2011年01月03日

2011年がスタート 新聞各紙をならべて感じること

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
 今だけ委員長が住むまちでは、気象予報が外れて配達作業に支障もなく穏やかな2011年の幕開けとなりました。
 日本海側の山陰や中国地方が大雪に見舞われ、元旦号の配達など大変ご苦労されたことと存じます。当事者の皆さまへお見舞い申し上げます。


 正月三が日は新聞をじっくり読めるので、各紙を比べながら評論したり、感動したり、仕事に使えそうなネタはスクラップしたりと、ついつい夜更かしをしてしまいます。ジャーナリストの上杉隆さんは「マスコミの発信は疑ってかかれ」とおっしゃいますが、元旦号の紙面を読んでいると「(読者へ)元気を取り戻そう」というメッセージが込められた記事(特集)が多種多様に盛り込まれていて、2011年の“自分”を考えるのに(読む時間も含めて)よいテキストだと思っています。
 各紙社説は、それぞれの持ち味というか姿勢が感じとれたものですが、朝日の社説がナベツネさんのお株を奪うような印象で、連合・古賀会長の消費税増税容認を大きく報じるなど、これまでと違った「進め方」を感じます。
 広告は昨年とさほど変わらずと感じますが、広告段数では朝日が60l超えで毎日が50lを割り込みました。また、昨年のマクドナルドのジャック広告(朝日)を読売も受注するなど、全面広告主もそう大差なく大手広告会社も新聞社は選別せずに「新聞(メディア)」へ広告を出稿(割り振り)したとうかがえます。合従連衡はまだまだ続きそうですね。
 紙面(記事)以外の広告受注や流通分野(印刷、発送、宅配)はパイを奪い合うのではなく、無駄を省いて適正なパイを分かち合う方が効率的で利益をもたらすこと間違いなしなのですが、ひとり勝ちを目論むのが人間の性。所詮、電博系の大手広告会社や代理店に頼らざるを得ない広告営業なのですが…。
 新聞社の方々の経営哲学は理解できませんが、今年も新聞産業内の効率化(業務提携等)はかなり進むと思われます。


 さて、皆さんは2011年をどんな年にしようと行動するのでしょうか?


・各社社説

□朝日新聞「今年こそ改革を―与野党の妥協しかない」
http://www.asahi.com/paper/editorial20110101.html
□毎日新聞「2011 扉を開こう 底力に自信持ち挑戦を」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110101k0000m070070000c.html
□読売新聞「世界の荒波にひるまぬニッポンを 大胆な開国で農業改革を急ごう」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101231-OYT1T00503.htm
□日本経済新聞「世界でもまれて競争力磨く志を再び」
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E2EBE2E2E0E4E2E2E3E2E3E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
□産経新聞「『ひこばえ』に思う国家再生」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110101/plc1101010203004-n1.htm
□河北新報「我慢の作法/逆境はねのける契機求めて」
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2011/01/20110101s01.htm


・各社頁数と広告比率
▽朝日新聞:96頁(第4朝刊)
 広告比率59.2%(広告段数739/総紙面段数1248)
 全面広告主:岩波書店、講談社、新潮文庫、小学館、集英社、数研出版、H.I.S.、積水ハウス、日立、大和ハウス、花王、トヨタ、キャノン、サントリー、日産自動車、パナソニック、西洋ハウジング、アディダス、住友林業、ANIPLEX、EMI MUSIC、サッポロ、桑田佳佑、三井住友銀行、東日本ハウス、スターダストレビュー、五木ひろし、いきものがたりいきものがかり、丸美屋、ツーリスト、パーレーツオブカリビアン、資生堂、MSD株式会社、イブサンローラン
▽毎日新聞:76頁(第5朝刊)
 広告比率48.7%(同556/同1140)
 全面広告主:講談社、集英社、小学館、サントリー、積水ハウス、トヨタ、日産自動車、花王、大和ハウス、パナソニック、住友林業、トップアート、伊勢丹、東日印刷、資生堂、キャノン、サッポロ
▽読売新聞:104頁(第6朝刊)
 広告比率59.2%(同739/同1248)
 全面広告主:講談社、小学館、集英社、大和ハウス、アディダス、住友林業、キャノン、丸美屋、日立、積水ハウス、サントリー、トヨタ、日産自動車、花王、数研出版、H.I.S.、パナソニック、スカパー、20世紀FOXet、ナルニア国物語、いきものがたりいきものがかり、NHKオンデマンド、相棒、MSD株式会社、TYグループ、資生堂、ドリカムワンダーランド、パイレーツオブカリビアン、東京ドームシティ、マクドナルド、シュウウエムラ
▽日本経済新聞:100頁(第5朝刊)
 広告比率55.8%(同837/同1500)
 全面広告主:集英社、東和薬局、トヨタ、パナソニック、日産自動車、ファミリーマート、MJC、日立、キャノン、アウディ、コジマ電気、花王、UBS、大和ハウス、三菱UFJモルガンスタンレー証券、サントリー、日立A、NEC、IBM、コニカミノルタ、パナソニックA、サッポロ、BSジャパン、アイフルホーム、HNKオンデマインド、ブリジストン、大和ハウス、ミサワ、住友林業、トヨタホーム、積水ハウス
▽産経新聞:80頁(第4朝刊)
 広告比率53.9%(同5186/同960)
 全面広告主:集英社、積水ハウス、日産自動車、キャノン、大和ハウス、トヨタ、花王、東京理科大学、日本製粉、パナソニック、フジネットワーク、創価大学、フジテレビ、ポニーキャニオン、高松建設、パイレーツオブカリビアン、20世紀FOXet、日本コロンビア、鹿島、資生堂、丸美屋、サッポロ、ジョージア、アンファー株式会社
▽河北新報:88頁(第4朝刊)
 広告比率55.7%(同736/同1320)
 全面広告主:トヨタ、パナソニック、積水ハウス、東北三菱、さくら野、藤崎、ネッツトヨタ宮城、サントリー、トヨタホーム、大和ハウス、IDC大塚家具、ヤマダ電機、メガネの相沢、資生堂、ダイハツ、スモリの家、日産自動車、数研出版、ネッツトヨタ仙台、大井ジュエリー、利府ハウジングギャラリー、Fujiコーポレーション、なとりりんくうタウンジアス
※広告段数は今だけ委員長が独自に計測したものです。自社広告などは省いて算出しました。

・各紙に折り込まれたチラシ
☆朝日新聞:28種類
☆毎日新聞:15種類
☆読売新聞:27種類
☆日本経済新聞:13種類
☆産経新聞:11種類
☆河北新報:51種類
※折込チラシの種類は今だけ委員長が勤める会社(仙台市内中心部の事業所エリア)へ配達された各紙を計測したもので、各紙のチラシ枚数の平均などを称するものではありません。

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2010年12月26日

来春に浮上するであろうネタを考えてみる/新聞産業界20年を振り返るC

 今年もあと5日となりました。今年の世相を表す漢字が「暑」というだけあって、異常気象が年末ぎりぎりまで猛威をふるいました。私が住む町でも先週22日、大雪ではなく季節外れの大雨が降り(12月としては観測史上最大の123.5ミリを記録)しかも30年ぶりに12月の「雷」にも見舞われました。年の瀬を控えて営業の追い込みや帰省前の集金にと忙しさを増す販売店では、稼働日が1日減ってしまったようなものでした。外回りの商売は天候に大きく左右されるのですが、「元旦号の配達時だけは雨や雪が降らないように」と、すべての販売労働者が願っていることでしょう。

 来年はどんな年になるのでしょうか?予想したところでキラーコンテンツが生まれるわけでないので地道に読者との距離を縮めていくしかないのですが、今だけ委員長が知りえた情報を整理し、さらに一歩踏み込んで予見するとこんな事が浮上しそうです(備忘録として)。


▽新学習指導要領に便乗した新媒体発行
 Y新聞が来年3月に現在の「読売KODOMO新聞」をリニューアルして、子ども向けの新媒体を発行するそうです。発行エリアは関東地区で週刊。タブロイド16頁程度で、うち5頁は小学館が記事を提供するとか。価格は未定ですが、新学習指導要領に便乗して就学児童のいる無購読者(他紙購読者)への拡材として使われる可能性「大」と見ています。また、子ども向けの内容であれば「もち屋…」に任せるのが一番ですし、広告も一緒に取ってしまおうという戦略だと思います。紙面の枠売りというか小学館やベネッセなどの教育教材を提供する企業や学習塾からの広告出稿で製作コストもまかなおうという戦略は、一理も二理もありそうです。

▽課金型電子版の動向
 日経に続き、A新聞でも年明け早々に電子版を発行するようです。日経と同じ戦略で「紙」の読者に比重をおいた売り方のようですが、なんと本紙とのセット販売のみで電子版単体の販売はしないという話です。日経と同じように本紙読者はプラス1,000円程度で電子版を購読することができ、課金はクレジットカード決済で発行本社管理。販売店へ約3割戻す(1契約につき300円程度)想定であるとすると、販売店による電子版の拡販にも力を入れるのかもしれません。2月にデモ版を配信し、4月から課金スタートというシナリオのようです。でも腑に落ちないこともあります。同社が運営する「WEB新書」との絡みや今年7月にソニー、凸版印刷、KDDIと共同設立し、11月24日に事業会社化した「ブックリスタ」のようなポータル機能があるのになぜそこで有料配信しないのか。なぜ「紙」にこだわり(紙を購読していない)スマートフォン系の顧客へ電子版を売ろうとしないのか疑問です。日経はシャープの電子書籍専用端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」からも電子版が購読できるサービスを展開しているのに…。電子版が「紙」のオマケになるような時代ではないと思うのですが真相はどうでしょう。Y新聞の電子版事業の仕切り直し後の動きも含めて、新聞社の課金型電子版の動向には目が離せません。

 このほか、関東圏の地方紙の経営がかなりひっ迫しているという情報もありますし、10年に一度浮上する「再販問題」もどうなるのか。右往左往せずにじっくり自分たちの問題を考えてみたいものです。

 今年はこのエントリで最後にしようと思っています。ご訪問をいただきありがとうございました。来年も孤軍奮闘?ではありますが、販売労働者の目線でコツコツと発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

