2014年03月30日

消費税増税をあすに控えて思うこと/静岡新聞が税込購読料据え置き

 2週前のネタですが、全国紙を皮切りに新聞各紙が4月からの消費税率引き上げに伴う「月ぎめ購読料」改定の社告を掲載しました。3月17日に読売、翌18日に朝日と毎日、19日には産経(産経は1部売り定価を10円値上げし110円へ)が社告。それぞれ「紙面の充実とサービスの向上」という同じような社告の内容となりました。
 勿体つけているわけではないのでしょうけれど、なぜギリギリにならないと読者へ知らせないのか不思議。「他紙の出方を確認するまでは・・・」との戦略なのかなぁ。それも掲載は一回のみ。社告は一度きりでもよいと思いますが「お知らせ」として複数回掲載して読者へしっかり伝えるべきと感じます。ちなみに、秋田魁新報は早々と2月28日に社告を打ち、販売側がじっくりと読者フォローをする態勢を敷かれたようです。
値上げ社告.jpeg
 新聞業界では、値上げなどの場合は全国紙がリードして地方紙が追従するというパターンなのですが、静岡新聞社(673,000部発行・月ぎめ購読セット版2,900円)では増税分を購読料へ転嫁せず「据え置き」という施策を打ち出しました。
▽税込み購読料据え置き(静岡新聞 3月17日付)
 4月1日から消費税率が8%に引き上げられます。これに伴い静岡新聞は月決め購読料の本体価格を77円引き下げ、税込み購読料を従来と同じ2900円とします。
 国内経済は回復の兆しが見られますが、静岡県経済の回復は全国に比べ遅れ、県民全般が個人所得の増加などの実感を得られるまでには時間が必要です。
 新聞は読者の皆さまの購読によって支えられています。その社会的役割を考え、支払料金の増額を避け、税込み価格を据え置くものです。
 本体価格引き下げ分は静岡新聞社の負担となりますが、紙面構成の見直しや新聞制作の効率化などで費用削減に努めます。

 南信州新聞(23,000部発行・月ぎめ購読1,500円)や中部経済新聞(94,700部発行・月ぎめ購読1カ月3,300円)も3%増税分を購読料へ転嫁しない措置をとったようですが、県内で約60%の普及率を持つ静岡新聞の経営判断は、社告にあるように「読者とともに」という姿勢を全面的に打ち出した戦略と思われます。その背景には専売店を持たずに全国紙販売店へ委託するという効率的な経営(同紙では土曜夕刊も休刊している)もあるのでしょう。これまで攻勢をかけてきた中日新聞や全国紙を一気に突き放した感じですね。

 販売店では社告後、4月からの購読料改定のお知らせチラシや挨拶品などを携えて、読者宅を回っています。私が接した方のほとんどが「仕方ないねぇ。全部あがるんだもんね」という反応です。あきらめ感というか、消費税引き上げそのものに対して「社会保障になんて使われないでしょう。年金は減らされるは、医療費は上がるわで大変よ」と愚痴をこぼす方も少なくありません。ある50代の方からは「あなたたちも大変ね。税金上がって新聞やめられたら大変だものね。若い人は新聞をネットで読むから(読者が増えず)大変だって言うけど、読者のほとんどが年寄りなのだからまだまだ大丈夫なんじゃない。年寄りは新聞やめないから」と励まされ?ました。
 日中に面談できる世帯のほとんどは高齢者が在宅しているお宅。ラジオを聞き、再放送の時代劇や相撲を観ながら、新聞を手元に置いて隅から隅まで読んでいます。新聞産業はこの方々に支えられているのが現実です。紙面の充実とは何かを考えたとき、ターゲットはこの世代だということを認識しないと、ですね。
 消費税が上がっても年金受給額も同じように上がれば(新聞購読補助費なるものの新設など)、読者は一気に減ることはない―。そう感じるのであります。
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2014年02月23日

自社ブランドのイメージ戦略は重要な広報活動

 今週から日テレ系で放送されている読売新聞のCMはイイなぁと思います。
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YC見守り隊」のテレビCM(読売新聞CMギャラリーより)

 「配達で、街の安心を見守りたい」というコンセプトは、読売新聞販売店に限らず各系統の販売店でも(温度差はあれ)掲げており、実際にマニュアルを作って取り組んでいます。しかし、読者からすると販売店がそのような活動をしているという認識はとても薄い。紙面で一度紹介したくらいでは読者にすら浸透しないし、「共感を得る」までのイメージ戦略は“広報と現場のギャップは埋まらないまま”となってしまうものです。これってとても残念。

 以前から読売新聞のテレビCM「配達する力 時事川柳」編や「配達する力 エア配達」編を拝見するたびに、「(新聞の流通部門全体として)コンセプトはすばらしいけれど現実とのギャップをどう埋めるか」と個人的に感じていました。「新聞って、新聞販売店の人たちってこうなんだよ」というイメージを訴求する気持ちはその通りなのだけれど、これまでの販売店のダーティーなイメージを一新するための施策はどうか・・・。スタッフ不足に悩む販売店の現状などを考えると、このような素晴らしいCMを多くの方に共感してもらう(してもらいたいと思っています)には、まだまだ改善しなくちゃいけないことが多そうだなと思ったりします。

 これからも企業間の販売競争は続くのでしょうが、宅配網の役割や価値を産業全体として浸透させることって不可欠であるはず。でもそこには流通部門だけでは・・・という限界もある。ふんばっていくしかないですね。

▽読売新聞CMギャラリー
http://www.yomiuri.co.jp/cm/

 
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2014年02月10日

宅配網を守る新聞販売マインド/東北地連・販売正常化委員会ディスカッション報告

こんな大雪は見たことない

 8日から9日未明まで東北の太平洋側で降り続いた雪は「想定以上」でした。今だけ委員長が住む仙台市内では観測史上3番目となる35センチの積雪で、78年ぶりの記録更新。石巻市では38センチで史上2番目(91年ぶり)というから、9日付の新聞配達は想像を絶する「雪との格闘」となりました。
 今だけ委員長は昨年末にバイクで転倒し骨折した部位がまだ使いモノにならないので朝刊作業は同僚に任せましたが、ほとんどの配達スタッフが膝まで積もった雪をかき分けながら配達し、一部地域では配達終了が昼頃までかかったそうです。除雪されていない道ではバイクはおろか自動車でも走行できない状況で、作業に従事された方のご苦労は計り知れません。

プリウス.jpg 新聞販売に携わるFB友だちの書き込みを見ていると「新聞を積んだ車が坂道を登れず(梱包された新聞を)担いで届けた」、「車道と畦道の区別がつかず車が田んぼへ突っ込んだ」と大変だった様子が伝わってきました。でも、皆さんの書き込みに共通しているのは「配達が遅れて読者へ迷惑をかけないように」という気概を持っていらっしゃるということ。
 毎朝、当たり前のように新聞を届ける―。このマインドを持っているからこそ、この商売を続けていけるのだとあらためて感じました。
* * *
新聞販売店はテクノロジーの進歩を直視した経営を

 「チャレンジ2014 新聞の可能性と潜在力 人、組織、つながりの再構築」をメーンテーマに新聞労連東北地連春闘産研集会が2月3−4の両日、仙台市内のホテルを会場に開催されました。東北の新聞社に勤める労働者ら約100人が参加しました。
 東北地連(正式名称は「日本新聞労働組合連合・東北地方連合会」)の産業研究委員会は、新聞研究部、合理化対策部、販売正常化委員会の専門部で構成され、毎年2月にシンポジウムを行っています。

集会1.jpg 今だけ委員長は販売正常化委員会のパネル討論「地域における販売店の在り方」でコーディネーター役を仰せつかりました。パネリストには、福田洋介さん(秋田魁新報秋田南販売所所長)と青木慶哉さん(株式会社GEE&BEE代表取締役)という、新聞販売の次代を担う経営者との討論になりました。
 福田さんからは、秋田魁の販売店主会によるJR秋田支社とタイアップしたサッカーブラウブリッツ秋田応援列車「BB SAKIGAKE EXPRESS」の企画・運営や県内の全小学校へ秋田県地図を贈呈するなど全県規模で「地域に根ざした販売店作り」に取り組んできた事例が紹介されました。また、「地元新聞社のブランド力をもっと活用して、読者の生活圏に入り込んでいくことが重要。新聞の販促もクロスメディアを上手に展開していけばまだまだ販路は残っている」と地方紙の強みを活用し編販がさらに連携していけばさまざまな効果が生まれると述べました。

