2010年02月12日

タダ・ガンガン・バビョーン…これってauハッピーな広告なのかなぁ

 「最近、au(KDDI)のCMがひどくない?若者をターゲットにしているのはわかるけど品がないよね」という話を耳にしました。
 歌手の土屋アンナさんがノリノリで「ピン子もビックリ!au×3」と吠えるテレビCMをご覧になった方も多いはず。とりあえず張り付けておきます。
     

 ケータイ業界も王者ドコモが苦戦を強いるなか、iphoneとホワイトプラン(犬のお父さんCM効果も)で躍進するソフトバンク、「基本料金390円」の学割プランで猛追するauが熾烈な春商戦を繰り広げています。
 広告によりインパクトを求めるのは当然のことですが、どうでしょうねぇ…。あのノリについていけないオヤジには関係ないことなのかなぁ。


 ところで、けさの紙面を見ていたらauの『ガンガン学割』の全面広告とラテ版の全5段広告が掲載されていました
au.jpg 土屋アンナさんが色っぽく描写されていて、泉ピン子さんとアルプスの少女ハイジに「バビョーン!」という吹き出しが…。
 あと、ラテ版の21時から1時までがオレンジ色で塗りつぶしてあったので「おやっ」と思ったら、下段の広告に「↑21時〜深夜1時の4時間。ケータイ通話のゴールデンタイムも、auはタダでガンガン話せる。バビョーン!」とありました。

 残念ながら企画としては「イマイチ」。以前、産経新聞が「ウェブ面」を新設した時のドワンゴ企画は「ニコニコ動画」の番組枠を追加して、ものすごくインパクトのある広告に仕上がったと感じましたが、色を塗るだけではあまりメッセージは伝わってきません。
 おそらく、「広告のためにラテ面の一部分だけ色を塗る」ことに新聞社内では相当な反発があったのだろうし、担当された方はご苦労されたと思いますが、読者にも広告主にも中途半端な印象を与えてしまったように感じます。


 夕刊がない日祝日や休刊日前の新聞は閲覧時間が多いものです。もっと効果的にデザインされるよう期待します!

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2010年02月08日

いい新聞社にいい配達人あり

 佐賀新聞の仲間から「神戸新聞のサイトを読め」とのメッセージが届きました。このような伝達もネット時代ならでは…。


>神戸新聞のページにドラマの感想が載ってますね。
>放送から4日で約560人の方からメールが届いたそうです。
>すごい!
>そして感想が熱い!
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/bunka/201001kobe7days-message/
>ぜひまだの方はご一読ください。
※ドラマとは、1月16日にフジテレビ系で放送された『阪神・淡路大震災から15年 神戸新聞の7日間〜命と向き合った被災記者たちの戦い〜』のこと。

 『神戸新聞の7日間』へのメッセージには、5つのカテゴリごとに149人分の感想が掲載されています(▽忘れない=51▽震災を追体験=24▽ありがとう=51▽作品について=13▽新聞人=10)。
 おおむね、「感動した」という感想が寄せられていますが、「まるで神戸新聞だけ震災の時、頑張っていたような、新聞社に働くのだからこんなこと当たり前だと思います」、「ドラマはCMが多く残念でした」という意見も。
 もちろん私も見たのですが、ほぼ同じ感想を伝えた方がいらっしゃいました。その方からのメッセージはこれです。「新聞は、テレビやラジオみたいに速報することはできませんが、写真や活字で夢や希望を与えられる重要なメディアだと思いました」うん。


 新聞配達に関連するメッセージも見つけました。以下に引用します。
▽仕事に誇りを持って頑張ろう (札幌市 女性 新聞配達員 Mさん 45)
 あの日の朝TVを付けた時の衝撃は忘れられません。「どこ? え、神戸? え、日本?」それからしばらく動けませんでした。
 自分が新聞配達をする時、仲間たちと[配達の人間がいなかったら全部無駄になるんだから、自分たちが一番偉いんだ」なんていつも冗談で言っているのですが、取材し、原稿を書き、印刷し、配送し、配達する、何一つかけても新聞は用が足せません。一晩たってもまだこのHPを観ているだけで泣きそうな気持ちですが、情報を伝達すると言う仕事に誇りを持ってこれからも頑張ろうと心に誓いました。
 あの震災を体験された方の心の傷は一生消えることはないと思いますが、神戸の方々の明るい未来の為にこれからも頑張ってください。本当にありがとうございました。


▽いい新聞社にいい配達人あり (神戸市東灘区 男性 会社員 ねむすけ 49)
 番組の後半、配達所の方が配達する家がなくなり、新聞社の人たちが懸命に作った新聞を「読んでください」と道行く車の運転手の方々に配っていたシーン。
 感動しました。
 いい新聞社にいい配達人あり。チーム一丸として苦難を乗り切った神戸新聞社グループ。これからもがんばれ。地元神戸の誇りです。

 業界のこちら側にいる人へのご褒美ですね。このように思ってくれる読者のために頑張らないと!

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2010年02月03日

読売新聞の企画「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」

 読売新聞に勤める仲間が企画した「元日経メディアラボ所長の坪田さんと元時事通信社編集委員の湯川さんの対談」が1月28日と2月2日の本紙に掲載され、YOMIURI ONLINEへもアップしたとの案内をいただきました。

▽「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」(前編)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100128-OYT8T00770.htm
▽「坪田×湯川 元記者が見るメディアの未来」(後編)
http://www.yomiuri.co.jp/net/report/20100129-OYT8T00880.htm


 このブログでも両氏が描く将来のメディア環境について触れてきましたが、新聞とネットメディアの関わりについて業界をリードしてきた両氏。今回の対談では、常に彼らと(ブログなどで)接している業界の内側の人間には目新しいものはありませんが、この記事が紙面に掲載され多くの人の目に触れることは有意義なことだと思います。
 この両氏の対談を実現させ紙面化したエネルギーは相当なものだったのだろうと感心します。

 こういうコンテンツは読みたい思いますね。ネットだと繰り返しロングテールで読めますが、「紙」だと予告編(初回は)がないので見逃してししまうこともあります。この辺の相互補完も必要だとあらためて感じました。

 両氏が語ったキーワードを紹介すると、
湯川氏:(新聞経営者に対して)ネットをあまり利用せず、どちらかといえば好ましく思っていない人たちを核に新規事業を立ち上げるのはかなり難しい。会議室で僕一人だけ周囲と意見が違うことがよくあった。「お前は先を進みすぎている。会社の速度まで落とさないと、会社は動かない」とよく言われた。

坪田氏:プロとは何か。「新聞社の社員だからプロ」というわけではない。レポーター(記者)ではなく、価値判断をしない単なる情報のポーター(運び屋)では、今後は残れないだろう。「この人が書く記事は絶対読みたい」と思わせるような人がどれだけいるかが重要だ。

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2010年02月01日

ターゲットに合わせて具体的な活用方法を示すことが必要

 きのう、フジテレビ系列「エチカの鏡ココロにキクTV」で、ヨコミネ式教育方法の特集が放送されていました。
 幼児教育の第一人者として紹介されていた横峯吉文氏は女子プロゴルファー横峯さくらさんの叔父さんだそうで、「天才は10歳までにつくられる」との教育方針から、読み書き、計算、体操を取り入れた「ヨコミネ式」幼児教育を自ら理事長を務める保育園で実践されています。


 私はこの番組ではじめて「ヨコミネ式」を知ったのですが、嫁からは「この番組でヨコミネ式を特集するのは今回で4回目。幼い子を持つ親の間で話題になっているんだよ」とのこと。


 番組では子供たちが新聞を見ながら何やら書き写している場面が。新聞から興味や関心を持った記事をノートに書き写すことで簡単な文字から覚え始め、卒園する頃には小学低学年程度の漢字をマスターするのだとか。書き写しながら分からない言葉があると辞書でその意味を調べます。そして新聞紙面を通じて社会の動きを理解していくというのです。


 究極のNIE教育ではないでしょうか?新聞の活用のされ方って意外とあるものですね。それを業界の人たちは知らないし、活用しきれていないのかもしれません。

 2011年度から小学校の新学習指導要領に新聞の活用が取り入れられます(中学校は2012年度)が、新聞を読むことが言葉の意味を理解させ社会の動きを知ることにつながるのだと思います。それも個々が所有するタブレット型の電子メディアではなく、家族で読み回せる「紙」の新聞にこそ価値がるのではないかなぁと。
 何の根拠も示さずに「新聞はためになる」ということだけで購読を勧めてもなかなか響かないもの。しっかりターゲットを絞って(ヨコミネ式のような)その活用法を説明することが重要なのだと思います。


 テレビで放映された横峯氏へのインタビュー(育児教育/幼児教育blogより引用)