*****

新聞産業界20年を振り返るC
2005年
1・13 NHK特別番組への政治介入改変めぐる朝日報道で、NHKは「改変事実ない」と説明
1・19 新聞協会、個人情報保護法に関し「見解」を公表、報道分野「個人情報を取り扱ううえで適切な措置を自主的に行う」ことを明記
1・25 毎日大阪、奈良女児誘拐殺害事件で販売所従業員逮捕受け販売局長ら処分
2・1 神奈川、自社記事をブログで公開、日本の新聞社で初
2・1 日刊工業、印刷を完全外部委託
2・1 NHK、番組への政治圧力の有無めぐり「報道は正当で放送法の理念にも合致」と朝日に回答書
3・1 日経、製作部門をすべて別会社に移管
3・5 読売と共同、イラクに記者派遣、英軍に同行取材
3・16 新聞協会、人権擁護法案に対し、メディア規制削除求め民放連と共同声明
3・20 九州北部で震度6弱の地震、西日本、朝日、読売が号外発行
4・19 朝日、消費者金融会社「武富士」の編集協力費受領問題で武富士に謝罪、社長ら6人を処分
4・29 滋賀で朝刊日刊紙「みんなの滋賀新聞」創刊
7・4 フジサンケイビジネスアイ、自社サイトでブログ開設
7・22 活字文化振興法案が成立
8・8 参院での郵政民営化法案否決、衆院解散受け、各紙が号外発行
8・29 朝日、田中康夫長野県知事らによる新党結成で虚偽メモを根拠に報道していたことが判明、取材記者を懲戒解雇、編集局長更送など処分
9・17 日刊紙「みんなの滋賀新聞」が4カ月半で休刊
10・1 産経、ネット紙面配信サービス「Net View(ネットビュー)」を開始
10・24 読売、ニュースサイト「ヨミウリ・オンライン」で音声配信を開始
11・2 公取委、特殊指定の見直しを表明、新聞協会は「現行規定の維持」を求める声明
11・14 毎日、愛読者サイト「まいまいクラブ」を開設
11・16 新聞協会第697回理事会、再販特別委の下に「特殊指定プロジェクトチーム」を設置
11・30 「新聞特殊指定プロジェクトチーム」が初会合、現行規定維持へ取り組み強化

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2010年12月20日

2010年の新聞界は人を幸せにすることができただろうか?

 2010年もあと11日。年齢とともに「カウントダウン」で盛り上がる歌番組より、「ゆく年くる年」を見ながら平和に年を越したいと思うようになったこの頃です。

 日付が変わったのできのうは、自分への褒美として馬場俊英さんのライブへ行ってきました。この数年、同じ年の彼の歌を自分の応援歌として聴いています。繊細な詞がとてもすばらしいのでおススメです。そんな馬場さんはライブ後、演奏した曲目が書かれた手作りの礼状を渡してくれます。今回はこんな事が書かれていました。

馬場俊英ライブチケット.jpg僕にもいろいろな時期があるのと同じように、すべての方に様々な時代があったと思います。苦しんだ日もあった。 悲しくて途方にくれた時代もあった。 幸せな日々があった。 不安でたまらない夜があった。 嬉しい時があった。 傷つき傷つけた時があった。
いろいろな時代がすべての人にありました。そんな中で、ときどきこうしてコンサート会場で出会い、音楽を通じて心で触れ合った夜の記憶が僕の宝物であり、未来への力になっています。
ある音楽家が「音楽は人を幸せにするためにある」「音楽は人の幸せに尽くすものだ」と話していました。15周年を迎えて、40歳を超えて、僕にもその言葉の意味がわかるような気がしてきました。

 今年もいろいろありましたが、もう戻ることはできない2010年。果たして新聞界は今年、人を幸せにすることができたのでしょうか?
 自己分析をするとマイペースながら少し無理をして1年間突っ走ったという感じです。職場も4年ぶりに営業部門へ出戻りました。変わりゆく読者の価値観を目の当たりにして試行錯誤の毎日が続いていますが、健康で1年を過ごせたことに感謝です。
 いろいろとお世話になった皆さま、訪問してくれた皆さま、今年1年どうもありがとうございました。


 昨年に引き続き、新聞協会報(10年12月14日付)が報じた「2010年報道界重要ニュース」(協会報編集部選定)を引用して、今年1年を振り返りたいと思います。
注:重大ニュースに順位づけはされていませんが、見出しの大きさなどを勝手に判断して並べています。


@日経が有料電子版を創刊―各社、ネット収益の道探る―
 日経は3月23日に「電子版」を創刊し、ニュースサイトの本格的な有料化にかじを切った。購読料は月4,000円。新聞本紙とのセット契約は5,383円(統合版地域では4,568円)とした。北日本、十勝毎日もサイトを有料化。朝日や共同のように、インターネット上のコンテンツ配信や課金の仕組みを提供する動きもみられた。
 新聞本紙での収益拡大が難しくなる中、日経は電子版を新たな事業の柱と位置付けた。伸び悩むインターネット広告収入の拡大も目指すとし、読者の属性や嗜好、閲覧履歴などに応じた連動型広告を導入した。
 セット契約の場合、読者は購読料を一括で日経に支払う。本紙購読料は日経が販売所の集金業務を代行する形となる。販売所の購読者情報を発行本社が把握できるようになったことも大きな変化に挙げられる。
 北日本は1月にニュースサイトを刷新。2月以降、閲覧を本紙契約者に絞った。配達区域外からは、月2,100円の利用料で閲覧できるようにした。十勝毎日も7月1日に有料サイトを開設。購読料は本紙と同額の2,500円とした。
 朝日は4月20日、新聞・雑誌記事の販売サイト「エースタンド」を本格オープン。毎日や時事も記事を提供している。共同は6月21日に携帯電話向け有料サイトのプラットフォーム「ニュースマート」を開設した。


A新聞社の提携、編集部門でも―記者の負担軽減、独自取材強化―
 新聞社同士の提携が、印刷や輸送にとどまらず、取材・編集部門にも広がった。4月1日には、毎日が共同加盟に合わせて地方紙12社から地域版向けの記事・写真の提供を受け始めた他、朝日と読売も鹿児島県の一部で相互配信を開始した。
 毎日は、地方紙各社の発行エリアのうち、通信部や駐在員を配置していない一部の市町村の情報を受け取っている。朝日と読売の提携も、支局や通信部に常駐者がいない地域が対象。記者の負担軽減や、独自取材の強化につなげている。
 地方紙間では、山陰と中国が1月4日から記事交換を始めた。発行地域が一部重なり、競争関係にもある両社の提携は注目を集めた。この他、紀伊民報から朝日への記事提供(4月)、読売と長野日報の記事交換(8月)が始まった。
 航空取材の協力も進んだ。共同は10月から、東北・関東圏で毎日と、関西圏で産経と提携。ヘリコプターを合同で運用し、カメラマンを交代で配置している。
 全国紙の地方紙への印刷委託も進んだ。3月8日に毎日と新潟、4月6日に読売東京と北日本、7月1日に朝日と河北が提携を発表。共同輸送は、毎日と産経が9月23日から千葉県西北部と埼玉県東部で、朝日、読売東京、日経が10月1日から埼玉県東・南部で始めた。

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2010年12月14日

気配りのないチラシ配布は逆効果/新聞産業界20年を振り返るB

 最近、夜遅くにマンションの集合ポストへチラシを投げ込んでいるサラリーマン風の方が目に付きます。ポスト付近の掲示板には「許可のないチラシ・パンフレットの投函禁止」とシールが貼ってあるのに…。

 先日もスーツ姿のポスティングマンと遭遇しました。その方は一瞬、私の顔を見て住民ではないと見て再びチラシをせっせとポスティング。「ピザ屋じゃないし何だろう」と注意してみてみるとよく新聞折り込みも利用されるスポンサーでもあります。業種は不動産関係。すぐに捨てられることを覚悟してなのか、その「売ります・買います」系のチラシはコピー用紙に単色刷りで、あまり経費をかけていない(かけられない)と察しがつくのですが、新聞折込枚数だけでは「転換率(配布数に対する戻り率)」が足りないということなのでしょうか…。普及率も落ちているのでたぶん…。


 そのチラシを1枚いただいて内容を見てみると物件情報のほかに「チラシ配布スタッフ募集」とも表記されています。前出のおそらく社員であろうポスティングマンは「見てもらいたい」と念じて比較的丁寧にポスティングをされていたように感じたのですが、これが「何枚まいて幾らもらえる」というアルバイトだと数をこなすだけで、すでにチラシで一杯のポストへまたぞろチラシを押し込んでいくさまが予想され、逆にマイナスイメージを植え付けてしまうだけだと思います。せっかく作成したチラシなのですから、見てもらうためにはそれなりの工夫が必要なのですが、「とりあえず数千枚まけば1件は反応がある」という皮算用では逆に顧客からの不信感を買うだけだと思うのですがどうでしょう。


 チラシは新聞に折り込まれているから食卓まで届くわけで、新聞購読世帯だからこそのマーケティングも考えられるでしょう。あとは新聞販売店が作成するチラシ(新聞休刊日とか配達員募集など)の片面を活用するコラボ企画で経費を軽減するとか、集金スタッフからのチラシ手渡し作戦とか販売店に相談するといろいろなアイディアが出てくると思いますよ。多くの販売店ではマンションへチラシ等を配布する際に管理人へ確認してから配布するようになってきてますし、コソコソしながら仕事をしたくないものです。
 先日も夕刊に書籍販売のチラシを入れたところ、夜間にかけて電話が鳴りやまず一気に600件を超える購入申し込みがありました。まだまだ新聞折り込みの効力はあると感じた瞬間でした。


新聞産業界20年を振り返るB
2000年
1・1 陸奥新報が印刷局を廃止し、朝日新聞・日刊スポーツ・日本農業新聞の印刷受託業務を新会社の(株)朝日弘前プリンテックへ移行
2・1 読売、「Loppi(ロッピー)」で購読受付開始、全国紙5紙の購読申し込みが可能に
2・7 道新、函館新聞社の参入妨害問題で、係争終結への同意審決を申し出(同社の独禁法違反が事実上確定)
3・15 公取委、新聞販売勧誘時の上限を超す景品提供で和歌山の4店主に排除命令
3・24 読売、題字「北海タイムス」を取得
3・30 中央労基署、時事通信記者の過労死を認定
3・31 福島民友と福島民報、夕刊を休刊
4・1 購読料改定=朝日1部売り130円(20円上げ)、宮古毎日月決め1,785円(85)
4・1 函館新聞、朝刊紙に移行
4・3 読売、夕刊フジの受託印刷開始
4・5 読売、産経、相互委託印刷で合意
6・23 朝日、中国新聞記事の盗用が判明、読者に謝罪
7・8 読売、初のNIEセミナー開催
7・18 電通と共同、時事など5社、スポーツ総合サイト新会社「スポーツ・ナビゲーション」設立を発表
7・26 時事、サイトを一新、内外の最新ニュースを提供する「時事ドットコム」を開設
8・10 新聞広告のデジタル送稿を行う「デジタルセンド」が発足、118社が出資
8・15 公取委、新聞業景品提供ルールの改正を告示。9月1日施行
9・1 購読料改定=読売1部売り130円(20円上げ)、毎日1部売り130円(20)
10・1 購読料改定=京都、神戸1部売り130円(20円上げ)
10・3 日経と地方紙14社が共同サイト「AREA(エリア)21」を開設
10・12 新聞協会、再販制度に関する文書を発表、公取委に手渡す
10・14 毎日、「開かれた新聞委員会」を創設
12・4 読売、基本文字拡大、1段12文字、1ページ14段の新紙面
12・7 公取委、著作物再販で関係業界との論点を整理した「中間まとめ」を公表、新聞協会との議論では@都市部での戸別配達維持A過疎地での戸別配達と都市部との同一購読料維持B紙面の質の維持C言論の多様性、国民の知る権利―の4点に論点を整理


