2010年05月11日

岩手日報が7月から夕刊廃止 東北では4件目

 東北勢では福島民報、福島民友、秋田魁に続いて、岩手日報も7月から夕刊を廃止するときょう付けの紙面で社告が打たれました。
 以前のエントリーでは確定ではなかったため社名を出しませんでしたが、すでに3月の時点で伝わっていました。「夕刊廃止をめぐり村田会長からの反対や統合版価格が決めるのに時間を要したことなど、社内ですったもんだがあった」と聞いています。


 「次は東奥日報も・・・」との話も囁かれているようですが、夕刊廃止問題は続々と出てきそうです。


【社   告】
▽7月から夕刊を朝刊に統合します 購読料は月2980円
 岩手日報社は7月1日付紙面から夕刊を統合し、ページ数を増やした新しい形の朝刊を発行します。これに伴い、6月30日付をもって夕刊は休刊とします。同時に月決め購読料を現行の3007円から2980円に改定します。
 これまで長い間、読者の皆さまに親しんでいただいた夕刊を統合することは誠に心苦しいものがありますが、何とぞご理解をいただき、より充実した新紙面の朝刊を継続してご愛読くださるようお願い申し上げます。
 近年、インターネットの普及、県民の情報生活の変化などメディアを取り巻く状況は激変しています。こうした時代のすう勢の中で新聞の夕刊の在り方も見直す時期と判断しました。
 これに加え、長期化する景気の低迷は広告需要の落ち込みを招き、新聞発行の経営環境は厳しさを増しています。このため、岩手日報社は夕刊を朝刊に統合することで、販売、配送、配達にかかるコストを削減し、将来とも安定した新聞発行を目指す道を選択しました。
 新しい朝刊には、夕刊の文化欄、読者の投稿欄、教育のページ、スポーツ広場など主要な面を盛り込みます。県内はもとより、国内外の最新のニュースとその背景を探る解説や評論を強化するとともに、地域に密着した話題、暮らしの情報をさらに充実させ、読み応えのある紙面にします。詳細は後日、お知らせしますのでご期待ください。
 なお、新しい朝刊の1部売り価格は現行110円を130円に改定させていただきます。
岩手日報社 (2010.5.11)

▽岩手日報社告
http://www.iwate-np.co.jp/syakoku/1005111.html
▽新聞人は「何を」守るために新聞を発行し続けるのか
http://minihanroblog.seesaa.net/article/144688809.html
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2010年05月01日

頭のいいヤクザコンサルに狙われないように…

 メーデーのきょうは少々辛口で…。

 「Synodos」(日本社会を多角的に検討する知の交流スペース)を主宰する芹沢一也氏の論文「ネット興隆危機叫ばれる新聞」が4月28日、河北新報に掲載されていました。論考.jpgおそらく共同通信からの配信記事だと思いますが、現状をなぞらえただけで「あっそう」という内容(ゴメンナサイ)。


 でも新聞産業の内側にいるから「あっそう」と思ったのであって、読者の側からすれば「そうなのか」となるのでしょうね…きっと。

 一見、「紙」の新聞の将来は厳しいものだというこの手の論考の締めは、いつも「可能性はある」、「未来像を描き切れていない」、「コアコンピタンスを見失っている」と業界への処方箋じみたものに仕上がりますね。新聞に掲載されるのだから「もう新聞業界はダメです」とは書けないのでしょうが、いまひとつ突っ込んでほしかったなぁと。


 経営状態をよくするために 「わらをもつかみたい」というのが新聞経営者の本音だと思いますが、こういう時に近づいてくるのがコンサルタント会社。以前、小生が勤める会社でもその手のコンサル業者から(経営が調子よかったころ)コーチングを受けたものですが、何も残らなかったというよりも逆にうちの会社の手法を盗んでは、ほかの販売店で何食わぬ顔をして教え込んでいました(ほかの販売会社の方から聞いたので間違いありません)。
 結局は何も根付かず、最後には「それはあなたたちの努力が足りない」と居直るのですからひどいものです。


 新聞社は編集系の方が経営陣に名を連ねているのがほとんどですが、経営悪化の原因は素人経営陣が采配を振るっているからと評される方も少なくありません。確かにそうなのかもしれないけれど、このようなときに「処方箋がある」とばかりに近づいてくるヤクザコンサルの方を怪しいと思ったほうがイイのかもしれませんね。


 「答え」をちらつかせて近づいてくる「頭のよい人」に惑わされないようにしたいものです。「答え」を知りながらそれを実践できない社内体質の方に新聞社の問題があるのですから。

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2010年04月22日

景気が悪くなると保守化する?

 おとといの楽天イーグルスvs千葉ロッテ戦は東京ドームの開催で4万人の観客を集めました。楽天イーグルスの主催ゲームが東京ドームで行われたのは言わずと知れた三木谷さん(楽天グループ社長)と渡邊恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)の関係によるものと言われています。
 逆にクリネックススタジアム宮城でジャイアンツ戦(交流試合以外で)が行われ、Y販売店は「G戦チケット」を大量に投入して読者獲得を…。まだまだYグループは衰えることを知りません。販売店などの下流部門はだいぶ疲弊していると聞きますが、ナベツネさんの目が黒いうちは1千万部は割れないのでしょう。

 ともあれ、読売グループの総帥として君臨するナベツネさん。「2009年度の経営状況は広告収入の落ち込みで減収したが、一切借金がないので経営は安泰だ」と豪語するほど、グループ経営は盤石なのかもしれません。人間って経済的に余裕が出てくると天下国家に口を出したがるのでしょうね。政治記者の出身となればなおさらメディアを使って、自分の主張を推し進めようとするもの。ナベツネさんもその一人。
 2004年に読売新聞が憲法改正試案を打ち出したあたりから、ほかの新聞社(新聞社系出版物)へ露出し始めたと感じています。
 2006年1月5日に刊行された論座(朝日新聞社:2008年10月廃刊)では、若宮啓文・『朝日新聞』論説委員と靖国神社への首相参拝を非難する内容の対談が特集されました。同じ年の12月からは日本経済新聞の人気コーナー「私の履歴書」で軍隊の不条理に怒り戦後は共産党に入ったことなど、学生からの新聞記者時代までの半生を執筆しています。

 単なる露出狂なのか、戦国の武将のような戦術家なのか、はたまたルパート・マードックのようなメディア王に化けるのか…。(ナベツネさん1926年生まれの84歳、マードック氏1931年生まれの79歳)なんだかんだ言ってもこのお爺ちゃん世代がいまだに権限を持ち、トップセールスをしているもの確かだということですね。がんばらなきゃ!