▽なぜ新聞を教材として使っているのか?
横峯
「小学校では学年ごとに覚える漢字が決まっている。あれは大人が勝手に決めたことなんですよね。子供のことを考えていないんですよ。子供達はもっと学びたいんです。30分の書写を毎日続けていく事で1年間に5〜600個の言葉を自分の力で身に付けていってます」
▽新聞の書き写しは子供の成長にどう影響するのか?
横峯
「新聞を書写することで今、日本や世界で起きている環境問題、社会問題、国際問題とかいろんな情報が子供に入ってきますよね。少しずつ社会を知っていってるんですね。だから小さい頃は『ウルトラマンになりたい!』とか言っていた子供も徐々に世の中に即した将来の夢を自分で考えられるようになっていくんですね」
▽将来の夢は?(子供たちへインタビュー)
子供
「日本の医者は少ないとか医者不足になっているのを聞いて、医者になって人をいっぱい助けたいです」
子供「助産師です。自分が生まれる時たくさんの人達や助産師さんに励まされて生まれてきた事を知って、自分も生命の誕生に立ち会う仕事に就きたいと思いました」
子供「保健師。(何故?)人を助ける仕事をしたいから…(何で?)おばあちゃんが亡くなった時に何もしてあげられなかったから…」

 昨年5月に放送された「ヨコミネ式教育」の第1回特集

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2010年01月31日

言うまでもありません「信頼」が新聞の生命線なんです

 公益財団法人新聞通信調査会が2009年9月11日から30日までに実施した「第2回 メディアに関する全国世論調査」の集約結果が公開(1月21日にプレス発表、29日HP公開)されました。
▽2009年メディアに関する世論調査結果
http://www.chosakai.gr.jp/notification/pdf/report2.pdf
ちなみに2008年メディアに関する世論調査結果はこちら↓
http://www.chosakai.gr.jp/notification/pdf/report.pdf


 今回の調査を行った新聞通信調査会とは、現在の共同通信社と時事通信社の前身だった同盟通信社(1945年に解散)の資料と調査研究部門を引き継いだ「通信社史刊行会」が1960年に現在の新聞通信調査会として改称した組織。ジャーナリズム及びマスコミュニケーションの調査研究、これに関する図書・資料の刊行、講演会・研究会等の事業を軸として活動しています。でも業界関係者以外にはあまり知られていません。


 今回の世論調査の方法を見ると、住民基本台帳の閲覧用リストを用いて無作為に全国各地の18歳以上のサンプル5000人を対象として調査員が直接訪問して集めた調査結果だけに、インターネットを使えない方の意見が省かれがちな最近のデータ集約結果よりその信ぴょう性は高いと思います。

 集約結果を大まかに分析してみると、「情報の信頼度について」では、新聞が08年の調査時に72.0ポイントだったものが、09年は70.9ポイントで1.1ポイント下がりました。インターネットは58.2ポイント。「新聞の印象について」では、08年が@信頼できる(67.2)A教養を高めるのに役に立つ(63.1)B情報源として欠かせない(59.3)C社会的影響力がある(58.7)D情報が正確である(56.9)との結果に対し、09年は@情報が信頼できる(62.1)A社会的影響力がある(59.4)B情報源として欠かせない(57.8)C情報が役に立つ(54.8)D手軽に見聞きできる(51.5)となっています。
 まだまだ新聞の情報の信頼度は高く、約6割の人が情報源として欠かせないメディアであると答えています。この結果にあぐらをかくことなく、「信頼」に答えていかなければなりません。


 新聞広告と折込チラシについての信頼性については、次のように解説されています。30代以下では折込チラシへの信頼感が高いのに対して、50代以上では低くなってくるというのも興味深いデータです。(以下一部引用)


 新聞広告、新聞折込について、全面的に信頼している場合は10点、全く信頼していない場合は1点として点数化したところ、「新聞広告」は5.7点、「折込広告」は5.6点となっている。また、6〜10点を信頼している層、1〜5点を信頼していない層に分けてみると、「信頼している」層は「新聞広告」45.2%、「新聞折込」43.0%とともに半数を下回っており、信頼感は不足していると言えそうである。
 年代別にみると、30代以下では、「新聞広告」の方が「新聞折込」より信頼感は高いが、50代以上では、「新聞広告」の方が信頼感が高くなっている。


 言うまでもなく、新聞の生命線は信頼なのですから、それを損ねるような問題があるとすれば解消していかなくてはいけません。
 新聞社を退職された方が「販売のブラックボックス」などと暴露本を出版して儲けているようですが、現役時代には口をつぐみ、「その時の立場では言えなかった」という言いわけをして、退職してから「(押し紙問題など)これはおかしい」というのもどうかなぁと。在職中は黙っていることで地位を高め、退職後は暴露することで儲けるという、おいしい思いの二重取りには憤りを感じますね。なんだかなぁと。


 余談ですが、最近よく歌うカラオケを紹介します。「スタートライン」。同じような思いの人がいたら、がんばりましょう!

    


▽新聞、NHKの“信頼度”70点台 ネットは58点(産経新聞:1月22日)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/100122/med1001221533002-n1.htm
▽将来の新聞の役割についてどう思う? 世代によって違い(Business Media 誠:1月28日)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/28/news012.html

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2010年01月28日

唯一生き残るのは、変化できる者である

 「次に来るメディアは何か」の著者で、元毎日新聞社常務取締役を務めた河内孝さんが、マイコミジャーナルで連載中のコラム「メディア革命」(1月26日付)に「日経電子版の創刊に見る"販売店"という呪縛」を寄稿しています。

 米国のメディア事情にも詳しい河内さんの指摘は、日本経済新聞社が今年からスタートする予定の電子新聞の販売価格を「日経本紙を提起購読していればプラス1,000円で電子新聞も閲覧できる」という設定に対して、「読者の購読情報は販売店が有しているため、確認作業に面倒な手間がかかる」という問題提起と、販売店側が「発行本社側に顧客データが蓄積されてゆくことは、販売店が蓄積した顧客情報が流失するという不安を抱えている」との解説をされています。だから電子新聞の成長がどうなるということには触れていませんが、販売店との顧客データのやり取りが障壁となるのではないかと警笛を鳴らしています。

 今年1月からウェブ新聞「webun」を創刊した北日本新聞社では、webunの購読は「紙」の定期購読者は無料で利用でき、無購読者や配達されない地区に住む顧客に対しては月額2,100円(税込)の購読料を支払うシステムを導入。日経の電子新聞は「紙」購読者には定期購読料に1,000円の上乗せとなります。来年からオンラインサイトの有料化に踏み切るニューヨーク・タイムズも同じような手法で、いずれも「紙」と連動させる価格設定となっています。


北日本新聞社のHPより
 webunは会員制のウェブ新聞です。北日本新聞をご購読なら会費は一切必要ありません。会員登録をするだけですべてのコンテンツを利用できます。
 現在は未購読でも、1カ月以内に購読を開始していただける場合は即座に会員登録が可能です。会員登録のオンライン手続きにしたがい、購読申し込みを行ってください。
 県外や海外など配達区域外にお住まいの希望者は、月額購読料2,100円(税込み)のwebun特別会員として入会できます。特別会員に限り、朝刊紙面イメージは当日版から拡大でき、掲載記事も読むことができます。


▽販売店と交わした新聞購読契約の有無は個人情報なのだが…
 2005年4月から施行された個人情報保護法では、個人情報の数が過去半年間のいずれかの日に5,000件を超えた場合は「個人情報取扱事業者」となり同法律が適応されます。新聞販売店の多くは5,000世帯以上のエリアを管轄しているため、個人情報取扱事業者です。本来、販売店が顧客と新聞購読契約を結んでいるという個人情報の開示は、事前に顧客へ告知していない限り当然違法となるのですが、顧客と交わす新聞購読契約書には「必要に応じて新聞発行元に提供いたしますので、あらかじめご了承ください」との記載があるのでクリアしたことになっています(契約書を結んだ際にきちんと説明しているかどうかは分かりませんが)。
 また、顧客情報(購読の有無)の照会は、それぞれの新聞社と販売店での契約内容によって違うと思いますが、ほとんどが「新聞社の求めにより販売店は開示しなければならない」と定めてあるので、販売店は新聞社からの顧客情報開示請求(購読の有無について)に応じなければならないというわけです。

 さて、その手間は河内さんが指摘する以上に面倒なものになると思います。
 顧客の購読の有無を照会されたときは購読していても途中で契約を解除された場合に、販売店側から新聞社へ逐一連絡するとは到底思えません。「購読しているかどうか」のクリーニング(北日本新聞は毎月確認を行うとのこと)を定期的に販売店へ要請して「グレーゾーン」を見抜くしかありませんし、「会社で購読している」といった場合の対応も線引きが難しくなってきます。西日本新聞(新聞社の資本が入った販売会社と)が行っている読者台帳のオンライン化でもやらない限り、「NHK受信料を払わないでテレビを見る」(変な例えですが)ユーザーが膨れ上がることも否めません。
 また、新聞の購読は「1世帯に1部」の契約なので、世帯主しかセット割引(日経の場合)の対象にならないのかな?1世帯に居住する家族全員に電子新聞が閲覧できるアカウントが発行されるのかどうかも興味があるところです。