2001年
1・1 福島民友、社是と編集綱領を統一し「民友の誓い」を制定
1・1 共同、加盟新聞社のニュースサイト開設
1・4 朝日と日経、電子メディア事業提携に合意
1・9 道新、iモードで有料ニュースの提供開始
2・27 活字文化議員懇談会、再販制維持へ緊急決議
3・19 朝日と日経、iモードに共同サイト開設
3・20 読売、米シカゴ・トリビューン紙と提携、全米主要約40紙の独占利用権も獲得
3・21 活字文化議員懇談会、再販維持を求める声明を採択
3・23 公取委、「再販、当面維持」と発表
3・25 朝日、毎日、読売、日経の新聞4社、参院選挙の集票作業を外部に委託
3・31 英文毎日が休刊、ネット新聞として再出発
4・1 情報公開法が施行
4・1 購読料改定=四国1部売り130円(20円上げ)、熊本日日1部売り120円(20)、ジャパンタイムズ月決め3,900円(480円下げ)、1部売り150円(10円下げ)
3・1 山形、「紙面審査会」を設置
4・9 産経と大阪読売、相互委託印刷を開始
4・19 日経、有料のビジネスポータルサイト事業を8月から開始
5・1 購読料改定=道新1部売り130円(20円上げ)
6・1 購読料改定=茨城1部売り120円(20円上げ)
6・11 東奥、「報道審査会」を創設
7・1 河北、「紙面委員会」を創設
8・29 産経、9月から本紙と系列誌のセット価格設定
9・1 購読料改定=産経1部売り100円(10円下げ)
9・1 産経、「電子配達(ニュースビュウ)」のサービス開始
9・11 米同時多発テロで米116紙が号外
9・18 朝日、週刊タブロイド紙「SEVEN(セブン)」を創刊
10・23 米ニューヨーク・タイムズ社「電子新聞」の配信開始
11・6 朝日の週刊新聞「SEVEN」第8号で休刊
11・7 産経、02年4月から東京本社の夕刊廃止、朝刊単独紙に移行と発表
11・21 改正商法が成立、02年4月1日から施行、決算公開開示がネット上で可能に
12・1 皇太子妃ご出産で各紙が号外
12・4 公取委、再販制度運用で意見交換する第1回「著作物再販協議会」を開催

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2010年12月10日

企業(組織)は余裕がなくなると人材が育たない/新聞産業界20年を振り返るA

 きょうのネタは、「Chikirinの日記」というブログがオモシロかったので紹介します。
▽「超てきとー)メディア別・入社時代別 人生総括表」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20101209
 11月30日に新宿・住友ホールで行なわれた、BLOGOS1周年記念シンポジウム「メディアの未来像」(池田信夫さん、田原総一朗さん、蜷川真夫さんのパネル討論)へ参加された感想などを書かれたブログなのですが、「組織としてのメディアに余裕がなくなり人を育てることができなくなっている」という観点で、既存メディアを時代(世代)ごとに独自の分析をされています。
20101209163731.jpg ・60年代・・・新聞がメディア王者の時代
 ・70年代・・・新聞が王者
 ・80年代・・・逆転の時代
 ・90年代・・・テレビが王者の時代
 ・2000年代・・・テレビが王者
 ・2010年代・・・逆転の時代 (←今年がこの10年の初年)
 ・2020年代・・・ネットが王者の時代
 時代とともに移り変わっていく「王者」?の座をオモシロおかしく解説されているのですが、“なるほど”とうなづける内容でした。ただし、その基準(王者たる)が「媒体の接触時間」とか「儲け」というキーワードに準じているようにも感じます。
 確かに、新聞社(特に編集部門)のOJTは軍隊方式とよく言われますが、職業としてのさまざまな知識や能力の6割は企業(組織)で育まれ、残りの4割が市場(取材現場・取材先でのコミュニケーション)で自身を磨き、個々のスキルアップに連動して商品力も高まっていくもの。
 でも今は規模の縮小などで人材の育成より前に「発掘」することもままならないのかもしれません。産業の成長が停滞するとすべてが悪循環に陥るということへの警笛なのでしょう。でもメディアの捉え方は人によって千差万別。私が過去に新聞労連主催の就職フォーラムで知り合った学生さんの中には、「他のメディアではなく、あえて新聞社に入りたいのです」という方も少なくありませんでしたが…。



新聞産業界20年を振り返るA
1995年
1・1 購読料改定=九州スポーツ3,000円(50円上げ)
1・17 阪神大地震で、新聞各紙が相次いで号外発行(全国紙のほか地方紙28社)、被災地の神戸新聞は京都新聞などの協力を得て発行を継続
2・24 政府の規制緩和検討委員会が再販制度に触れた報告書をまとめる
3・1 購読料改定=夕刊フジ2,900円(300円上げ)、内外タイムス3,100円(300)、東京スポーツ3,100円(200)
3・6 神戸新聞、6日付紙面から完全自社製作
3・20 地下鉄サリン事件で各紙号外(22日のオウム真理教強制捜査でも号外)
3・30 警察庁長官狙撃事件、各紙が号外発行
4・1 購読料改定=釧路2,800円(200円上げ)、中日スポーツ3,100円(200)、西日本スポーツ3,000円(100)
4・28 夕刊紙「新大阪」休刊
5・3 憲法記念日で朝日・読売が社説などで提言報道
5・12 読売、松本サリン事件報道で第一通報者に謝罪の記事掲載(朝日は4月21日)
5・16 オウム真理教教祖麻原彰晃逮捕で各社号外発行
6・1 購読料改定=サンケイスポーツ、報知、日刊スポーツ、スポーツニッポン各3,200円(200円上げ)、東京中日スポーツ2,900円(300)、名古屋タイムズ2,200円(200)、中日スポーツ2,400円(200)
6・26 共同、松本サリン報道で第1通報者に対する「おわび」を27日朝刊用に配信、加盟39社が掲載
7・1 購読料改定=日本工業4,300円(300円上げ)
7・25 公取委の「政府規制等と競争政策に関する研究会」の再販問題検討小委員会(座長・金子晃慶応大法学部教授)、新聞・書籍・雑誌・音楽用CDなど著作物の再販制度に関する中間報告書を発表
7・27 行政改革委員会の規制緩和小委員会は著作物の再販制度など40項目につき規制維持と規制緩和の意見併記の「論点」を公開
7・31 活字文化懇談会(新聞、出版界、文部省で構成)は再販制度問題検討小委の中間報告に対して「再販制度の趣旨は不変」などの見解を公表
8・15 戦後50年で各紙50年を振り返る企画・特集紙面提供
11・27 新聞協会、書籍出版協会、雑誌協会は行革委および同規制緩和小委員会に3団体連名で「著作物再販原則廃止の方向」撤回の申し入れ書提出
12・1 購読料改定=デイリースポーツ(東京)2,900円(200円上げ)、八重山毎日1,650円(300)、宮古毎日1,700円(300)、西部日刊スポーツ、スポーツニッポン(西部)、九州スポーツ各3,100円(100)
12・7 行政改革委員会の規制緩和小委員会、著作物の再販売価格維持制度について「引き続き検討課題として、議論を深め、公正取引委員会での検討を求める」とした規制緩和の報告書をまとめた


1996年
1・8 日経4紙、文字拡大し、1行12字に移行
1・9 日経、ホームページを開設(30日 東京、東京中日スポーツも開設)
1・22 米ニューヨークタイムズ、電子新聞事業を開始
3・1 毎日、携帯型の電子新聞をスタート
3・1 日経、米シリコンバレーに支局開設
3・1 日経、電子新聞の公開実験
3・2 東奥、北國が気象庁の「地方天気分布予報」、「地域時系列予報」を受け、きめ細かい天気図を掲載
3・13 福島地検、殺人容疑者の捜査に支障と福島民報の出入りを禁止(15日 福島民報、取材拒否に抗議)
4・1 秋田魁、「さきがけスポーツ」を発刊
4・1 鎌倉市、「広報メディアセンター」を開設
4・1 毎日、主な取材記事に署名入り
4・1 購読料改定=大阪のサンケイスポーツ、スポーツニッポン、日刊スポーツ、デイリースポーツ、報知各紙3,200円(200円上げ)
4・29 米ウォールストリートジャーナル、ウェブ上で同紙記事サービスを開始
5・1 購読料改定=九州の日刊スポーツ、スポニチ、九州スポーツ、西日本スポーツ各3,100円(100円上げ)
5・14 毎日、有料の電子新聞サービスを7月から開始と発表
5・20 産経、「産経新聞インターネット版(産経Web)」を開設
6・5 渡辺恒雄再販特別対策委員長が衆院規制緩和特別委で「再販の必要性」をあらためて強調
6・7 郵政省、通信と放送制度の抜本改正を提言
7・1 購読料改定=道新スポーツ2,900円(200円上げ)
7・11 河北と岩手日日が災害時援助協定を締結
7・20 アトランタ五輪開会式の報道で、33紙が祝日に夕刊、9紙が号外を発行
7・26 第1回NIE全国大会を東京・内幸町のプレスセンターホールで開催
8・15 朝日、「人材センター」を新設
9・1 地方紙16社、「地域新聞マルチメディア・ネットワーク協議会」を発足
9・3 最高裁、京都市の記者クラブ電話代など公金負担は許容範囲の判決
9・4 新聞協会第591回理事会、再販廃止への反論提出を了承
9・8 沖タイ、琉球両社、沖縄基地整理・縮小の是非問う県民投票をインターネットで速報
9・20 毎日、報道写真のインターネット検索サービスを開始
9・21 米ウォールストリートジャーナル、記事情報サービスを有料化
10・1 購読料改定=大阪新聞2,600円(300円上げ)
10・1 新聞協会、ホームページ「プレスネット」を開設
10・2 新聞協会、横浜市に設立する展示施設の正式名称を「日本新聞博物館」、愛称を「ニュースパーク」に決定
10・16 産経東京、新聞広告の日関連で異例の“白紙広告”
10・17 日経テレコン、97年1月からサービス拡充、写真、映像、音声盛り込む
10・20 衆院選で、朝日北海道支社などの出口調査の結果が政党に漏えい
10・25 新聞協会、再販維持を求めた意見を行革委規制緩和小委に提出
11・1 購読料改定=夕刊フジ3,300円(200円上げ)、内外タイムス3,300円(200)大阪新聞2,600円(120)、大阪スポーツ3,300円(200)
11・5 北海道新聞、函館地区に別刷り夕刊「函館新聞」を新設
11・7 山梨日日、日本の新聞社として初の古紙リサイクルセンター完成
11・13 新聞協会第593回理事会、渡辺恒雄理事に再販対策特別委員長委嘱を確認
11・20 日刊工業、購読用「プリペイド・チケット」を発売
11・20 新聞協会、規制緩和小委で再販維持を求める意見陳述
11・28 朝日、「統合型」電子情報サービス「アサヒ・コム・パーフェクト」を有料で開始
12・1 購読料改定=伊勢2,450円(350円上げ)
12・5 行革委、13分野51項目の規制緩和策を盛り込んだ報告書をまとめる、再販の結論は先送り、新聞協会小池唯夫会長が「制度維持の意見軽視」との談話発表
12・16 行革委、再販と情報公開法で意見書を橋本首相に提出
12・24 毎日、電子メールで有料情報サービスを開始