サンデー毎日.jpg 先日も読売新聞の半三段広告(12段組みなので)にサンデー毎日の広告が載っているので、「おやっ」と思って目を凝らしたら、同誌4月25日号に中曽根康弘大勲位vs.渡辺恒雄読売新聞主筆「鳩山、谷垣にできるか…参院選後は大連立だ」との対談が掲載されているからと納得しましたが、やっぱり毎日にナベツネさんが掲載されているのに違和感を覚えるのは私だけかなぁ。「こんな時代に広告もらえるだけイイじゃないか」と怒られそうですね。

 以前、新聞労連の就活セミナーを開催した際に、「どうしても毎日新聞社に入りたい」と目を輝かせていた女学生のことを思い出しました。労働条件面を考えれば、ほかの全国紙や通信社を目指した方がよいのではないかとのアドバイスを聞き入れず、「子供のころから毎日新聞の論調が好きで、親の代からずっと毎日を読んでいるから思い入れがあるのです」と彼女。見事入社を果たしました。
 毎日新聞社は自由闊達な職場だと多くの先輩から伝え聞いているものの、現状はどうなのかなぁ。

 田原総一朗氏が「田原総一朗ニッポン大改革」(現代ビジネス)で、マスコミが弱まっている原因として景気低迷をあげ「企業というのは景気が悪いと保守化するんです。元気がなくなるんです。乱暴なことはするな、余計なことはするなって話しになる」と自身のブログで述べています。新聞社の経営が困難になると人員合理化が進み、取材態勢を縮小して共同通信の配信に頼らざるを得ないのが、毎日新聞のいまある姿です。
 新聞社の主張に差異が無くなり、総保守化しているとなると、毎日新聞の論調が好きで入社した女学生は今どういう思いで仕事をしているのだろうと思いふけってしまいます。

▽なぜ新聞社はツイッターを恐れるのか(田原総一朗ニッポン大改革)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/460?page=3
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2010年04月19日

新聞試読紙の期間制限が削除

 ちょっと遅ネタですが、新聞事業者が自ら共同で定めた自主規制ルール、公正競争規約(施行規則)が3月15日、一部改正されました。
公正競争規約施行規則 新旧対照表.jpg 今回の改正は「戸別配布の方法による試読紙配布ルール」と「懸賞企画の当選者氏名公表ルール」に関するもので、消費者庁および公正取引委員会から承認され、同日から施行されています。改正内容は「戸別配布の方法による試読紙配布ルール」のうち、試読紙配布件数が定数日をまたがないように設けていた「1カ月につき10日から20日までの間」との期間制限を撤廃しました。「1カ月につき7回を限度に配布するもの」というルールに変わり、「1カ月につき」とは、暦の1カ月に限らないということになったわけです。


 昨年9月のエントリーでも試読紙の期間制限の撤廃へ懸念を表しましたが、月をまたぐ試読紙配布が多くなると定数のカウント自体が「試読紙の上げ底」に乗る格好になると懸念され、実配部数(定期購読をしている読者)が曖昧になる可能性があります。
▽関西7社販売局長共同声明に見る正常販売の本気度
http://minihanroblog.seesaa.net/archives/20090929-1.html


 「押し紙」を切ることができないため、巧妙な理屈をつけて「押し紙」の行き先をつくり部数の正当性を主張する新聞社も少なくありません。ビジネスホテルへほぼ無償で客室数以上の新聞を納品したり、ファミレスのレジ脇へいわゆる「棚借り」をしたりして配達先を確保します。いったんはその納品先に大きな単位の部数を買い取ってもらい、その代金をそっくりそのまま「PR奨励金」との名目でキャッシュバックするなどのテクニックを使って「押し紙」をなきものにしようと新聞の納品先と代金を迂回させる事例も増えてきました。このようなテクニックは、行き着くところ新聞の価値を下げるだけでしかないのですが…。


 いまの新聞販売現場は新規契約を取るのにとても苦労していますが、それどころか試読紙の申し込みを得ることも難しくなっています。「タダなのだから読者はいやとは言わないだろう」と思っているのは現場を知らない人たちの意見で、新聞を読んでいない人たちからすれば「タダで新聞を届けてくれるの?後から代金を請求されるのでは」といった警戒する人たちも増えています。特に大学生の方々は。逆に定期購読する気もなく試読紙を申し込んで1カ月タダの新聞を読み続ける人たちも増えているような気がします。常習の人はきちんと話をして配達しませんけどね。

 これまでの新聞販売手法に嫌気をさしている読者は、残念なことに新聞そのものと距離を置くようになっていると感じるこの頃です。


【お知らせ】
 新聞公正取引協議会が隔月で発行してきた「中央協だより」が、季刊(年4回)となりました。ネットを活用した情報発信をすることもなく、関西地区や福岡・山口地区でも販売正常化が取り組まれているだけに、販売現場の情報発信の頻度が少なくなるのはちょっと残念です。

資料:中央協読者調査
   中央協読者調査@.jpg  中央協読者調査A.jpg

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2010年04月16日

今度はYが新聞輸送との契約を打ち切り 軽んじられる仕事などありゃしない

 「さらば新聞輸送列車」がちょっとした話題になりましたが、JR東日本の東京(両国)から千葉への新聞配送が3月12日で終了したというアナログなネタから1カ月後の4月12日には、朝日新聞社の新聞配送車両をパナソニックが製品やサービス部品の輸送に活用することが発表されるなど新聞輸送界もあわただしく動いています。
 合理化や新たな業務展開は、新聞社間の印刷部門の相互受託だけに限らず輸送部門にも波及してきているのです。


 以前、エントリーした「印刷部門の別会社化に次ぐリストラ策は大手輸送会社切り替えによるコストダウン」の時は、出資会社の毎日新聞が新聞輸送会社との契約を打ち切り、入札制による輸送コストの切り下げを要求。東京一般労組に加盟する新聞輸送従業員組合と毎日新聞社との間で争議が起こるという事態になりました。

 あれから2年。今度は毎日新聞に続き、読売新聞も新聞輸送会社との契約を打ち切るというのです。読売新聞から新聞輸送会社へ支払われる輸送代はざっと見積もって年間4億弱。残る朝日新聞と日経新聞、東京新聞(中日新聞)の輸送代では(新聞輸送会社の従業員の)現行の労働条件の維持は難しいと思われます。
 「新聞輸送会社は新聞社が設立した経緯から、高コスト体質が問題点として指摘されており、年収1千万円を超す従業員も結構いる」という話が伝わってきますが、「輸送会社の従業員が年収1千万円で何が悪い!」と憤りつつ、新聞社の経営が行き詰まりを見せるなか、下流部門の経費削減を強硬に推し進めて“新聞社に勤める人たちの賃金を守ろう”という流れが、なりふり構わず行われていると感じます。

 印刷や輸送部門が新聞社から切り分けられて、別会社化にシフトされ始めてから15年くらいたつでしょうか。輸送会社によるコンペ方式で輸送料金の安いところと提携する新聞社がこぞって出てくるかもしれません。販売店からすると、店着時間が10分遅れると配達作業はその3倍の30分遅れるので、「早く、確実」な輸送業務は重要な問題です。

 「ただ運びさえすればいい」。新聞輸送はそんな軽んじられる仕事ではない。そう思っています。

▽さよなら新聞輸送列車---トラックに転換

http://response.jp/article/2010/03/12/137605.html
▽新聞配送網を活用した低公害車による共同配送を実施
http://www.asahi.com/shimbun/release/20100412.html
▽印刷部門の別会社化に次ぐリストラ策は大手輸送会社切り替えによるコストダウン
http://minihanroblog.seesaa.net/article/90018364.html

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2010年04月06日

新聞をヨム日に考える 営業の基本はフェース・トゥ・フェース?

