今年も残すところ3日となりました。
個人的には先月29日に第1子(女の子)が誕生し、人並みに(たぶん)パパ業がプラスオンになったため、まだページをめくれていないメディア関連の本が増えてしまいました。このブログでも紹介したい本がたくさんあるのですが、この正月休みに何本書けるか(読めるか)は微妙…子守りをしながら「読書な正月」もイイかなぁと。
12月に入っていつもチェックしているブログなどを拝見していると、「今年のメディア界(特に技術部門)には何の旋風は吹かなかった」というようなことが結構取り上げられています。技術というか仕掛けというか、ネットで金儲けをしようとメディア企業も躍起になっているように映りますが、新しいブームも起こせずに「ネットもそろそろ飽きてきた」という停滞感が漂っています。
日経メディアラボが24日に発表した「2009年メディア予測」では、利用者にとってインターネットは「息抜きの場なのに息苦しい」存在になっていくと分析しています。さらに今後は、より居心地の良い環境を求めてネットサービスを使い分けたり乗り換えたりする人が増え、新たなヒットサービスが生まれにくい状況になる―と2009年以降のメディア界を予測しています。
ミクシィなどのSNSは「誰かとつながっている」という心地よさや情報を共有している(仲間外れではない)という安心感のようなものが好評でした。しかし、だんだん息苦しく感じているということは「仮面を被った表面的なつきあい」では長くは続かないし、リアルに勝るものはないということだと思います。
もうひとつ来年のメディア展望として、時事通信の湯川鶴章さんが、自身のブログで「メディアの変化は無視して広告主周辺の技術革新に注目すべき」というトピックスを書かれています。「メディア企業や広告会社は、消費者向け技術よりも広告主向け技術により注目すべきである」と述べ、なかでも注目すべきはソーシャル広告であり、メディア企業はその技術が機能するようなメディア環境を作るべきであると解説。コミュニティビジネスに注力することがメディア企業の唯一の進むべき道であると提言しています。
それぞれの専門家が将来の展望を示されることはとても勉強になります。しかし、それに右往左往しすぎて自らのコアコンピタンスを見失ってはいけないと思います。生活者の気持ちは常に変化しますが、その人たちにさまざまな「価値」を提供して気持ちをつかむことが出来ればイイわけです。難しいけど…
これまでの付加価値って販売店レベルのものが多かったわけですが、これからは総力戦じゃないとダメなんだと思います。内部の綱引きをしている場合ではないし、定期購読者(新聞は読まれていますが)は間違いなく減っているわけですから。