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2010年12月09日

新聞産業界20年を振り返る

 すっかり冬めいてきました。まだ積雪はないものの日照時間も短く、新聞の配達、集金、営業活動も厳しさを増すこの時期、朝布団から出るのがつらいだろうに、真っ暗ななかを自転車やバイクで新聞配達をしていただいているスタッフの皆さんには、あらためて敬意を表します。ご苦労さまです。
 最近こう思うのです。人をコストとか労働力という言葉に置き換える人が増えたなぁと。人をそのようにしか思わない人は結局、自己保身のためだけに生きているのだなぁと。世知辛い世の中になってきましたね。

 日本新聞労働組合連合・東北地方連合からの依頼(50周年誌を発行)で新聞産業の20年をまとめていたのですが、校正などをいただき何とかカタチになりました。
 日本の新聞業の歴史は140年とも150年ともいわれますが、今だけ委員長がこの業界に入ってからちょうど20年という節目にあたるため、自分が歩んできた新聞産業の20年を振り返ることができました。

 新聞産業の年表的なものはネット上ではほとんど見られません。新聞関係者は「紙」(年鑑などを発行)で歴史を綴るのが大好きであるということと、あまり自分たちの産業内で起こったことは公表したくないという閉鎖的なところがオープン化されづらい要因のように感じます。
 新聞労連東北地方連合50周年誌の発行は来年4月とのことですが、発行に先がけて新聞産業20年の出来事を“小出し(笑)”に掲載していきたいと思います。なお、掲載するものは、日本新聞協会発行の日本新聞協会五十年史、同六十年史、新聞研究などの資料を参考にし、個人の取捨選択により選別したものであることをご了承ください。


◆1990年
3・20 第362回新聞公正取引協議委員会がクーポン広告規制案を承認
3・30 マスコミ7業種の事業税経過措置を含む地方税の一部改正案可決成立
4・1 購読料金改定=ジャパンタイムズ4,300円(490円上げ)、日刊スポーツ北海道2,400円(140)奈良2,470円(470)
4・5 日米構造協議の日本側中間報告で流通制度の改善施策「景品および広告規制」の中で「新聞業のクーポン付き広告を本年夏までに実施するようにする」と発表
4・16 フクニチ新聞社、福岡地裁に和議を申請
5・2 毎日、鳥栖工場輪転機始動式
5・8 読売、鳥栖工場輪転機始動式
5・14 読売、江東工場が本格稼働
5・21 朝日、福岡工場が本格稼働
6・8 公取委、福岡の朝日、毎日、読売、西日本の4新聞販売店に排除命令
6・21 公取委の「流通・取引慣行等競争政策に関する検討委員会」が「流通・取引慣行と競争政策」を発表
9・5 新聞協会第552回理事会、「クーポン付き広告に関する規則案」ならびに「同運営細則案」を承認。10月から実施
9・28 新聞協会など広告・報道関係8団体が自民党税調に広告課税反対の要望書提出
10・1 新聞のクーポン付き広告実施
10・16 朝日がニューヨーク・タイムズ社と業務提携契約を締結、日刊情報紙「タイムズ・ファクス」を11月1日から日本で販売と社告
11・1 購読料改定=北羽新報1,640円(200円上げ)
12・1 購読料改定=九州のスポーツ紙3紙、日刊スポーツ2,500円(130円上げ)、スポーツニッカン2,500円(130)、九州スポーツ2,600円(130)
12・18 坂本堤弁護士一家救出のための懸賞金広告が朝日、読売、毎日に掲載される


◆1991年
1・1 購読料改定=電波4,900円(680円上げ)、神奈川2,500円(230)
1・17 湾岸戦争報道で各社(64社)号外発行
2・1 購読料改定=産経=3,100円(320円上げ)、夕刊フジ2,570円(310)、内外タイムス2,500円(300)、大阪2,500円(150)
2・24 米・多国籍軍がクウェート解放のため、地上攻撃に突入で48社が号外発行
2・28 米・多国籍軍がイラク軍への攻撃停止、湾岸戦争終結で41社が号外発行
3・1 長崎新聞社と長崎地裁の建物に何者かが銃撃
4・1 購読料改定=日刊スポーツ、大阪日刊スポーツ、サンケイスポーツ、報知、スポーツニッポン各2,700円(230円上げ)、日本海事6,180円(515)、新大阪2,200円(200)、関西2,000円(200)、中日スポーツ1,900円(260)、デイリースポーツ2,500円(200)、デイリースポーツ大阪2,700円(230)、大阪日日2,250円(250)
4・1 新聞のクーポン付き折り込み広告、解禁
4・7 大阪新聞、日曜日発行分(即売)を休刊
5・1 購読料改定=道新スポーツ2,200円(200円上げ)、日刊スポーツ、スポーツニッポン、報知北海道、各2,600円(200)
5・24 政府、「訪問販売法の指定商品に、株式会社または有限会社が発行する新聞紙を追加する」との訪問販売法施行令を閣議決定(7月1日施行)
6・1 日本新聞学会、日本マスコミュニケーション学会へ改称
6・3 長崎県雲仙・普賢岳の火口で大規模な火砕流発生、カメラマンなど報道関係者14人を含む43人が死亡・行方不明
7・1 購読料改定=紀伊民報1,300円(270円上げ)
7・11 公取委、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」(ガイドライン)公表
7・29 公取委、「政府規制等と競争政策に関する研究会」、独占禁止法の適用除外制度の見直しを提言した報告書をまとめる
8・19 ゴルバチョフ・ソ連大統領失脚で33紙が号外を発行
9・1 購読料改定=岩手日日1,900円(200円上げ)
10・1 購読料改定=デーリー東北2,100円(250円上げ)
11・1 購読料改定=日本工業4,000円(500円上げ)、日刊スポーツ(西部)2,600円(100)
12・1 購読料改定=日刊工業4,200円(500円上げ)、中部経済3,000円(330)山口1,900円(400)、スポーツニッポン(西部)2,600円(100)、九州スポーツ2,700円(100)


 

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2010年12月04日

電子書籍は著作物再販制の対象とならない―を考察してみる

 著作物再販適用除外制度(著作物再販制)に関連するネタを国立国会図書館の公式サイト「カレントアウェアネス・ポータル」が取り上げていたので、もう少し同制度について考察してみたいと思います。

 公正取引委員会は、電子書籍を著作物再販制の対象にはならないと、公式HP「よくある質問コーナー」(独占禁止法関係)で回答しています。その理由として「著作物再販適用除外制度は、独占禁止法の規定上、「物」を対象としています。一方、ネットワークを通じて配信される電子書籍は、「物」ではなく、情報として流通します。したがって、電子書籍は、著作物再販適用除外制度の対象とはなりません」というもの。
 独占禁止法第23条4には「著作物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が、その物の販売の相手方たる事業者とその物の再販売価格を決定し、これを維持するためにする正当な行為についても、第1項と同様とする」とあります。確かに再販制度はメーカー(新聞社や出版社)がディーラー(販売店や書店)に対して、顧客(読者)へ販売する際の新聞購読料や書籍の定価販売を守らせても独禁法違反の適用を除外することを定めた制度なので、「物(商品)」の流通過程における解釈からすると公取委のいう電子書籍は対象外ということになるのでしょう。

 おさらいをしますが、著作物とは、著作権法に定めるすべての著作物ではなく、書籍、雑誌、新聞、音楽用CD、レコード、音楽用テープの6品目とされていますが、同じ著作物でも映像ソフト(ビデオ、DVD)、コンピュータソフト(「ソフトウェア」と呼ばれるもの)、ゲームソフトに加えて、ダウンロード形式により販売される電子データも著作物再販制の適用商品には含まれません。また、再販商品であっても非再販商品をセットにして再販商品として定価で販売することは認められないと定めています。
 そうなると日本経済新聞が今年3月23日に創刊した「電子版」と新聞のセット販売(日経Wプランとして価格設定)については、著作物再販制が適応されないわけですから、販売店が「日経Wプラン」の価格を自由に決められるということになります。ですから、「日経Wプラン」の購読者は料金を販売店による集金ではなく、クレジットカードで日本経済新聞社へ支払うシステムになっているのです(紙の購読料は日経本社から販売店へ支払われる)。そうはいうものの、このご時世ですから販売店が独自に値下げ(値上げ)をして部数拡大のために打って出ることなど考えられませんし、特殊指定や片務的契約書によって販売店のテリトリーも含めてすべて発行本社に包囲されているわけですからドラスティックに変わる要素はないとみるべきでしょう。
 新聞社がウェブで自社コンテンツを販売・課金システムを導入する場合には、(紙とのセット販売などの場合)著作物再販制のことも検討された方がよいかもしれません。


 さて、本題に入りますが、そもそも著作物再販制が独禁法の適用除外として認められた背景には、著作権法による権利の行使と認められる行為に対しては、独禁法(再販禁止)を適用しない―と解すこともできます。電子書籍の流通形態が「物」であるかどうかとの解釈で、適用の可否を決めてかかるのはいささか矛盾が生じるのではないでしょうか。著作権法第1条には「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」とある通り著作者の権利と保護を定めた法律なので、電子書籍であっても著作物として保護されるべきものであれば著作物再販制が適用されてしかるべきではないかとも考えるのです。著作権法第12条2(データベースの著作物)では「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」とあります。
 新聞の場合はどうかというと、新聞を編集著作物という括りにした場合は同法の同じく12条(編集著作物)で「編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」とあるので、電子新聞は適用にならないような気がします。電子新聞の流通は新聞社が独自に行っている場合がほとんどですが、株式会社ウェイズ・ジャパンが運営する「新聞オンライン.com」(ネットで読む新聞ポータルサイト)などは各紙の電子版を一般ユーザー向けに販売しているディーラーと解されるので、その辺はどうなるのかなぁと。いずれ法的文書は解釈しづらく記されてあるし「データベース」って…その定義も陳腐になっていると感じます。