▽販売店も生き残りをかけて自立することが求められる
 このデフレ経済では、メーカー(新聞社)が流通部門を飛び越えて顧客と直接商品の売買を行うことは、すでに日常茶飯事なことです。特に電子データの配信はサーバ管理にこそコストはかかりますが、現物(紙)を運ぶことがなくなるので流通部門は縮小せざるを得ません。とかく「車の両輪」といわれて新聞社の要請のもとに新聞を買い続けてきた販売店(特に自営店は)は悲観的になりがちですが、これは仕方のないことと割り切らなければならないと思います。インターネットの登場によって社会や流通のあり方が変わっていくのですから。

 新聞社も当面は「紙」ビジネスをやめることはしないでしょうが、販売店もほかに勝るコンテンツを武器(これまで培った企業資産)にさまざまな事業を模索していかなくてはいけないのだと思います。チラシだけを宅配する業者が出てくるように、さまざまなアイディアを出していかなくちゃいけない。新聞社も生き残りをかけてなりふり構わなくなってくるのだから、販売店も自力で生き残りを考えないと。そのための障害や規制があるのであれば早めに取り除かないといけませんが…。


 自分の食いぶちを守ることは当然のことです。生きるため、家族を守るためには現状のビジネスモデルに固執し、時代の変化に抗う(実は私もその口ですが)こともひとつの道ですが、時代の変化を受け入れて柔軟に対応していくことも必要ではないでしょうか。民主主義を守るために新聞は必要だと思っているので、紙であれ、ネットであれその組織ジャーナリズムの機能を残すために新聞社と販売店が今こそ手を携えなければならないのですが、片務契約といわれる搾取構造のもとでは販売店の恨み節しか聞こえてこないのが残念です。

(最近その説があやしくなっていますが)ダーウィンの進化論をあらためて思い返します。
『最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である』
 いま新聞産業に求められていることだと思うのですが、まだその「変化」をまわりにばかり求めているような気もします。

▽日経電子版の創刊に見る"販売店"という呪縛
http://journal.mycom.co.jp/column/media/045/index.html
▽webun会員入会案内と手続き(北日本新聞社)
http://webun.jp/info/e_guide.html

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2010年01月25日

免許制ではない新聞記者 最後は人間の強さと見識なのかな

 新聞の役割の一つに国家権力の監視というものがありますが、このところ政権与党の幹事長の「疑惑」に多くの紙面が割かれています。それだけネタがないのかなぁ。

 インターネット上の個人ブログ(最近はツイッター)などを読んでいると、原口総務相などの閣僚や民主党議員が「(小沢氏疑惑について)新聞の報道が『関係者によると…』という書かれ方がされているが、誰から得た情報なのか取材源が明かさずメディア側が意図的に話しをでっちあげているのではないか」という内容のメディア批判がなされています。
 一方、新聞社をはじめメディア側は「取材源の秘匿は当然であり、それによって得られるニュースソース重ねあわせて裏が取れた段階で記事化している。決して権力側(今回の場合は東京地検関係者)からのリークではない」と主張しています。

 生活者からすれば、小沢氏が違法行為をしているならば当然罰せられるべきだし、政治家としての社会的責任は免れないと思います。で、それを解明するのは検察・警察の仕事であるのですが、最近の新聞報道を読んでいるとあたかもそれ(小沢氏の疑惑)をジャッジするのはメディア(新聞)の役割なのだと言わんばかりの妙な正義感がプンプンします。
 私だけが感じているのなら撤回しますが、また紙面がワイドショー化されているような気がしてなりません。

 表面化しない問題を掘り起こして社会へ訴えることはとても大切なことだと思っているし、新聞社の組織的な取材活動によってこれまでも多く問題を追求してきたことは間違いはありません。確かに政権与党の幹事長の「疑惑」なのでニュース性は高いと思いますが、ワイドショー化した報道の在り方に違和感を覚えます。
 新聞が権力をチェックするように、新聞もまた世論誘導装置としてほかの権力から利用されないように、自らをチェックすることも重要ではないでしょうか。「新聞を監視する機能を作れ」なんてことがあってはならないのですから。


 小沢疑惑の一連の報道に関して、北海道新聞社の高田昌幸さんが運営するブログ「ニュースの現場で考えること」を大変興味深く読ませていただきました。更新も4カ月くらい放置されていたのですが、きのうから鋭く、かつスカッとするエントリーを書かれています。
 ブログを読んだ感想は、新聞記者になる資格は何だろうということ。免許制でもないし、これまで先輩方がやってきた取材(夜駆け、朝駆け)をみっちり叩き込まれ、そして先輩が現場を離れてデスクになり、偉くなると「まぁまぁそんなこと言わないで…」と闘わない人(すべての方がそうでなないと思いますが)になってしまう。それの繰り返しだから、新聞社は同じようなことを繰り返しているのではないかなぁと。新人記者が熱血漢に溢れて事件を追い、真実を社会へ知らせるという使命感(多くの生活者が描く新聞記者像)のようなものが忘れ去られているか、そのような人材が(業界を去り)失われているのではないか、という感じを受けました。
 もう1点は、なぜこのような見方を紙面には書けないのかということ。個人ブログでは書けるけれど、何がどう絡むのか新聞社(業界)の編集体制の奥底にあるものは分かりませんが、読者は膝を打ちながら読むでしょうね。なんかもったいないような気がします。

 高田さんとは5年前にローカルメディアネットワーク(地方紙の若手社員の集まり・もちろん業務外です)の会合でお会いし、酒席をご一緒したことがあります。「販売店は大変でしょう。学生時代に新聞奨学生をやっていたからわかるよ」というような会話をしたことを覚えています。こういう記者の方が身近にいると心強いだろうなぁとも思いましたね。

 個人名を出してブログを運営している新聞人(特に記者の方)はとても少なく、仕事上でも個人の意見を発信することに対するハードルは高いと思います。でもブログは読み手の意見がダイレクトに返ってくるツール。新聞業界の中だけで自分の意見を述べても、その賛否の声が世間相場と一致しているとは限りません。逆に離れていってるような感じさえします。ぜひ新聞記者の方には、自分の立ち位置を確認する意味でもブログにチャレンジしてみることをお勧めします。

 このところ、販売に関する問題が消沈気味なので販売店労働者の分際でいろいろ書いてきましたが、ご異論がある方はぜひコメントを寄せてください。


「ニュースの現場から」
▽「捜査情報」は「捜査情報」と明示せよ(1月19日)
http://newsnews.exblog.jp/13526663/
▽リークと守秘義務(1月19日)
http://newsnews.exblog.jp/13526982/
▽続・リークと守秘義務(1月20日)
http://newsnews.exblog.jp/13528722/
▽検察の「伝統」(1月21日)
http://newsnews.exblog.jp/13538890/
▽「リーク批判」に対する新聞の「言い分」(1月24日)
http://newsnews.exblog.jp/13562517/
▽開示請求と取材(1月24日)
http://newsnews.exblog.jp/13563297/

【追記】2/6
「小沢疑惑を広めたから特捜部の捜査は価値がある」のか?(2月6日)
http://newsnews.exblog.jp/13669531/

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2010年01月22日

上から目線ではなく、もっと「顔」が見える商品力の改善と工夫を

 ひさしぶりに「あらたにす」のネタを。
 元朝日新聞論説副主幹の桐村英一郎氏のコラム(新聞案内人)「危機をあおるのが新聞の役割か」には、先週行われた岡田外相とクリントン米国務長官の会談の報道のあり方について問題提起されています。


(以下引用)岡田外相とクリントン米国務長官が12日、ハワイで会談した。今年が1960年の日米安保条約の改定から50周年にあたることから、日米同盟を深めるための協議を始めることで一致した。
 一方、普天間飛行場の移設については、名護市辺野古への移設という現行計画にこだわる米側と、「5月までに結論を出す」とする日本側はかみ合わず、各紙の報道には「懸案の先送り、棚上げ」「つかの間の友好ムード」「協調の演出」といった表現が目立った。
 普天間の移設は大事なことには違いないが、「一基地」と「日米同盟の将来」のどちらがより大きな問題か明らかだろう。「現行計画の通りにしなければ、日米関係はどんどん悪化する」かのような報道でいいのか、首をかしげたくなる。
(中略)
「負担はいやだ。受益はもっと」という国民の身勝手が政府の赤字を天文学的に膨らませた。大都会は「快適な生活はほしい。でも放射能はごめんだ」と原発を地方に押し付けた。「普天間の県外移転」は鳩山内閣だけが悩み、周りがそれをあれこれ批評する事柄ではなかろう。
 新聞はなぜもっと「あなた方みんなの問題ですよ」と、読者に鋭く迫らないのか。(引用終わり)

 確かに、桐村さんが主張されていることは理解するのですが、全国紙的な視点(もっとも“あらたにす”は朝日、読売、日経のサイトなのでよいのですが)というか、われわれ(新聞)が国民(読者ではなく)に対して訴える(誘導する)という新聞社の社説のにおいがプンプン感じました。
 いろいろな事象の見方を的確に解説してくれる新聞(特に社説のような)の存在はありがたいし、今後も必要なのですが、「上から目線」が今の無購読者(最近の無購読者の括りは年代では表せません)との距離をさらに広げているのではないかと思いました。

