなる。もしくは排除したいと思った人間を抹殺さえもできるのだ」と力説した相澤氏の言葉はとても重かった。いま、原口総務相が言及をはじめている「クロスオーナーシップの禁止」もこのような(特に地方の)メディア企業のあり方にくさびを打つものだと捉えています。


 そのようなことを考えながらムズムズしていたら、けさの河北新報(記者の視点)に同社山形総局の加賀山仁記者の解説記事が掲載してありました。実はこういう記事を待っていたのです。
 加賀山記者は今回の民主党山形県連の抗議について、「報道機関には批判を謙虚に受け止める姿勢が求められる。読者や視聴者が報道に意見するのも自由」と前置きをしたうえで、今回の抗議に3つの問題があると主張。@言論には言論で対抗するという原則を守っていないA民主党は政権与党であり(記事中の)野党や国民に厳しい批判を受けようと政策で応えていくのが筋B記事の妥当性より「どんな紙面を作るか」を問題にし、(民主党県連幹事長が)「表現の自由はもちろん理解している」と言うが、抗議の対象は編集権に向けられている―と解説しています。
 山形新聞が今回の抗議に対する記事を読んでいないので、どんな主張を展開するのか(したのか)興味のあるところですが、加賀山記者は「確かに、河北新報社が抗議を受けたわけではないが、記者として静観することはできなかった。ほかのメディアにも起こり得ると考えたから『他社のこと』を記事にした」とも述べています。
 このような署名記事を読者は待ち望んでいるのかもしれません。

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2010年06月11日

奈良日日新聞が週刊発行へ 「業務統合」も経営陣は元奈良新聞社のお歴々ばかりなので納得!

 奈良日日新聞社が7月10日付けで日刊紙としての新聞発行を終了し、週刊紙(毎週金曜日発行)へ移行するというニュースが入ってきました。奈良新聞社と営業部門(広告・販売)で業務統合をするとのこと。

 奈良市に本社を置く奈良新聞社(甘利治夫代表取締役)と奈良日日新聞社(藤山純一社長)は10日、営業部門を7月10日付で業務統合すると発表した。奈良日日新聞社は、日刊紙の発行をやめ、週刊新聞「WEEKLY  Naranichi(仮称)」を発行する。同社は日本新聞協会から脱退する方針。
 公称発行部数は、奈良新聞が約12万部、奈良日日新聞が約5万部。業務統合で広告などの売り上げ増を目指す。また、奈良新聞社から奈良日日新聞社へ有料で記事配信も検討する。「WEEKLY  Naranichi」は7月16日から毎週金曜日に8ページで発行する。(毎日新聞 6月10日付)

 新聞社同士の業務提携は印刷や流通のみならず記事配信でもオーソドックスになってきました。でも「統合」って?と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこには一人のキーマンの存在が浮かびあがってきます。

 現在、奈良日日新聞社の取締役相談役に就任している西島謹二氏。同氏は奈良新聞社の元社主(代表取締役会長)を務めた方で、阪神淡路大震災の義援金の使途不明問題が発覚し1995年2月に新聞協会を除名(同年10月に再加入)、辞任に追い込まれた方です。

 その西島氏は2006年9月、前年の11月末で休刊した奈良日日新聞社を復刊させる新会社の役員に就任し、現在も両社に強い影響力を持っているというわけです。
 つまり、奈良新聞社と奈良日日新聞社は社名こそ違えど、「西島ホールディングス」(ちょっと大げさですが)が2つの媒体を持っているため、営業部門での「統合」が可能だということになるのでしょう。
 ちなみに、奈良日日新聞社社長の藤山純一氏も元奈良新聞社東京支社長、論説委員を務めた方です。


 日刊紙として12万部を発行する奈良新聞社は、これまで通り全国紙と部数競争に励むのでしょうが、週刊紙となる奈良日日新聞はローカルネタに特化して日刊紙との併読や、新聞を読まない層をターゲットに売り込むことも考えられますね。しかし、内容や価格にもよりますが週1回(8n)発行だとフリーペーパーの域を超えられるのかどうかがポイントのように感じます。

