2009年07月11日

イベント化してきた「全国新聞販売フォーラム」の悩み

 先週8日に秋田市内で開かれた「全国新聞販売フォーラム2009秋田」。
 今回で9回目を迎えたフォーラムは、日本新聞協会加盟社の持ち回りで、隔年で行われています。次回、2011年は北國新聞が主催。

 私のような下流の人間はそのような場へ行けるはずもないのですが、全国の販売店主、各新聞社の販売局に勤務されている方など7名の方から、今回のフォーラムの資料を送っていただいたり、講演やディスカッションの感想などをメールで頂戴しました。ありがとうございます。

 連絡をいただいた方からの感想をまとめると、(今回だけではなく)セレモニー化して、いかにシナリオ通りに終わらせるか―という内容で、目新たしい取り組みも紹介されることなく、「手詰まり感」を抱かれた方が多かったというところでしょうか。
 実際にフォーラムを取り仕切り、運営された秋田魁新報社や販売店の方は大変ご苦労されたと思います。でも金と時間を使って参加する販売関係者が何も持ちかえるものがないというのは、すでにフォーラムの意味合いが薄れているように感じます。

 よく「初心を忘れるな!」と言われますが、最初のフォーラムは新潟日報が主催しています。参加人数も500人程度〈今回は1000人の方が秋田市内の飲食店にお金を落としたようですが)で、2日間、缶詰め状態で議論が繰り広げられたと聞いています。エライ人の挨拶を聞くよりも、いかにして増紙もしくは読者維持に向けた具体的な手法や折込チラシの受注拡大の話を、販売店経営者は聞きたいはずで、もっとナマ臭い話をしたいのです。
 しかし今回の講演やディスカッションのテーマを見ると、やはり「活字文化を守る」がメインであって、「戸別宅配網」は後付けのように感じてしまいます。ちなみに記念講演は「シナリオにおける新聞の意味」(社団法人シナリオ作家協会常務理事 加藤正人氏)、パネルは「自立と共生 新聞の良さ伝えよう〜活字文化を守る防人として」(パネラーはクリエイティブ戦略家、秋田NIE推進協議会会長、出版社社長、新聞社販売局長)というもの。新聞協会の仕切りなので当然といえば当然ですが…。

 参加された販売店主(TOARUさま)の方から、貴重なご意見をいただきました。厳しい批評をされる方はあまりいないでしょうから、次回フォーラムのバージョンアップを期待して以下に引用します。

* * * * *
・・・講演は正直いって期待を裏切られました。今の業界の抱えている問題点と結びつかなかった。
 全体会は教育者の立場とマーケティングのプロの立場としての発言が非常に興味を持たされました。ある意味業界の抱えている問題点の一つを指摘した内容ではないかとも思います。読者へ心理的な訴え、作用を促す営業、心深く染み込む販売所活動等々はとても参考になりましたし、考えさせられました。ただ、どうしても「売る」といった視点での話でしたので、新聞の方向性としては若干疑問を抱く場面もありました。

 分科会は二つに分かれてありました。私は第一分科会の「もっと読まれるために」方に参加したのですが、とにかく今回は二つの分科会しかなく、500人ほどが一分科会に集まるといった言わば全体会のような感じでした。発表事例も目新しいものは無く、少し残念に思いました。もう一つの分科会も地域貢献関連の話と聞きましたが、こちらもあまりいい感想は話してなかったような気がします。

 こうしてみると全体的に悪い点ばかり書いてしまいましたが、やはりフォーラムの転換期に来ているのではないでしょうか。
 先行きを見通せない状況にあって、参加者はフォーラムに来て何とかヒントを見出そうとしています。しかし、近年のフォーラムではイベント色が強くなってしまって、本質から外れているような気がしてなりません。私が以前、フォーラムの分化会を任された時も、「参加者を二分してディスカッションをしましょう」―と上申したものの却下されましたが、やはり少数でも真剣に議論しあう場があってもいいと思います。そして、参加者には各系統の役員をされているベテランと次代を担う若手所長が参加されておりますが、せっかくですから名刺交換できる場面を作ってあげるのも主催者の役割かなぁなんて感じました。