 新聞は「天下国家を語る」のがその役割だと思っている節も強く感じられるのですが、いまやジャーナリズムという定義は、報道の原則、報道の原理、報道と中立性、報道と正確性はそのメディアの責任の問題として、シビック・ジャーナリズムなど市民を巻き込んだ取り組みも進められています。イエロー・ジャーナリズムは個人的には好きですが、それはさておいて…。
 「社説」が最も読まれていると思っている新聞人はいないと思いますが、もっと生活者にとって訴える明確な主張をしていかないと「新聞社の顔」が、ぼやけてしまうような気もします。その点、産経新聞ははっきりしていますね。私は読んでないけど。


 政治問題や国際情報などの一次情報(通信社からの配信)は、速報性に優れるテレビやインターネットで入手できるわけですから、各社ほとんど同じに扱われる1面のトップ記事だけ読んでいるという読者の多くは「どこの紙面を見ても同じだ」となるわけです。それこそ、勧誘時のオマケや折込チラシの量を優先して購読紙を決めたりしています。でも、それではパッケージ・メディアとしてさまざまな情報が詰まっている新聞の必要性は浸透しないのだろうと思います。これまでも新聞を隅から隅まで読んでいる人というのはよっぽどの暇人(語弊があったらゴメンナサイ)かそれを職業としている人でしかないわけで、自分の興味がある情報をその新聞が取り上げているか(毎日、目を通すことでそれを見つけられるか)が、これからの(読者の)新聞の必要性へのプラスα部分に大きく関わってくると感じています。

 そのひとつは、地方紙であればコアな地域情報であるし、市民の顔、記者の顔をもっと出していくことも必要だと考えています。読者からの情報提供の受け皿を広くするとか、1頁面を市民に提供する(精査は必要ですが)こともオモシロいと思います。「それは新聞の編集権が許さない」となるでしょうが…。

 読者の維持や拡大にはこうした商品力の改善と工夫が伴わないと、継続的な収入確保は難しいのです。新聞セールスでオマケを提供して、数カ月は定期購読をしても継続されなければ部数は減っていきます。そしてやめる読者を上回る新規読者を獲得するために莫大な経費を使うという自転車操業になっていくのです。それは販売店の問題で新聞社には関係ないと言われますが、そう言っているだけで何か改善することがあるのでしょうか。

 新聞社に勤めている人たちの多くは、購読契約をした読者はずっと積み上がっていくものだと理解している人が多いのですが、新聞の必要性を感じ定期購読をはじめる読者以上に、商品力の魅力(費用対効果なのでしょうか)を見いだせずに、定期購読をやめていく人の数がそれを上回っているのが現状です。


 部数が減ると騒がれる「紙面改革」。自分たちの都合だけで考えていませんか。それは、すでに「上から目線」になっているのですよ。



▽危機をあおるのが新聞の役割か/桐村英一郎(あらたにす「新聞案内人」より)
http://allatanys.jp/B001/UGC020005620100121COK00470.html

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2010年01月19日

報道せざるを得なくなったクロスオーナーシップ規制見直し

 きのうのエントリー「新聞が報じない原口大臣の『クロスオーナーシップ』禁止会見 業界の談合でないことを願いたいが…」の続きです。

 原口一博総務大臣は19日、閣議後の会見で、新聞社からテレビ局への出資を規制するクロスオーナーシップの見直しについて再び言及したことを受けて、各新聞社のサイトでも取り上げられています。これまで、この問題に関する記事が紙面に登場することはありませんでしたが、あすの朝刊には記事化されるのではないでしょうか。

 23:30時点でアップされているのは以下の3つの新聞系サイトです。47NEWSとアサヒコムのアップが遅れているのは、記事化するに値しないと判断したのか…明日の紙面が楽しみです。

▽メディアの同一資本支配、規制を議論へ…総務相(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100119-OYT1T00649.htm
▽新聞から放送局へ出資規制 総務相が導入検討(産経BIZ)
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/100119/ecc1001191308006-n1.htm
▽原口大臣がクロスオーナーシップ規制見直しに意欲、現行制度の有効性を検証へ(日経ニューメディア)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100119/343414/

 原口大臣の会見内容が新聞社によってどのように編集されたのか、上記のサイトを一読した後に会見の映像を見てみると実際の発言と文字で伝えようとしていることに微妙な違和感を感じます。
▽クロスオーナーシップは言論の多様性から見て問題(ビデオニュース・ドットコム プレスクラブ1月19日) ↓のサイトから会見の映像が見れます。
http://www.videonews.com/press-club/0804/001337.php


 新聞とテレビ局は広告収入の大きな落ち込みによって、さらなる業務提携が進むのではないかとみる向きもあります。河内孝氏は著書「新聞社 破綻したビジネスモデル」のなかで、メディアコングロマリットを早々に予見していますが、新聞社やテレビ局の経営を維持するためにホールディングス化を模索する動きも注目されるところです。フジ・メディア・ホールディングスへ参入したい産経新聞社のような事例もあり、これまでような新聞社がテレビ局を支配しているというより、上場している(市場から金を集められる)テレビ局が新聞社を系列に加えるということもあり得るのではないでしょうか。

 原口大臣が懸念する「同一メディアによる資本支配によって言論の多様性が損なわれる」という問題よりも日本のマスメディアの経営の現状はもっと深刻で、「あまりいじられたくない」というのが本音のような気がします。
 また、メディアの資本融合によって言論統制のようなことが起こる可能性があるとすれば、そこで働く新聞人や労働組合がきちんとその役割を果たさなければいけないと思います。「会社が大変だから…」と何でものみこんでしまうと、生活者の信頼を損ねることになるのだと改めて考えて欲しいものです。日本新聞労働組合連合の新聞研究活動にも今回の報道の在り方などを検証してもらいたいものです。

 18日から始まった通常国会には「通信・放送の融合法案」が提出される予定ですが、クロスオーナーシップの規制見直しについては、「まずは議論を進めていきたい。この国会で実現できるかどうかは、まだ言える話ではない」というに止めた原口大臣。新聞はこの問題の本質を分かりやすく解説し、その争点を読者へ提示してもらいたいと思っています。

 ちなみに、14日に開かれた日本外国特派員協会で行われた記者会見の映像もユーチューブにアップされていました。


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2010年01月18日

新聞が報じない原口大臣の「クロスオーナーシップ」禁止会見 業界の談合でないことを願いたいが…

 新聞やテレビのマスメディアが報じられるものは、社会で起きるさまざまな情報をそれぞれのメディア企業の編集責任者(デスク)が取捨選択して伝えられます。社会生活を営むものにとって情報の価値判断をしてくれるのはとてもありがたいことだし、新聞やテレビで報じられるものがひとつの基準となってきました。
 長い歴史の中で培われてきたメディアの信頼性は単に情報を伝えるだけではなく、間違いを正す批判精神であったり読者や広告主におもねらない姿勢、いわゆるジャーナリズム活動の必要性を読者も認め、新聞業界もそれをより所にしてきたと思っています。


 しかし、最近の多メディア時代の到来によって、新聞やテレビが(意図的に)伝えないことが露呈してきました。自分たちに都合の悪い情報は記事にしない、放送しないという情報操作が行われているとしたら、読者はどう感じるでしょうか。


 1月14日に日本外国特派員協会で行われた記者会見で、原口一博総務大臣が「プレス(新聞)と放送が密接に結びついて言論を一色にしてしまえば、多様性や批判が生まれない」として、新聞社が放送局を支配する「クロスオーナーシップ」を禁止する法律を制定したいという考えを明らかにしました。要約すると、@新聞社がテレビ局に出資することを制限するA有限なリソースである電波を独占状態から開放するB放送局認可権限を総務省から切り離すC総務大臣の行う記者会見を全てのメディアに公開する(記者クラブの完全開放)というもの。
 読売新聞と日本テレビ、朝日新聞とテレビ朝日、日本経済新聞と東京テレビという新聞社と放送局が資本関係(資本家が実質同じ)にあることによって、(テレビが新聞社の意に沿って)偏った情報提供になっているのではないか―ということを原口大臣は問題視しています。

 現在も放送会社には「放送局に係る表現の自由享有基準」が存在し、クロスオーナーシップを制限する規定があるので、「原口大臣は法律制定を主張しているが、現行の基準で問題ない」という解説でもしてくれればよいのに、残念ながらこの会見を伝える紙面は見当たりません。外国のメディア記者を対象にした会見での発言なので記事化されなかった?現職大臣の発言を取り上げないのはやはり違和感があります。

 私もツイッター経由でビデオジャーナリストの神保さんのサイトを見て、原口大臣の会見内容を知りました。そのツイート(書き込み)には「原口大臣のクロスオーナーシップ禁止発言について。『そんなことできっこないから、どこも報じてないんだよ。』友人のテレビ局幹部が(多分)親切心から解説してくれました」と皮肉られていました。