 青木さんは昨年まで経営していた読売新聞の販売店を後任に引き継ぎ、現在は新聞販売店向けのコンサル会社を設立。女性スタッフの活用とシニア層に絞った営業戦略を提唱しており、私自身も以前から話を聞きたいと思っていました。シニア層をターゲットに営業戦略を立てることは成功法だけれど、10〜20年後の新聞販売を考えると今の20〜30代の無購読者へのアプローチも必要ではないか―との問いに「テクノロジーの進歩は私たちの常識を超える。トヨタですら7年先までしか戦略を立てていないが、それは時代(技術)の変化に対応しながら経営するということ。過去の成功事例にとらわれず今の新聞販売店の強みを生かして客単価をあげていくしかない」と力説。従業員のモチベーションをあげる秘策については「読者からありがとうと言われない企業は衰退する。感謝される仕事をしていればモチベーションは自ずとあがってくる。特に女性は裏表のある仕事だと懸命にやらないと感じる。(固定読者以上に循環読者に経費を使っている現状を踏まえ)一部の読者だけにコソコソと景品を提供するような仕事ではモチベーションはあがらない」と語ってくれました。

集会5.jpg 販売正常化運動の原点は新聞社(全国紙vs地方紙)による販売過当競争や新聞社と販売店の取引関係に起因する押し紙問題などでした。しかし、昨今の部数減等による経営問題が直近の課題となり、それまでの議論を飛び越えてビジネスモデル再構築に走りすぎている感も否めないわけですが、新聞産業全体としてこれからの新聞販売問題を新聞労働者の皆さんには考えていただきたいと思います。


 「EPIC2014」が発表されたのがちょうど10年前。この間はなんとなく新聞産業界にネガティブな雰囲気が漂っていたように感じます。「(2014年には)ニューヨーク・タイムズはインターネット展開を止めエリートや高齢者のための紙媒体新聞に移行することになる」というストーリーは、紙は衰退しネットに取って代わるのだ―という将来への不安から、経営効率化に拍車がかけられた10年だったように思えます。そして、ロビン・スローンとマット・トンプソンの予言通りにはならなかった(もっと奥底では計り知れない個々人の情報蓄積が行われているかもしれませんが・・・)わけですが、「それみたことか」と揶揄するのではなく、「紙も、ネットも」現状に甘んじることなくふんばっていくしかないのです。

posted by 今だけ委員長 at 22:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年12月30日

不覚にもバイクでコケちゃいました

 新聞販売店の元日作業(朝刊配達)は紙面も増ページで特集が組まれ、折込チラシは100枚超の受付があります。1部あたりの重量は2キロ近くになりますからね。当日の配達作業は通常の倍以上の時間を要します。
 この時期の販売店ではそのチラシを何度も丁合機で組み込み、人海戦術で手組みをしながら元旦作業がうまく回るよう備えます。この段取りがうまくいけば元旦当日は(作業量は大変だけれど)ある意味でお祭りのようなものです。


12sakotu02.jpg しかし、不覚にもおととい、集金業務のさなかに相棒のスーパーカブと共に凍結した路面に気づかず転倒。右鎖骨を骨折してしまいました。
 今年の4月から12年ぶりに新聞販売の現場で汗を流し、配達労務難を抱えながらも配達スタッフの協力を得ながら何とか年を越せると思っていたのですが職場の仲間に大変な迷惑をかけてしまいました。最も大切な時なのに・・・。

 でも、悔いてもしかありません。気持ちを切り替えて治療に専念します。(私が言うと説得力もありませんが)販売現場に従事されていらっしゃる皆さんも配達作業中の車両事故や転倒に気をつけてください。

* * *

このこだわりって何だろう?

 最近、業界紙をチェックする時間もないので知己のedgefirstさんのブログから引用しますが、読売新聞社が11月定数で1000万部を達成したという報道。
▽読売新聞、恒例の1000万部回復 2年連続で達成
(edgefirstのブログ12/27付)http://edgefirst.hateblo.jp/entry/2013/12/27/200929

 「部数は世論へ訴える力」とか表面ではアピール(部数=世論として政治に圧力をかける場面も)しつつ、部数増は新聞社の収入源(販売店からの新聞原価および広告収入)アップに連動します。

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posted by 今だけ委員長 at 15:32 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2013年11月15日

有名人より「ホンモノ」を紙面で紹介するという視点

 東日本大震災から2年8カ月が経ちました。
 各メディアをながめていると「震災関連」の報道(記事や映像)が少なってきたなぁと感じます。国民というか生活者の関心事は移り変わっていくので仕方のないことですが、いまだ28万人が避難生活を強いられ(復興庁「全国の避難者等の数」)、プレハブ応急仮設住宅で三度目の「寒い冬」を迎えようとしています。せめて月命日にあたる11日にはこのような被災地の現状を取り上げてほしいーそう願ってやみません。


 被災地への取材体制も震災前に戻っており、被災者の視点に立って喜怒哀楽のネタを掘り起こすような記事も間違いなく減っています。行政等からの発表モノの取材に追われて、これまでのような取材(ひとり支局は大変です)が難しくなっている・・・。いわゆる「遊軍(記者)」がいなくなって(通常に戻って)しまうと、「風化」がいっそう進むのだと思います。


 一方、被災3県の新聞社や放送局各メディアは、被災された読者や視聴者と共にこれからを歩むーというスタンスを感じられることはうれしい限りです。全国紙やキー局の報道に偏重することなく、地元の方が共感する報道を続けていってほしいと思います。読者は天下国家を論じる紙面より、身近な話題を伝えてくれて生活しやすいまちづくりの旗振り役としての期待の方が大きいと実感しています。

* * *
 「新聞ではEXILEやBEGINのような名のしれたミュージシャンの被災地慰問しか取り上げないんすかね。たまにしか来ないのに」。
 南三陸町志津川でさんさカフェという飲食店を営む内田智貴さんが発した言葉は忘れられません。マスコミは当然マスを意識してその取材対象を探り、話題性があるかどうかの判断をするのですが、著名人が被災地を慰問するだけで紙面に掲載されるのは広告と同じようなもの。「誰に向かって書いているのか分からない」と内田さんは凄みました。「震災直後は多くの有名人が来たけれど、継続して訪れる人はほとんどいないんです。それなのに新聞では地元の人たちとロクにつながってもいない有名人だけが賛美されて伝えられるのはおかしいんじゃないですか」。


 その時、「桃梨」というバンドのことを彼は紹介してくれました。上村美保子さん(ボーカル)とJIGENさん(ベース)の音楽ユニットで、震災後すぐに南三陸町の避難所(志津川高校)を訪れた時のこと、都内在住の二人が楽器と支援品を積んだ車で毎月きてくれること、献身的に被災者へ寄り添った活動をしていることなどを熱く語ってくれました。
 その話を聞いて私は「ホンモノだ」と直感しました。こういう「ホンモノ」をもっと多くの人に伝える必要があるし、それはやはり新聞じゃないのかと。新聞各社へ取材依頼の原稿を考えながら、無性に彼らに会いたくなったのは言うまでもありません。7月28日に南三陸町入谷小学校仮設住宅集会所で開催されたミニライブの光景は素晴らしいものでした。20人程度の来場者が一緒に歌い、笑って体を動かして…会場が一体になる。はじめは照れていたおじいさんも子どもたちと一緒になって声を張り上げる。震災から毎月被災地へ足を運び100回ものライブを通じて培った「被災者と向き合う姿勢」にただただ感動しました。


 盛岡市出身のJIGENさんは「これまでメディアに出ることを極力控えてきました。ミュージシャンがこのような活動をすることって売名行為と受け取られてしまうから。でも、2年半経過して支援活動を続ける人たちも減ってきているし、僕たちだけの力では何も変えられない。被災地にくるとわかるんです。みんなまだまだ不自由な生活をしているし、何も変わっていないんですよ。僕らのことをマスメディアが取り上げてくれて、被災地支援の輪がちょっとでも広がってくれれば良いと思うようになったんです」と語ってくれました。

河北新報11.5付.jpg 読売新聞10.31付.jpg 毎日新聞11.31付.jpg
※左から河北新報11/5付、読売新聞10/30付、毎日新聞10/30付

 取材依頼をして10月30日に行われた「100回目のライブ」を河北新報、毎日新聞、読売新聞が記事にしてくれました。それぞれの記者がどう感じたのかは記事の内容でおおよそ把握できますが、被災地で生活する方々から慕われる「桃梨」の地道な活動をマスメディアの方々にも追いかけてもらいたいものです。そして、新聞販売店の従業員が読者から伝えられる話題を編集の方々へつなぐ仕組み(申請あげろとか面倒なこと言わないでw)が大切だとあらためて思いました。

posted by 今だけ委員長 at 17:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年10月15日