▽新聞経営にモラルは求められないのか?(小ブログ 2006年10月14日付)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/25465399.html

posted by 今だけ委員長 at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年04月09日

流通部門を統合させ通信社化する新聞社

 全国紙と地方紙による印刷委託・受託が加速しています。
 今回は新潟日報に続き、北日本新聞社が読売新聞が富山、石川の両県で発行する新聞印刷を来年4月からスタートするというもの。
 北陸地方は冬場の豪雪などで新聞輸送の効率も悪いことから、「印刷、輸送、販売店」の流通工程の提携も視野に入れて取り組まれるようです。
 新聞産業の流通部門の統合がいよいよ本格化してきました。


▽北日本に印刷委託 読売新聞の富山・石川向け
 読売新聞東京本社(老川祥一社長)と北日本新聞社(河合隆社長)は、富山・石川両県内で配達している読売新聞朝夕刊の全部数を、北日本新聞社の印刷工場「創造の森 越中座」(富山市)で印刷することで基本合意し、6日、都内で両社長が合意書に調印した。朝刊約10万4千部、夕刊約5千部を来年4月から印刷を始める。富山県内の輸送協力についても今後、具体的な協議に入る。今回の委託・受託印刷は、読売にとって印刷体制の安定化とカラー紙面の充実による読者サービスの向上につながる。北日本にとっては、生産設備の有効活用が図れるメリットがある。(新聞情報 4月9日付)
 これまで富山・石川両県内の読売新聞の現地印刷は。96年から読売新聞東京本社が100%出資する「北陸オール印刷」(富山県高岡市)していますが、輪転機が1セットのみでトラブル発生時の不安を抱えていたこととあわせて、稼働から14年たった輪転機の更新も近づいていたことも印刷委託に踏み切った理由だと思われます。
 北日本新聞も4年前に48頁40個面カラーが可能な最新の輪転機を2セット投入したばかりで、昨年から夕刊を廃止した北日本新聞としては輪転機の稼働率をあげたいことろ。両社の思惑がピッタンコだったのでしょう。

 輪転機の更新時期にあわせて、印刷の委託・受託が行われてくることになると、新聞社だけでなく印刷会社(凸版やDNP)も含めた共同出資の印刷センター構想も浮上してきそうです。もちろん販売部門(宅配部門)にも同様のことが
起きてくるはずです。
 「新聞紙」を印刷・宅配して、読者から購読料を得ることで成り立ってきた新聞産業のビジネスモデルの流通部門が統合し、新聞社がニュース記事を取材、配信する「通信社化」していくのだろうと、あらためて思います。

posted by 今だけ委員長 at 22:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年04月08日

新年度でさらに加速する「編・販」業務提携

 新年度を迎えて新聞業界も編集・販売とも『業務提携』の動きが活発になっています。

 編集系では、朝日と読売が鹿児島県内の一部地域で記事相互配信に取り組むとのこと。

▽朝日と読売、記事相互配信 鹿児島県内一部地域で
 朝日新聞と読売新聞は3月31日、鹿児島県内の一部地域で、記事や写真などを相互に有料で配信することで合意したと発表した。地域取材網の強化と紙面の充実が目的。4月1日制作分から配信を始めた。対象地域は、朝日新聞鹿児島総局霧島支局管内の霧島市、伊佐市、姶良市、湧水町と、読売新聞鹿児島支局指宿通信部管内の指宿市、枕崎市、南さつま市、南九州市。記事は対象地域内の自治体が発表したもの、行事、話題もの、季節の写真ものなどに限る。掲載時は原則として「朝日読売地域取材特約」と記して、読者に配信記事と分かるようにする。両社は今回の連携について、対象地域内を含めて双方の独自取材を妨げるものではなく、紙面づくりの競争はこれまで通り続けるとしている(文化通信 4月5日付)
 取材拠点および人員体制の縮小化によって、販管費を抑え経営効率を高めようとの業務提携は、発表ものや季節の写真までとはいえ、朝日と読売の紙面に同じ記事が掲載されるという時代になってきました。新聞社の通信社化が進み、共同通信配信の地方紙と相互配信の全国紙という題字は違えど大きく分けて「2種類の新聞」という構図になっていくのかなぁとも感じます。