 フォーラムは一度リセットする必要があるでしょう。各系統が集まって今後の方向性を議論しあえば、まだまだ良いフォーラムができるような気がします。また、しなければいけないと思います。

 イベントではなく、参加者全員が発言できるフォーラムを…
 秋田フォーラム プログラム0_edited.jpg

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2009年06月14日

帰省のため配達を一時休止 新聞は後からでも読み返せる記事がたくさんありますよ

 5月から始めた販売店研修(離れていた現場感覚を取り戻すために)も7店舗目。けさは3時から早出作業をしてきました。暑い日が続いていますが、さすがに立秋を過ぎると日の出の時間も遅くなったと感じます。空が明るくなり始めたのは4時30分頃だったでしょうか。


 6時前にはおおむね配達作業も終了し、配達スタッフとの一服タイム。この時間がとても大切で、コミュニケーションの醸成はもとより、地域情報を収集する絶好の機会なのです。加えて社員の仕事ぶりについても意見を求めると、忌憚なく社員たちの意外な一面も教えてもらえるものです。

 「さて一段落ついたので早朝ポスティングでもしに行こうか」と当番社員と話していたら、早い時間から電話が数件。「新聞が届かない」との連絡かなと思いきや、「お盆期間中、不在になるので配達を一時ストップしてほしい」との電話がそのあと矢継ぎ早にかかってきて、事務処理に追われてしまいました。
 おととい、「スッキリ」(日テレ系)という朝のワイドショー番組で、「ポストに新聞がたまっていると留守宅だと察知され、空き巣に狙われやすい」との内容が紹介されたことも後押ししたのかもしれませんが、例年よりだいぶ件数が多いとのこと。それも「1日だけ不在にするから配達しないで…」というものが増えたようです。お客さまからの要望ですからしっかり対応しますが、そのあとが問題なのです。


 お客様の都合で配達を一時休止した分は、配達していないのだから月ぎめ料金から「値引きしろ」という要望が増大しているのです。販売店は発行本社から「月単位」で社取部数を決めているので、値引き(減額)分は販売店の持ち出しになります。年末年始、GW、お盆とピークが3回あるのですが、この減額は経営的に結構厳しいものです。
 以前は「止め置き」といって、一時休止分を帰宅後にまとめてお届けする読者も多かったのですが、「過ぎた日の新聞を読んでも意味ない」といわれる始末。日々のニュース以外にも紙面には相当量の「読みもの」があるのですが…。時間があるときに後からでもじっくり読めるのが新聞のイイところなんですけどね。
「エェー。あの記事読まなかったの?」という話題になれば言うことなしなのですが、1日でも読まなかったら把握できないような続きもの(小説ジャンル以外で)をもっと増やすとか出来ないかなぁ。その前に読みたくなるようなコンテンツじゃないと意味ありませんが…。

 あとは、お盆期間中に帰省する方をターゲットにして「自宅で購読している新聞を帰省先にもお届けします(地方紙は無理ですが)」というのも考えてみる価値はありそうです。田舎に帰って地元紙を読むのもイイものですが、休日にじっくり2〜3紙よむのもよい時間の過ごし方だと思うのですがどうでしょう。
 もっといえば、「お正月休みだけ自宅で読みたい」とか、「GW期間中は外出せずに家に引きこもるので、新聞を3紙くらい読みたい」というニーズもあるはずです。「コンビニで買ってください」というのではなく、指定された期間(5日以上などの下限設定は必要ですが)に宅配をするサービス(即売価格で)も検討していかなければならないと感じています。その際に必要なのが少額課金に有効なクレジットカードによる決済システム。クレジットカードによる決済システムのメリットは言わずもがな省力化ですが、今後さまざまな商品を販売するうえでも販売店のカード決済システム導入は必要不可欠ですね。


 毎日、新鮮な新聞を配達しているのだから、ニュースもの(結果報道)だけではなく、もっと読んでもらいたい記事がたくさんあるので読みのがしをするともったいないですよ―という販売労働者からの余計なお世話でした。