10年に一度の勢力・・・台風26号に警戒

 仙台市内も雨足が強くなってきました。
 「特別警報」が発せられそうな勢いの台風26号はあす未明に関東・南東北圏に上陸する可能性が高くなってきました。
▽台風26号 東北の沿岸、特別警報も 仙台管区気象台(河北新報ニュース 10/15付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131015t73039.htm


 あすの朝刊作業は不測の事態に備えて当番社員の配置を増員。また、緊急時には社内のマニュアルに沿って業務運営をするよう指示をしました。
 備えあれば憂いなし・・・と言いたいところですが、雨濡れに注意しながら風で飛びやすい「紙」を届けるのが私たちの仕事。「年配のKさんは強風で自転車での配達ができるかな」とか、「奨学生のO君は・・・」なんとなく心配で眠りにつけそうにありません。
* * *
ふれあいの詩.jpg 日本新聞協会・販売委員会が毎年公募している「新聞配達に関するエッセーコンテスト」(今年で20回目)の入選作品集が届きました。
 同協会のホームページや新聞紙面ではその入選作品が紹介されていますが、冊子を手にとって読んでみると新聞配達に携わる者としてはジンとくるものがあります。また、最優秀賞三部門のうち、二部門で宮城県在住の方が受賞したことも感慨深いものとなりました。その最優秀賞に選ばれた二作品を引用します。
・大学生・社会人部門
『新聞は私の生きている証』 伊勢伸彬さん(66歳)仙台市宮城野区

 一人暮らしの母のもとに帰り、介護生活を始めたある日のこと。
 「読みもしない新聞、もう断るぞ」と言うと、認知症の母がキッとした目で、「そんなこと言わないでけさい、私の生きている証しなんだから」と私をにらんだ。
 そして要介護4の母がなおも続けた。「新聞取り忘れた時、心配して何回も来てけだんだよ。孤独死してもすぐ見つけてけられっから、安心して暮らしてんだから」
 一人暮らしがボケ防止だと強がっていた母、心の中は不安と寂しさでいっぱいだったのだろう。
 母が逝って丸三年。その家で私が一人暮らしをしている。ザクザクと小砂利を踏む足音が近づき、バサッと音がして遠ざかる。私は布団の中で手足を伸ばし、健康に朝を迎えたことを意識する。
 そして、新聞配達さんありがとう、私にも、母と同じように安心を届けてくださいと、手を合わせる。

・中学生・高校生部門最優秀賞
『一日が始まる合図』 日野はるかさん(16歳)宮城県気仙沼市

 震災数週間後の静かな町。
 早く目が覚めてしまった私は布団の中で考えごとをしていました。学校に行きたい。友達に会いたい。早く元の生活に戻りたい。そんなことを考えていると、いつの間にか泣いていました。
 その時、なんだか聞き覚えのある音が近づいてきました。新聞配達のバイクの音です。
 この音が聞こえると、母は起きて家族のお弁当や朝ごはんを作り始めます。そこから私の家の一日が始まるのです。バイクの音は、母が準備を始める合図でした。この音があるからこそ一日が始まり、家族の日常を取り戻せることに、その日初めて気付きました。バイクの音が聞こえることも幸せな日常だったのです。
 あれから二年もの年月がたちましたが、バイクの音は休むことなく毎朝聞こえてきます。そして今日もまた、バイクの音を合図に家族の日常が始まるのです。

▽新聞配達に関するエッセーコンテスト入選作一覧(日本新聞協会HPより)
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/works.html#daigakuhighest
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2013年10月02日

増税により厳しさが増す家計の中で問われる新聞の価値

 安倍晋三首相は1日、消費税率を平成26年4月から8%に引き上げることを正式に表明しました。消費税増税は9年4月に3%から現行の5%に引き上げて以来、17年ぶりとなります。日本新聞協会などが求めていた新聞や書籍、雑誌への軽減税率の適用は、ナベツネさんの力をもってしてもかなわなかったようです。


 これで、来年4月から新聞購読料も3%上乗せ(増税)され、セット版で4,037円(+112円)、統合版で3,093円(+86円)となる可能性が大きくなりました。これから販売現場ではこの増税(実質値上げ)によって読者を失わないよう(新聞社の施策によって)価格を据え置いたり、逆に他紙読者を取り込もうと高額景品を投入して拡販を展開するところも出てくることでしょう。
 今回の増税による紙勢の動向は、購読料の実質値上げに対する感情的なことではなく、(実際にそうではなくともイメージ的に)実感のないアベノミクス下で「家計が厳しいので購読を中止する」という読者の多少がポイントだと思います。まさに、新聞の商品価値が問われるのだと感じます。


 こういう背景の中で、私たち販売店従業員は部数を守っていかなければいけません。来年4月までに何を整え、備えていくか―。流通部門で商品価値以上のパフォーマンスを展開していかなければ「新聞離れ」の潮流は押し戻せません。



 新聞購読料は5年の購読料改定(200円の値上げ)から20年間価格を据え置いていますが、デフレ経済の中にあっては「値上げに踏み切れなかった」のでしょう。値上げ以上に読者が減ってしまっては元も子もないわけですから…。新聞社も人を削り(契約社員等に置き換えられ)、支局体制を統合し、印刷部門の受委託でコスト軽減を図ってこの20年間、値上げをせずに経営をしてきたのだと思います。一方、販売店は細りゆく読者数に連動して店舗数や従業員数の縮小が如実に表れています。この10年間で全国の販売店数は3,248店(15%)減少して18,367店へ。従業員数も91,604人(19.9%)減って367,809人となっています。(日本新聞協会「新聞販売所従業員数、販売所数の推移」より)


 新聞部数の減少によって統廃合が進む販売店。扱い部数が10%減ると従業員を20%減らさなければ経営は維持できない。さらに労働条件は悪化し(ブラック企業化し)、人材不足に陥るというスパイラルが続きます。このままでいくと、宅配網のほうが先に崩壊していく可能性も否めません。
 新聞産業が置かれている状況を冷静に直視すると、まさに多様な言論を守っていくために流通部門は総力戦で市場に向かっていかなければならない時代なのだと感じます。

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2013年09月13日

新聞労連産政研が最終報告書を提起/「ポスト産政研」はそれぞれの職場から

 新聞産業が直面する課題について全国の新聞労働者の精鋭が集い、日本新聞労働組合連合(略称:新聞労連・日比野敏陽委員長)の研究機関として2期7年間活動してきた産業政策研究会(産政研)が、このほど最終報告書をまとめました。
産政研全国集会@.jpg 二期目研究員の皆さんによる最終報告を発表する「新聞労連・産政研全国集会」が8月24〜25日の両日、茗台アカデミー会議室(東京都文京区)で行われました。全国の新聞労働者をはじめ、大学などで新聞産業を研究されている方など約30名が参加。今だけ委員長も25日のみ参加してきました。

この山をどう登るのか.jpg 第二期最終報告書(暫定版)「この山をどう登るか」の柱となる「消費税」、「読者ニーズと地域貢献」、「ネットとジャーナリズム」のテーマを3グループに構成した参加者とディスカッション形式で討論されました。今だけ委員長は「読者ニーズと地域貢献」のグループへ参加。下野新聞が展開する「NEWS CAFE」、新潟日報による「読者満足度調査の取材」や各社の貢献活動について報告がありました。
 新聞産業に内在する問題点や将来に向けた対策は山ほどありますが、「重要課題」と提起しても労働組合自体もまとまらず、その多くがペンディングとなっています。なので、喫緊の課題を『なぞる』ような研究結果になってしまうのは仕方ないと思いますが、その時代背景によって、読者側と新聞側の物ごとの捉え方が変化していて、同じテーマでも“違い”を感じます。
 先人たちの問題提起もそれぞれの職場などでいかされないということは、その提言自体に現実性がないか(魅力がない、採算が合わない)、もしかするとチャレンジしているけれど成功していないから表面化しないのかもしれません。いずれにしても特効薬は見当たらず、経営陣は人件費などの支出を抑え込むしか利益確保の手立てはないというのが現状です。

産政研全国集会A.jpg 社外のコンサル会社のマンパワーを活用しながら、新聞、広告、ネット事業を展開(PR方法や課金の仕組みなど)している新聞社もあると思いますが、新聞社間でもっと連携すればより良いアイディアが生まれ、協業するメリットも出てくると思うのです。しかし、現状では難しいのでしょう。
 新聞産業研究をする機関や研究者が少なく、いや無くなっていくのは、今の新聞産業を象徴しているのかもしれません。でも、まだまだあきらめず「ポスト産政研」を職場から実践していくしかないですねぇ。
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2013年08月04日