 きょう4月6日は新聞を「ヨム日」。全国各地でいろいろな活動が繰り広げられたようです。
 街頭で試読紙やパンフレットを配ったり、PR紙をポスティングしたり…だいぶマンネリ化している感もありますが、
日本新聞協会の音頭によって各系統の枠を超えて新聞購読のPRをする共同作業は悪くはありません。でも生活者(特にターゲットとする無購読の新社会人や大学生)からはどのように映っているのか検証する必要があると思います。


毎年4月6日から12日までの1週間を「春の新聞週間」、その初日の4月6日を「新聞をヨム日」として、無購読者に新聞の購読を呼びかける活動を集中的に展開しています。
2003年春から実施しているもので、全国各地でポスターやチラシによるPRのほか、試読紙の街頭配布キャンペーンやPRイベントなどが行われています。09年からは新聞の魅力を伝えるキャンペーンサイト、「見えないものが観えてくる。-新自聞スタイル-」(

http://www.readme-press.com/46/)を開設しました。(日本新聞協会HPより)
 春の新聞週間は、若年層の無購読化が進んでいることへの対策として、新たに世帯主(単身生活)となる新社会人や大学生へ新聞購読を浸透させるという目的で取り組まれました。スタート当初は大学入学式の出入り口で購読パンフレットを手渡したり、新入社員研修期間に教材として試読紙を人数分届けたりしていましたが、レスポンスはかなり低く徐々にそのようなPR的な取り組みもその規模を縮小させています。
 昨年からはIT企業の社長を登用して「新聞を読むことの価値」を全面的にPRしたサイトをスタートし、「
HAPPY NEWS」でも竜馬伝でおなじみ福山雅治さんのインタビューを掲載するなど、若年層受けしそうなコンテンツを打ち出しています。

 でも申込件数(返還率)は相当に悪い。というか、ターゲットにしている世代が月々の購読料を払ってまで新聞を購読する価値に足りていないと考えているのです。加えて業界側も新聞を購読することのメリットが提供しきれていないのも事実。販売する側にとってはここが悩ましい問題です。
 金融機関では新入社員に「日経は必ず購読するように」と指示が出されるようですが、同じように提携企業からの(新入社員の)読者紹介も相当なもので、「お付き合い」の文化もすてたものではありません。ですが、この不況で提携企業との関係も希薄になりつつあり、これまでのような「お付き合い」も難しくなっています。こちらも削れば、向こうからも削られるという当たり前の理屈です。


 販売の原点は「フェース・トゥ・フェース」であるならば、敬遠されがちな各戸訪問セールスの手法(イメージ)を一新させることと、大学や企業に入り込んで講座や社員研修などをパッケージ化させて新聞営業を展開するかしかないのかなぁと思っています。あくまでも「紙」にこだわるとですが…。


newsworker 購読層の世代交代の問題が深刻かと。今新聞を読んでいない若年層が将来は購読するか、の問題です。
fujisiro やれば出来るんですよ。僕が徳島新聞でやったように、でもやりたくないだけ。
hamasan63 購読しません。その前提で何の手も打ってないのが空恐ろしい。 
Tokyo_Wave 今の20、30代の生活時間内の許容文字量は「R25」の薄さが限界だそうです。創刊メンバーに聞いたことがあります。広告はもっと入るが敢えて抑えてると。
【追記】4月7日22:40
husaosan 申し訳ありませんが、紙のみで考えるのはやはりもう破綻してると思ってます。取材コンテンツを形にこだわらず届けることを本業としないと新聞業界は生き残れない。販売の現場をどうするかは、また別に考えないといけない。そこを同じでやろうとするので思考停止してしまうと思っています。ニュースを朝のリビングに届けるためのデバイスは発売されましたし、新聞紙を購読する人は、遠く近い未来にはいなくなると思います。でも新聞読者はまだいます。みんなポータルから読んでますし。そこをどうビジネスとしてなりたたせるかに注力する時代になってしまったんだと思います。販売の現場を無視と言われると辛いのですが、そこは別に議論すべきかと。  (ツイッターの書き込みより)

 購読しません。と断言されると“うわっ”とポジティブでいられなくなってしまいますが、もしかすると、その前提(若年層は紙新聞を読まないという)で手を打つことを考えることすら禁句になっていることの方が、新聞経営の危険なところのように感じます。

追伸:4月の異動で古巣の営業部門へ戻りました。今後ともご指導いただければと存じます。

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2010年03月26日

Tポイントは換金システムよりも広告プロモーションに期待

 今だけ委員長のケータイとPCのメルアドには1日平均20件程度のメルマガが送られてきます。もちろん新聞社系のものが多いのですが、きのう毎日新聞の「まいまいクラブ」から送られてきたメルマガには、4月から共同通信との提携することや「Tポイントサービス(購読料のポイント加算)」を開始することなどの告知がありました。(以下に引用)


【まいまいクラブ、リニューアルのお知らせ】
 日頃は毎日新聞をご愛読いただき、ありがとうございます。また、まいまいクラブの活動をご支援いただいていることに感謝いたします。
 毎日新聞社は、4月より、新聞業界に先駆けてさまざまな新しい取り組みに挑戦します。共同通信との提携や、地方紙との協力体制の構築で、紙面のより一層の充実を図るとともに、今月23日から、ご愛読いただいている読者の方を対象に「Tポイントサービス」を新たに開始しました。https://www.mainichi-hanbai.jp/tpoint/

それに伴い、愛読者組織であるまいまいクラブの活動をさらに発展させるため、リニューアルの計画を進めております。
 つきましては、4月から当面の間、従来の活動や提供サービスの一部を変更させていただきます。プレゼント企画や、ツイッターは従来通り続けます。個別の活動については、該当のコーナーをご覧ください。メールマガジンにつきましては、不定期発行となりますことをご了承ください。
 まいまいクラブ会員の皆様にはご迷惑をおかけしますが、事情をご斟酌のうえ、なにとぞご容赦ください。また、今後の予定につきましては随時、ウェブサイト、紙面、メールマガジンなどでお知らせいたします。今後の毎日新聞、およびまいまいクラブにどうぞご期待ください。

 今回注目したいのは「Tポイントサービス」の導入について。
 業界紙から引用すると「毎日新聞社は4月1日から、毎日新聞の定期購読者に対し、買い物などで利用できるTポイントの付与サービスを始める。Tポイントは同社と業務提携するカルチャ・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する国内最大級のポイントサービス。加盟約60社の約3万店舗で、支払額に応じてポイントがたまり、それを1ポイント1円として代金に使えるもので、今回は、朝夕刊配達地域で39ポイント、その他の地域で30ポイントを付与する。日本の新聞社で、読者に本格的なポイントサービスを導入するのは初めて」(新聞情報 3月17日付)

 これまでは、購読料の支払いをカード決済にした場合にそれぞれのカード会社の換金率でポイントが加算されるというものでしたが、ビデオCDレンタルのTSUTAYAを事業の柱とするCCCが展開する広告プロモーションに絡めたポイント換金システム(Tポイント)のグループに毎日新聞社が加わったということです。

 さらに毎日新聞社はTポイントなどの読者情報を販売店と共有するシステム構築を急いでいるそうです。システムの名称は「えぽっくシステム」。ネット上で発行本社と販売店、関係会社との間で情報のやり取りができるネットワークで、4月に都内と大阪の毎日専売店3店程度に導入し、5月から本格稼働するとのことです。販売店は発行本社の販売管理部への登録が必要で、料金は管理費として月額1000円程度かかる見込み。


 新規読者獲得より現読者維持に経費を振り向ける。普通に考えれば当然のことですが、「部数を伸ばすこと」のみを販売政策に据えてきた新聞業界にとっては、今になって顧客ロイヤルティを高める必要性が浸透してきたのでしょう。遅すぎますけど、毎日新聞は早いほうなのかなぁ。

 
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2010年03月25日

新聞人は「何を」守るために新聞を発行し続けるのか

 今週初めに「某中堅地方紙が7月から夕刊を廃止する」という情報が入ってきました。
 完全セット版で発行をしてきた新聞社だけにいろいろ感慨深いものがありますが、人件費の維持と夕刊発行の維持を天秤にかけた場合、新聞人はどう考えるのでしょうか。