 ともあれ、著作者が出版社へ「電子書籍も指定した価格で販売してほしい」と求めれば(そのような契約をすれば)電子書籍であっても著作物再販制が適用されるのではないかとも考えたりするのです。ただし、消費者に対する合理的な理由はなかなか見つけ出せませんが、ネットのタダ文化が広がることは著作を生業にしている人たちにとって決してよいこととは思えません。
 図書館で順番待ちをせずに誰でもオーダーすれば国立国会図書館国会に蔵書されている本がすぐに読めることは望ましいことだと思いつつ、文化的価値を提供してくれる人たちの職業は守らなければ…と思っています。

 公取委は前回の再販制度撤廃を見送った1998年3月31日に「著作物再販制度の取扱いについて」を公表したのですが、その中に消費者利益確保の観点から「再販制度の利用・態様についての発行者の自主性の確保」を是正するよう業界に求めました。
 ネット社会になって公取委の思惑通りに世の中が進みはじめています。作家の村上龍さんが11月4日、電子書籍の新会社「「G2010」を設立しました。ネット上では誰でも自分が書いた「書籍(の類も含めて)」を発信することが可能になりましたが、例え優秀な作品であっても販売まで一人でこなすのは大変な作業(趣味は除く)。出版社との二人三脚でないと電子書籍であっても正当な対価を得られないというのが現状のような気がします。
 文化的価値を提供しうる人が正当な対価を得るための職業を守るために、再販制度は必要なのかもしれません。

 再販ネタついでに昨年発行された新聞労連産業政策研究会の第二期報告書「新聞2009 明日への道標」から、著作物再販協議会の委員を務めた法政大・岸井大太郎教授のインタビュー記事を引用します。続きを読む
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2010年11月17日

「学割」を投資と捉えれば… 山形新聞が学割キャンペーン開始

 朝日新聞が新聞の特殊指定で禁止されている「差別定価」に踏み込んだ「学割キャンペーン」(公取委は特殊指定には抵触しないとの見解)を小ブログでは「とうとうパンドラの箱が開いた…」と評しましたが、山形新聞も11月から学割価格を設定して一人暮らしの学生層をターゲットに利益度返しの部数増に取り組み始めました。
山形新聞が学割キャンペーン開始
 県内の学生対象に朝夕刊セット2千円山形新聞社は11月から「やましん学割キャンペーン」を始めた。来年2月28日までの期間中、3300円の朝夕刊セットが2000円で講読申し込みができる。昨年秋から県外向けの電子版で学割を適用してきたが、今回はそれを紙の新聞に拡大した。
 対象は山形市をはじめとする山形県内7市在住で、県内の大学、大学院、短大に通う独り暮らしの学生。契約期間は1年だが、在学中は何度でも更新できる。支払いは口座振替か一括前払い。一時止め、解約はできない。すでに定価で講読している学生は、現契約終了後に、学割に切り替えることができる。「電子版」も11月から第2弾の学割キャンペーンを始めた。(新聞情報11月12日付)
 地方紙まで「学割キャンペーン」を打ち出してくると、朝日以外の全国紙も動き出す可能性があります(すでに動いているかも)。
 先行した朝日がどれだけ学生層を取り込めたのか定かではありませんが、学生アルバイトを雇って“ねずみ講式”に読者を増やしているという話を聞いたことがあります。ともあれ、学生さんが新聞を読む習慣というか必要性を見出してくれれば「御の字」なのかもしれません。

【追記】山形新聞社HPより
http://yamagata-np.jp/koudoku/gakuwari/
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2010年11月09日

「新たな新聞像・ビジネスモデル」を絞り出せたか… 新聞労連産業政策研究会全国集会in仙台

 前回のトピックで告知した日本新聞労働組合連合(東海林智委員長)の産業政策研究会全国集会が11月5、6の2日間、仙台市内のホテルで開催されました。集会には全国の新聞労働者がなんと80人も参加する大集会となりました。また、地方紙の組合員だけではなく、読売新聞や共同通信、新聞協会の各労組からの参加者もいて、あらためて新聞産業問題への関心がうかがえました。
 今だけ委員長は新聞労連の専従役員をしていたときに産業政策研究会を立ち上げたこともあって、今集会には主催側という立場で参加してきました。


ワークショップ風景.JPG 研究員から3期目の報告書「新聞2010 扉と鍵」について報告された後、「新たな新聞像・ビジネスモデル」について現状の問題点を整理し、現実可能なモデルやアイディアを打ち出す参加者によるワークショップ(7グループで構成)が行われました。7名の研究委員がそれぞれのグループリーダーとなって議論をリード。アドバイザーとして、山田健太(専修大准教授)、水野剛也(東洋大准教授)、李洪千(慶応大講師)の3氏が加わり、活発な討議が行われました。たぶん…

カスタマー新聞.JPG それぞれのグループから新たなビジネスモデルが発表されたものの、山田健太氏からは「短時間だったこともあって、なかなか妙案は出なかったようだ。10年後の新聞産業を憂いて経営者を非難するのは簡単だが、その10年後にここにいる人たちが経営者の立場にいるかもしれない。結構大変なことだと実感したと思う」とチクリ…。今回はビジネスモデルを打ち出すというよりも、次へのステップを踏んだというところでしょうか。発表された内容は、「産政研WEB」などで随時アップしていく予定です。
http://sanseiken.seesaa.net/


 今だけ委員長も僭越ながら、「講評」というか最後のあいさつをさせていただいたのですが、その要約(メモ)を以下に列記します。


 今回の全国集会は研究会立ち上げ時から、ワンクールとして決めていた3年間の総仕上げという位置づけで、会議を催すこと自体を目的とせずに、いかに参加された皆さんに自らの職場で変えるべき事と守るべき事などをワークショップの議論を通じて感じていただき、それを職場で、それぞれのポジションで実践していただければという願いを込めた会議スタイルであったのだと私自身感じています。
 夕べの懇親会で、慶応大の李先生からこんな指摘を受けました。「もっと、このような会議の内容などを、インターネット技術を使って一般の方々、読者の方々にも公開して、オープンな議論を新聞労働者、特に産業政策研究会が取り組んでもよいのではないか」というもので、情報公開を求めるメディアの側が自分達の活動をクローズにしてしまっていることに対する言及でした。特に流通部門で根深い問題とされる公称部数と実配部数との乖離など内包する問題があるために、なかなか労働組合でもオープンな議論がしづらい状況になっていると感じています。
 産業研究を突き詰めていくと、ジャーナリズムという問題と相当にリンクするものです。情報リテラシィの国民的レベルをあげていくことが、新聞を含めたメディアの勝負どころであって、わたしたちの議論をもっと公開することが求められているとあらためて思いました。様々なビジネスモデルを立案して行くことと平行して記者教育などの働きかけも必要だと感じています。
 最後に、このような集会の場を提供できる労働組合の必要性をやはり皆さんに感じてもらいたいと思います。日々の忙しさに埋もれないで10年後の新聞のあり方、新聞社の機能を残すためにわたしたちの職場をどう守っていくのか、どう変えて行くのかを経営者にもの申せるのは機能を労働組合という形で有しているということです。そして、その集合体が新聞労連だということです。もっと新聞労連の機能を使って、学識者の方々とも連携して、次代を切り開いていきましょう。

河北新報11月6日付25面.jpg
河北新報11月6日付25面に
産研集会の記事が掲載されました

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2010年10月25日

新聞産業の20年、値上げ・デジタル・ネット・業務提携に分類

 この数週間、夜な夜な新聞関係の資料とにらめっこが続いています。

 日本新聞労働組合連合(東海林智委員長)の下部機関にあたる東北地方連合会が、結成50周年の記念誌を発行するとのことで、先に行われた記念式典にはお呼びがかからなかったのですが(笑)、その編纂作業(過去20年間の新聞産業界の年表)を手伝うことになりました。


 古本屋やネットオークションで買い集めた関連書籍を眺めながら感じることは、5年ごとに新聞産業の特徴が見えることです。購読料の値上げ(1990〜1995)、(編集システム等の)デジタル化が加速(1996〜2000)、ネット事業への躍進(2001〜2005)、新聞社間の業務提携加速(2006〜2010)と時代が移り変わっていくのですが、再販、特殊指定問題に関する公取委とのやり取りは絶え間なく、「公取委との20年戦争」といっても過言ではありません。


 2年前に産業政策研究会(新聞労連の研究機関)の報告書へ著作物再販制度に関する論文を書いた際に、再販制度に関する年表を調べたことがありましたが、産業界全体の20年分の年表を起こす(出来ごとの取捨選択)のはかなりハードなものです。ネット上(ウィキペディア)でも全体的な年表は公開されていないので、完成したら小ブログにアップしたいと思います。20年分と言わず、60年分くらいやってみたいのですが時間がありません…。


【お知らせ】
新聞労連産業政策研究会全国集会が仙台で開催
■開催趣旨:新聞労連は衰退していく新聞産業の未来を憂え、2007 年9 月に産業政策研究会を設置し現状と課題を研究してきましたが、この秋に最終報告を発表します。その最終報告の普及と実践を模索していく趣旨の全国集会です。研究委員とみなさんとで深く議論し、より報告を深めていくことが目的です。
■日 時:2010年11月5 日(金)〜6 日(土)
■会 場:江陽グランドホテル(仙台市青葉区本町2-3-1)
■問い合わせ:新聞労連書記局(03-5842-2201)

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2010年10月24日

数学を研究してきたという若き販売店経営者のマーケティング論

 まだ30代前半の若き経営者は前例踏襲型の新聞販売業と葛藤しながら、@Social Network Serviceを活用したネットワークづくりA電子書籍端末の発達を見ておくB自分の世界を広げるC活力源を持つ―これら4つのことを自身のライフワークとして販売店事業に携わっていきたいと熱く語りました。


講演風景.JPG 宮城県南部で約1万2千部の新聞を取り扱う新聞販売店経営者Yさん(専務取締役)。3年前に家業の新聞販売店を継ごうと地元に戻る前は、大学院で数学を研究し卒業後には某企業のシステム・エンジニア(SE)をしていたという経歴の持ち主。
 そのYさんから郊外新聞販売店の仕事の流れや読者サービスなどについて10月22日、講演をいただきました。今だけ委員長が勤めている新聞販売会社では、毎月1回社員ら有志が集って「自主研修会」を行っています。今回は「新聞販売の仕事は販売会社と自営店でどう違うのか」というある社員のつぶやきがYさんへ講演をお願いするきっかけになったようです。