新聞労連・産政研7年間の集大成「全国集会」のお知らせ

 東北地方も3日、やっと梅雨明けしました。河北新報によると東北南部の梅雨明けは史上5番目の遅さだとか。新聞販売店に勤める私たちもやっと乾く暇のない雨合羽の着用から解放されそうです。
▽夏、やっと到来 東北梅雨明け 南部、史上5番目の遅さ(河北新報8/4付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130804t75016.htm


 東日本大震災から地震にには敏感になっているのですが、きょう12時29分に宮城県沖を震源とする震度5強の地震が発生しました。ツイッターやフェイスブックのメッセージを通じて全国の方々から安否を気遣うコメントをいただきました。どうもありがとうございます。
 今だけ委員長が住む仙台市若林区は震度4でした。ちょうど家族3人で昼食をとっていたのですが、先の大震災当時2歳だった娘は地震に対して相当なトラウマを抱いてしまい、ちょっと揺れただけでもパニック状態になって泣き出してしまいます。
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※仙台市内を流れる広瀬川
 そのあと、販売店の様子が気になって行ってみると翌日の折込チラシも崩れておらず、電源や水道などライフラインも異常ありませんでした。趣味で乗りはじめたバイクで管内を一通り巡回して土砂の崩落などをチェック。大量の雨のあとなのでこちらの方が心配でしたが、あすの新聞配達に支障はないようです。

何かあった時の初動はとても大切です。いくらマニュアルを作り、配っても履行されなければただの紙切れ・・・。やはり災害は忘れた頃にやってくるものですね。
* * *
 
産政研の集大成「全国大会」が開催されます!
 2007年の発足から2期、7年間にわたり活動する日本新聞労働組合連合(略称:新聞労連、日比野敏陽委員長)の産業政策研究会(通称:産政研)が今月24〜25の両日、「全国集会」を開催します。会場は東京都文京区・アカデミー茗台。
▽全国集会のお知らせ(7/31付 新聞労連産業政策研究会ブログより)
http://sanseiken.seesaa.net/article/370771946.html


 2期目の研究員らによる成果発表の場となります。テーマを拝見するだけでもタイムリーな話題が目白押しです。新聞労連の組合員のみの参加受付となりますが、各メディアの取材も対応可。詳しくは新聞労連まで。
▽消費税と新聞:上野傑(神戸DS労組)、高力秀雄(宮崎日日新聞労組)、野沢哲也(朝日新聞労組)
▽読者ニーズ・地域貢献:大日方英樹(新潟日報労組)、増田正一(全下野新聞労組)
▽メディアのあす:櫛引素夫(元東奥日報労組)、登地敬(中国新聞労組)、明神功(高知新聞労組)※敬称略


 産政研は発足時に携わらせていただきましたが、個人的にも強い思い入れがあります。
 新聞記者から販売店スタッフまで多くの労働者が携わる新聞産業。それぞれの役割があり精一杯に仕事をされているのですが売り上げ(部数)が伸びないという課題を受け、新聞というメディアを、言論機関を維持するために新しいビジネスモデルを考え、下流部門の受委託や合理化などの可能性について議論してきました。「読まれる紙面」については編集の方々と相容れない場面も多く新聞労連の歴代役員の皆さんや研究員の方々も苦慮されたとお察しします。そして7年間にわたり中心的な役割を担ってこられた櫛引素夫さんには敬意を表します。
 新聞を産業として考えた場合、読者から対価を得るためになぜ「紙」にこだわるのかという議論があります。それは、新聞産業は「紙」だからこそ大きな収入ベースがあり、新聞産業に携わる方の大半が「紙」ベースでの労働をし、生活しているからです。
 だからこそ、チャレンジしていくべきことや譲歩すべきところを議論していかなければならないのですが、それぞれの職場の既得権が邪魔をしてしまう。これが新聞産業の一番のネックになっているのでしょう。


 販売現場の第一線に配属されてから4ヵ月。いろいろな意味で現実と向き合っています。
 これからの販売店はシルバー世代の要望をしっかりキャッチしながら読者を守り、宅配網を活用した事業(共同配達なども)を推進していかざるを得ません。そして新聞社は、「ウェブ」を活用した課金型ビジネスモデルを早めに打ち出すべきと感じています。記事配信のスタイルは紙からウェブへと変わっていく趨勢は避けられようもありません。
 でも、ポジティブに前を向いて仕事に取り組んで行くしかありません。まだまだチャレンジしきれていないことがたくさんあるから白旗をあげるわけにはいかないのです。

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2013年07月15日

時代を読むチカラと部数にこだわる(しかない)チカラ

 今年の梅雨は寒暖の差が激しく、新聞販売従業員にとっては憂鬱な時期。合羽を着るにもサウナ状態で体力の消耗は相当なものです。健康管理に注意したいものです。
 
 さて、どうでもよいことなのですが、きのうの朝日新聞と読売新聞の1面センター(「ヘソ」と言います)に「成田ゆめ牧場」(千葉県成田市)で13日からオープンした「ひまわり迷路」の写真が似たようなスナップで掲載されていました。 
紙面比~1.JPG 読売の方は「真夏色 もう満開」のタイトルで両親が愛らしい乳児を抱いた写真。朝日は「迷路大輪」で幼児を肩車する父親のスナップが収まっています。同じようなアングルで撮られたと思われますが、カメラマンが伝えたかったことなどを考えながら両紙の写真を見るのも楽しいものです。
 新聞紙面は21日に投開票される参院選報道にその多くが費やされていますが、ホッとする写真を入れようと両紙の編集者は考えたのかもしれません。新聞社のみならず役職者はある程度、(日本的な)年功序列になっているので同世代のデスクが考えることも(意識しながら)近しくなってくるのかもしれませんね。
* * *
抜き出た感のある朝日新聞デジタルの販促手法

 最近、業界紙を閲覧できる状況にないので、もっぱら「edgefirstのメモ」を参考にさせていただきながら業界の動きをウォッチしています。
 「学割パック」など業界内でもその販促手法が群を抜いている(実績はどうかわかりませんが)朝日新聞。
先月も朝日新聞デジタルを申し込むと「KindleFireHD」がオマケで付いてくるセット販売を発表したかと思いきや、今度はANAと提携して1年契約すると5000マイル付与されるパック商品を売り出しました。「丘マイラー」にとっては朗報で換金率もかなり高い設定です。また、買い物などで貯まったマイルで朝日新聞デジタルも読める(10,000マイルで3カ月購読)相互乗り入れも可能にした点は、しっかり「B to C」も考えての施策だと感じます。

 来年実施予定の消費税率引き上げ対策に各社とも「守り」の姿勢ですが、『デジタル』へシフトする朝日新聞社のスケールメリットで勝負する経営手腕を感じます。

▽朝日新聞デジタル、1年ごとに5000ANAマイル付与するコース新設(edgefirstのメモより)
http://d.hatena.ne.jp/edgefirst/20130712

▽朝日新聞デジタルとKindleFireHDをセット販売 設定・サポート付きで月3800円(edgefirstのメモより)

http://d.hatena.ne.jp/edgefirst/20130620
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2012年12月28日

今年もいろいろなことがありました/報道界2012年重要ニュース

 今年も残すところ、あと3日になりました。
 新聞社は元旦号の特集面を作り終え、一段落といったところ。一方、下流部門の印刷、発送、販売店は降版された特集号の印刷、発送、折込広告との組込み作業に追われ、明日くらいまで慌ただしい状況が続きます。
 新聞販売店は雑誌の厚さまでになる元旦号を読者の手元までお届けして、やっと仕事納めという感じがします。元旦の天気は北海道、東北・北陸の日本海側を除いて穏やかな天候に恵まれそうです。事故のないよう2013年をスタートしたいものです。

 小ブログも年内の発信はこれで終了します。本年もご愛読いただきありがとうございました。新聞業界は歴史と伝統が負担となり大きな飛躍は期待できませんが、未来を創造できる方々と手を取り合い1歩ずつ歩んでまいりたいと思います。
 皆さまにとって素晴らしい2013年になりますことを祈念しています。
*  * *
報道界2012年重要ニュース(日本新聞協会報編集部選定)
▽東日本大震災から1年/各紙が特集、原発報道検証も
 東日本大震災の発生から1年となる3月11日、新聞各紙は特集紙面を展開した、1万5874人(警察庁調べ)の犠牲者を出し、復興への課題も山積する現状を踏まえ、被災者の生活再建、健康・医療、福島第一原発事故の見通し、除染、防災再対策などテーマは多岐にわたった。
 在京各紙は、被災者などへのアンケートや聞き取り調査を実施。被災地での暮らしぶりなどについて尋ねたほか、全国の学生に震災後の意識の変化を尋ねたり、教育委員会に防災教育の見直しについて調べたりする社もあった。
 原発事故報道については、多くの批判が寄せられたことなどを踏まえ、検証記事を掲載する動きも見られた。
 被災地の岩手日報、河北、福島民報、民友は、犠牲者の追悼企画などを載せた。震災の記憶が風化していくことへの懸念から、犠牲者の生前のエピソード、復興に向けたプロセスや課題などをきめ細かく報じた。4紙合同で震災翌日の紙面をパノラマで載せた広告企画も注目を集めた。