 確かに近年の広告や販売収入の落ち込みによって、これまでのような経営(販管費の維持)ができなくなってきているのは周知の通りです。「夕刊は広告が入らなければ発行するだけ赤字」と聞いたことがありますが、これまでのような経営ができなくなったから、夕刊媒体とそのインフラ(宅配網)をやめるというのはどうなのかなぁという気がします。


 新聞離れについて多くの方がネットの影響だとか、記事の質が低下しているからなどと評していますが、私は習慣性という見方で新聞(夕刊)離れを考えてみたいと思います。

日曜夕刊廃止運動の歴史「小休符があるからいい音楽ができる」 今だけ委員長ブログより
 現在のような情報産業が発展していない時期、新聞は市民への情報伝達に欠かせないものだった。現在は日曜・祝日、そして年末年始にかけて休刊になる夕刊だが、日刊紙の夕刊は1965年頃までは日曜日も発行され、販売店従業員はそれこそ362日(当時の夕刊休刊日は元旦、こどもの日、秋分の日の3日間)朝も昼も新聞の配達をしていた。
 日曜夕刊廃止については、新聞販売店従業員の葛藤もあった。「新聞というのは社会の公器。休まないところに新聞の意義があり、われわれは一般社会人とは違って特殊な仕事をしているという“誇り”を持って頑張らなければいけない」と言い聞かせて、当時の新聞奨学生なども学業との両立を寝る時間を割きながら配達業務に従事していた。しかし、時代は高度経済成長に後押しされ、週休制が浸透、日曜日には「本日休業」という札をぶらさげる商店が当たり前になってきた。そこで週休制を一挙に実現することは難しいから、せめて日曜日の夕刊ぐらいは休刊にして欲しいという運動が、東京組合から各地の新聞販売店へと拡大して行った。新聞協会や新聞社への要請行動の始まりである。

 1965年4月から、新聞協会加盟の40社が日曜夕刊を休刊することになったのですが、これを機に朝刊の休刊日も増えていきました。夕刊だけではなく新聞そのものを読むという習慣は新聞休刊日と社会環境の変化(24時間ローテーション職場の登場などでライフスタイルが激変)と相まって、出勤前に朝刊を読み、帰宅したら夕刊に目を通すという習慣性を薄めてきたとも考えられます。
 そして今はいつでも最新の情報が入手できるネット社会が形成され、自ら全世界に向かって発信できるツールを持てる時代です。決まった時間に宅配され新聞に目を通すという行為を当たり前だと思う人が残念ながら少なくなっているのです。その習慣が崩れれば新聞社(プリントメディアを提供する)のビジネスモデルも崩壊するわけです。

 「採算が合わないから夕刊を廃止」。それは延命手段であって新聞経営(ビジネス)の根本的な改善にはつながらないのではないかと感じます。

 米系投資銀行に勤務する藤沢数希さんのブログ「金融日記」の3月24日付けエントリー「日本にはマスメディアの危機なんてない。あるのは社員の高すぎる給料だけだ」をぜひ新聞人には読んでもらいたいと思います。自身も反論は山ほどありますが、いろいろと考えさせられました。
 今回の夕刊廃止の話題は、「新聞人の生活レベルを守るために夕刊を犠牲にした」と解されるかもしれません。新聞人は「何を」守るために新聞を発行し続けるのかをじっくり考え直す必要があると思います。

▽藤沢数希ブログ「金融日記」
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51672231.html

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2010年03月22日

不完全燃焼だったNスペ「激震マスメディア」

 NHKスペシャル「激震 マスメディア 〜テレビ・新聞の未来〜」をアルコール抜きで見ました。今日3月22日は放送記念日ということで、マスメディアの特集が組まれたとのことです。
 職場の「アンダー50」な方々にも「必見!」なんてメールを送りましたが、正直見なくてもよかったなぁという感じです。あした「ゴメンナサイ!」と言わなくてはいけませんねこりゃ。

 正直、いまのマスメディアの限界(ネタの扱い方)を感じました。パネラーの議論も佐々木俊尚さん以外は理論的に崩壊してましたね(笑)
 あの年代(マスメディア代表の内山さん・広瀬さん)の方々に川上さん(ドワンゴ会長)の意見を理解できるはずがないと思った方が自然なのかもしれません。ツイッターhttp://search.twitter.com/search?q=%23nhk_media0322
)での書き込みもざっと読みましたが、イマイチ不完全燃焼といった意見がほとんどでした。メモった意見(番組でテロップに流れた)としては、「いまのマスメディアはジャーナリズムではなく、コマーシャリズムになっている」というのと、「いまの現状(米メディアの倒産など)を騒いでいるのはマスコミに働いている人だけで、普通の生活者にはそんなの関係ありません」との厳しい意見…なるほど。
 現場の記者の皆さんはそう思っていなくても、別の世界(ネットの側?)の人たちだけではなく複数の方がそう感じているということも押さえておきたいところです。

 番組の最後に、司会の藤沢秀敏さん(NHK解説委員長)がムリくりまとめてましたが、(仕方ありませんが)どっちつかずのまとめが余計に視聴者の消化不良を増長してしまったと感じます。
 自分なりの感想は、新聞、テレビのマスメディアであろうが、ネット言論だろうが、重要なのは情報の質だと思います。その情報をすくい上げるのは、それを生業にしている人たち(ジャーナリストの免許ありませんから)だけではなくなっているので“もっと頑張らなきゃ”ということ。そして、メディアの定義はそういった情報がしっかりと人に届くシステムであるはずだと思うのです。

 まぁ番組の冒頭にも登場したガ島通信を運営する藤代裕之さんの「ネット社会では、これまでマスメディアが報じてこなかったことも明かされていくようになる」というひと言に集約された番組でした。
 ガンバレ〜新聞!(他人事ではありませんが)


※「激震マスメディア」再放送は3/29日(月)午前2:05〜の予定。


※3月22日は放送記念日(ほうそうきねんび):NHK1943年に制定した記念日
NHK東京放送センターの前身である東京中央放送局(JOAK)が、1925年3月22日に東京都港区芝浦の仮送信所でラジオの仮放送を開始したことを記念して制定された。

【追記】
佐藤尚之さん(電通)のNスペの読み解き方は参考になります。「個人の人生」と「社会での老い方」の違い―――とても興味深い。
▽昨晩のNHK「激震マスメディア」を見ながらボンヤリ考えてたこと(さとなお.com)
http://www.satonao.com/archives/2010/03/nhk_1.html
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2010年03月16日

マスメディアは読者や視聴者からの「声」に感謝してるのか?