 販売系では、ANYではなく朝、毎、日経の3系統が神戸市内で共同配達に取り組むとのこと。京阪神地区の販売正常化の動きが加速したものと業界内では受け止められているようですが…。

▽朝、毎、日経が共同配達
 朝日新聞神戸販売、神戸毎日舎、日経神戸中央販売は3月17日、神戸市中央区の三宮、元町、ポートアイランド地区で、共同配達を行うことで合意した。
全国紙連合による共同配達の提携は、販売正常化時代の新聞販売のモデルケースとなる。共同配達は4月下旬にまずポートアイランド地区で始め、その後、三宮、元町地区へと順次拡大する。ポートアイランド地区は神戸毎日舎が受け持ち、三宮と元町は、朝日新聞神戸販売と日経神戸中央販売と神戸毎日舎がそれぞれ分担する。対象部数は3地区で合計約1万3千部の予定。委託店は受託店に対し、部当たりの配達委託料を払う。共同配達は、配達経費や店舗経費を削減することが目的。経営の効率化を図り、戸別配達網の維持・強化を目指す。また、互いに正常販売を順守し、共同ポスティングなど販売促進面での提携も進め、新聞事業のさらなる発展を目指す(新聞情報 3月24日付)
 3つの販売会社のうち、2社の経営者が同じであることから業務提携が進んだと思われますが、今だけ委員長がこの業界に入った20年前から浮上していた「配達の効率化」がやっと実現してきたのかなぁという気がしています。
 販売店間では共同配達を促進したいけれども、一番ネックになるのが発行本社の担当員だったりします。専売店政策下では「部数を増やすこと」以外に経営改善の道はないわけです。片務契約の問題でもありますが、販売エリアを限定される新聞特殊指定とも関係しています。

 あとは、即売の4月値上げも3社が実施しました。
 神奈川新聞、山陽新聞、函館新聞が1部売り定価を20円引き上げ、それぞれ神奈川(120円)、山陽(130円)、函館(100円)となりました。少しでも増収を図りたい気持ちは分かりますが、即売は昨年秋頃から相当な勢いで下落しています。値上げによる販売不振ではないと思いますが…。
posted by 今だけ委員長 at 23:01 | Comment(3) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年03月16日

朝日の即売値上げは5月に延期…?

 「新聞情報」からの引用で、4月から朝日新聞が1部売りを現在の130円から、20円引き上げて150円に値上げするというエントリーを書きましたが、5月からに延期されるとの情報が入りました。先のエントリーの値上げ時期を「4月から」を「5月から」へ訂正します。

 もうひとつ朝日新聞に関するネタですが、2月のABC部数で朝日が800万部を割ったことが速報されました。
 朝日新聞社販売担当で中央協委員長を務める飯田真也氏を中心に、販売正常化を推進する動きを強めている朝日新聞。産経新聞と同様に部数整理のタイミングを図っていたのかもしれません。朝日新聞では昨年末に販売店(ASA)との取引契約を新たに見直し、発行本社と販売店の権利と義務を明確化すると発表したばかり。
 「朝日新聞MEDIA DATA 2010」の公称部数が803万1579部ですから、2009年1〜6月平均部数から半年経過して3万部強(▲3.75%)の減紙。通常の企業で考えれば「その程度の浮き沈み」と取られるかもしれませんが、新聞業界は「創刊何周年」などの記念年に「何百万部達成」といった会社の歴史のようなものを背負っているものです。もちろんですが広告費(段単価)の価格設定の問題もあるため、定着した部数の御旗を取り下げることはそう簡単なことではありません。読売もナベツネさんがいるうちは1000万部を割れないのではないかと思います。