▽NIE推進協、全都道府県に/新聞社と教委の協定進む
 全国で47番目となる富山県NIE推進協意義会が5月10日、設立総会を開いた。これにより47都道府県すべてに推進協が発足し、NIEを全国展開する体制が整った。朝日、毎日、読売、日経、北日本、富山、北陸中日の7紙と共同、時事が加盟。新潟県で1994年に全国初の推進協(新潟県新聞活用教育推進協議会)が誕生してから18年がかりでの達成となった。
 4月には新聞活用を盛り込んだ新学習指導要領が、前年の小学校に引き続き中学校で実施された。こうした追い風が吹く中、今年もNIEの広がりを感じさせる出来事が相次いだ。
 学校での新聞活用推進を目的に、文部科学省は2012年度から5年計画で、全学校図書館へ新聞配備のため75億円の財政措置を取った。使い方を特定しない地方交付税措置であるため、各地方自治体で予算化しないと新聞配備に使われない。新聞協会博物館・NIE委員会は、予算化を促し学校図書館への新聞配備を求める新聞広告を作製した。

▽協会、軽減税率を求める/消費税率引き上げへ知識課税強化に反対
 消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が8月10日、成立した。消費税率は2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。新聞協会は活字文化を守るという観点から、新聞への軽減税率適用を主張している。
 欧州はじめ経済協力開発機構(OECD)加盟の主要国は、新聞への付加価値税(VAT)について、ゼロか最低の税率を適用している。新聞協会はこうした世界の情勢を踏まえ、新聞は民主主義社会や文化の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与していると主張。知識への課税強化は確実に国力を低下させ、国際競争力を衰退させると訴えている。

▽広がるソーシャルメディア活用/ジャーナリズムに新たな可能性
 ツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアを活用して読者や取材先と新たな関係を築き、ジャーナリズムの可能性を模索する動きが見られた。
 朝日は1月、記者が氏名や肩書を明かし、記事の裏話や紙面で紹介できなかった写真などをツイッターで公開する「つぶやく記者」を開始した。アカウントの開設・承認プロセスを明確にし、研修やトラブルサポートの態勢を整えることを定めたガイドラインも設けた。
 河北が3月に始めた震災関連の情報を発信する「つむぐ 震災を超えて」をはじめ、新聞社がフェイスブックのファンページを開設し、そこで読者が情報を発信する動きも広がった。

▽読者の信頼揺るがす誤報も
 人工多機能性幹細胞(iPS細胞)をめぐる誤報や、兵庫県尼崎市の連続変死事件での別人の顔写真掲載など、読者の信頼を揺るがす問題が相次いだ。
 iPS細胞の臨床応用が実現したとする森口尚史氏の発表を、読売は10月11日付朝刊で報道。共同も同日、同様の記事を配信した。しかし、発表が虚偽である疑いが強まり、読売は13日朝刊に研修お記事を掲載、誤報を認めた。共同も誤報を認め、12日に検証記事を配信した。過去に森口氏の研究を記事にした他紙も、検証結果を紙面で公表した。毎日は16日付朝刊で、同氏の肩書き全てに誤りがあったなどと説明。日経も11月6日付朝刊で検証記事を掲載した。

▽災害援助協定の締結相次ぐ
 災害やシステム障害等に際し、相互に新聞発行に協力する援助協定。通信途絶や停電など、さまざまな事態が発生した昨年の東日本大震災で重要性があらためて認識され、今年に入り締結が相次いだ。
1月に産経=秋田魁、中日=中国、5月に朝日=中日、北海道=釧路、7月に毎日=北海道、8月に産経=上毛、9月に産経=下野、産経=山梨日日、10月に西日本=琉球などの協定が結ばれた。

▽東電、TV会議映像公開/規制庁発足、21社が常駐
 東京電力は8月6日、東日本大震災による福島第一原発事故直後の本店でのテレビ会議録画映像を公開した。しかし、社員のプライバシー保護を理由に映像や音声を修正したほか、録画や録音、撮影を制限した。
 新聞各紙は制限の撤回を訴えた。新聞協会編集委員会も公開に先立ち8月3日、全面公開を東電に申し入れた。
※日本新聞協会報から引用しています。重大ニュースの序列は協会報の紙面構成などから今だけ委員長が独自に並べています。

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2012年12月26日

高年齢者雇用安定法の論考「甘ったれるのもいい加減にしろ」FBで「いいね!」が増加中

 師走は何かとバタバタしますね。
 新聞販売の現場では、年内の購読料金回収や元旦号へ折り込むチラシ(多いエリアで100種類超)の組込作業に追われています。例年、(ミスプリ等で)チラシのキャンセルが生じ、一度組んだチラシから抜き取ることは組込作業の3倍の作業量になります。

 あと、もう一つ気になるのは、新聞社のノンブル付チラシ(広告特集)が年々増えていること。カニバリゼーションの最たるものですが、ノンブルが付くと販売店への折込手数料は激減します(広告主が支払う広告料はさほど変わらない)。この「中抜き」というか「搾取(古い?)」の構造にこそ、新聞社と販売店の片務的契約の上に成り立っている新聞産業があるように思っています。
 販売店ももっと知恵を絞らなければ、「自社(自分)のことだけしか考えない」このサバイバル時代は乗り切れません。あきらめずにふんばりましょう。


 きょう、フェイスブックをチェックしていたら、すんごいタイムリーなネタが議論されていました。私が信頼する方が書いた「高年齢者雇用安定法改正」に関する書き込みで、「いいね!」がたくさんついています。私の所属する会社でも労使で協議中なので「備忘録」として引用させていただきました(ご本人には確認済)。私はこの問題について“どうこう”と述べる立場にはありませんが、一部の経営幹部の皆さんが社内の仕組みを一方的に変えようとすると軋轢が起きるように思いますね。以下の議論はこれからのビジョンなき「社会保障制度(年金制度)」へ絆創膏を貼るのではなく、根本的な60歳までの賃金制度(定年制を続けるのであれば)による60歳超からの自立なども考察されるべきだと思います。

(T氏)最近、「世も末じゃ」と思うことの一つが雇用延長だ。
 12月15日の日経朝刊の一面トップは「NTT、40〜50代の賃金抑制」だった。
改正高年齢者雇用安定法成立で65歳までは希望者全員を雇用する義務が生じる。そのための対策だ。

 私は、「会社が居てくれと言わないのに、こっちから希望する気はない」とシニア雇用を希望しなかった。上司がいない生活がこんなに楽しいとは思わなかった。
 この法律は、国が年金の支給年齢を引き上げることで、無収入・無年金の人が増えることを回避するために作られたもの。


 「甘ったれるのもいい加減にしろ」といいたい。大企業のサラリーマンは恵まれている。数年程度の生活資金はあるはずだ。
 彼らの「甘え」の代償として、こうした現役へのしわ寄せや、若年層の雇用低減が起きる。


 バカじゃないか。何より腹が立つのは、そこまで「ぶら下がり」を続けたいのか・・・ということ。

 現実に同世代のシニア雇用の実態を見ると、「ブラブラしている」としかいいようがない。会社のお情けにすがっているだけだ。
 一人前の社会人なら、会社のぬるま湯から脱して、自分で仕事を創ってはどうか。地域には、高齢者ができる仕事がたくさんある。企業も、外で働ける能力を付けて、「放し飼い」にすべきだ。
(中略)
 役立たずのぶら下がりを抱えるのはやめよう。「自立した働き方」をしっかり実践してみよう。仕事は会社の外にいくらでもあるのだから。


 このT氏の書き込みに対して、以下のようなコメントが寄せられました。
注)フェイスブックでの書き込みやコメントは「2ちゃんねる」のような匿名での書き込みではなく、その多くが自身の身分を明かしている方々によるソーシャルメディアであることを(あらためてFBなどを使っていない方へ)ご理解ください。
(A氏)大企業で牙を抜かれた人は会社を離れては、無用の存在。社畜は野生には戻れません。しがみつく以外にない気持ちはよくわかります。誰もが強いわけではないのです。
 でも、そのままでは日本は終わり。
 会社を離れての活躍の例がいっぱい出てくると、世の中が変わるでしょうね。そんな社会にしていきたいです。去勢された社畜社会に未来はありません。


(B氏)Tさんのような大人に僕らも刺激を受けてます!
 でも、ぶら下がりのおかげで生活出来ている子供もいることを考えるとサバイバルな世界に皆を出すのも難しいですよね。
 またおっしゃる通り、ぶら下がりを支えている優秀な人が辛そうです。


(C氏)20年間、外から言い続けてきましたが諦めました。問題先送り社会に未来はありません。50歳以上の選挙権を取り上げるくらいのことをしないと何も変わらないかと。


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2012年12月17日

大槌町へ新聞配達と町民の声を聞きに行ってきました!