 いろいろググってみると、「新聞・テレビの猛反発は必至 総務相『新聞社の放送支配禁止』表明」(J-CASTニュース)、「新聞の押し紙問題がテレビで議論され、テレビのスポンサー介入問題が新聞で報じられる」などの記事がアクセス数を伸ばしています。ツイッター上では、「(新聞の)再販制度」が引き合いに出され、「テレビは再販制度のことを全く報じない。これは新聞の不利益になるからだ」と冷ややかな論調がどんどん更新され、またその論に上塗りされてマスゴミ論へと行きついてしまうのはいただけない。でもメディア関係者(個人ブログやツイッター上で)がこの点について意見を発しないことも残念なことです。論戦になっても理屈が立たないから“だんまり”を決め込んでいるのかなぁ。

 新聞記者の皆さん。この原口大臣の会見内容は社会へ伝えるに値しなかったのでしょうか?その説明をしてほしいと思っている人は少なくないと思います。地方紙にしても共同通信からの配信を受けて、「これは記事化する価値がない」と判断されたのであれば、その新聞社の判断ですから問題ないのですが、業界内で口裏を合わせて「この会見内容は新聞業界にとって不利に作用するからシカトしよう」と談合したのであれば問題です。

 どこの会社も人間も完ぺきなものなどあり得ません。でも信頼で商売をしている新聞業界はできるだけ完璧を目指さないといけない。だからいろいろな問題を正し、民主党の小沢幹事長ではありませんが、後ろ指さされない企業運営をしていかなくちゃいけないと思うのです。

 辛口で元気がよかった記者も会社の経営が厳しくなってくると、社内で睨まれまいと大人しくなってしまったのでしょうか。でも厳しい時だからこそジャーナリズムを担う職業として新聞社に勤める記者の方には頑張ってほしいのです。新聞をつくっている人がヘタレたのでは、販売労働者も活気が出ないじゃないですか。
posted by 今だけ委員長 at 23:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2010年01月14日

次は新聞か…

▽電通の2009年12月売上高、インターネットが雑誌を抜く--テレビ、新聞に次ぐ存在に(アサヒコム 1月13日付)
http://www.asahi.com/digital/cnet/CNT201001130101.html


 次は新聞か…。


 ツイッター上では上記の記事を読んだ(もちろんネットで)方々が、こうつぶやいています。


 新聞広告の現場も相当の努力をしているのですが、リーマンショック以降の広告費の激減とかいうのではなく、メディアの多様化によって情報摂取のシステム自体が変わってきたのですから、いずれ新聞への広告費もネットメディアに追い抜かれることでしょう(販売収入のみで新聞産業を成り立たせるという議論は別な機会に)。
 しかし、ネットメディア系企業はヤフーやグーグルなどの大手ポータル意外に相当数あるわけですから、その広告費を分散すると、まだまだ新聞社の一社当たりの広告収入より低いわけです。いずれ、紙メディアからスマートフォンなどの個人モバイル端末へと移り変わるまで、販売収入で持ちこたえながらいろいろなビジネスを模索することが求められていると思います。


 ただし、こんな話は「お節介」なことなのかもしれません。


 先日、ある新聞広告を主に取り扱う広告会社の新年講演会にうかがう機会がありました。地元企業の経営者と、その広告会社で顧問をされている方の講演だったのですが、その顧問の方の話はとても一般の人には聞かせられない内容でした。
 全国の新聞経営者との親交があると誇張するのはよしとして、電通主催の大新年会へ参加して「社長に“あなたあと10年は社長やりなさい”と言っておきました」と強弁するのです。あと10年は、電通はその広告会社に広告を出すから大丈夫と言わんばかり。その顧問の方はそれだけの権力を持っているのだということを主張したかったのでしょう。

 これまでは、そのような人間関係で通用してきたのかもしれませんが、新聞社の権力(媒体力)を過信しすぎるととんでもない過ちを犯しそうでザワッとしました。前列で聞いているその会社のお偉いさんはその一言一句に大きくうなずき、後方にいる従業員の方は「また始まった」という表情をされていたのが印象的でした。これが企業病というヤツなのかなぁと。


 そして電通は着々とネット系の広告取り込みに向けて子会社をせっせと設立し、時代にあったビジネス戦略を構築させています。さすがは世界の電通。

▽電通、インターネット広告の地域ターゲティング事業の新会社を設立
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/12/24/020/index.html
▽電通子会社のcci、スマートフォン向け広告事業に参入
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20406151,00.htm

 社会のシステムの変化を受け入れられない世代の方が、過去の成功事例にすがらざるを得ないということは分からなくもありませんが、逃げ切れる世代の方々に考えてほしいのは、変わりゆくメディアの将来にどう対処していくかを本気で考えてほしいということです。実際に考えて動くのは中堅以下の従業員なのですから、「もうちょっと待って…」「編集系がうるさくて…」という言いわけをしないで本気で考えてほしいのです。

 業態の根本を変えるくらいの改革でもしないと、規模縮小だけでは済まない時代になっていくことだけは間違いありません。ペーパーメディアは新聞をこよなく愛読してくれているシルバー世代からの販売収入とともに縮小路線を歩むだけ、となってはダメなのだと思います。


 このようなことを考える時点で、組織からもダメ社員扱いされるのが新聞業界。不都合な真実から目をそらさずに、もっと現実の社会システムの変化に敏感になるべきだと思うのですが、どうでしょう。
 そのような体質改善ができない業界に嫌気をさして去って行った方も少なくないのですが、まだやり残していることはたくさんあるはずです。だからこんなブログも夜な夜な書いているわけですが…。

posted by 今だけ委員長 at 00:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2010年01月12日

きょうのクローズアップ現代は新聞特集

 きょう、NHK総合で19:30から放送されるクローズアップ現代の特集は
「新聞・押し寄せる変革、日米は」です。

 米国の新聞社の現状が主な構成のようですが、日本新聞協会の内山斉会長(読売新聞グループ会長)や読売、朝日との委託印刷を展開する新潟日報社などが登場するようです。立花隆さんの新聞産業への考察もうかがってみたいと思います。


 「新聞の危機」だけでなく、業界のエゴにならない程度に新聞の活用術やマスメディアの必要性などを生活者の視点で解説してもらいたいものです。


NHK0-2_edited.jpgNHKクローズアップ現代HPより―
 私たちにとって身近なメディア・新聞をかつてない変化の波が襲っている。
 世界の新聞ジャーナリズムをリードしてきたアメリカ。収入の7割を占める広告収入が、インターネットの拡大や不況によって激減。新聞の廃刊が相次いでいるのだ。ピューリッツアー賞を何度も受賞してきたニューヨーク・タイムズ紙や、西海岸を代表するサンフランシスコ・クロニクル紙など有名新聞社も経営難に陥っている。新聞社が消えたことによってジャーナリズムの「空白」が生まれ、汚職や選挙違反が増加するのではないか、との専門家の指摘もあり、ジャーナリズムをどう守るのか、国を挙げた議論も始まっている。一方、収入の7割は販売に依存し、経営構造がアメリカとは違う日本でも、将来の生き残りを賭けて新聞業界の取り組みが進められている。日米の現状を通じて、新聞ジャーナリズムの行方を展望する。(ゲスト立花隆氏)


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2010年01月06日

マンネリ化する年賀状と新聞を考える

 思わず読みふけった年賀状、何通ありましたか?

 今年も200通ほどの年賀状を頂戴しました。カテゴリー別にみると、勤めている会社の方からの年賀状が約半数なのですが、定式のプリントものが多くあまり個性的なものは見受けられません。一方、東京にいっとき住んでいたころに知り合った方からの年賀状は、個性的でコメントも長文です。「新年だからおめでたい話」ということに捉われず、しっかりと今年1年の目標であったり、情勢分析だったり…。特に印象に残ったのが、昨年末に経営破たんした内外タイムスの仲間からの年賀状でした。まだ労働債権の回収や同僚の再就職あっせんで大変なのだろうに、「(経営再建に取り組んだ)この3年半は貴重な財産になりました」と書き添えられていました。その彼が1月7日発売の月刊「創」へ手記を寄稿したとのこと。ぜひご覧いただきたいと思います。

 さて、私は今年の年賀状にこんなことを書きました。


 新聞販売業界に転身してから今年で19年目を迎えようとしています。この間、諸先輩方に支えられ、同僚に突き上げられながら、なんとか会社人生の折り返し地点までたどり着けたと感謝しております。
 この間、新聞産業に対する読者の視点も大きく変わってきたと感じています。訪問販売そのものを嫌う世帯が増え、顧客とコミュニケーションを取ることすら難しい時代になってきました。またインターネット社会の到来は急速なイノベーションによって、農業、産業に次ぐ情報革命をもたらし、これまで想像もつかなかった新聞社間の提携が加速しています。
 「ピンチの時こそチャンス」とよく言われます。ピンチとなった原因は、私たちの周りが変化してきたためです。ならばチャンスをつかむためには、私たちがそれ以上に変わっていかなければなりません。
 この先の新聞産業に見合った企業規模の適正化を図りながら、「宅配網、顧客DB、営業力」という販売店が有する資産を充実させ、新しい時代の新聞販売にチャレンジしてまいりたいと思っています。
 今年も引き続きご教示ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。

 年賀状も新聞と似ているのかなぁと考えてみました。

 ちなみに、2010年元旦に全国で配達された年賀状の枚数は20.9億通。前年に比べ0.5%減少したそうです。元日の配達数はここ10年、2000年の26.5億枚をピークに減少傾向が続いているのだとか。民営化されて2日も休まず年賀状を配達していただいたスタッフ(ほとんどが非正規社員だと思いますが)に敬意を表したいのですが、「民営化になったのだから当然だろう…」という声も多いようです。


 年賀状も手書きから自宅のプリンターで一斉印刷されるようになり、その内容は画一化されてきました。ある意味個性がなくなってきた。
 「年賀状(新聞も)は日本の文化だ」とか言っても若年層はメールで済ませてしまう。元旦に何かしらのアクションを起こすことだけはまだ残っているようですが…。

 そういえば年賀状も「読む」から「見る」に変わってきたような気がします。そう思いませんか?