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2009年06月02日

企業改革は経営陣の本気度がバロメーター

 6月1日、アメリカの象徴だったGMがとうとう経営破たんしました。

 今後は国有企業として再生の道を歩むことになるそうですが、過剰供給気味の自動車産業の中にあって、これまでのように(ガソリンの)大量消費型の大型車を大量生産する過ちを繰り返すのでは、再建は難しいのではないかと感じます。市場は低価格かつ燃費のよいコンパクトカーやCO2排出が少ないハイブリッドカーを求めているのに、消費者の動向を感じ取れなかったのでしょうか。いやデータや助言に耳を傾けなかった、経営改革を怠った経営陣による「人災」が、100年続いたGMを経営破たんに導いたのだと思います。


 けさの各紙の社説は総じて「時代の変化に乗り遅れた」、「変革なくして再生なし」などの文字が並んでいます。
▽朝日新聞:米GM破綻―クルマ文明変革の機会に
http://www.asahi.com/paper/editorial20090602.html?ref=any
▽毎日新聞:GM国有化 再生への道のりは長い
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090602k0000m070118000c.html
▽読売新聞:GM破綻 “売れる車”が再建のカギだ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090601-OYT1T01184.htm?from=any
▽日本経済新聞:自己変革怠った巨大企業GMの破綻
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20090601AS1K0100201062009.html
▽産経新聞:GM国有化 保護主義を排した再建を
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090602/amr0906020307002-n1.htm
▽中日新聞:GM国有化 「緑の社会」に残れるか
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009060202000041.html


 さて、新聞業界は…。

 日本経済新聞のコラム「日経春秋」(6/2付)に経済学者のピーター・ドラッカ―がGM経営陣から総スカンを食らったというエピソードが掲載されていました。

日本経済新聞のコラム「春秋」より抜粋。
 GMが破綻した。GMはアメリカ繁栄の象徴だった。そしてアメリカとクルマは20世紀の世界を語るうえでの象徴でもあった。自由と可能性の国でGMが国有企業になる…
第2次大戦中の話だ。経営学者ピーター・ドラッカーがGMに招かれ、1年半にわたって組織や経営を調査したことがある。すでに20年以上トップに君臨していたミスターGM、アルフレッド・スローンがつけた注文はただ一つ。「こんな助言なら気に入ってもらえそう、などと決して妥協するな」だったという。
…「私が裸の王様かどうか見極める必要がある」と言うスローンにしばしば意見を求められたとも書いた。であるのに、人が作ったもので四半世紀以上有効なものはなくGMの経営も例外でないと説いたら、経営陣に総スカンだったのだという。
…それから65年。創業からだと101年。石油危機や貿易摩擦はきつい助言をGMにつきつけたはずなのに。スローン自身も著書「GMとともに」を「変化に対応していかなくてはいけない」と締めくくったのに。それを結局生かすことはなかったのか。王様はついに裸のまま立ちすくんだ。
 

 過度に新聞産業の危機的状況をあおる必要もないし、右往左往するべきではないと思いますが、まだぬるま湯につかっている新聞経営者。現場の声とは読者だけではなく、産業の下流で働く人たちの声をも指すと思うのですが、自らの感覚や経験則による“知ったかぶり”で経営のかじ取りをしてきた結果が、読者離れを招いてきたのでしょう。

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2009年06月01日

読売新聞の会員サイト「ヨリモ」が3周年

 新聞社が運営するWEBサイト会員に結構入会しているのですが、読売新聞社の「ヨリモ」が今日でちょうど3周年を迎えました。前日の報道『読売新聞が1億円所得隠し=社員同士の飲食は「交際費」−東京国税局』でミソがついてしまいましたが…。

 毎朝、6時30分頃に送られてくるメルマガ(きょうで726号)のコラムを見るのが習慣になっています。おそらく会員の年齢に合わせて出筆者(コラムの内容)も違うのでしょうが、朝イチに読むにはちょうど良い分量と内容です。


 コラム以外はほとんど見ていなかったのですが、何やらプレゼントキャンペーンスタートの文字が…。

ヨリモはおかげさまで3周年を迎えました。
感謝の気持ちを込めて、3つの賞品を9週にわたってプレゼントする「3×9(サンキュー)」キャンペーンを実施中です。毎週設けるテーマにちなんだ賞品をA賞、B賞、C賞と3種類用意しますので、お好きな賞品を選んでご応募ください。
外れてもWチャンスとして、ヨリモ3周年記念「前掛け」が390人に、ヨリモオリジナルシンブンクリップが3900人に当たります。