 押し紙によってかさ上げしてきた部数を正常化(適正化)できるのは、正直なところ経営者の判断しかありません。配達されることのない新聞をビジネスホテルやファミレスへ無償で提供して、あたかも配達先があるように見せかけて公称部数を守ろうとする販売政策では立ち行かなくなっていくのは当然のことです。
 顧客ロイヤルティをあげていくためにも新聞には「信頼」が一番大切なのだと思います。これは紙面だけではなく、売り方も同じことなのです。

 最近の業界の動きを見ていると、週刊ダイヤモンドで連載中の「ザ・メディア」に何となく近づいているように感じます。
posted by 今だけ委員長 at 19:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年03月15日

朝日が1部売りを20円値上げ

 日本経済新聞社が今年1月から1部売り価格を20円値上げしましたが、朝日新聞社も4月5月から値上げに踏み切るようです。


 朝日新聞社は4月1日から、1部売り価格を20円値上げし、150円とする。夕刊は値上げしない。近く、関係者に説明する。今年1月1日の日本経済新聞の朝夕刊20円値上げに続くもので、朝日の即売価格の改定は2000年の20円値上げ以来。
 神奈川新聞社も4月1日から、朝刊1部売り価格を16年3カ月ぶりに値上げし、100円から120円にする。同社はこの間、3度(うち、1回は消費税率アップ)、月決め購読料を値上げしたが、1部売り価格は据え置いてきた。(新聞情報3月10日付)

 スポーツ紙を中心に即売が売上不振にあえいでいるわけですが、今回の値上げが収益拡大策になるかどうか注目したいところです。日経は即売部数が多いので増収の可能性もありますが、朝日はどうなのかな?(たまたま同時期に神奈川新聞も20円値上げするそうです)

 確かにページ数で見れば各社が減ページをしているなか、朝日は「be」等の特集も多くページ数を維持しているので、原材料費(広告でペイできているとは思えない)はあまり減っていないと思われます。


 これまで「同調値上げ」との批判を受けてきた新聞業界ですが、護送船団方式の構図が大きく崩れ始めて、戦国時代の世を思わせるサバイバル時代へと変化してきたように感じます。他社(紙)との争いではなく、多メディア社会のなかで自社がどう生き残っていくか―。それぞれの新聞社の経営判断が大きく求められていくのでしょう。


【主要新聞の即売価格】
 ・朝日新聞=150円(45月から)
 ・毎日新聞=130円
 ・読売新聞=130円
 ・日経新聞=160円
 ・産経新聞=100円
 ・神奈川新聞=120円(4月から)


【追記】
 朝日新聞の1部売り価格の値上げが、5月からとなったため訂正します。
posted by 今だけ委員長 at 06:21 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年03月10日

印刷部門の合理化が意味するもの

 新潟日報の営業努力なのか、採算割れの印刷工場の縮小が加速したのか…。
 読売、朝日に続いて、毎日新聞の(新潟県内)印刷も新潟日報が受託することになりました。
 以下、YOMIURI ONLINEより引用。


 毎日新聞社は8日、新潟県内で配達している全朝刊約2万7000部の印刷を2012年春から新潟日報社に委託することで同社と基本合意したと発表した。
 両社は新聞の輸送協力についても協議中だ。
 毎日は現在、新潟県内で配る朝刊を群馬県高崎市の関連会社で印刷している。新潟日報への委託に切り替えて輸送距離を短くし、安定した輸送体制を確立する狙いがある。
 新潟日報は、読売新聞東京本社と10年秋から、朝日新聞社と11年春から、それぞれ新潟県向けの朝刊の一部の印刷を受託することで基本合意している。
(3月8日付  読売新聞)