 もしかすると新聞も「読む」ということに価値観やオモシロさを感じなくなったから、無購読者が増えているのではないかと思ったりしています。どうでしょう。


 当ブログでも何度か紹介している某新聞社の畠山さんは、毎日「はたけやま朝NWES!」というメルマガを発信しています。その数101人(1月5日時点)。「なじめーる」という機能を使ったメルマガなのですが、新聞を読んでいない人も、彼が勤める会社の新聞を読んでいなくても、発信しています。その内容は新聞の読み方を生活者目線で伝えます。自社の記事でも容赦なく批判し、他紙のイイ記事も紹介しながら、新聞の活用方法を発信しています。それも毎日欠かさずケータイに届きます。今日届いたメールは212号。


 新聞社の人から、新聞の読み方や今日の紙面のキモなどを発信されると一体感が出て新聞を読みたくなりませんか?「購読料を払っているから新聞社らしい仕事してくれよ」と言いたい読者も少なからず存在するものです。「新聞記者は地域が抱える問題を掘り起こし、行政を動かしてくれる力を持っている」読者にはそういう期待があるはず。記者の方はあまりそのような行動をしたがりませんが、「記者こそブログを書くべき」と語った「シビックジャーナリズムの挑戦」の著者、寺島英弥さん(河北新報社)のブログには関心がわくし、その内容も読者と同じ目線で心地よいものです。こんな取り組みを新聞社の人たちはやれないのかなぁ。畠山さんが101人のファンをつかんでいるなら、新聞社や販売店の人たちも同じような数のファンをつかめば発行部数は維持できると思うのですが。


 ちなみに、ツイッターでは鳩山首相へのフォロー(鳩山さんのミニブログをダイレクトに見ることができる)がこの3日間で10万超です(私もフォローしてますが)。やはり話題の中心人物だったり、組織を引っ張っている人だったり、メディアで頑張っている人だったり…「人」の言葉を直接聞きたい(読みたい)のだと思います。そこで読者は自分の立ち位置を感じ、つながっていることを実感するし、親の代から卓上にあった新聞をあらためて読んでみようと思うのではないでしょうか。新聞はこれまで「オマケ付き販売」でその価値を一方的に押し付け、記者はジャーナリズム風を振りまき善意の第三者に徹してきた。だから読者との距離が広がってきたのだと感じるのです。

 
posted by 今だけ委員長 at 01:26 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2010年01月02日

2010年 新聞経営は新たな収入源の確保が課題に

 新年明けましておめでとうございます。
 今年の正月は配達作業に従事せず、大晦日を実家で過ごしました。日本海側を中心に大雪に見舞われた地域も多く、折込チラシがたっぷり入った元旦号の配達は大変だったと思います。ご苦労様でした。

 各紙の元旦号の社説や特集では、「あと、10、20年先のためにやっておかなければならいこと」として、地球環境や外交問題を取りあげて政府にモノ申しています。「われわれの」とか「私たちの」という形容詞を使い、国民や生活者の代弁をしているような書き方をするのもオールドメディアならではでオモシロイのですが、新聞社の方々と生活者との隔たりはさまざまな点で広がっているように感じます。メディア評論家から「今後2〜3年が勝負」と揶揄され、生き残りをかけてなりふり構わない新聞社であっても、読者に対する信頼をきちんと担保していかないと足元から崩壊しかねないと思います。
 今年最初の各紙社説を並べてみます。


▽激動世界の中で―より大きな日米の物語を(朝日新聞)

http://www.asahi.com/paper/editorial20100101.html?ref=any#Edit1
▽2010 再建の年 発信力で未来に希望を(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100101k0000m070077000c.html
▽「ニッポン漂流」を回避しよう 今ある危機を乗り越えて(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091231-OYT1T00717.htm?from=any
▽繁栄と平和と地球環境を子や孫にも(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091231AS1K2500B31122009.html
▽日印安保協力 米国の大切さ再認識せよ(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091231/plc0912310230001-n1.htm

◇広告は朝日新聞が抜きんでた感じ
日立製作所.jpg 各紙とも総ページ数も昨年に比べて若干少ないようです。それだけ広告が減っているということです。
 元旦号は出版・雑誌社の広告が多いのですが、全面見開きの「日立製作所」の広告はインパクトがありました。今年で創立100周年だそうで「この木なんの木、気になる木♪」のCMソングを口ずさみたくなります。
 MACジャック.jpg気になったのが朝日新聞の第3部(スポーツ特集12n)で、ワンピースジャックに続き、「マクドナルド」ジャックされた紙面。朝日は広告企画の柔軟さだけでなく、紙面をしっかりアート(次頁の映画広告にはキムタクのポスター)としての価値を創出しています。読売の「H.I.S.」4面ぶち抜きはゴチャッとしていてインパクト薄…。
 あと、丸美屋の懸賞やサントリープレミアムモルトのモニタープレゼントも注目です。紙面でアテンションし、ネットで申し込む。アナログ世代には余った年賀状で応募しようという気にさせる仕込みがイイですね。


 「合従連衡時代」「難しい舵取り続く」とは業界紙の新年号の見出しですが、新聞産業はその役割を果たしていくために新たな収入源の確保が課題になっています。単体の生き残りを画策するにも限界がありますから、いかに産業全体で創り上げるかがカギかなぁと…。
 苦難の時代はさらに続きそうですが、今年もよろしくお願いします。

posted by 今だけ委員長 at 22:57 | Comment(5) | TrackBack(0) | 日記

2009年12月30日

朝日新聞社がASA(販売店)との取引制度を見直し

 「自立した経営者づくり」との見出しが躍る業界紙…。朝日新聞社がASA(専売店)との取引制度と契約内容を見直すという専門紙向けの会見が16日、朝日新聞東京本社で開かれ飯田正也販売担当兼東京本社販売局長がその概要について説明を行いました。

 今回の取引制度、契約見直しの目的については、ASAの「権利と義務」を明確にし、「自立した経営者づくり」「強い販売網」「透明性のある補助政策」であることを強調。変更の骨子を@全国一律ではなく地域特性に沿った基準を設定Aできる限り部数連動型B補助項目を減らし制度を簡素化―と説明。それぞれの市場格差を考慮し、「頑張る」ASA所長(経営者)に報いる奨励金額を設定、現行制度の奨励金額と比較すると全体の約半数が向上し、約半数が下回るとのこと。減収になる場合は激変緩和措置として3年間、補てんするとしています。以下に新聞通信(12月21日付)を引用します。