 先のエントリー「日経初の赤字 赤字決算できるだけましかも…」(3月13日)に対して、日本経済新聞社出身で日本広告学会常任理事の森内豊四さんからメールをいただきました。
 以前、日本経済新聞社の経営分析をした時のイメージ(超優良企業)が残っていたので、輪転機購入等の設備投資による借金によって赤字を計上できない新聞社(関連企業)の苦悩を表すために、「ANY連合は安泰」と書いたのですが実際はそうではないという指摘です。以下に引用します。


 「日経が初の赤字」に関し、「資産が潤沢」、「無借金体質」は、朝日・読売はいざ知らず、日経に関する限りは当てはまりません。
 過去に日経は毎年200億円以上の黒字を生み、新聞社のなかで一番業績が良かった時期がありました。その時でも銀行からの借入金は1,000億円を超えていました。
 以前にも申し上げたと思いますが、全社員、一部のOBで全株を所有している日経は、利益が出ると社員、株主で山分けしてきました。印刷設備をはじめ、投資資金は銀行からの借入れを誰も疑いませんでした。オーナー経営者のいない民主的企業の欠陥はそのまま日経に当てはまります。


 昨年秋、朝毎読および電通・博報堂の昔の仲間と会合を持った時、新聞社の経営悪化が当然話題となりました。その時、朝日OBが言ったのは、「朝日は全国すべての県庁所在地の一等地に自社ビルを持っている、それを少しずつ売っていけば、あと数10年はやっていける」というものでした。
 プロ野球団を持っている読売もそうでしょう。毎日もまだ名古屋と大阪でのビル経営で新聞事業の赤字を埋めることができそうです。そういう資産が一番ないのは実は日経なのです。


 業界の大先輩として新聞産業のあり方、特に経営問題については客観的、中立的な論点を指摘してくれる森内さんには感謝するばかりです。


 ブログをやっていて感じるのは、やはりこのようなインタラクティブ(双方向性)機能によっていろいろなことを発見できることです。(小ブログを除いて)個人ブログの質も高まってきており、「今日のランチ」ネタから「メディア報道を客観視して真実を問いかける」内容のものも増え、そのコミュニティも徐々に広がりつつあります。
 既存マスメディアの方からすれば、「情報の二次使用なのに自分で取材したような書き方するな」とか「ウラも取っていないのにネットへ掲載するとは何事だ」という批判も少なくないはず。まだ情報発信の雄は「新聞」であると思っていますが、個人ブログの発信によって各マスメディアの解説を論じるカタチができあがってきたのだと感じます。その多くのブロガーたちは新聞を中心にしたマスコミへの叱咤激励とばかりに“けちょんけちょん”に書きたてる節が目立つのですが、そのようなネット内で形成された意見を無視するのではなく、読者からの「声」として耳を傾けてはどうでしょうか?


 ブログの書き手は、読んだ方からの「コメント」が一番うれしいものです。そのコメントに賛否があるのは当然のこと。新聞人も読者からのコメントはありがたいと思うのですが、どうでしょう。コメントが来なくなったらそれこそオワリだと思うのです。

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2010年03月13日

日経初の赤字 赤字決算できるだけましかも…

 日本の新聞社は株式公開(上場)をしていないので、系列のテレビ局(クロスオーナーシップと言われてる)決算報告(連結決算)で新聞社の決算状況を知ることができます。
 日本経済新聞の子会社、テレビ東京の決算発表によると、日本経済新聞社が2009年12月期決算で、創業以来初めて132億円の赤字を計上したことが伝えられています。広告収入の減少で4期連続の売上高減を人件費などを含むコストカットでしのいできましたが、今期は赤字を計上せざるを得なかったようです。

 日本経済新聞より引用


 日本経済新聞社が9日発表した2009年12月期の連結決算は最終損益が132億1600万円の赤字(前の期は48億8200万円の黒字)となった。連結決算の開示を始めた2000年12月期以降、通期で初めての赤字決算となる。
 新聞・出版事業の広告収入が大きく落ち込んだことが響き、売上高は前年同期比13.1%減の3154億1400万円となった。販管費を10.2%削減するなどグループ全体で経費削減に取り組んだが、減収を補えなかった。
 単独決算は売上高が10.1%減の1771億400万円、最終損益は14億1600万円の赤字(前の期は35億1500万円の黒字)だった。

 「赤字」という報じられ方は企業イメージのマイナスですが、単年度の赤字決算で日経のような大企業はビクともしません。潤沢なキャッシュと資産を有している日経ですから…。でもこの現象が続くとキャッシュがなくなってくる。来月スタートする電子版も大した投資ではないでしょうから、収入(売上高)に見合った支出(原価+販管費)にするか、支出をまかなえる収入源を確保するかの問題。

 でも、赤字決算ができるというのは、まだ経営内容が健全だということを意味していると思います。多くの借金を抱えている企業(新聞社)は、赤字決算ができないわけです。「赤字」となったらすぐさま銀行が乗り込んできますからね。だから関連企業内(連結決算)で帳尻を合わせて黒字にするわけです。

 その意味では、ANY連合(朝日、読売、日経)はほとんど無借金体質(これまでは)なので、当面は安泰というところでしょうか。
 
▽日経の09年12月期決算、初の赤字に 広告収入減響く(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20100309ATDD0907O09032010.html
▽日経新聞が初の赤字、連結純損失132億円−広告低迷で4期連続減収(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=apNMD4IKawOg
 

posted by 今だけ委員長 at 17:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年03月10日

産経45.6%、Yahoo!61.4%、朝日は25.8%…?

 広告収入の低迷が続いている新聞産業ですが、新聞社の広告収入は何も紙媒体ばかりではありません。自社サイトのバナー広告も少ないとはいえ重要な収入源となっています。
 グーグルのようにトップページには一切広告がないサイトがある一方、めっちゃ広告ばかりに目を取られてしまうサイトもゲップが出るものです。


 Webデザイナー長谷川恭久さんのサイトをのぞいていたら、「新聞サイトのコンテンツと広告領域」というエントリーがとても参考になりました。実は新聞社サイトは広告ばかりを詰め込んで記事スペースがヤフーよりも少ないということなのです。
 なるほど、これでは「ヤフーが記事を作っている」と思う学生がいてもおかしくないような…。

 長谷川さんが調べたのは各新聞社サイトの記事と広告の表示領域はこうなっています。
     ■朝日新聞 記事25.8%・広告32.7%
     ■毎日新聞 記事48.1%・広告19.6%
     ■読売新聞 記事29.2%・広告43.2%
     ■日経新聞 記事30.7%・広告15.5%
     ■産経新聞 記事45.6%・広告12.4%


 ウェブファーストを旗印に広告収入でビジネスを構築しようとする産経新聞が、意外に広告のスペース(12.4%)は少ない。記事スペースは毎日新聞が断トツで48.1%となっているものの、産経新聞の45.6%もほかの全国紙と比較しても多い方です。
 なるほど…と思いきや、さすがは長谷川さん・ニュースといえば新聞社のサイトばかりではなく、ポータルサイトでチェックする人が多いことも見逃していません。そして驚いたことに、ヤフーニュースのトップページは広告が11.4%しかなく、記事スペース(ニュースコンテンツ)がなんと61.4%もあるのです。
 本来広告収入がビジネスの柱であるヤフーなどのポータルサイトが実は新聞社サイトよりニュースコンテンツの領域を豊富に表示しているのです。“だから”というわけではありませんが、サイト上の一覧性(見やすさ)などを考えるとヤフーのニュースサイトの方が見やすく工夫されていると言えます。


 少しでも多くの広告費を稼ごうと各新聞社もみっちりバナー広告を張り付けてしまいがちですが、ユーザーの見やすさをもっと重視する必要があるかもしれませんね。


▽新聞サイトのコンテンツと広告領域/could(長谷川恭久氏のサイト)
http://www.yasuhisa.com/could/article/newspaper-site-ads/

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2010年03月02日

【備忘録】原口大臣の(チリ大地震による津波情報)ツイッター中継

 メディアのクロスオーナーシップの是非を問い、既存メディアのあり方についていろいろ言及(まだ何をしたいのかわかりませんが)をはじめた原口総務相。
 野党時代はテレビへ出ずっぱりで人気を博した原口さん。メディアの活用は熟知されているのでしょう。その原口さんが、ツイッターでチリ大地震後の津波情報を国の災害対策情報に先駆けて発信していたことが物議?を呼んでいるようです。


▽津波関連情報をツイッターで発信…原口総務相(読売新聞3月2日付)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20100302-OYT8T00760.htm