 東日本大震災後に行われる最初の国政選挙(第46回衆院選)のあった16日、NewsLabおおつち日本ジャーナリスト教育センターNPO法人ボランティアインフォが大槌町や地元NPO、商店街の協力を得て運営)が発行する「大槌みらい新聞」の配達をしてきました。
いざ出陣.jpg 今だけ委員長が所属する「ふんばろう東日本支援プロジェクト・宮城支部」(以下、ふんばろう)のメンバーや職場の同僚に声をかけて集まった5人の仲間とともにいざ岩手県大槌町へ。大槌町を訪れたのは今回で5回目ですが、津波被害を受けた市街地は前回訪れた時と何にも変わっていないように映りました。

 NewsLabおおつちプロジェクトは、大槌町と釜石市で発行されていた岩手東海新聞が震災の影響で廃刊となったことを受けて、地域情報の発信を目的に立ち上げられました。また、取材から編集、配達に至るまで町民とともに「新聞をつくる」というコンセプトで運営され、写真と撮り方や文章の書き方などのワークショップにも取り組まれています。被災地に住み続ける方々の情報発信力を引き上げることにも寄与するプロジェクトなのです。
 以下は配布ボランティアに配られたマニュアルから引用します。


「大槌みらい新聞 配布ボランティアについて」

○大槌みらい新聞は、「手渡し」で町民の方々に配布をします。
 大槌町は、大槌と釜石で発行されていた「岩手東海新聞」が震災によって廃刊に追い込まれたことにより、町の行政情報などを得る機会を失いました。
 大槌みらい新聞では、失われた情報発信を取戻し、町の方々が届けたい、知りたい情報が町内に行き届くことを目指しています。また、町民の方への情報発信力をあげるための写真や文章などのワークショップ運営にも力を入れ、町民の方と一緒に新聞をつくっていきたいと考えています。紙面に対する意見、感想や載せてほしい情報を伺うことや、情報発信のワークショップのお知らせをもっとしていきたいのですが、ポストにただ新聞を入れるだけでは読んでいただけていません。そこで、配布ボランティアの皆さまには、紙面をよりよくし、町の方々に新聞作りを一緒にしてもらえるように、一軒一軒訪ねていただき、配布の際に町の方の意見やお知らせをしていただきたいと思っています。また、約5000戸への全戸配布を目指しています。


 仙台を6時30分に出発してNewsLabおおつちの拠点がある大槌町大ケロへ到着したのは10時過ぎ。活動拠点として間借りしているという風情ある古民家で、日本ジャーナリスト教育センター代表運営委員の藤代裕之さん、長期インターンの木村愛さんから配布に関するレクチャーや町内の現状について説明を受けました。「大槌町の方と一緒につくる新聞(紙面)を目指している。紙面の感想や要望を聞いてきてもらいたい」と木村さん。また、先日ふんばろうから支援させていただいたiPadがワークショップで活躍しているとの報告(お礼)も受けました。(同紙編集長の松本裕樹さんとも久しぶりに会うことができました)


吉里吉里仮設手渡し.jpg この時期としては暖かな気温でしたが風が強く、新聞配達のプロ?といえども地図とにらめっこしながらの配達に多少戸惑いましたが、吉里吉里仮設住宅を含む浪板海岸エリア(鯨山の裾野に広がる集落)の290世帯(第7〜12地割まで)へ手渡し配布をしながら町民の声を聞くことができました。
 「大槌みらい新聞の第4号をお届けにきました。前号も読んでいただきましたか?何かこんな情報が知りたいとか紙面で取り上げたほうがよいと思う話題とかありますか?」と相手の表情を見ながら語りかけると、「あぁ読んでると。どっからきたの?仙台・・・あら遠いところからご苦労さんだねぇ」とほとんどの方が優しく言葉を返してくれます。どこの被災地でもそうですがボランティアなどからの支援は仮設住宅(の入居者)へ偏り、在宅避難世帯は手薄になっていることがうかがえました。

配布後のレクチャー.jpg 新聞だけではないけれど、「手配り」の良さをあらためて感じました。「モノ」を届けるだけならポストへ投函すれば済むことですが、コミュニケーションを取りながら(取る努力をしながら)人はつながり、その人が作っている(配達している)商品(新聞)の価値も側面的にあげていくことになる。「あの人が作っているから読みたい」と。もっと新聞の作り手は外に出て読者とコミュニケーションを取っていかないと…ですね。大槌みらい新聞のコンセプトの中にいろいろ学ぶべきことは多いと思います。

 大槌みらい新聞は毎月15日発行。それに合わせて配布ボランティアも随時募集しています(1〜2月は路面凍結よる転倒事故等を防ぐため配達業者へ委託)。全国の新聞産業で働いている皆さん、まずは行動してみませんか?

大槌みらい新聞.jpg
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2012年12月09日

12月10日の新聞休刊日が一部地方紙で取りやめに

 昨夜は宮城県平野部でも雪がつもりました。そして″寒い”・・・。
3242072193_e4f19442c8_o.jpg こうして嫌ぁーな冬の季節がまたやってきました。東北地区などの降雪の多いエリアでは、冬期間に突入すると新聞輸送や販売店の宅配時間に考慮して記事の降版時間を繰り上げる「冬ダイヤ」が導入され、読者の手元へ一定の時間までに届くような配慮がされてきました。しかし、印刷部門の委・受託印が取り組まれるようになってからは、降版時間は繰り上げられても新聞が販売店へ到着する時間はあまり変わりなくなってきました。
 
 「早く配達を終わらせよう」という焦りが大きな事故を招くケースもあります。冬期間に起こる″滑って転ぶ”事故によるケガは症状も重く(骨折など)なるものです。新聞配達の仕事で「ゆっくり配達してね」とは言えないのですが、安全確認をしながらケガのないように配達してもらいたいと願います。

 
 まずは業界紙より


▽有力地方紙 12月の休刊日返上へ(ジャーナリスト新聞 11月26日付)
 衆院総選挙の日程決定を受け、有力地方紙(東奥日報、デーリー東北、秋田魁、山形、信濃毎日、新潟日報など)では12月10日の休刊日を返上し、朝刊を発行する。

 河北新報社でも本日9日付の朝刊に社告が出されました(注)社告が出るまで公言するなとか、いろいろい面倒なので前日のブログアップになってしまいました。
 『あす10日は新聞休刊日の予定でしたが、東日本大震災後初の大型国政選挙である衆院選の経過を継続して報道するため、朝刊を発行します。 河北新報社』
 

 多くの新聞社で年間10日の新聞休刊日を設けていますが、高知新聞では年間5回の休刊日であったり、夕刊であれば日・祝日に加え土曜夕刊の発行を休んでいる新聞社もあります。実際に配達に従事するアルバイトの方々は休日出勤となりますが、ちゃんと休日出勤の割増手当が支払われているのか疑問です。家族経営的な規模の比較的小さい販売店さんはご苦労されると思います。年に一度の泊りがけ忘年会もキャンセルされたところもあるでしょう。

 今回の休刊日を取りやめは信濃毎日新聞が口火を切ったとされていますが、その背景についてはいろいろな言われ方をしているようです。各政党や選挙管理委員会からの紙面広告収入を取り込むため―との意見もありますが、公職選挙法(選挙に関する広告)では新聞紙面へ出す広告の基準も事細かに規制されているため「決まった広告料」しか見込めません。

2.衆議院議員選挙広告

衆議院議員選挙は総選挙とも呼ばれ、小選挙区、比例代表並立制で行われます。この総選挙は〈1〉選挙区候補者広告〈2〉候補者届出政党広告〈3〉比例代表名簿届出政党等広告の3種類があります。すべて無料(広告料金は国庫負担)広告ですが、比例代表名簿届出政党等広告に限り、当該選挙区における得票総数が当該選挙区の有効得票総数の2%に達しない場合は有料(名簿届け出政党等支払い)になります。