 「パワポ」で作り込まれた講演資料を見れば、その方のスキルがわかるもの。前職がSEということもあるのでしょうが、その資料は簡潔にまとめられていて“勉強家”であることがうかがえます。
 仕事ぶりもその通りで、ミニコミ紙「蔵王人」(毎月末日曜発行・現在21号)では、地元住民のコミュニケーションペーパーとして「まち」をテーマに人と人とのコミュニケーションの創造に着手。プレゼントコーナーも好評で、読者・地元のお店・新聞販売店の3者による「Win-Win」の関係が構築されているとのことです。また、未来の新聞購読者への投資も怠りません。管轄するエリアの中学校の各クラスへ新聞を提供する事業にも取り組んでいます(朝日・読売も参加)。さらに対象中学校の生徒から「新聞の教室設置」についてアンケートを取り、その結果を市教委や校長会、PTAなどへフィードバックしているあたりが素晴らしい。常に数値化して「仮説→実行→検証→仕組化」というビジネスの基本を押さえてアクションプランを立てているのでしょう。このあたりが旧態依然とした新聞販売店の経営とは違うところなのかなぁと時代の変化のようなものをつくづく感じます。


 懇親会では、来年から学習指導要領に新聞の活用が盛り込まれることで、業界関係者がこぞって小・中学生(の保護者)を対象にした販売施策を検討していることについて議論し、「それ(教育現場に新聞が活用されることのPR)は大切だけれど、新聞購読者の主力がシルバー世代であることは変わりない。タイムリーなビジネスチャンスが到来するとすぐさま猪突猛進しがちな新聞業界だけれど、シルバー世代をおざなりにするのはマーケティングの観点からすればあまり良いことではない」という同じような考察で盛り上がりました。


 新聞販売業のみならず、近年の企業の隆盛というのは組織力というよりは「人力」に大きく傾いているように感じます。組織力に乗っかってさえいればよかった時代から、組織力を生かせない経営陣に問われている「人力」。これも社会の可視化を進めるきっかけになったインターネット空間での情報発信が大きく影響し、(高齢者と若手との)知識を得て創造する力に差がついてきているのだと思います。

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2010年10月21日

【備忘録】ANYがいよいよ動き出した!?

 朝日、読売、日経の全国紙3社連合(いわゆるANY連合)が、首都圏(東京都と埼玉県)の印刷センターで刷られる新聞の共同輸送をはじめました。


▽朝日、日経、読売が共輸 首都圏で初めて(新聞通信 10月18日付)
 朝日新聞社、日本経済新聞社、読売新聞東京本社の3社は、10月1日付朝刊から首都圏で初めての共同輸送を開始した。共同輸送の対象となる工場は、朝日が日刊王子工場(東京都北区)、日経が八潮工場(埼玉県八潮市)、読売が東京北工場(東京都北区)の3工場で、輸送する地域は主に埼玉県東部、南部の販売店。共同輸送するコースは「朝日・読売」が5コース、「日経・読売」が4コースの計9コース。3社は2009年秋から首都圏での共同輸送の可能性を様々な角度から検討し、各社の販売店の協力を得て実現させた。共同輸送により各社の単独輸送コストの削減につながる。共同輸送を担当するのは佐川急便で、3社の共同輸送を担当するのは初めて。
 2つの印刷工場で新聞を積み、販売店(おそらく3〜4店舗分)へ届けるには相当の時間的ロスも心配されますが、降版時間の繰り上げなどでカバーするのでしょう。
 また、今回の共同輸送実現に際してANY連合(販売担当)による起案なのか、佐川急便の提案によるものなのか興味のあるところです。近ごろ、佐川急便が新聞輸送業に懸命だとの話をよく聞くので…。


 新聞輸送会社にも新聞以外の輸送業務ができるような仕組みを作れないものかなぁと感じます。

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2010年10月09日

新聞を介したぬくもり…送り手の一方通行ではダメですね

人が届けて、人が読む。だから新聞にはぬくもりがある。

 日本新聞協会が毎年10月15日から行う「新聞週間」にあわせて募集、選ばれた今年の『新聞配達に関する標語』です。ぬくもりかぁ・・・。毎朝販売店に届けられる刷りたての新聞の“ぬくもり”を直に感じる販売店スタッフから、ぬくもりを感じている読者がどのくらいいるのかなぁ・・・。「購読料を払っているのだから、届けられるのはあたり前」という世知辛いご時世で、クレームの連絡は受けるけれど、お褒めの言葉は少なくなっているような気がします。

表紙.jpg 日本新聞協会販売員会が10月に発行した「第17回」新聞配達に関するエッセーコンテスト入選作品集「ふれあいの詩」が届きました。
 今回の作品集は各新聞社提供の写真がふんだんに使われていてイイ感じ。
 この作品集を読者へ配るのは経費的にも大変なので、紙面で1話ずつ紹介してはどうでしょう。論説委員の方がきばって書いている社説よりも読まれると思います。また怒られるな…。

* * *

 きょうは若手の販売スタッフの方と酒を酌み交わしながら、いろいろと有意義な話をさせていただきました。入社半年の彼は某有名大学をこの春卒業し、契約社員としてこの業界に入ってきました。今のご時世だから正社員枠ではなく契約社員として採用されたのですが、とても優秀な人材なのです。その某氏との何気ない会話が心に強く響きました。


今だけ委員長「入社から半年経ってどう。何か悩みなんてない?」
某氏「最近とても悩むことがありました。個人目標(契約件数)の達成まであと1件という時に、担当区域の90歳になるお婆ちゃんに購読をお願いしたのです。でもそのお婆ちゃんは視力も弱いしとても新聞なんて読める状況ではないのだけれど、お願いしたら『取ってあげる』と言われたのです。でも折込チラシが多い週末の新聞をポストから抜くことすらできなくて、新聞は玄関先にたまっているのです。『取ってあげる』と言われたけれどそんな人に定期購読をお願いしてしまった自分が嫌になっているのです」
今だけ委員長「会社員として生きていくには、いろいろなジレンマを抱えながら悩み続けなければならないのかもしれない。その商品性や紙面とは裏腹のこの新聞産業の構造的な問題はもとより、数字を求められる販売部門の人たちはキレイごとでは成り立たない」
某氏「でも今だけ委員長はそのお婆ちゃんに売れますか」
今だけ委員長「オレは売らない。たぶん。会社員だけれど自分自身で最低ラインの線引きはするべきでそのこだわりは持つべきだと思う。それは人間性の問題なのかもしれない」

 偉そうにそんな会話をしてしまいました。

 「メシを食うために」なら何をしてもイイ? ぜったいにそうではない。そんなことが起きてしまう組織はやはり「偽」というメッキがはがれていくことにビクつきながら、社会に胸を張れない会社でしかないと思う。今だけ委員長も過去にその過ちを犯したこともあるので深く反省。
 社歴を重ねた重鎮は「そんな青臭いこと」と笑い飛ばすかもしれないけれど、きょうはその某氏の悩みを深く受け止めて“自分の立ち位置”を再確認できました。

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2010年10月07日

「キャンパス新聞」学生たちがたどり着いた結論は

 サンケイ・エキスプレスで「キャンパス新聞」の連載が始まりました。第1号のテーマはなんと自虐的な「生き残りかけた新聞社の闘い」。また「没落ネタかよ」と突っ込みたくなりますが、現役大学生が取材し、書き上げた連載だというので、チョット興味があります。読み終えてからコメントしたいと思います。

 仕事が少々忙しく書きたいことが後回しになっているので、取り急ぎ備忘録としてアップしておきます。

▽【Campus新聞】生き残りかけた新聞社の闘い2‐1(産経ニュース 10月5日付)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101005/trd1010051514003-n1.htm

▽【Campus新聞】生き残りかけた新聞社の闘い2‐2(産経ニュース 10月5日付)
 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101005/trd1010051518004-n1.htm

追記:「なーんだ産経新聞の提灯記事か…」と思われた方も多いと思いますが、まずは大学生の皆さんに興味を持ってもらうことが大切です。産経新聞東京本社・斎藤勉常務取締役がキムタクのような人相風体だったら“2ちゃんねる”でも話題になったかも…。

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2010年09月24日

紙面が訴える力! 祝イチロー選手10年連続200本安打

 米大リーグのイチロー選手(シアトルマリナーズ)が10年連続200本安打を達成!素晴らしい大記録です。
自分に厳しく、多くの名言を残し、毎朝カレーを食べるイチロー選手。マスコミからの質問もさりげなくかわし、常に自分のペースを貫くこの男の魅力は語るに尽きません。

▽イチロー、10年連続200安打を達成(読売新聞 9月24日付)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/mlb/news/20100924-OYT1T00117.htm

その他 009.jpg
 けさ、仙台駅周辺で読売新聞が「イチロー 10年連続200安打」の号外を配っていました。ブラ4頁の紙面にはイチロー選手をイメージキャラクターにしている企業の広告がふんだんに使われています。キリン一番搾り、NTT東日本、「ユンケル」sato製薬、ワコール。どれもイチロー選手と長期間スポンサー契約をしているところばかりで、記録達成に便乗して号外を使ったPRも結構なインパクトがあったと思います。
 さすが読売新聞(松井だともっとよかったのかも)といったところでしょうか。
  *    *    *
 いま、仙台市内では「2010年APEC第3回高級実務者(SOM3)会合」が、今年8月にオープンしたウェスティンホテル仙台で開催されています。26日まで。
その他 008.jpg この2週間、仙台の街中は外国人と警察官の姿がやけに目立ちます。ホテル側からは宿泊する高官用にと「英字新聞」のオーダーがマックスに…。日本に住んでいてこれだけ英字新聞を目にするのは初めてですが、回収した新聞を見てみると英字新聞は写真の使い方が芸術的でセンスのよさを感じます(こんな私でもそう思います)。英字新聞は当然のことながら横書き統一なので、写真や挿絵が映えるのでしょう。日本の新聞は縦書き、横見出しなど読ませることを重要視しているのですが「芸術的」とはいえず、「広告面」がその要素を補っているのかなぁと感じます。常に読みやすさを追求して、文字サイズや段数の変更を繰り返しているのですが、デザインという観点では日本新聞は既定の枠に収まった作り方からはみ出せないのでしょう。