ヨリモ前掛け.jpg
 週替わりで用意する3品目の賞品から1種類を選び、9週連続で応募できるそうです。レトロな「前掛け」が目にとまり、ワンクリックで応募完了。

http://yorimo.jp/csa/Yrm0507_C/1221735536835?cidy=0102501090601

 でも嫁から「やめなよ。商品当たりましたよって口実で、勧誘されるんだから(怒)」と言われ、トホホ…。

 やはり新聞勧誘員へのイメージは「怖い」そうで、うちの嫁は居留守専門です。ダンナが新聞販売労働者なのに。

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2009年05月31日

新聞持参で割引サービス

 久しぶりに映画のはなし。

 敏腕新聞記者(主演:ラッセル・クロウ)が国会議員のスキャンダルを暴くサスペンス「消されたヘッドライン」が、各地の映画館で上映中です。
  消えたヘッドライン.jpg
 新聞記者が権力に挑むという構成の映画を数多く見てきましたが、それぞれの監督が描くジャーナリスト像には共通点があるように思います。それは決して権力に負けない不屈の精神。
 こういう場面で新聞の拡販をすると効果的だったりして。見終えた観客の多くは、フィクションであっても「新聞記者はそうあってもらいたい」と、新聞の存在や役割、記者への期待などに関心を寄せるはず。「熱」が冷める前にアプローチをすると効果的かもしれませんね。

 きょう、仙台フォーラムで同作品を鑑賞してきたのですが、同映画館ではこんな企画をやっていました。

《今日の新聞持って来ました割引》
消された〜』にその日の朝刊(スポーツ紙も可)をお持ちになられた方は入場料金1000円(通常1800円)に割り引きます。

 なんと素晴らしい企画。大手シネコンに追いやられるように閉館する映画館は後を絶ちません。このような工夫をして顧客をつかんでいる地元の映画館を、新聞社も応援すべきだと感じました。

 新聞業界の人たちは「内輪」で完結することが大好きなため、貧困なアイディアしか浮かびません。拡大路線は隅っこに追いやられ、縮小を前提としたリストラ案ばかり…。もっと外に目を向けるといろいろなアイディアがあるものです。

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2009年05月25日

付加価値として届けていた小冊子も削減の流れ

 「販売店の経営が厳しいから」なのか、はたまた「新聞社が補助金をねん出できなくなっているから」なのか…。

 販売店が(新聞社から強制的に?)購入して、読者への付加価値として提供している小冊子(発行は新聞社ですが、ほぼ外注です)が、だんだん姿を消しています。

 日本経済新聞では、毎月20日頃に全読者(新聞へ折込)へ届けていた「日経4946File」を今月号で休刊するとのこと。挨拶状が同封されていました。
  4946.JPG
 この手の読み物は「奥さま向け」が多いのですが、この4946(ヨクヨム)ファイルは結構参考となる特集が組まれていて、いつも待ち遠しくしていました。愛読者だっただけに残念です。

 今後は日経読者応援Webサイト「nikkei4946.com」へ集約されるとのこと。

 朝日新聞が2008年度3月期決算で139億円の赤字を計上するなど、厳しい状況が続いている新聞業界。
 経営が厳しくなったから、採算が合わないものはやめる→サービス低下を理由に読者も購読をやめるというスパイラルに陥るのは目に見えています。
 これまで新聞社が地域への文化的貢献として行われてきた美術展などの事業も縮小方向に向かうのでしょう。それでなくても、日々届けられる新聞を手に取れば(減ページによって)薄っぺらくなってきたと、読者は感じているはずです。薄くなっても中身が濃ければ問題ないのでしょうが・・・。

 さまざまなものがスクラップされ始めている新聞業界。攻めの姿勢はまったく感じられません。

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2009年05月15日

「中央協だより」から

 新聞公正取引協議会が発行する「中央協だより」(155号)が、毎月デスクに届けられます。A3二つ折りの8頁建ての紙面構成もマンネリズムを感じますが、今年度から同協議会の委員長に就任した飯田真也氏(朝日新聞東京本社役員待遇販売担当販売局長)のあいさつが1面に掲載されていました。