 これまで新潟県内で発行する毎日新聞の印刷は、関連会社「毎日新聞北関東コア」(北関東コア)が行っています。毎日新聞、スポーツニッポン、聖教新聞、公明新聞などが主な印刷紙で、長野、群馬、埼玉(新潟)エリアの毎日系新聞を印刷しています。
 今回、毎日新聞を新潟日報へ委託(すでに聖教新聞は新潟日報で刷っている)するとなると、北関東コアの印刷収入がダウンすることに。実はこの北関東コアは群馬県の上毛新聞も出資しているので、本丸の毎日新聞が信濃毎日(長野)にも印刷を委託するようになれば、上毛新聞の負担増は免れないような気もします。

 輸送体制や販売店業務提携などは協議中とのことですが、輪転機(印刷センター)を建てることで、その近隣エリアを主戦場にして部数拡大を図ってきた販売政策を見直さざるを得ない状況になってきたということです。とはいえ、それぞれの印刷センターに働く人たちの生活もあるわけですから、「ソフトランディング」の基本姿勢で今後の印刷体制を考えてもらいたいものです。


 一方、新潟日報の印刷体制にも関心があります。新聞は「生もの」ですから、速報性は大きく求められなくなったにせよ、最新のニュースを朝刊に入れたいもの。高速輪転機が数台あるとはいえ降版時間がこれまでより繰り上げられるのではないかと思います。やはり地元紙ですから新潟日報の紙面を最終版にするのでしょうが、大手3紙にスポニチや聖教まで含めるとその降版時間の裁き方は容易ではないでしょう。輸送体制や販売店の提携による配達コストまで考えないと物流部門の効率化は図れませんから…。
 今後の動きに注目したいと思います。

posted by 今だけ委員長 at 06:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月25日

日経電子版が3月23日からサービス開始

 発表から約1年。いよいよ日本経済新聞電子版(WEB版)がスタートします。


 日本経済新聞社は24日、インターネットでニュースを提供する有料の「日本経済新聞 電子版」(Web刊)を3月23日に創刊すると発表した。
 すべての情報が無料だった「NIKKEI NET(日経ネット)」を見直し、一部の情報は購読料を払った会員のみが閲覧できるようにする。日経は「デジタル分野の強化で収益を上げていくことが不可欠だ」(喜多恒雄社長)と、紙の新聞以外の収益源にしていきたい考えだ。
 料金は、電子版のみの購読者が月額4,000円、日経新聞の購読者は月額1,000円。有料会員は、朝夕刊や速報用のすべての記事やコラムなどが見られる。
 約300万部の新聞を発行している日経は、電子版でも早期に約30万人の読者を獲得したいとしている。
(2010年2月25日  読売新聞)

 きのう行われた記者会見では、日経の喜多恒雄社長が「パソコンや携帯電話などデジタル機器に親しんでいる方々にも電子版を通じて良質なジャーナリズムを提供する」と語り、時事通信社も「(日経電子版が)活字離れが進む若年層などの需要を掘り起こし、業績が低迷する新聞業界の再生モデルとなるか注目される」と報じています。
 米国ではWSJ(ウォールストリートジャーナル)を追いかけるように、経営に窮する新聞社がオンラインニュースの課金システムを導入し、しのぎを削っています。「紙」そのものをやめてウェブ新聞へシフトする新聞社も出てきているのですから、日本のビジネスモデルとは大きく違うとはいえ、米国の新聞産業界の状況もも全く無視はできないかもしれません。

 さて、今回日経がスタートさせる電子版はビジネスモデルとしてどうか。ツイッターなどのメディアに書きこまれる反応はというと、「ひと月4,000円は高すぎる(新聞を購読していればプラス1,000円)」という意見が大半を占めているようです。日本人に「情報への課金」がどの程度浸透するのか興味のあるところですが、日経は電子版契約者のターゲット(いわゆる上流階級?)を絞っているので、フツーの生活者がどうこう騒いだところで「そんなの関係ない」といったところでしょうか。それでなくとも15年以上値上げしていない新聞社が企業資産(データベース)をデジタル化して「客単価をあげる」ことは、今後の新聞社の経営にとっても必要不可欠なことだと思います。