〈1〉選挙区候補者広告
●回数は5回まで(朝刊、夕刊、スポーツすべて回数に数えます)
●1回当たりのスペースは横9.6センチ、縦2段組み以内
●必要書類は「新聞広告掲載証明書」「新聞広告掲載承諾通知書」
●掲載範囲は福岡県、長崎県の候補者は朝刊通し版、その他の県はそれぞれの県の地方版
●掲載期間は、選挙運動期問中(立候補届け出日の翌日から投票日の前日まで)


  「誰に投票すればいいのか?」。顔の見えない今回の国政選挙で、新聞社がどのようなスタンスで国民の関心を高めていくことができるか、新聞がある意味で投票へ行くきっかけを呼び起こせるか・・・。投票率の動向は別な意味で関心のあるところです。
 橋元徹大阪市長のように「ネット選挙を禁じている公選法を批判」する方も今後増えてくるでしょう。これは時代の趨勢でしょうがないこと。であれば、いま新聞、テレビなどのオールドメディア(こういう言い方するとまた怒られるかw)に託されている役割をしっかり考えたいと思います。

 さて、16日の投開票結果はどうなることやら。皆さん選挙には行きましょうね。
posted by 今だけ委員長 at 23:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月07日

宅配網を守るため、読者の奪い合いではなく「アルバイトの奪い合い」が起こるかも

 ここ数年、多くの新聞販売店が配達スタッフ不足に悩まされています。いわゆる「配達労務難」。
 今だけ委員長がこの業界に入った平成2〜3年あたりもこの配達労務難現象が起きていて、毎朝2区域の配達をしてから通常業務に入るということが当たり前の時代でした。その後、配達スタッフの労働条件引き上げや配達区域の統合(部数減少により統合せざるを得なかった)などにより、一部の地域的な問題(山坂が多い地区など)を抱えるエリアを除くとスタッフの充足率は向上してきました。

 従業員数推移.jpgあれから20年。平成5年の値上げ以降、全国紙の購読料は変わらないもののインターネットの隆盛に後押しをされるような形で広告収入は減少傾向を辿り、発行部数も1世帯あたりの購読紙が1部を下回る状況になってきました。部数が減ってくれば必然的に配達区域を統合せざるを得ないため、配達スタッフの総数も減少しています。以下の図表は販売店従業員数や発行部数を15年前の数字と比較したものです。(日本新聞協会データブックより引用)

 これまで新聞配達スタッフの募集方法は「募集チラシを新聞折込」が主流でしたが、近年は求人誌やネット広告などのメディアへ募集をかけています(広告料は安くありませんね)。しかし、応募してくる人数そのものが少なくなっているのです。
 先日、とある全国紙系の店主さんと話したところ「いやぁ困った。専業が配る(部数)にも限界があるしなぁ」と声のトーンが下がったまま。さらに、募集をかけている地区((欠員区域)だけ突出した労働条件を提示するわけにもいかず(ほかの地区との兼ね合いもあるため)、配達労務難の悩みは増すばかり…。
 振り返れば、労働基準法すら守られていない労働条件であったり、「労基法をクリアしていれば問題ないのだ」と豪語して、最低基準の労働環境下に配達スタッフ(専業従業員含む)を押し込めていたツケが回ってきたとも取れますが、新聞が決まった時間に配達されることを望んでいる読者からすれば「そんな内部事情は関係ない」となるわけです。


 でも、今だけ委員長は思うのです。この時代、労働委条件を引き上げていくだけでは配達スタッフは確保できないのではないかと。確かに早朝の2〜3時間の労働で2〜30万円の給与が保証されれば就労者は増えるのかもしれませんが、(専業従業員以外で)日中の仕事(本業)に従事しながら新聞配達のアルバイトをされる方のパイは増えないどころか、今後さらに減っていくのではないかと思うのです。
 配達スタッフの中心は主婦層です。家事や子育てをしながら、早朝の空いた時間に扶養控除の対象となる年収103万円以内で「こずかい(生活費の補てん)」を稼ぐには新聞配達のアルバイトは持ってこいでした。しかし、いまはその主婦層が応募してくるケースも減っています。また、朝の運動を兼ねて新聞配達の仕事をと、シルバー世代へ訴求してみても反応はなし…。
 うぅーん困った。労働条件アップやバイク貸与を提示してみても(机上で論じても)、ターゲットとなる方のことをあまり考えていないことが問題のような気もします。


 これからは、各系統同士の配達スタッフの奪い合いが起きるかもしれません。いまの土建業者と同じ構図ですが、アルバイトでの就労形態で集まる人たちが限られているのであればパイの奪い合いは必然的に起こりえるでしょう。読者の奪い合いではなく「アルバイトの奪い合い」になりそうな予感もしています。でも、結局は産業自体のカニバリ的な内部崩壊を招くだけで問題の改善にはなりません。そこで考えたいのが、全系統による共同配達の推進です。エリアごとに担当配達地区を設定し、宅配網を協業しながら維持し、効率化を図っていくしか打つ手はないと思うのです。
 さまざまな障壁があるのも承知のうえで、@共同配達の推進A配達スタッフの労働条件向上―に着手していく必要性を現場にいる者として強く感じています。そろそろ販売店も知恵を絞らなきゃと思うのですが、すべては本社担当員が認めなければできないこと…。おかしな産業構図なのです。

posted by 今だけ委員長 at 08:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月20日

きょうのフェイスブックでのつぶやき

 最近、朝刊だけでなく夕刊の店着遅れも増えている。理由は「輪転機のトラブル」というが…。

 すでにお客さまから8件の問い合わせ(統括部署へ)。「いつも届いている
時間なんだけど」。

 夕刊が届くのを待っていてくれる方からすれば
、配達が1時間も遅れればオヤッと思うのは当たり前。日暮れも早いしw
 最終アンカーの販売店(配達スタッフの方々)もがんばるけれど、限界がある。もうちょっと下流部門のことを考えてもらえないかなぁ…。

 「まだ夕刊届いていない」という電話すらいただけなくなってしまったら…。
posted by 今だけ委員長 at 16:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月17日

歳費に群がる政治屋にうんざり/新聞配達に関するエッセーコンテスト

 野田首相がきのう16日に衆院解散を表明しました。けさの紙面は選挙一色…。うんざりですね。
 「なぜ11月15日解散ではなく11月16日なのか」について、フェイスブックの友達がわかりやすく解説していました。「1日違いで歳費等の手当てが満額もらえるか否か」。結局のところ、政治屋さんたちも“金の亡者”なのだということです。信じられませんね、政治を商売にしている方々は…。
そして新聞等のメディアもこの辺のネタに関しては突っ込みが甘い。新聞協会が消費税軽減税率の適応を求めているから腰が引けているのかな…。
▽「国会議員の歳費、旅費及び手当」ざっくり解説
第5条 解散された月は給料が丸々もらえる。月初解散も月末解散も同じ。
第11条の2 12月1日に在職していると期末手当(ボーナス)がもらえる。
第11条の3 11月16日〜11月30日まで解散の場合は、12月1日まで在職したものとみなされボーナスが満額もらえる。
結論:月給、ボーナスの満額をもらえる最短日が11月16日ということになるのです。
▽国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO080.html
* * *

ふれあいの詩.jpg 新聞協会が実施した新聞配達に関するエッセーコンテストの入選作品を集めた冊子「ふれあいの詩」をご紹介します。


 新聞配達に関するちょっといい話、日ごろ感じていることや心温まるエピソード、「こうしたらいい」と思っていること、新聞配達での経験などをエッセーの形で寄せていただく「新聞配達に関するエッセーコンテスト」も、平成6年の第1回以来、今回で19回目となりました。「大学生・社会人」「中学生・高校生」「小学生」の3つの部門に分けて応募した結果、はがき、封書、電子メール、ファクスで、海外も含め全国から4,397編の応募がありました。(新聞協会販売委員会「刊行にあたって」より引用)
 応募作品の中から入選した30編が「新聞販売に関連する写真」とともに掲載されています。入選作品はネットでも公開されています。
▽新聞配達に関するエッセーコンテスト入選作品集
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/works.html
 個人的に目を引いたのは、地元宮城の女川町に住む中学生が応募した「町の復興といっしょに」。震災後すぐに新聞配達をはじめ、毎朝眺める自分の町が復興に向かって変わっていく様子がうかがえます。