 飯田氏が同協議会の委員長に就任するのは今回で2度目(前回は2005年)。あいさつの内容は「型通り」ではありますが、「強調」というメッセージが感じられます。公正な競争の推進を「ANY連合」はもとより、産業全体に浸透させていただきたいものです。


 その飯田氏は業界紙の共同インタビューで次のことを述べています。

▽共同出資でポスティング会社 飯田中央協委員長が就任会見(新聞情報 5月2日付)
(引用はじめ)販売店の強化策だが、これこそ各社の強調がもっとできないかと思う。例えば、この3年間連続して折込収入が減少しているが、媒体としての折込広告の優位性をもっとPRしていく必要がある。折込は廉価で地域限定、何より食卓まで届く便利な媒体だ。ただ、昨今、新聞離れが進んでいるので、今後は無購読世帯をどうするかという問題がある。無購読の増加で到達率が下がり、その隙間を狙って、ポスティング業者が進出してきている。このポスティング業者を各社で共同出資してできないかと思う。そうすれば新聞購読者には折込で、無購読者にはポスティングで届くという営業ができる。いずれにしてもポスティング業をやっている人は業界外の人ばかりなので、これは(新聞業界)共通の敵。これこそ協調の精神でやることが重要だ。すでにいくつか実験的にやっているところもあるが、全国的に展開することが大事だ」(引用終わり)

 実配をはるかに超えた部数を抱えた新聞販売店が経営を維持できたのも折込広告の収入があったからこそ。しかし、この3年間で折込広告は2〜3割の落ち込みが続き、販売店の経営は厳しい状況が続いています。最近ことに都市部の専売店の自廃が目立ってきたという報告もあります。


 一方で、チラシ広告の需要は大きく下がっておらず、リクルートが展開するタウンマーケットなどチラシ広告の宅配業社も増える傾向にあるようです。その意味ではエリアごとに安価で訴求できるチラシ広告をそれぞれの新聞(専売店であれば)に折り込む(2紙購読していればチラシも2部届く)よりは合売店の方が効率はよいし、購読者、無効読者に分けるまでもなく全戸配布をする業者が重宝がられる時代なのでしょう。でも(新聞)折込広告の場合は新聞に挟まれているから食卓まで届き、安価な価格設定が可能だというメリットも忘れてはなりません。


 以下は「中央協だより」から注目したい記事をピックアップ

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2009年05月06日

新聞は何のために存在し、これからどんな役割を担っていくのだろうか…

 連休中はどこへも出かけず、近所の図書館でボーッと新聞を読みながら午前中を過ごしました。以前は自宅で過ごす休日にコンビニで定期購読していない新聞を買って読んでいたのですが、収入が下がるとそうも言っていられません。切り詰めるところは切り詰めないと…。


 5月4日付、河北新報(あすを読む)にコロンビア大学教授のジェラルド・カーティスさんの「西松事件が映し出す政治、マスコミのゆがみ」というコラムが掲載されていました。
 民主党代表の小沢一郎さんの公設秘書が政治資金規正法違反の疑いで逮捕、起訴されたことに関連して、小沢代表の説明責任、民主党の対応、検察の行動、マスコミの姿勢について問題点を指摘しています。
 なかでも、マスコミの検察対応を批判し、検察がリークしたことだけを紙面化する記者クラブの制度のあり方について、廃止も検討すべきと意見を述べています。

(記事から引用)
 この事件に関して、マスコミの取り上げ方、対応の仕方の問題も大きい。検察の記者クラブの記者たちは厳しい質問をせず、検察がリークしたことを事実として新聞に載せる。秘書を起訴して記者会見した検察は、カメラを入れてはいけないとか、記者クラブ以外のジャーナリストの参加を許さないなど、条件を付けたと聞いている。明らかに言論の自由を拘束する行動である。それなのにマスコミは大きな問題にしない。
 記者クラブが検察の出先機関のように使われてはいけない。この事件が記者クラブ制度廃止も含め、マスコミ自身の構造改革を考える契機になればいいと思う。