 今だけ委員長も原口さんをフォロー(注)しているのですが、きょう現在で56,186人からフォローされています。
 56,186人のツイッター利用者は原口さんの“つぶやき”を読めるわけですが、「閣僚の“つぶやき”(書き込み)はすでにつぶやきの域ではない」と、公人としての許容範囲を問うような問題提起をメディア側(特に新聞)がしているようです。
 それに対して原口さんは以下のようにツイッター上でつぶやいています。

原口.jpgkharaguchi
記者会見で私のツイッターによる災害対策情報提供について記者の1人よりなりすましの危険もあり不適切ではないかと質問がありました。 全くそのような認識を持っていないと回答しました。国会議事堂内会見だったためインターネットで流れていませんが会見内容を開示します。

原口.jpg

kharaguchi
情報通信、紙媒体、電波…全てのメディアに対して政府は、平等・公正な姿勢で接するべきと考えます。枝野大臣らと政府広報や記者会見の持ち方などについて時間を作って話し合いたいと思います。
(このつぶやきは完全にマスコミへブラフかけてます)

 閣僚の発信が個々人へダイレクトに伝わることの是非は、受け取る側のリテラシィーの問題も含めて慎重に考えたほうがよいと思っています。世論誘導(よくも悪くも)に使われる可能性は否めませんからね。
 一方メディアの側も個人がメディアを有する時代にあって、そのような問題意識よりも記者クラブを含めた「メディアの中抜き」への懸念を主張するならば、それは既得権を盾にした「言いがかり」でしかないという気がします。

 さて、この顛末はどうなるか。

【追記】3月5日
 上杉隆さんのコラムはキレがよくて読ませますね。原口大臣のツイッター問題の件は、こういう背景があったことを知ってから紙面を見ると「なんじゃこれ」となりますね。

▽呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更/日本の新聞に未来などない!
http://diamond.jp/series/uesugi/10116/

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2010年03月01日

M1・F1総研「料金がかかるから購読しない」の結果をこう読み説いた

 電通子会社のマーケティング調査機関「M1・F1総研」が先月25日に発表した「若者と新聞」に関する調査報告書について、ネット上でさまざまな分析が行われています。
 今回の報告書で特筆されているのは、M1層の男性が新聞を読まない理由としてもっとも多かった意見が「料金がかかるから」(62.6%)というもの。

 調査手法を見てみると昨年11月にインターネット経由(謝礼あり?)で関東1都3県在住の男性に対して行われたもので、有効回答数は1200人。年齢階層はM1層(20〜34歳男性)1000人、M2層(35〜49歳男性)200人というものです。

 以前にも意見を述べましたが、さまざまなリサーチには依頼者側の意図が含まれ、(その理由等は特に)設問に微妙な誘導性が含まれる場合もありますから注意して読み説かなければなりません。

 今回の調査はネット限定で行われたということですから、M1層の意見を集約するには適していると言えばその通り。でも、新聞を積極的に読む(週1回以上閲覧する)人が20%チョイとはかなり低い結果です。自ら定期購読をせずとも昼飯を食べに行けばその食堂なりに必ず新聞が数紙置いてあったものですが、経費削減で新聞を置いている食堂(喫茶店)が減っているということも影響しているのでしょうか。ほとんど読まない人が70%台に達しているというのも、まんざら嘘ではないと感じる今日この頃です。

 新聞へ叱咤激励をしてくれる方からは「コンテンツに魅力がないから読まれないのだ」という意見も出そうですが…。では、どういうコンテンツにすればよいの?と問うても答えなんてありません。
 人間は本当にその商品の価値観を分からずじまいということがよくあります。例えばケータイもその機能を使いこなしている人どのくらいいますかね。取説も要所しか読まないので多機能のケータイを買っても宝の持ち腐れとなってしまうのと同じ。
 私は以前、学生さんと話した時に「これが新聞を購読しない本音だな」と思った答えに出くわしました。それは「みんな(周りの友人)が読んでいないから」というもの。それは新聞の活用であったり利便性であったりを知らないからではないかと思いました。それでその取説を本来は販売店がやらなくちゃいけないのですが、無理です。そんな教育受けている販売店なんて皆無ですし、生活者の販売店従業員へ対するイメージを考えれば分かることです。残念ながら…。

 「料金がかかるから」購読しないという結果を前面に出しているということは、料金がかからなければ購読してもよいということになるのかな?でもこれまで新聞の購読などに関するリサーチ結果と見比べても料金を下げたからといって購読者が増えるとは思えません。商品の価値を下げるような安売りは絶対にしない方がいい。デフレ経済のなかにあって、そりゃ安いに越したことはありませんが、月3,000円(朝刊)レベルはまだ読者も納得できる範囲。毎日自宅まで届けられて1日100円は個人的にはかなりお得だと思っています。

 それこそ新聞社員の賃金と購読料の関係を指摘されるとイタイところもありますが、(減っているとはいえ)広告収入があるから「まだこの購読料で提供できる」との説明には耳を貸してくれるんじゃないかなぁと…。
 でも、これから値上げ(消費税率引き上げ含む)の方向へ向かった時に、購読している新聞への費用対効果が問われてくると思います。

 日経のように企業資産を有効活用した電子版で客単価をあげる戦略もうなずけるし、朝日の「学割」戦略もこれまでの既得権を破って新たな販売チャネルを打ち出したわけですから、どのような成果が出るか興味のあるところ。

 そう考えると、今回のM1世代のリサーチ結果「料金がかかるから購読しない」は、朝日の「学割」の正当性をアピールすることになるのかなぁ。意外と担当者が社内での評価を高めるために動いてたりして…。


▽M1・F1総研のリリース
http://m1f1.jp/files/topic_100225.pdf
▽若者はなぜ新聞取らないのか 情報にお金払うという感覚なし(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2010/02/27061104.html
▽若者が新聞を読まない理由――M1・F1総研調査(RBB TODAY)
http://www.rbbtoday.com/news/20100301/66002.html

posted by 今だけ委員長 at 20:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月22日

ツイッター活用法「誰をフォローするか」がポイント

 このところ、いろいろな情報を得るのにツイッターがとても役立っています。

 これまでお気に入りのブログはRSS機能で更新を確認したり、グーグルのキーワードを入れると1日1回情報を送ってもらうアラート機能などでその都度チェックしていましたが、ツイッターはタイムリーにさまざまな人や組織の発信を得ることができる優れモノ。やっとツイッターの素晴らしさがわかってきたような気がします。
 大きなポイントは「誰をフォローするか」ということ。私は四六時中ツイッターを眺められる状況ではないので、フォローする人数を100人までとしています。もっと使い方をマスターして自分なりの“心地よい”ツールにしていきたいと思います。最初は「暇つぶしツール」だと思っていましたが、オモシロイものです。


 そのツイッターで知ったネタを2本アップします。おそらく、このブログは新聞産業の内側にいる人の訪問が多いと思いますが、新聞社に勤めている人はSNS(mixiなど)やツイッターの利用頻度が相当低いので意外と知らないネタかもしれません。「耳が痛い」ネタもあると思いますが、人間は誰もが1日24時間しか与えられていないので、その中で優良な情報をキャッチすることが大切だと思います。
 私は備忘録としてもブログを書いているわけですが、ある意味、優良な無料情報をもお知らせするボランティア活動もしているのかなぁと勝手に思い込んでいます。失礼しました。

▽政治家とマスコミの愚、公認会計士が直言(Blog vs. Media時評)
http://blog.dandoweb.com/?eid=89184
 鳩山首相と小沢民主幹事長の政治献金問題。会計の観点からすると、鳩山総理の政治資金規正法違反が真っ黒なのに対して、小沢幹事長は限りなく真っ白に近いと言います。新聞記者はもう少し会計の基礎知識を勉強して報道した方がよいという苦言も…。