『町の復興といっしょに』宮元 凌(15歳) 宮城県牡鹿郡女川町
 僕は震災から二か月後に新聞配達を始めました。週六日間配っています。
 僕の住む女川町は震災で大きな被害を受けましたが、この町で、何かの役に立ちたいと思ったのがきっかけです。あの頃はなんだかじっとしていられなかったのです。
 新聞配達を始めた頃、道で会う人たちに「おはよう」「気をつけてね」と声をかけられました。地域の人たちに、自分が温かく見守られているんだと思い、とてもうれしく元気づけられたのを覚えています。あいさつって大事だなぁと実感するようになり、今は自分からあいさつをするようにしています。
 新聞配達を始めてから、一年以上がたちました。配達中に見る風景が、毎朝少しずつ変わって、町が復興していることに気づかされます。震災直後に比べると、配達の軒数もだいぶ増えたそうです。これからも新聞配達を続けて、町の復興といっしょに僕も成長していきたいです。

 巻末には新聞倫理綱領と新聞販売網領が収められています。これは一般の生活者より新聞人の皆さんがしっかり把握すべきもの。自己(自社?)の利益追求ばかりしていると、大切なことを忘れてしまうものです。注意、注意。


◇新聞倫理網領(2000年6月21日制定)
自由と責任
 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。
正確と公正
 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。
独立と寛容
 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。
人権の尊重
 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。
品格と節度
 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。


◇新聞販売網領(2001年6月20日制定)
販売人の責務
 新聞が国民の「知る権利」にこたえ、公共的・文化的な使命を果たすためには、広く人々に読まれることが不可欠である。新聞販売に携わるすべての人々は、それぞれの仕事を通じ、民主主義社会の発展に貢献する責務を担う。
戸別配達の堅持
 新聞は読者のもとに届けられてはじめて、その役割を果たすことができる。新聞がいつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものであるために、われわれは戸別配達を堅持し、常に迅速・確実な配達を行う。
ルールの順守
 新聞販売に携わるすべての人々は、言論・表現の自由を守るために、それぞれの経営の独立に寄与する責任を負っている。販売活動においては、自らを厳しく律し、ルールを順守して節度と良識ある競争のなかで、読者の信頼と理解を得るよう努める。
読者とともに
 新聞は読者の信頼があってこそ、その使命をまっとうできる。販売に携わるすべての人々は、読者の期待にこたえつつ、環境への配慮や地域貢献など、新しい時代にふさわしい自己変革への努力を続ける。

posted by 今だけ委員長 at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月05日

めっきり寒くなってきたこの時期 FB投稿を読んで思うこと

 かじかんだ手に息を吹きかけながら、早朝の新聞配達をされている配達スタッフの皆さん。大変お疲れさまです。体調を崩されないようにしてくださいね。


 さて、新聞社に勤務する知己がフェイスブックで以下の投稿をしていました。
(以下、引用します)
 「販売正常化」、日暮れて道遠し。
 何らかの措置を講じようかとも思ったんですが、「報復」の可能性もあり、躊躇しています。
‐‐‐
 先日、おいた叔母を訪ねた。弱視で、日常生活はできるが、活字メディアは読めない。

 …なぜか、ある全国紙を3ヵ月配達する旨の、お知らせ文書が、郵便受けにあった。
 「何かの間違いでは!?」と驚いて尋ねると、あまりに勧誘がしつこく、断り切れなかったので、3ヵ月限りで購読を約束したのだという。目を通すことができない「商品」を、それでも買わざるを得ないところまで、追い詰められたのか。
 脱力感と無力感と憤りが襲ってきた。「新聞」にかかわっている自分を恥じた。このような状況を変えられずにきたのは、「業界」すべてなのだ、結局。身内がこのような目に遭うと、かえって、自分自身には「特定の社、特定の販売店、特定の拡張員の問題だ」という言い訳は、逆に通用しない。
 …。前へ進むしかない、と分かってはいるが…。(引用終わり)


配達用バイク.jpg 何度か読み返してみて、何とも言えない深いため息のでる話です。
 こういうことが日常茶飯事起きている新聞販売の現状ってやはり異常だよなぁ。自分もその渦中にいますが、販売労働者は「理性など持っちゃいけない」と言わんばかりに「ロボット」のように扱われているのが現状です。発行本社の号令によって「目標○○万部!」と何の根拠もない目標(ノルマ)が独り歩きし、要求される数字をあげないと罵声が飛ぶ。改廃されてはたまらないと、言われるがままに紙を抱える…。
 こんなこと繰り返していて業界の将来があるのかぁーと心の中で叫んだところで何も変わらない。変えようとする人はこの産業にはいないのだと思った方がよいのかもしれません。


 でも、でも…。自分には少しばかりの理性はある。振り返ってみると子どものころからよく父親に「嘘だけはつくな」と言われたものです。貧しかったけど、「嘘は泥棒のはじまり」との思いから、嘘をついてまで自分の私腹を肥やなんて許せないと思ってた。そして、今では娘に対して「嘘はつくな」と口酸っぱく言っている自分。
 嘘だらけの新聞産業、だれも責任を取らない産業のその構図は滑稽としか言いようがありませんが、諦めることなくチャンスを待つしかないのです。「青臭い馬鹿なヤツ」と言われようが、嘘つきにはなりたくないのです。しつこく、粘り強く…。

posted by 今だけ委員長 at 20:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年09月21日

スマホの普及で電子チラシが拡大だって…

 備忘録としてアップしておきます。

▽電子チラシ急拡大 凸版印刷のシュフー、スマホ利用が後押し(9月3日付、新聞通信) 
 スマートフォンユーザーの急速な拡大に伴い、凸版印刷の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の利用者が増加。月間利用者は400万人を超え、参加するスーパーなどは約7万8000店舗に及ぶ(12年6月時点)。利用者の58.7%が新聞非購読者で、中心は20〜40代の女性。
(産業政策研究会WEB ひろいよみ(9/1〜15)より)

 利用者の58.7%が新聞を購読していない20〜40代の女性ということです。そうであれば、新聞紙面に電子チラシの広告を掲載しなくてもよいのに…と。印刷会社が運営しているから便宜上、新聞広告を出さざるをえないと思いますが、販売店には何の恩恵も無しw
posted by 今だけ委員長 at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年09月19日

「救急の日」新聞勧誘に関する相談窓口開設

 ほとんどの新聞社が休刊日だった今月9日(実際には翌10日の新聞発行が休み)、私が所属する会社で「新聞勧誘に関する相談窓口」(10:00〜15:00)を開設し、読者の方から問い合わせをいただきました。

新聞購読相談窓口チラシ.jpg 「救急の日だから何かしようか」と思い立った背景には、最近頻繁に起きている悪質な詐欺行為と消費者から嫌われるセールス行為がります。詐欺行為の方は(おそらく業界経験者だと思われますが)、普通の領収書に「○○新聞8月分」を書いて「担当者が休みなので集金に来ました。払ってください」という事件が最近発生しました。疑念もなく金を支払ってしまった方もいます(警察に届けました)。新聞販売店の名をかたり高齢者宅を狙う悪質な集金詐欺事件は、断じて許せない行為です。また、新聞のセールスについてもルール無視の営業行為などに関する苦情をしっかり把握したいとの思いもありました。

 「頼んでもいないのに勝手に『3日間配達させていただきます』と新聞を入れられた。代金を請求されるのではないか心配」、「いつも強面のセールスマンが来て勧誘される。怖くて泣く泣く契約を延長しているが断ってほしい」、「苦情を言うと仕返しされるかもしれないので怖い」――このような内容の相談が3件寄せられました。
 購読したくないのに怖くて断れない―というものが多く、新聞への嫌悪感が相当強いことがうかがえます(その方は2紙併読)。また、読者の承諾を得ない試読紙配布(投げ込み)も「後日、代金を請求されるのではないか」という不信感を買うことにつながっていると感じました。


 強面で脅しをかけながら―とか、上限を超えた拡材をちらつかせながら―という営業行為で、どれだけの読者の信用を無くし、新聞を読まない人たちを増やしてしまっているのか…。目先の数字だけを追い求めている新聞産業。常識のない営業行為の弊害は、年金と同じで後世にそのツケが回ってくるのです。
*  *  *
読売3日間連続チラシ.jpg ちょうど同じ時期に、今だけ委員長の自宅ポストに読売新聞のチラシ(B2版)が見本紙と一緒に投函されていました。

 「3日間、見本紙を届けます。3日間お試しいただいた方へエコロールプレゼント」という大盤振る舞いの内容でした。そして3日目に同じようなチラシと新聞、新聞整理袋も届けられていて、「あす、エコロールのお届けと読み終えた新聞の回収にうかがいます」と表記されていました。嫁に「契約はするなよ」念押しをして仕事に向かったのですが、その日の訪問はありませんでした。というか、19日の時点でも読売新聞の販売店の方が来られた形跡はありません。
 いったい、なんだったのだろう・・・。

posted by 今だけ委員長 at 07:22 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

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