 元日本経済新聞論説主幹の水木楊氏が、新sあらたにすの新聞案内人というコラム「『記者クラブ』をどう考えるか」のなかで、記者クラブ制度のメリットとデメリットをあげながら持論を書かれています。
 メリットとしては、個々ではなく集団で情報開示を求めるなどの力を発揮できる点や取材先(市民団体も含め)の窓口になっているなどをあげています。デメリットは以下の3項目。
@ろくな取材をせず、記者クラブに座っていても、発表記事が運ばれてくる。最近はどうなっているか必ずしも明るくないのですが、昔はそんな記者のことを「REPORTER」ではなく、ただモノ(情報)を運ぶ「PORTER」と呼んでいました。そういう記者が存在してしまう恐れがある。
A記者クラブが置かれている機関と価値観が一緒くたになり、客観的批判的な報道がしにくくなる場合がある。
B記者クラブに加盟する社が、自分達だけで特殊な関係を築き上げ、他者を排除する閉鎖性が生まれる。


 記者クラブという特権にどっぷりつかってしまうと本来の役割がおざなりになってしまうということでしょうか。例えば政治家から食事をごちそうになり、お土産までもらう関係を構築することで生活者のためになるニュースソースが引き出せるのかなぁと疑問を感じます。記者自身も政治への過度な参画意識が芽生えてしまい、紙面という武器を使って自身の価値観を取材対象者へアピール(それが抑止力?)しているだけに過ぎないという疑問さえ抱いてしまいます。
 記者クラブに出入りすることを許された企業人は、知らぬ間に閉鎖的な環境を自ら作りだし、そこで出来上がる同業者同士の仲間意識と取材対象者との持ちつ持たれつという妙な関係。水木氏が指摘するように一線を越えなければよいのかもしれませんが、内部から問題視するような声はやはりあがらないのでしょう。新聞を読まされる生活者はなんとなく蚊帳の外という感じがしてなりません。


 新聞は何のために存在し、これからどんな役割を担っていくのだろうか…。
それぞれの新聞社には、社是なり経営理念があると思うのですが、昨今のような不況に陥ると「そんなの関係ねぇ」となってしまうのでしょうか。

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2009年04月06日

見せる売上増、見えない経営実態

 メディア・パブによると、米グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」の経営状況が思わしくないことを伝えています。同サイトの2009年赤字が4億7000万ドルに達すると予測されているとのこと。


 ネット上でフリーソフトを無料提供するビジネスモデルは、広告収入が集まらないと運営が続けられないもの。魅力あるコンテンツを提供すれば閲覧数(PV・UU)があがり、広告がついてくるという収入構造(ユーザーの個人情報をデータ化したアプローチ手法もありますが)によって、企業活動がなされているわけです。


 私もたまにユーチューブを利用して「懐かしのヒットメドレー(70年代)」などを見ながら、リフレッシュをすることがあります。「ユーザーがコンテンツを配信しているのだから、そんなに経費はかからないのでは」と思っていたのですが、膨大なデータを蓄積するサーバー管理だけで相当な経費がかかるようです。また公序良俗に触れる配信をチェックし、削除するスタッフの雇用も情報量とともに拡充していかなければならないようです。いくらアルゴリズムを施しても、最後は「人の目」による確認ということになるわけです。


 先のエントリーでも取り上げましたが、2008年の総広告費が前年比4.7%減で、5年ぶりに減少しました。マス四媒体が苦戦を強いられているなかで、ネット広告が16.3%の伸長を示していますがウェブ広告企業の経営状況が良くなっているのかと言えば、必ずしもそうではありません。「売上の伸び」は見せるけれども「かさむ経費」はあまり公開されず、低賃金で働いているSEの方も少なくないと聞いています。

 「モノが売れない時代」に入り、ネット広告が右肩上がりの成長を続けられるわけがないと思っていますし、根本的な問題として経済が活性化しないと広告全体が落ち込むわけです。新聞広告は苦戦が続いていますが、あたかも「新聞広告はネットに食われている」と結論づけるのではなく、購読者数の問題、信頼性の問題など、新聞の媒体価値を問い詰めなおす必要がるのではないでしょうか。あまり時間はありませんが…