 「高い、安い」の論だけでなく、それに見合ったコンテンツが盛り込まれているのかどうか注視したいと思います。私も日経を購読しているので「プラス1,000円」をとりあえず申し込もうと思います。

 ツイッターではこんな“つぶやき”も・・・。

ume_maru.jpgume_maru 日経のWEB版が大分話題になってるようですが、既存の新聞社も既に記事検索データベースという課金モデルのベースは持っていますよね。産経アプリのようなものをイメージしてると高く感じますが、データベースを利用できると言う付加価値で考えれば決して高い料金では無い。



▽日本経済新聞電子版広報部サイト
http://pr.nikkei.com/
▽「メディア企業も技術を重視すべき」日経電子版でブロガーらが討論(日経ITPRO)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100225/345031/


追記】
▽「日本経済新聞 電子版」発表で感じる発想転換の難しさ(大西宏のマーケティング・エッセンス)
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51044738.html
日本経済新聞電子版の価格設定から透けて見える日経のホンネA Successful Failure
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20100224/1267021310

posted by 今だけ委員長 at 19:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月22日

とうとう… 電通「2009年日本の広告費」がリリース

 電通が22日、恒例の「2009年の日本の広告費」を発表しました。

 総広告費は5兆9,222億円で前年比11.5%減。注目すべきはこの不況下でもインターネット広告が前年比1.2%増の7,069億円と微増したことなのですが、予想していたこととはいえ新聞広告が6,739億円(前年比81.4%)と大きく落ち込み、ネット広告に追い越されました。
 マスコミ四媒体(5年連続前年比マイナス)のなかでも新聞広告の落ち込みは最も大きく、長年君臨してきた2位の座をネット広告に明け渡す格好になったわけです。

 電通の分析によると「広告収入の落ち込みは新聞社の経営にも大きな影響を与えており、相次ぐ夕刊廃止や新聞社刊の編集・印刷・輸送面での相互提携、ウェブや電子版の有料化、購読料の値上げなど、既存の枠組みを超えた合従連衡やコンテンツの有料化戦略など、業界全体として課題に積極的に取り組む動きが目立った」とありますが、先行している新聞社が取り組み始めたばかりで、全体的な動きにはなっていません。
 一方、インターネット広告費は、媒体費5,448億円の前年比117.0%(モバイル1031億円、検索連動(PC)1,710億円)、インターネット広告制作費1,621億円の前年比100.7%で、7,069億円(前年比101.2%)となりました。ツイッター効果も影響しているようです。


▽ネット向け広告費が新聞上回る 09年、全体の下げ幅過去最悪(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022201000452.html

▽電通広報部が配信したプレスリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010020-0222.pdf

posted by 今だけ委員長 at 23:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月11日

朝日新聞が佐賀、大分の夕刊廃止 1日2回のインフラがなくなると…

 朝日新聞西部本社が佐賀、大分県内で発行している同紙夕刊を3月いっぱいで廃止するとの社告が10日付朝刊に掲載されました。きのう昼過ぎに連絡が入っていたのですがアップするのが遅れました。

 社告によると「読者のライフスタイルや要望の変化」に伴う対応ということですが、採算が取れない地域は切り捨てられるという構図は、まさに市場原理なのでしょう。地方紙が完全セット販売をしていない地域では、夕刊の配達コストが大きな負担になります。あまりあてになりませんが昨年12月の日本ABC協会発表によると、佐賀765部(前年比▲83部・90.2%)、大分4,679部(前年比▲226部・95.4%)と、ほとんど採算ラインを割っています。購読層もおそらく市内中心部の官庁や企業関係で占められていると思います。
 これで朝日新聞西部本社管内の朝・夕刊セット版発行地域は、山口県(下関市)と福岡県、それに沖縄県(沖縄は福岡、東京から空輸するため、配達は13時ごろ)ということになります。