 新聞をデザイン面から改良し、芸術性を追及しながら読み方の価値を再定義するポーランド出身のジャチェック・ウツコ氏は、新聞デザイナーというポジションで新聞の活性化に大きな影響を与えているようです。ポスターにしたい新聞紙面があってもイイと思います。
▽ジャチェック・ウツコ氏の「デザインは新聞を救えるか?」
http://tedxtokyo.com/ja/blog/jacek-utko-asks-can-design-save-the-newspaper/

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2010年09月23日

業務提携は苦境に立つ新聞産業の光明だけではない

 きょう23日は秋分の日。所属する労組の定期大会で来賓の方々と有意義な話をさせていただいたのですが、新聞産業の下流部門では互いの労働をいたわる余裕すらなく「業務提携」と称する合理化に大きく舵を切っています。常にその対象となるのは印刷、発送、販売店の下流部門から“やられる”わけです。
 編集部門が生成する記事や解説が「ソフト」ならば、そのソフトを印刷、宅配して収益をあげる流通部門は「ハード」と解されますが、いまの時流は「ハードの維持は経費が掛るし、販売収入の増加な見込めない」としてリストラの矢面に立たされがちです。しかし、これまで新聞社が培ってきた垂直統合型のビジネスモデルをご破算にして、自社内のソフトとハードの使い方(収益の生み出し方なのかも)をどう考えるか。米国の新聞社のように電子媒体に生き残りの価値を見出して、通信社のような組織を目指すのか、もしくは新聞産業が新興IT企業と勝負できるのはソフト(時にキラーコンテンツなどといわれますが)だけなのか…?しっかり考えてみたいと思います。言い忘れましたが、その前提として顧客のニーズを捉えているかどうかは最低条件ですが…。


 業界紙からのネタをひとつ。きょう23日から、毎日新聞と産経新聞が千葉・埼玉県内の一部で共同輸送をスタートさせました。


千葉・埼玉で共同輸送
 毎日新聞社と産経新聞社は9月15日、千葉西北部・埼玉東部方面での共同輸送について合意し、本契約を交わした。共同輸送は同23日から実施する。
 共同輸送の対象工場は、産経新聞社が江東センターと千鳥センターで、毎日新聞社は東日・越中島工場。千葉・埼玉方面は、毎日、産経の両社の新聞を取り扱っている販売店が多く、共同輸送の構築に適した地域だった。
 具体的な配送ルートは、現行の販売店店着時間の厳守を原則に、両社の販売局ならびに販売店の協力で構築し、実現にこぎつけた。
 両社は08年12月から協議。両社とも今回をモデルケースとし、将来的には東京都内地域でも共同輸送が可能なコースを検討し、随時実施していきたいと考えている。(新聞通信9月20日付から引用)
 このような下流部門の再編の知らせを聞くたびに、元毎日新聞社の河内孝さんが著した「新聞社 破綻したビジネスモデル」(07年3月初版)に書かれてある予測通りに動いています。関東圏でもそのような状況なのですから、全国紙の発行部数(シェア)が少ない東北地区への輸送体制はもっと大変です。地方紙といえども全国紙の路線に便乗して届けてもらうケースもあるほどで、産経新聞が青森への輸送をやめてしまうと青森北部まで届けられなくなるブロック紙もあるのだとか。

 下流部門の業務提携(リストラ)はさらに進むのでしょうが、働く人の「雇用」はしっかり守ってもらいたいと思います。


 もうひとつ業務提携の話題として、読売新聞が茨城新聞を9月1日から受託印刷しました。最近の印刷部門の動きとしては、全国紙が地方紙へ印刷を委託するというものですが、今回は茨城新聞が読売新聞へ印刷を委託するというもの。


 茨城新聞の印刷を開始
 読売新聞東京本社と茨城新聞社は読売新聞茨城西工場(茨城県茨城町)で茨城新聞の朝刊を印刷することに合意し、9月1日から同工場で印刷を始めた。
 読売新聞が受託印刷するのは茨城新聞の全部数約12万4千部。読売新聞と茨城新聞は1998年5月から茨城県内向けの読売新聞朝刊の印刷を茨城新聞の子会社である茨城プレスセンター(水戸市)に委託するなど信頼関係を築いてきた経緯がある。茨城西工場は2005年5月に完成し、読売新聞東京本社とアサガミが出資する「アサガミいばらき」が運営している。40ページ、16個面bから―印刷が可能な輪転機2セットを備え、印刷体制の強化を図るため今年1セットが増設されたことから、受託が可能となった。業務終了を予定している茨城プレスセンターでの読売新聞の印刷は今年10月末で終わる。09年2月に茨城新聞が委託を申し入れ、同5月に読売新聞東京本社と調印していた。(新聞之新聞9月6日付から引用)
 一見すると財政事情が厳しい茨城新聞の経営効率を上げるために読売新聞が“一肌脱いだ”ように業界各紙は伝えていますが、そんなことはありません。
 この問題は1998年にさかのぼりますが、当時、茨城新聞は読売新聞の受託印刷を打診され、茨城プレスセンター(水戸市)を相当な借金をして建設しました。茨城新聞社の発行部数などを考えても無茶な設備投資と思われたのですが、茨城新聞とほぼ同数の読売新聞の印刷を受託するという計算で別会社設立に踏み切りました。しかし、読売新聞社は印刷会社との合弁印刷センター展開を推し進め、05年にアサガミとの共同出資による読売新聞茨城西工場(アサガミいばらきが運営)を稼働させました。その時点で「読売が茨城プレスセンターへの委託印刷を引きあげると、茨城の経営は破綻するのでは」と心配されたものです。いわゆる真綿で首を絞められたようなもの。読売側も茨城プレスセンターへ契約が満了する今年10月末まで印刷を委託しましたが、結果として茨城新聞社が設計した「読売の受託印刷を収入源とした印刷センターの運営」は不可能な状況となり、逆に読売新聞へ印刷を委託する羽目になったわけです。
 “業務提携”は苦境に立たされる新聞産業の光明のように受け止められていますが、契約条項のつめなど慎重に業務提携を進めないとリスクを背負い込む可能性もあるものです。このような交渉(経営もそうですが)はプロに任せた方がよいのかもしれませんね。

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2010年09月20日

iPadで新聞記事が読めても「紙」の定期購読は続ける58.3%

 三連休は「張り込み」のために毎朝5時起き。新聞が盗まれるなどの事件は「その場」を取り押さえないと解決しないので、張り込みました3日間。その甲斐あってか、現場を取り押さえていろいろな問題が判明しました。ほんとに最近は余計な問題ばかり多くて嫌気がさしているのですが、あすからまた忙しくなりそうです。

    *    *    *
 ネットエイジア社が行った「ビジネスパーソンの『iPad』に関する調査」(20〜59歳の男女で有職者「パート・アルバイト含む」、2,188名の携帯電話ユーザーの回答を集計)がこのほど発表されました。この手の調査結果は、設問自体が調査者の意図を導き出すための誘導型であったり、ネット利用者だけの意見集約が大半とあって“きな臭”ものだったりします。「ビジネスパーソン」っていう定義もよくわからないし…。横文字使えばイイってもんじゃないですよね。
 今回の調査結果で気になったのは、iPadやキンドルなどのタブレット型情報端末(スマートフォン)で新聞が読めるようになれば、紙の新聞は購読しなくなるか?という質問への回答。同社の分析では「購読しなくなる」と答えた方(41.7%)の数字を印象付けていますが、「情報端末で読めたとしても紙の新聞を購読する」と答えた方は過半数の58.7%(1,276名)とまだ高い。でも20代女性(サンプル数248名)では「読まなくなる」が51.6%と過半数を超えています。以下にネットエイジアリサーチの分析を引用します。


◆電子書籍で読みたい新聞を購読できるなら、紙の新聞は購入しなくなると思う、41.7%
「『iPad』などの電子書籍を閲覧できる携帯型端末で、読みたい新聞を購読できるようになった場合、紙の新聞は購入しなくなると思いますか」という質問を回答者全員に聞いたところ、全体では41.7%が「紙の新聞は購入しなくなると思う」と答えた。男女で比較をすると、「紙の新聞は購入しなくなると思う」と答えたのは女性の方が多く、男性36.0%に対し女性は47.4%であった。年代別では年代が若くなるにつれて「紙の新聞は購入しなくなると思う」と答えた割合が高くなり、特に20代女性では半数以上の51.6%がこのように答えた。続いて「(電子書籍で読みたい新聞を購入できるようになったとしても)紙の新聞を購入することはあると思う」と答えた回答者に「どのような時に紙の新聞を購入するか」を自由回答形式で記入してもらい(有効回答:1220名)、その答えの定量化を行った。全体では「なにか記念や重大ニュースなどの時に紙で保存・スクラップしたい」が最も多く、27.4%であった。次いで「いままでの習慣で購読し続けると思う」が9.6%、「新聞広告・折込広告・クーポンが楽しみなので」が7.7%、「じっくりと時間をかけて読みたい」が7.0%と続く。

▽ネットエイジア社リリース
http://www.mobile-research.jp/investigation/research_date_100916.html

 また、「どのような時に紙の新聞を購読すると思いますか」との問いに対しては、@なにか記念や重大ニュースの時などに紙で保存・スクラップしたいAいままでの習慣で購読し続けると思うB新聞広告・折込広告・クーポンが楽しみなのでCじっくり時間をかけて読みたいD紙のほうが読みやすいE端末を持ち歩かない・いつでも観たい時に見れるF紙だと斜め読みできる・探しやすい―といった、「紙」の優位性についての意見が続いています。

 来月から国勢調査も始まりますが、数字はマジックでいかようにでも解釈できるものです。リサーチ結果は携帯電話ユーザーの2,188名ですが、それぞれが単身居住者もしくは世帯主ではないと思われます。現状の「紙」新聞は世帯での購読ですから、発行部数と閲覧者はインターネット(そのサイト)のように一致しませんが、もしかすると発行部数より多く読まれている場合もあるわけです。家族で回し読みできることも『手元に残る』紙メディアの利点でもあります。ただし、この「もしかすると」という疑問符が付いてしまうのが問題なのですが…。

    *    *    *
 もうひとつ、備忘録としてネタを紹介します。元時事通信に勤務されて現在はウェブサイトTechWaveの編集長を務める湯川鶴章さんの「Apple、電子キオスク開設で新聞社と協議」という記事。
http://techwave.jp/archives/51503582.html#more
 内容は、米国では新聞、雑誌を販売するデジタル・ニューススタンドの開設に向けてAppleと新聞社、出版社が協議していて、実現への可能性を示唆しています。また同じような取り組みを各新聞社や出版社がGoogleとも行っているとのこと。
 いよいよ始まるのか―という感想なのですが、湯川さんの「蛇足:オレはこう思う」が痛快です(笑ってはいられませんが)。