 以下に、元日経広告研究所専務理事の森内豊四さんからいただいたメールを引用します。


 当面の新聞の経営危機は広告不振にあります。その原因をちょっと考えてほしいものです。いつも同じことばかり言うようですが、いくら広告をしてもモノは売れないし、赤字で軍資金もないわけですから、機構・組織をいじくり名称を変えて売り込みを図っても、企業は見向きするはずありません。
 すさまじく単価が下がり不信を招くだけで、これでは傷口を広げるばかりです。
 今どんな業界も供給を落とし、在庫減らしに必死です。ここは広告紙面を大幅に縮小するしかないはずです。ムダな広告紙面を少しでも減らすことが、ジャーナリストの好きな地球環境への対処にもつながるわけではないですか。
 こういう状況下では、ネットやモバイルも大した伸びは期待できません。サイトが増えた分、ネット企業の経営も苦しくなっています。
 紙媒体とセットで売れば何とかなる?
そんなことあり得ません。元の蛇口が固く閉まったままですから。問われているのは、広告自体の値打ちです。
 広告はしばらく逼塞するしかないでしょう。組織縮小(広告部員削減)ができなければ、給料カットでみんなで支え合いましょう。ワークシェリングだと思えばいい。
 消費者が倹約疲れすれば、そのうち徐々に消費も動き出します。その時、先見の明のある経営者は打って出るでしょう。広告はモノが少し動き始めたときこそ効くもので、効果が実感できれば、広告主の方から申し込んできます。
 その時のためにも、定価の8割引などといった無理な広告取りの作業は止めましょう。一度値下がりした広告単価は容易に上がらないものです。何しろ広告の原価など説明しようがないわけですから。
 広告ビジネスの成り立ちや営業に求められる機微を知らない新聞記者出身の広告幹部が、広告営業をリードできるはずがありません。そういう連中が現場のやる気を削ぎ、広告会社の支援を失っていることを、経営トップはもっと理解しなければなりません。
やれ「ソリューション型営業」、それとも「企画提案型営業」?どこかの代理店の者が口にするようなご託をならべるのはやめましょう。
 新聞社の広告営業の基本は、広告主への広告紙面の売り込みではなく、自紙の読者の意識や嗜好、生活感情を正しく広告主に伝えていき、プランニングの参考にしてもらうことしかありません。代理店と同じことをやっても負けます。
いまは、一歩退いて、全体を根源から捉え直しましょう。

森内豊四

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2009年03月30日

新聞社配信のみに依存しないヤフーだから掲載された「押し紙」問題

 「個人的に、いままでのyahooニュースの中でもトップクラスに衝撃的な記事だ。この問題が継続的に取り上げられることを望む」というコメントにはビックリしましたが、「押し紙」問題を報じたヤフーニュースがチョット気になりました。

 そのニュースとは、MONEYzineが記事提供した「新聞業界の苦悩 自らの首を絞める『押し紙』問題」というもので、3月29日13時10分から数時間にわたってヤフーニュース(トピックス)に掲載されました。

  YAHOO!ニュース0_edited.jpg
 新聞業界に働くものとしては“空気のような”ネタだったので、さほど気になりませんでしたが、ヤフーの影響力というか、閲覧者(読者)から寄せられるコメントの数に驚きました。
 ヤフーニュース(ヤフーを経由して配信されたもの)では、ニュースそのものへの関心度やコメントが書き込める「みんなの感想」が展開されており、今回の記事は話題ランキング(総合)で10位(20.9ポイント)という高位置につけるほどでした。コメント数は410件で、経済ニュースのカテゴリでは高い反響であることがうかがえます。なかには「コメント数を伸ばして皆に知ってもらおう」という“あおり”も若干見受けられましたが、トップページから外れてもコメントが続いています。

記事に対するコメントを少しだけ引用します。

【そう思うの意見】
・これって発行部数偽装ですよね?しかもその動機が発行部数によって広告料が決まるからということであれば、有価証券報告書に虚偽記載する以上に問題がある。これはとんでもないぞ。
・押し紙をすべて廃止したら、どの位の、紙・インク・印刷の光熱費・輸送費が節約出来るんだろう。
・はっきり言って詐欺なんですよね。マスコミに広告載せているスポンサーさんは訴えるべき。
・無駄になるのは紙やインクだけじゃない。全く読まれない新聞を運ぶトラックの燃料や環境への影響まで考えると、もの凄い資源とエネルギーの浪費、環境破壊だな。いくら紙面で良い事を書いても、自分達の資源の浪費、無駄な環境破壊を反省して改善しないのではただの虚しい絵空事。大手新聞社への信頼が根底からひっくり返るよ。