 これまで印刷拠点の建設とともに販路拡大を行ってきた朝毎読の全国紙(九州地区でば西日本新聞)。右肩上がりの時代では少々採算が合わなくても拡大路線を続けられましたが、ここ数年の夕刊廃止を分析すると(現在の形態では)すでに夕刊発行はビジネスとして成り立たなくなっていると言い切ってよいのではないでしょうか。


 個人的には、これからの新聞には速報性よりもニュースの解説などが求められてくると思うので、朝刊をやめて夕刊一本にしてはどうかと思うのですが、まだまだ日本人は「朝ポストから新聞を取って…」という習慣が強いのでムリかなぁ。折込チラシも「きょう10時から特売!」など速報性を求めるスーパー系チラシも多いので、やっぱりNGですね。


 販売店からすると夕刊の配達員をリストラしなくちゃいけないという問題もありますが、これまで早朝と夕方の2回(それも毎日)決まった時間帯にエリア内を(新聞配達で)巡回するというインフラがなくなることは、宅配(物流)網を生かした事業展開を進めづらくなると感じます。


▽朝日新聞、大分と佐賀で夕刊廃止へ(読売新聞 2月10日付)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100210-OYT1T00650.htm
▽朝日新聞、大分と佐賀で夕刊廃止 3月31日付で(47NEWS 2月10日付)
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010021001000422.html

posted by 今だけ委員長 at 13:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年02月01日

TOKIOが「新!宅急便」宣言

 けさの新聞紙面にヤマト急便が今月からスタートする「宅急便受取指定」サービスの全面広告が掲載されていました。

宅急便.jpg 「宅配から個配を目指す」というこのサービスは、「荷物は家族ではなく自分に渡してほしい」という要望を受けて、宅急便を配達する前に受取人あてにメールで配送予定を通知。ユーザーは希望の受け取り日時と、受け取り場所を自宅やヤマトの直営店、勤務先などから指定できるというもの。日中留守にしている単身世帯などでは、近隣の宅急便取扱コンビニエンスストアに荷物を転送するように指定し、深夜に受け取ることができるそうです。このサービスを利用するためには、受取人が「クロネコメンバーズ」の登録会員であることが条件。

 「宅急便受け取り指定」サービスは、同社が刷新した情報システム「次世代NEKOシステム」による取り組みの第1弾ということですが、宅配ドライバーが持つポータブル端末も運賃と包装資材代の支払いが電子マネー(nanaco・Edy・WAON等)で支払えるシステムを導入するなど、顧客ニーズへの対応とデータベース化に向けて、業界内でも抜きんでたシステム構築(かなり投資したと思います)が進んでいると感じます。


 よく考えれば、このようなシステムを導入することはユーザー重視だけではなく、これまで受取人に会えるまで何度も訪問するという非効率だったドライバーさんの作業の解消にも役立ちます。ドライバーさんの賃金は基本給プラス歩合給なので、管理する側もさほど労働時間(時間外手当が発生しない)を気にしていないのかもしれませんが、ヤマト運輸の従業員の平均勤続年数が、男性6.8年、女性6年という状況からすれば、労働条件の整備(労働時間の短縮)も課題となっていることでしょうし、その辺の改善も視野に入れたシステムなのかなぁと。

 この「宅配から個配」というキーワードは、メディア界でも以前から言われている「マスメディアから個メディア(ソーシャルメディア)」にも通じることかもしれませんね。


▽ヤマト運輸、第7世代システムに300億円投資--木川社長、IT投資ためらわない(ZD NetJapan)
http://japan.zdnet.com/news/ir/story/0,2000056187,20407665,00.htm
▽「宅配から“個配”へ」 ヤマト運輸、受取人が日時と方法を指定できる新サービス(ITmediaNews)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/28/news011.html

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posted by 今だけ委員長 at 19:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

2010年01月21日

NYTがオンライン記事を有料化 パッケージではなく単体の記事コンテンツは売れるのか?