 メディア企業1社で、Google、Appleのイノベーションにとても勝てるわけがない。だからと言ってメディア企業の連合軍はさらに勝ち目がない。時代についていけない人間が一人でも加わればスピードが落ちるのに、そうした人間が何人もいるからだ。これまでにも多くの業界で「黒船に対抗」を旗印にいろいろな連合軍を作っているが、ほぼ例外なく「船頭多くして船山に登る」状態になっている。
 湯川さんらしい言いまわしで連合軍(ANYまたは新聞協会か?)を撃沈していますが、販売店側は連合軍にしたほうが実利はあがる。それは間違いありません。でもネックになるのが「本社が…」ですよね。


 ジレンマを抱えながら目先の仕事に追われる日々が続きそうです。でも頑張りましょう!

posted by 今だけ委員長 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年08月26日

新聞業界はどこまでNIEに本気で取り組めるか

 ちょっと遅ネタですが、朝日新聞社が小・中・高校の教師を対象にNIEの推進を目的にしたメールマガジンの配信を7月からスタートさせたというニュース。

▽朝日新聞社、教師向けメールマガジンを創刊 教育に新聞の活用促進狙う
http://www.findstar.co.jp/news/syosai.php?s=201946


 さすが朝日新聞!と思わせる取り組みだと思います。記者が一方的に記事の解説などを送るのではなく、教師20人が「事業で使える記事」(おススメ度も3段階に分けて)を選りすぐり配信するというのがミソですね。
 先のエントリーでも書いたのですが、「学習指導要領に新聞の活用が盛り込まれることになった」というだけで安堵してはいけません。実際に新聞を活用して授業をされる教員の方々から新聞をじっくり読んでもらって、その価値を見出していただくことが大切なのだと思います。

 NIE活動とは、新聞業界が教育の現場に立つ教員の方々へ、いかに新聞の価値を理解してもらえるかも重要だと思います。学校の先生だからといって必ずしも新聞を読んでいるとは限りませんし、複数の新聞を購読するのも若い教員には経済的にも厳しいのかも。それを考えると、私立以外の教員には「仕事で使うための新聞購読補助」というのも考えてみてもいいかもしれませんね。

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2010年08月17日

新聞労連へ提言した朝日労組の「新聞労連改革」を考えてみる

 日本新聞労働組合連合(東海林智委員長・毎日労組選出)に対して、朝日新聞労働組合(今村健二委員長)が「新聞労連改革」と銘打った3つの骨子からなる提言を示したという記事が、「週刊金曜日」ニュースに掲載されました。
▽朝日労組の”提言”に真価が問われる新聞労連(週刊金曜日8月4日付)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=293
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=299


 労働組合は会社と違って“横つながり”の組織体ですから、さまざまな問題提起があってしかるべき。「労働組合なのだから・・・」ということで、無理やり60年代の原理的思想で組合員を引っ張っていける時代ではないし、時代に即した組合運動へとカスタマイズしていかなければならないと感じています。ただし、何のために労働組合があるのかという存在意義は踏み外してはいけないと思います。
 週刊金曜日の記事を読むと朝日労組というより、「今村委員長」個人の主張と印象付ける節があるので、(執行委員長の発言は大きいのですが)そのへんは今村委員長個人ではなく「朝日労組の本部執行委員会提言」と理解するべきだと思います。また、提言には「今回の改革提言こそ、しっかりと実行に移していただかなければ、朝日労組内での労連への批判が…」との書き方を見ると、朝日労組全体の総意ではないとも感じ取れます。

 今回、朝日労組が示した3つの提言は、@新聞産業を守る政策提言力の強化を/ナショナルセンターとの関係再考A「破綻」させない日ごろの支援の強化を/争議支援のあり方再考B支出削減の更なる徹底を/身の丈に合った活動の強化―。提言の内容をじっくり考えてみました。


 まず、ナショナルセンターとの関係再考については、この記事を書いた週刊金曜日編集部の伊田浩之氏も指摘しているのですが、「連合加盟へのロビー活動」とも読み取れます。提言では「消費税増税、再販見直し、特殊指定見直しの政策が実行されると、新聞産業を取り巻く環境は一気に悪化するので、政策決定過程に携わる者への働きかけが重要になる。主要各政党の幹部とメディア政策担当者、各種団体との意見交換、協議は欠かせない。中でも、民主党の政策決定過程に大きな影響を及ぼす連合とは、定期的かつ計画的に協議を重ねていく場を設けることが必要」とあります。
 新聞労連は現在、日本労働組合総連合(連合)や全国労働組合総連合(全労連)などのナショナルセンターには属さず、中立な立場で新聞の社会的役割を重んじた運動方針を掲げてきました。チョット歴史をたどってみましょう。


 新聞労連は戦後、総評と運動をともに(新聞労連が総評のけん引役を担ってきた)してきましたが、労働戦線の統一に違和感を示し、1987年の総評第70回定期大会で「新聞労連統一5原則」を打ち出します。1989年11月に結成した連合(初代委員長は山岸章氏)や全労連には属さず、中立の立場を保っています。
【新聞労連の労戦統一5原則】
@思想、信条、規模の大小によって選別せず、すべての労働組合が参加する統一
A資本と政党からの独立という当然の原則をつらぬく統一
B特定の国際組織への加盟を条件にしない統一
C未組織労働者の組織化をめざす統一
D共通の要求・課題に基づく大衆的な共同行動を積み重ねる統一

 ナショナルセンターとの関係を再考する理由が「新聞産業を守るため」であっても、消費税や再販・特殊指定の問題について政治家(政策決定に携わる者)を動かしてどうこうしようという発想には、やはり違和感を覚えます。低減税率の導入や再販・特殊指定など業界を保護する諸制度を守るなら、これまで指摘されてきた「押し紙」や「ルールを無視した景品提供の実態」などの問題解決にまず着手すべきです。公取委などから指摘されているような諸問題を解決し、国民から同意を得られればおのずと業界を保護する諸制度は維持されるのではないでしょうか。はじめから政治家へ「新聞産業の保護」を働きかけることは、新聞協会などの経営者団体と同じやり方といわざるをえません。
 今回の提言は一見すると新聞産業も労働条件も一緒に守るためには、連合加盟も「やむなし」との結論へ向かっているように読めますが、労働戦線問題を整理するための問題提起であるともいえます。

 私自身も新聞産業は絶対に守らなければいけないと心から思っているのですが、他からみれば「自分たちの労働条件を守るため」と映ってしまうものです。新聞産業に働く者として一番のジレンマはここだと思います。東洋大学の水野剛也准教授は、「新聞は死ぬことが許されない」と言ってくれましたが、それがもし自分の生活水準を守るためだけならば「死んだ方がまし」と言われちゃうのかもしれません。


 また、伊田氏は「新聞産業で働く仲間を守る」ではなく、新聞産業を守るという経営者的視点が気になる―とも評していますが、これからは労働組合も新聞経営者に対して政策要求をしていかなければならないと思っています。なぜなら、前例踏襲の経営だけでは世の中の動きについて行けなくなっているからです。護送船団方式である意味守られてきた新聞社(特に地方紙)の経営陣は意思決定も遅いから。
 でも労働組合も政策要求をするだけではダメなのです。それを仕事として本気で取り組むまで役職者へ詰めないと…。やるのは会社ですから、「やろう」と思わせる役員へのプレゼンも必要だと思います。

 で、伊田氏が指摘する「仲間を守らない」については、「労働組合は相互扶助の精神から成り立つ」ものだと朝日労組の執行委員会の方々も当然理解しているはずです。「一人は皆のために、皆は一人のために」と。この言葉を最近では聞く機会も少なくなってきましたが、これは60年安保時代を生きた団塊世代の方々だけの言葉ではないと思っています。労働組合として体をなしている以上、原理とか何とか難しいことではなく大切にしなければならないものだと感じています。労働者の代表として選ばれた執行部役員はこの気持ちなしに労組員を守れないと思うし、朝日労組の執行委員会の皆さんもそう思っているはずだと理解しています。

 伊田氏の指摘を逆に捉えれば、「多くの組合費を捻出しているのだから、新聞ビジネスが反転攻勢となるようなビジネスモデルを打ち出せるシンクタンクを上部団体に求める」という提言にも受け取れます。それに応えられるよう新聞労連の産業政策研究会などの研究機関に力を注ぐ必要はあると思いますが、チョット経営者化しているなぁとも感じます。
 朝日労組の組合員を守ることは重要だし、それが執行部の任務ですが、組合費を多く出しているからスポンサー気取りでリターンを求めるというのはチョット違うと思います。新聞労連の組合費は「何人以上の組合はいくら」という決め方はしていないし、一人一律600円というシンプルな徴収スタイルです。私も朝日労組の執行委員会の方々と同じく毎月600円払っています―という話です。そもそも朝日労組はオープンショップなのだから、新聞労連の加盟費を含んだ組合費の徴収を了承した人が加入しているのだと思っています。
 朝日新聞は新聞協会よりも優れた研究機能や人材を有していると思っているので、天に唾するのではなく、シンクタンク機能の強化にもっと関わっていただけると“さすが朝日”となるのではないでしょうか。


 週刊金曜日には、朝日労組の提言によって新聞労連に波風が立っているような書かれ方をされていますが、問題提起がなければ議論も生まれません。じっくり議論をして、間違いのない新聞労働者が向かうべき進路を示していただきたいと思います。

posted by 今だけ委員長 at 16:33 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2010年08月16日

「おしどり金婚さん」を一挙掲載 地方紙だからなしえる新聞ファンづくり

 束の間の夏休みというかお盆休み。家族で実家のある米沢市へ帰省してきました。
 実家では、地元紙の山形新聞と毎日新聞を購読しているのですが、けさの山形新聞は月曜日なのにページ数が多いのでよくよく見てみると、結婚50年の節目を迎えた夫婦を祝福する「おしどり金婚さん」を4ページ使って掲載していました。

山形新聞 金婚さん.jpg 「おしどり金婚さん顕彰事業」は山形新聞社と山形放送が1989年から取り組んだもので、これまで5万8595組の夫婦を顕彰しています。喜びや悲しみを分かち合いながら家族、地域、さらに社会の今を築いてきた夫婦をたたえ、健康と長寿を祈念することが目的だとか。今年は1767組の応募があり、夫婦の名前を刻んだレリーフが進呈されました。
 確か西日本新聞社も「金婚」の催しをしていたと思います。
 
 市町村別に夫婦の名前がずらっと掲載されているのですが、ご本人はもとより、その子ども(孫)たちが「両親の名前を探す」というのも新聞の特性を生かしたものですね。これぞ地方紙がなしえる新聞ファンづくりだと感じました。
posted by 今だけ委員長 at 16:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

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