▽断末魔の新聞とテレビ(坪田知己のメディア転生:第7回)
http://ow.ly/19HM9
 このブログでも何度か紹介している坪田さんが先週発売の週刊東洋経済が特集した「再生か破滅か 新聞・テレビ断末魔」について言及。「新聞経営者の浅知恵に唖然とする。委託印刷、共同配送、共同通信への再加盟・・・こんなのは小手先のとりつくろいに過ぎない」と言い切ります。「経営学の基本を学んでください」、「経営陣の若返りが急務だ」と、とても切れがよいコラムです。新聞経営者には耳が痛いかもしれませんが…。

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2010年02月20日

とうとうパンドラの箱が開いた「朝日新聞 新入生応援 学割キャンペーン」

 「どこの新聞社が最初にやってくるか」。新聞業界(販売)の内側にいる人間からすると、とても興味があった購読料の「学割」に朝日新聞が乗り出しました。今回は産経新聞じゃなかったですね。


 一部業界紙では今週あたりから紹介さていますが、すでに昨年4月から弘前大学(学生生協を通じて)で実験的にスタートし、40部程度の申し込みがあったということです。その成果を受けて今回は全国(西部本社を除く)の45の大学生協とタイアップして大々的にキャンペーンを打ったというところでしょうか。

 業界紙等によると「朝日新聞 新入生応援 学割キャンペーン」は、(東京本社管内は)首都圏19大学の新入生を対象に、セット価格(月ぎめ)3,925円を2,500円で販売(朝日新聞社が価格設定)とし、販売店への原価補てんとして1契約1カ月あたり850円(税抜き)を奨励金として支給するというもの。原価補てんについては、3,925円で販売した際と同じ比率の利益をASAに保証するためのもので原価の変更は行わないとのこと。統合版については2,000円の価格設定がされたようです。キャンペーン期間は3月1日から4月30日まで(当然延長されると思いますが)。
 申し込みの条件は、あくまでの提携した大学生協の受付によるもので、現在朝日新聞を購読している学生は対象外(親と同居でも構わない)とのこと。現読者がキャンペーン中に購読を解約して学割料金で申し込むことは不可。契約は12カ月のみ(年縛り)で途中解約も不可。購読料の支払いは新入生本人の口座振替もしくはカード決済限定で、夏休み等で帰省する際の「中止め」があっても減額は認めない(販売店が保管し後日お届け)。もちろん拡材の提供もなし。セット地区では朝単希望でも2,500円の価格設定は変わらないとのこと。


 大学生協扱いの申し込みハガキによる受付ということなので、新入生の入学説明会や入学式で配布される資料へ封入してレスポンスを待つということでしょうか。対象となる大学の学生であるかどうかの確認については、大学側も個人情報保護の観点から新聞社側(実務は朝日トップス)からの照会に応じるわけはないので本人確認はグレーゾーンも想定されますが、販売店からすれば「原価補てん」があるので申込者が増えれば結果オーライ。でもカード料が1件につき7,500円発生する(朝日トップスに)ので、850円の補てんから625円(7,500円÷12カ月)を差し引くとひと月225円のあがりしかない。
 「拡材を使わないだけイイだろう」と担当員からゴリ押しされているようですが、実は配達料も捻出できないというのが実情のようです。

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2010年02月17日

自己保身のために社畜になり下がる人が多い企業はいずれ崩壊する

 けさの各紙朝刊にトヨタ自動車のお詫び広告(全面)が掲載されました。
 14日のエントリーで「トヨタの対応…」について書きましたが、ようやく重い腰をあげたようです。


皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを
    心からお詫び申し上げます。

私どもトヨタ自動車株式会社は、国内で販売しておりますプリウス、プリウスPHV、SAI、レクサスHS250hの4車種のリコール届出を2月9日に国土交通省に提出いたしました。一日も早く全車改修を完了できるよう全力で取り組んでまいります。(一部引用)
トヨタ全面広告.jpg 昨年6月23日に開かれた同社株主総会で社長へ就任した豊田章男氏(53歳)は、創業家のDNAを受け継いだ、言わば殿さま。一連のリコール問題に際し取り巻き連中が経営トップに気を使いすぎた結果(事態の隠ぺい体質)が、社長会見が後手に回ってことや、リコール届出から1週間たって各メディアへお詫び広告を掲載するという対応の遅れが露呈してしまったように感じます。

 でもトヨタには頑張ってほしい。トヨタの「カイゼン」の精神は、時に命を預かる自動車産業には欠かせないものです。トヨタ系列の企業に勤める知人は皆素晴らしい方ばかりだし、経営陣の対応の遅れによって懸命に働いている人たちまで信頼を失うようなことはあってはなりません。

 「同族経営というか、オーナー企業によくありがちなこと」と連絡をくれた森内豊四さんは、「気う使うべきは、トップに対してでなく顧客に対してですが、取り巻きはよく間違うもの」と指摘します。

 誰に気を使い、誰を向いて仕事をするのか…。

 評論家の佐高信氏は著書の中で、「自己保身のために社畜になり下がる人が多い企業はいずれ崩壊する…」と評します。
 この言葉をかみしめたいと思います。
posted by 今だけ委員長 at 07:21 | Comment(3) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月16日

久しぶりの訪問者の“変わりよう”

 このところ、新聞社の経営状況が厳しいからなのか新聞拡張員(その行為自体も)もめっきり減ったように感じます。

 これまで新聞社の調整弁となってきた「拡張維持費」は大幅に削られ、どこもかしこも経費削減(節減)で何とか“いま”をしのごうとしています。採算無視の「オマケ付き」販売はまだしも、新勧(注1)を取らないことにはどうしようもありません。いくら経費削減をして経営をしのいでも営業部門が収入を維持もしくは向上させていかないと企業は断末魔(東洋経済チックかな?)

 きのうの夕方、久しぶりにY系の方の訪問がありました。ジャンパーをはおった20代青年(もしかすると奨学生)がインターフォン越しに「お届けものに来ました」とひと言。
 いつもなら話を聞くのですが、娘のオムツを交換中で、「ゴメンナサイ、ちょっと手が離せないんだけど何か御用ですか?」と返答したところ、「近くのY新聞なんですけど、よかったらこれに応募してください。ポストに入れておきますんで…」とセールストークもなしにそそくさと帰ってしまいました。
 そしてポストに投函されていたのがこのA6サイズよりも小さいチラシ。

 YCチラシ表面.jpg  YCチラシ裏面.jpg

 拡張行為も穏やかんなってきたのか、たまたまその青年が寒空の下で意気消沈していたのか定かではありませんが、昨年の「創刊130周年大拡張作戦」から一転して訪問者の“変わりよう”を感じました。
 でも、チラシには「※この企画はあくまで訪問の御礼であり、新聞購読の有無とは一切関係ありません」と記載されています。訪問の御礼でプレゼントが当たるなんて企画は余計に怪しい気もしますが…。


 顧客情報を集めるためのアプローチなのかその真意は分かりませんが、販売店もさまざまな収入施策にチャレンジしていかないと、これから時代に立ち行かなくなります。
 “座して死を待つ”なんて綺麗ごと言ってられませんからね。