 きょうの深夜(日本時間)、ニューヨークタイムズ(NYT)が2011年からオンラインサイトを有料化へ切り替えることを発表しました。

 記事コンテンツを無料配信することでアクセス数を稼ぎ、そのPV数によって広告収入をあげるという新聞社のビジネスモデルは失敗に終わったということです。リーマンショック以前から新聞社サイトの広告収入は大きく落ち込み、記事の有料化に向けた研究がおこなわれてきました。実際には新聞社がその仕組みを研究していたのではなく、ネット企業が依頼を受けて課金システムの開発に取り組んでいました。
 今回NYTが導入する課金システムは、一定本数のオンライン記事は無料で閲読できるものの、それ以上の記事は有料となるメーター型課金システム。また新聞紙の定期購読者には追加料金なしで全てのオンライン記事を閲読できる(メディア・パブより)とのこと。ある意味「紙」への誘導の道も残した格好です。日本では北日本新聞がこれと同様のシステムを導入しています。

 ともあれ、昨年末にルパート・マードック氏がニューズ・コーポレーションの傘下にある新聞社のオンライ記事を有料化にすることを宣言してから1カ月も経たないうちに、今回NYTも有料化の方針を出したことによって、いよいよ米国新聞社は生き残りをかけて新聞紙としてのパッケージ販売から、オンライン記事のコンテンツ販売へ舵を切ることになるようです。

 ただし、米ハリス・インタラクティブ社が米国の成人を対象に行った「新聞オンライン版の有料化」に関する調査によると、77%の人が「有料なら読まない」と答えており、どの程度の効果がもたらされるのか前途多難であることは間違いありません。


 時事通信を昨年末で退社した湯川鶴章氏が編集長を務めるTech Wave(ライブドアが運営)に「日本の新聞社も有料化の後追いは必至であるが、失敗することも必至」とのコラムがアップされています。要約すると

・・・良質の記事を作るためにはコストがかかる。そのコストに見合う収入がほしい。だから有料化したい。有料化を熱心に語る社の言うことは分かる。でもネット企業からの配信料収入もほしい。ネット企業への配信をやめたからといって有料化でそれ以上の収入を得ることが可能かどうかまったく分からない。有料化を熱心に勧める他社が収入を保証してくれるわけでもない。
多くの関係者が「ネット企業への配信を減らして、新聞記事は各社のサイトで有料で読めるようにするしかない」「そうだ、そうだ」と言っているとかいう話も聞こえてくる。でも複数の関係者は僕に対しぼそっと「表向きは賛同しているようには振舞っているけど、この状況でネット企業からの配信料収入を自ら捨てるというのは結構厳しい選択になるんだよね」というようなことを語っている・・・


▽New York Times、有料化の方針を発表=日本の各紙も後追い必至、そして失敗必至(Tech Wave 1月21日)
 http://techwave.jp/archives/51374669.html


 
新聞記事や雑誌の摂取環境が「紙」から電子ブックリーダーなどの携帯端末へどの程度移行するかによって、オンライン記事の有料化のへの理解が深まってくるようにも感じます。まぁこれだけ営利を目的にしない(専門性の高い)個人ブログが出回っている昨今、記者クラブのオープン化の動きも強まってくると思われるので、既存メディアの記事コンテンツは相当魅力のあるものにしないとコンテンツ販売による売り上げの確保は難しいと思います。だからコンテンツをパッケージにして毎朝届けられる「紙」モデルが生き残るのだとは一概には言えませんが…。続きを読む
posted by 今だけ委員長 at 06:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース

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