▽部数連動型で「奨励費」ASAの権利と義務を明確化 取引制度と契約見直し
 朝日新聞社は来年4月から、東京、大阪各本社、北海道支社管内のASA(朝日新聞販売所)との取引制度と契約の見直しを実施する。長年続いてきた、部数が右肩上がりの時代の現行の「基数」制度を改め、部数増が困難になりつつある時代に適合した制度へ変更。新聞販売本来の姿に原点回帰し、「ASAランク」奨励、「成功報酬型」奨励、「CS・地域貢献」奨励の3つの柱とする部数連動型の新制度を導入、ASAのモチベーションアップを図る。制度見直しに伴い契約も見直す。契約自動更新期間を当初3年間を除き、「3年間」から「1年間」に変更。また、大規模ASAに、営業強化、人材育成、新販売手法などの役割分担を担わせ、それを明確にするために「覚書」を交わすことにした。
【背景・目的】
 販売と広告を2本柱とする新聞社のビジネスモデルが崩れつつある。販売現場では、折込収入の好転が望めなくなっている。こうしたことから「実売増・発証増」という新聞販売本来の姿に原点回帰して、ASAのモチベーションアップを図る必要がある。現行の取引制度は右肩上がりの時代の制度で今の環境に適しておらず、部数増が困難になりつつある実態に近い取引制度が必要である。同時に「増やしたらマージンが増える、減らしたらマージンが減るというわかりやすい制度が求められる。ASAの権利と義務を明確にするとともに、「自立した経営者づくり」「強い販売網」「透明性のある補助政策」を目指した新たな取引制度とした。
【新取引制度の骨子】
1.全国一律の基準ではなく地域特性に沿った基準を設定し、それに対応する制度。重点地区である首都圏・近畿圏などの都市圏は部数増、営業強化に取り組む。また統合版地区は販売網維持、固定読者維持などを目指す。この基準に対応する制度とした。
2.現行販売費を組替え、できる限り部数連動型にした。基数奨励費などの基数制度を廃止し、地域補助等の補助と合算し、部数連動型の補助に組替えた。特に賞与補助も「労務の多様化」に対応するため組替え対象にした。また補助項目を減らして制度を簡素化し、販売費をなるべく今回の制度補助に組み込み、ASAの自立経営をサポートできる制度にした。
【新取引制度の概要】
 今回の取引制度は3つの柱で構成される。
1.「ASAランク」奨励。ASAを部数規模で5ランクに分類し、部数ランクに応じて「奨励費」を支給する。部数規模が大きくなるほど「奨励費」単価がアップする仕組みとなる。現状では、部数規模の小さいASAは営業ができず配達・集金に特化する傾向があり、その結果部数増を果たすことができなくなっている。自前営業力を持つためにはある程度以上の部数規模が必要。部数規模の大きいASAには、営業力強化、人材育成、新販売手法・新規事業などの役割を担ってもらう。役割を明確にするために「覚書」を結ぶ。営業力強化などの役割を果たすためにはコスト増になるため奨励費単価をアップする。新制度は小規模ASAを排除する制度ではない。現場では激変緩和に留意したきめ細かい対応をする。複合・合配化が進むケースも想定されるが、いかなる場合も雇用の確保を最重点に取り組む。
2.「成功報酬型」奨励。部数増に対して奨励費を支給し、ASAのモチベーションアップをさらに図る。
3.CS・地域貢献奨励。部数の結果だけで判断するのではなく、固定読者率、地域貢献、読者対応などASAをCS・地域貢献の観点から評価する。主に統合版地区で活用する予定。
【契約の見直し】
 「新たな取引制度」を有効に活用するためと、本社とASAの権利・義務関係をさらに明確にするために「契約」について2点を見直す。
1.契約自動更新期間は当初(創業)3年間を除き、「3年間」から「1年間」に変更する。契約期間を1年間にすることで、年間の販売、営業計画とその達成状況を確認し、その結果に応じて取引制度を改定する。
2.「覚書」で大規模ASAの役割を明確化する。大規模ASAには、営業力強化、人材育成、新販売手法・新規事業などの役割を担ってもらう。その役割を明確にするために「覚書」を取り交わす。
【ASAランク奨励テーブル】
 地域特性(現行奨励費、経営環境、競争環境など)に合った制度にするため、東京本社11、北海道支社2、大阪本社26のASAランク奨励費テーブルを設定する。
 T(10,000部以上)Aランク
 U(7,000〜9,999部)Bランク
 V(5,000〜6,999部)Cランク
 W(3,000〜4,999部)Dランク
 X(2,999部以下) Eランク


 会見の中で「担当員の仕事内容も変わるのか」との質問に対し、飯田販売担当は「当然変わるだろうし、それも狙っている。最近の担当員は、木を見て森を見ないではないが、データ集計などの日常業務に追われ、例えば3年先まで見ていない。これからは集計型から分析型、体力型から知能型へ変わっていかなければならない。あわせて部長の指導力も重要になってくる」と述べています。

 今回の取引制度見直しは、一見「頑張った店主には報い、チャンス(店舗拡大)を与える」としていますが、販売店にかかる経費を切り詰めることが大きな理由だと思います。ある意味、担当員のフリーハンドで付けられていた奨励費が、数字(市場格差にも考慮し)によって明確化されるのは先進的であると思いますが、新聞販売は実績しか判断のしようがないという意見が根強く、(これまでは)業務のプロセスなど無視されてきましたから、「CS・地域貢献奨励」などの評価は難しいような気もします。この項目あたりが担当員の残された裁量権というか、販売店との調整弁になるのかなぁ。

 奨励費(補助金)がないと経営が維持できないくらい疲弊している販売店のモチベーションをあげることになるのかどうかは疑問です。何せ、販売店が本社へ納金する新聞原価費は大きく変わらないわけですから、店主の本音は「折込チラシが多く入る地域の店主になりたい」ということしかないでしょう。

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2009年12月27日

宅配事業統合計画が破談 ペリカン便が消え、ゆうパックが残る

 日本郵便がペリカン便を買収「ゆうパック」に一本化(09/12/25) 「ゆうパック」と「ペリカン便」を統合し、宅配事業のツートップ(ヤマト、佐川)を脅かすのではないかと言われた、「JPエクスプレス」(日本郵便と日通の共同出資)は途中で頓挫してしまいました。
 日本郵政グループのJP日本郵便と日本通運は24日、宅配便事業の統合計画を大幅に見直すことで合意。統合に向けて両社の出資で設立した「JPエクスプレス」は来年7月に清算し、人員や設備の大半を日本郵便が引き受けて「ゆうパック」に一本化することが発表されました。日通の「ペリカン便」は消滅し、宅配便事業から撤退するようです。
▽日通、宅配便から撤退 統合計画が破談(朝日新聞12月25日付)
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200912240455.html

 結局、日通が日本郵便と手を組み「JPエクスプレス」を立ち上げたものの、日本郵便側が「将来性がある収入部門の宅配事業を別会社(JPエクスプレス)にすると本体の経営が悪化する」などとして、ゆうパック事業を手放さず(総務省も認可しなかった)、日通側が宅配事業から撤退。「JPエクスプレス」を清算して、日本郵便の事業部門(ゆうパック)に残すということになったというわけです。

 日通側は「JPエクスプレス」の従業員6300人を日本郵便へ受け入れるよう求めていますが、難しいかもしれません。私が勤務する会社にもJPエクスプレスの紺色のユニフォームを着た従業員の方が来られるのですが、JPエクスプレスの直接雇用の方もいれば、「赤帽」の軽トラックで配達する個人事業主(業務請負)もいます。日本郵便も多くの契約社員を抱えているので、受注量をかなりあげないと6300人の継続雇用は難しいのではないかと思います。

 日本郵便がどのような戦略で宅配事業の巻き返しを行ってくるのかわかりませんが、当面はヤマト、佐川のツートップの牙城はそのままということになりそうです。


以下は朝日新聞の記事から一部引用。


 JPエクスプレスは08年6月に設立。今年4月の増資で日本郵便が66%、日通が34%の出資比率になり、同時に双方の宅配事業を移す予定だった。だが、日本郵便側について総務相の認可が出ず、日通のペリカン便事業だけが移行して発足した。
 このため、従業員のうち約6300人は日通からの出向。日通は自前で宅配事業を続ける意思はなく、出向社員の日本郵便への移籍を求めるとみられる。日本郵便側は「雇用確保には努めるが、『今のまま』はありえない」と述べており、交渉が難航する可能性も残っている。
 当初の統合案が、なぜ発表から2年もたって破談になったのか。関係者には、計画が「西川案件」だったからと指摘する声が多い。
 日本郵政の西川善文前社長が青写真を描いた当初案は、民間流のトップダウンで事業再編を進める手法で、評価する声も多かった。だが、日本郵便の現場や総務省の一部には「成長が見込める宅配便事業を外部に切り出してしまうと、日本郵便本体の経営が悪化する」との声もあった。
 かんぽの宿問題で西川氏を批判していた鳩山邦夫総務相(当時)がそうした声をくみ取り「業績の下ブレ懸念が拭(ぬぐ)えない」として、日本郵便の宅配便事業を移すことに「待った」をかけた。その後の総務相も統合計画を認めず、JPエクスプレスは態勢が整わないまま赤字を膨らませた。10月に交代した斎藤次郎社長ら新経営陣からも「西川案件」の一掃を求める声が強まり、統合撤回に至った。

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2009年12月24日

切込隊長の日経BP時評コラム やはり「人」の問題

 日経BPnetの時評コラム「新聞のネット進出が苦戦続きなのはなぜか」が注目されているようです。マスコミ擁護だとか…かなり玄人向けですが。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091222/202408/


 このコラムを書かれたのは、イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役の山本一郎さん。アルファブロガーとして「切込隊長BLOG」を運営している方と説明したほうがピンとくる方も多いと思います。

 山本さんが書かれた「情報革命バブルの崩壊」や「ネットビジネスの終わり」を読ませていただき、ネット事業者に振り回され右往左往する新聞産業の構図など、膝を打ちながら読ませていただきました。

 今回のコラムはその著書のダイジェスト版といったところでしょうか。通常の日経BPのコラムに比べて、一気に15ページ(A4サイズに落とし込むと9枚)分がアップされているので読み応えはあります。それもタダで。

 ツイッター上で見つけた、このコラムに関する書き込み(つぶやき)に「新聞とかネットとかという話ではなく、人の問題なのです」と、何とも結論的な書き込みがありました。まさにその通りだと思います。

このコラムも山本さん個人の分析に基づいた考えとしてとても参考になるのですが、新聞業界に身をおく方々がどうするか、どうしたら今の状況を変えることができるのかについては、技術力とか構造上の問題などもありますが、やはり「人」の問題でしかないと再認識しました。

【追記】
 切込隊長BLOG(24日付)で「補遺:新聞業界を含むメディア再編話についての補足」がエントリーされています。
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2009/12/post-a4e4.html