注1:新勧とは「新規契約」の略。今まで購読したことのない方が新しく勧誘するということを「新勧カード」と新聞業界では呼んでいます。これは、別の販売店のエリアで××新聞を何年も購読していても、該当販売店のエリアでの購読履歴が無ければ、その方の購読契約は「新勧」となります。(新聞の定期購読を考える会HPより引用)

posted by 今だけ委員長 at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月14日

プリウスリコール問題 マスコミは大スポンサーに腰が引けてはいないか

 トヨタプリウスのリコール問題について、各メディア(特に新聞)の取り上げ方について考えてみたいと思います。

 実は!今だけ委員長もプリウス(2007年式)のユーザー。エコ減税などなかった時に少々割高だったけれど燃費のよさに惹かれて購入しました。ディーラーの担当者も親切な方で、いまでも快適に生活の足にとして活躍しています。

 米国では大騒ぎになっているリコール問題。米国では集団訴訟にまで発展する様相ですが、日本のメディアの報じ方は「販売台数世界一になったトヨタ(日本企業)へのやっかみ」だとか、「マクドナルドのコーヒーでやけどしたことで訴訟するような米国人(訴訟社会の米国)」、「部品も現地調達なので品質に問題」など、「トヨタは悪くない」と印象付けるものがほとんどだと感じていました。
 そして日本でも新型プリウスのブレーキ制御部分のトラブルで、リコール問題へと発展しているのは周知の通りです。


 何となく、プリウスのリコール問題についてマスコミの突っこみが甘いように感じています。「腰が引けてはいないか」と。
 新聞やテレビの大口スポンサーだから「突っこみはほどほどに…」と電通あたりから指示が出ているのではないかと思うくらいです。

 以前にもありましたね、元経団連会長を務めた奥田碩氏のマスコミに対する問題発言。


 元日本経団連会長で、トヨタ自動車取締役相談役の奥田碩氏の発言が波紋を呼んでいる。12日に開かれた同氏が座長を務める「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、マスコミの厚生労働省批判に言及。特にテレビに対し「個人的」としながらも「あれだけ厚労省が叩かれるのは、ちょっと異常な話」「正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうか」と発言した。
▽トヨタ奥田氏 何様か!(九州企業特報より)
 
http://www.data-max.co.jp/2008/11/post_3419.html

 これまでも当ブログで紹介させていただいた日本経済新聞社出身で日本広告学会常任理事の森内豊四さんからもプリウス問題に関するご意見を頂戴しました。とても示唆に富み問題点を的確に指摘されているので、引用します。

 ご存じの通り、トヨタは今、不具合に発するリコール問題で苦心惨憺しています。同社は、アメリカではお詫びの新聞広告を出すとともに、テレビCMでリコールについての説明も流し、懸命に信頼回復に努めているようです。原因がトヨタにあるとはいえ、アメリカのメディアや産業界には、世界1の座を奪われたことへのやっかみや報復もうかがわれ、トヨタパッシングには苦々しく思っておりました。
 しかし、国内でのプリウスのリコールにまで飛火し、なおそこに至っても国内では何の説明をする広告も打たないことについて、いま不信感にとらわれております。

 トヨタは2年前、同社の赤字を報じる記事に、「広告を減らすぞ」というかたちでマスコミに反撃を加えました。また昨年、新聞協会とアドバタイジング協会とが共同開催したシンポジウムでも、朝日の広告局長を謝らせたことがあったと思います。それは企業として最低のやり口で、日本一の多額の広告費を使ってきたことへの驕りがありありと見えます。みな口にこそ出さないまでも腹の中では忌々しく思っているはずです。
 
 数年前、松下(当時)は欠陥石油ストーブの回収のために年間300億円とも言われる宣伝費を、これでもかこれでもかと使い続けました。その愚直さが却って消費者の好感を呼び、イメージ修復のみならず同社の業績回復へとつなげることになりました。
 トヨタはそこから何も学んでいなかったのでしょうか。社会面の半2段程度のお報せでいいものでしょうか。それさえ出していませんが。
 これはあまりにも国内メディア軽視というか見くびりすぎです。そんなことを進言する人もいないとみえて、メディアも広告関係者も一切口をつぐんでじっと逼塞しています。

 しかしそれが本当にトヨタのためになるかどうか。

 トヨタは日本を代表する企業ですから、応援したい気持ちはやまやまです。しかし、これではどうしようもないのではと思います。遅れれば遅れるほど、名誉挽回は遠のき、ずるずる後退することを何よりもトヨタのために懼れるものです。同時に、メディアは自らのレゾンデートルのためにも、トヨタの傲岸に批判のひとつも加えるべきではないでしょうか。


 民主党小沢幹事長や朝青龍には私刑をつきつけるけれども、大手スポンサーのトヨタには腰が引けているというのでは「オイ!」というしかありませんね。そんなところを読者はもう見抜いているのですから。
posted by 今だけ委員長 at 02:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年02月12日

新聞奨学生の実態…すべて新聞社が悪いとの結論にもっていきたいようです

 週刊ダイヤモンドを発行するダイヤモンド社が運営するオンラインサイト「ダイヤモンド・オンライン」に『格差社会の中心で、友愛を叫ぶ』というコーナーがあります。とても興味深いリポートがあげられているので愛読しています。

 きょうアップされた記事はこれ!
▽苦学生をうつに追い込む!? 不況で希望者殺到「新聞奨学生」の実態
http://diamond.jp/series/yuuai/10011/

 フリーライターの西川敦子さんが書かれたものです。昨今の経済不況から入学金の工面や在学中の仕送りが厳しい状況のなか、これまで不人気だった新聞奨学生への希望者が増えているという背景を受けて、まだまだ劣悪な労働環境に置かれている新聞奨学生の生活実態や仕事内容についてレポートされています。
 西川さんは新聞販売店が総じて劣悪な労働委環境に置かれ、そこで働く新聞奨学生もひどい仕打ちを受けているということを印象づける記事構成になっています。確かに労基法も守られていないような販売店も多く存在しているし、必然的にそこで働く人たちのレベルは言わずもがなで販売店を転々とする人たちも少なくありません。そのような人たちに頼らざるを得ないのも事実でスパイラル化しているのも事実。


 「新聞配達は最後の砦だ」。以前、新聞販売労働組合の大先輩サワダオサム氏が「どんなルンペンでも最後は新聞配達の仕事を頼って生きてきた。だからこの仕事(産業)は守らなきゃいけない」という話しをしていたのを思い出します。
 でも新聞配達も「配りすればよい」という時代ではなくなってきました。不配をしないことや配達時間を守ることはもちろんのこと、雨の日には必ずビニル袋へ入れて配達する家を把握し、出張などで一時配達を休止する読者など顧客ニーズが多様化してきているのです。そのような細かな要望に対応しないと、いとも簡単に購読をやめられてしまいます。
 「大雪が降ったのだから配達が遅れても仕方ないねぇ」という読者は間違いなく減っている。これは社会全体が世知辛くなっているからではないかと感じています。


 で、何を言いたいのかというと、新聞奨学生制度自体は悪いものではありません。その制度を運用する(奨学生が就労している)所長(店主)の人間性によって、残念にも今回の記事で紹介されている新聞奨学生(OBの方)のような方がいるということです。氷山の一角だとも思っています。
 回りまわれば、そのような人材を登用している新聞社にも少なからず責任がないとは言えませんが、フリーランスの方に多い「新聞社は悪」という起点でその事象を書かれることは、本当の真実を伝えていない(押し紙の問題はうなずけますが)と感じました。

 私も10年近く現場から離れていますが、当時同じ販売所で働いた奨学生の方からは感謝されたし、今でも賀状のやり取りをしています。新聞販売店で働く人は悪人ばかりではないと思いますよ。

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