 記事の質を高めて魅力のあるコンテンツ作りを、というのは自由ですが、新聞記事の質が高くなってどれだけの売上が伸びるんでしょう。記事の質を高めるのに、どれだけのコストがかかるのでしょう。質が良ければ売上が上がる、というのは、品質がすぐに名声や売上に跳ね返る個人か小企業でのメディアが考えていることに過ぎません。もちろん、品質を犠牲にしていいのか、という議論はありますが、じゃあ新聞の文化欄や科学欄、株式欄というのは品質が高かったのでしょうか。
 問題は、業界を成り立たせるシステムのところにあります。そのシステムが構成している要素とは、平たく言えば政治力であり参入障壁です。それは利権だ、許されない、と批判するのは結構なものの、明日あさって自由参入の業界になったところでいまどき新聞業に参入するアホはどれだけいますか。
 だから、産業としての利益を考えるのであれば、遅滞戦術をしながら局地戦を戦える組織を少しずつ作り上げ、兵站が維持できる期間内に戦線を押し返す努力をすること以外方法はないよという話です。(一部引用)

 
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2009年12月23日

毎日新聞の共同通信加盟について考える〈その4・終〉

 年末作業に追われているのか、毎日新聞と共同通信加盟社の包括提携の話は幕引きしたようです。業界紙もほぼ取り扱いを休止した感じです。
 
池上彰「新聞ななめ読み」 朝日夕刊12月21日付.JPG 12月21日付けの朝日新聞夕刊に掲載されていた池上彰氏の「新聞ななめ読み」は、包括提携の報道の在り方(読売)を皮肉った内容でしたが、あまりインパクトはありませんでした。読売が毎日の共同加盟と包括提携(11月27日段階の発表)を一切報道しなかったのは、読売編集サイドの判断なのでどうこう言われる必要もないと思います。ただし、紙面に掲載されなくてもネット上ではこの問題が(関係者だけだと思いますが)幅広く議論されているので、読者が読売紙面の価値判断をするだけのことですから。

 また、月刊FACTAでは、共同通信・石川社長の「11月26日合同記者会見の一部訂正と追加説明」(12月4日)会見や減俸にまで至った騒動について、最も激怒したのが北海道新聞社の菊池育夫社長(次期共同通信加盟社の理事会長)で、「オレは聞いていない」といまだに怒り心頭との記事を掲載しています。さらに、読売側が共同通信とライバル関係にある時事通信に接近しているとも。かなり虚飾して書かれているようにも思いますが…。

 週刊誌もいろいろ詮索して書いているわけですが、ほかのメディアやこのような個人ブログなどで話題にすることによって、「聞いていない」と騒ぎ出した地方紙の経営陣はこの問題をどう思われるのでしょうか。
 共同通信との関係もさることながら、これからの新聞産業の行く末や口先だけではない生活者を向いたジャーナリズムのあり方について…。無理かなぁ「一国一城の主」は昔の成功事例にばかりすがりついて、人の話は聞きませんからね。

 今回の騒動で見えてきたのは、単に毎日が共同に再加盟をするという問題よりも、共同通信と加盟社との本質的な関係まであぶり出たように感じます。


▽毎日新聞の共同通信加盟で新聞業界は大騒ぎ(FACTA online)
http://facta.co.jp/article/201001012.html

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2009年12月21日

2009年報道界重要ニュース

 少々早いのですが…2009年も何かと忙しい年でした。いろいろとお世話になった皆さま、訪問してくれた皆さま、今年1年どうもありがとうございました。

 今年の世相を最も反映した漢字は「新」ということでしたが、新聞業界のこの1年を振り返るとどうでしょう。私のイメージは「共」ですかね。業界内だけでなく、他産業ともさまざまな提携を推し進めた新聞社もありました。単独で生き残り策を模索するより、共同で相互の利益を考える方がリスクは少ないですから。でも皆腹黒いので慎重に事を進めなければ。
 もうひとつあげるとすると「休」という漢字も多く使われました。あとは「減」も…。あまり前向きではありませんね。


 昨年に引き続き、新聞協会報(09年12月15日付)が報じた「2009年報道界重要ニュース」(協会報編集部選定)を引用して、今年1年を振り返りたいと思います。
注:重大ニュースに順位づけはされていませんが、見出しの大きさなどを勝手に判断して並べています。

@毎日が共同に来春加盟へ 地方紙十数社と個別に提携
 毎日は来年4月から共同に加盟する。共同の配信記事を紙面に活用するほか、地方紙数十社とも個別に提携し、取材拠点を置いていない地域面の記事配信の実現に向け協議中だ。これにより、分析や解説記事など独自取材を充実させる。
Aメディア対応政権交代で変化 事務次官会見を廃止 外相会見、全メディアに開放
 8月の総選挙結果を報道各社は「民主308 政権交代」「自民支配に終止符」といった見出しとともに詳報した。選挙後、民主、社民、国民新3党の連立による鳩山内閣は「脱官僚」を掲げ、事務次官会見を廃止するよう各省に指示。長官会見を廃止するなど過剰反応も見られ、記者クラブから抗議の声が上がった。また、鳩山政権に対応するため、各部横断型の取材チームを発足させるなど連携を強化する動きが報道各社で相次いだ。
B裁判員会見に地裁側介入 守秘義務の範囲、あいまい
 8月の東京地裁を皮切りに、全国で裁判員裁判が順次開かれている。裁判員経験者らによる記者会見では、報道側が強く求めていた音声の録音・録画が実現していないほか、地裁職員が「守秘義務に抵触する」として介入する問題が相次いでいる。新聞協会編集委員会は制度や取材・報道上の問題点を整理。検討するため来年1月に調査を実施する。

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posted by 今だけ委員長 at 20:41 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記

2009年12月18日

日本広告学会が40周年 「歴史的転換点を迎えて」森内豊四氏

 以前にもこのブログで紹介させていただいた日本経済新聞社出身で日本広告学会常任理事の森内豊四さんから、「日本広告学会40年史」(第1章:日本広告学会設立の経緯)を贈呈していただきました。

日本広告学会40年史.jpg 広告に関する学術研究の場として、経営学、社会学、商業額等の関連諸科学部門の学者、研究者によって構成される日本広告学会は、1969年12月6日、東京千代田区神田の学士会館で開催された創立総会をもって日本広告学会は正式に発足しました。しかし、当時のマスメディアは日経を除いてニュースとして扱ったところはなかったと言います。学会創立の前後、日本の広告費は4年間で倍増するという驚異的な成長を遂げることになり、新聞、テレビを中心とするマスコミ産業の発展に大きく寄与することになります。
 研究されるプロジェクトは相当なボリュームです。例をあげると、広告の経済的機能、広告の社会的機能、広告関係諸機関の組織、広告管理、広告モデル、広告効果測定の開発、広告教育の方向・内容・扱い方、消費者行動から見た広告、広告心理、広告費、広告のクリエイティビティ、広告倫理・広告規則、広告学体系化など…。学会の発足時から携わってきた森内さんの見識の高さは、このような学術的な研究成果が裏打ちされていることを改めて理解しました。本書には歴史的経過が時系列にまとめられており、資料価値は相当高いと思われます。

 森内さんは先週10日発刊のアドプレス(広告業界の専門誌)にも寄稿(歴史的転換点を迎えて)されています。引用すると


アドプレス 12月15日付.JPG・・・この1、2年来の経済危機の到来で広告ビジネスは一挙に40年前に逆戻りした。仄聞するところによれば、営業現場は売れ残りのタイムやスペースを大量に抱えて地を這うような作業を強いられている。日本の広告ビジネスは前近代性を引きずっている。根底にあるのがコミッションシステムである。代理店とメディアがスクラムを組んで媒体の売り込みに走る構図である。

 しかし、インターネットの進展や地球環境の制約から、従来の、大量媒体を利用することで業界が発展する方式は行き詰ってしまった。いくら広告を打っても成果が上がらないということは、広告の送り手も受け手も広告から遠ざかってしまったということである。しかもこれは欧米の先進国にも共通した現象である。広告は構造不況に陥ったとみなければならない。従来の景気循環的な見方を改め、広告は駅私的な転換点を迎えたとの認識に立つべきである。

 これからは「より大きなビジネス」ではなく「よりよいビジネス」、すなわち広告本来の知恵や創造性を競う方向へと転換を図る必要がある。代理店の本質的な仕事は、真に優れたクリエーティブの提供と効率的なプランニングの提案にあることは言を俟たない。広告会社は営業部門を思い切って縮小し、機能別再編で広告の原点回帰に努めることだ。そのためには、フィーへの転換が必要となる。


 森内さんの考察は常に原点から外れることなく、クライアントと消費者双方の立場からそれぞれの利益を代弁してくれます。そしてマスメディアと広告の適切な関係とその重要性など学ばせていただくことが多々あります。

 新聞は現役の新聞人と学会(研究部門)との間で意見対立が激しく、相容れない関係であると言われますが、広告はどうなのでしょう。それぞれの研究成果を結び付けていくと最適な広告・マーケティング手法が確立されるようにも思うのですが…。政府の景気対策に勝るものはないのかなぁ。

コミッションとフィー.jpg▽コミッションとフィーの説明
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa650759.html

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