【そう思わないの意見】
・販売店の営業力の無さを新聞社の責任にするのは良くない。
・そういう問題も存在するのかもしれないが、スポンサーをめぐって競合関係にあるyahooのニュースのこういう記事はどこまで信頼できるのか私には分からない。

 「押し紙」問題については、ネット系ニュースサイトのJ‐CASTニュースやMyNewsJapan、個人運営のブログなどで報じられてきましたが、今回、Yahoo!ニュースで取り上げられたことによる反響とは比べものにならないPV(ページビュー)だったのではないでしょうか。

 このような問題はすでに隠せる状態にないということを新聞関係者は理解するべきですし、司法の手がくだる前に正していくべきです。当然、事実無根であればしっかり反論すればよいわけです。
 「紙面と販売は別もの」という二枚舌は、通用しなくなっているのです。

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2009年03月17日

IT社長は新聞を読んでいる!

 4月6日から12日までの1週間を「春の新聞週間」(日本新聞協会が主催)としてから、今年で7年目を迎えます。今回のキャンペーンは無購読者全体のターゲットは若年層の中でもテレビやウェブサイトでニュースに接しているものの、新聞購読には至っていない若い社会人に絞ったPR活動を展開するようです。

 PCやケータイを活用したPR戦略は、外資系広告会社JWTの元副社長で、クリエイティブ・コンサルタントの関橋英作氏が企画立案したもの。キャンペーンサイトは「IT社長は新聞を読んでいる!」。


 どのような効果が出るのか?

 そもそも論すら解決していないのに、“きっかけ”を創出できてもクロージングができるかどうかが問題。
 読者との対応は販売店従業員が行わなければならないので、基礎的なルールやマナーを有した人材を育てる(雇用する)ためにも一定程度の労働条件が必要なのです(何度も言ってますが)。

 「うちの従業員だったらきちんとできるのになぁ…」と思いながら、流通側のネガティブ感を跳ね飛ばすくらいの「読みたくなる紙面」が欲しいものです。

   46日.jpg
 今回のキャンペーンポスターは地味系です。キャッチコピーは「見えないものが観えてくる」 …

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2009年03月07日

広告会社任せでなく、販売店も企業をまわって折込広告の売り込みを

 チョット遅レスですが、2月23日、電通が「2008年日本の広告費」を発表しました。

 オリンピックイヤーにもかかわらず、総売上高は6兆6926億円で対前年比4.7%のマイナス。世界的不況などの景気減退で5年ぶりの減少でした。
 媒体別では、テレビ▲4.4%、新聞▲12.5%、雑誌▲11.1%、ラジオ▲7.3%とマス四媒体は苦戦を強いられました。一方、インターネット広告はプラス16.3%(モバイルがプラス47%、検索連動型広告プラス22.9%と拡大)で、最近は停滞感が指摘されているものの伸び率は高水準と言えます。
 特に新聞広告費の落ち込みが大きく、地方紙に比べ、全国紙、スポーツ紙が低調だったと分析されています。
 販売店経営に欠かせない折込広告も▲6.0%で2年連続減となっています。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2009/pdf/2009013-0223.pdf

 元日経広告研究所の専務理事を務められた森内豊四さんから、「2008年日本の広告費」の内容に関するコメントを頂戴しました。以下に引用します。

 新聞広告はひどい事態になりました。その落ち込みの大きさに愕然としております。全国で12.5%のマイナスですが、朝日、日経、読売3紙は20%前後の減収を余儀なくされたのではないでしょうか。

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2009年03月06日

取材もほどほどに発信するメディアの危険性

 社団法人日本ABC協会(新聞・雑誌の部数公査機構)の調査が来年度中にも厳格化される。「新聞再編・淘汰に拍車がかかる」(全国紙幹部)と業界は青ざめて…

 「月刊FACTA」3月号に上記の記事が掲載されていました。ウェブ版から引用すると、「新聞社本社と販売店双方の実地調査に加え、印刷工場から販売店を経て各戸配達される流通各段階で調査を行うことを検討…実売に近い数字を出す(関係筋)」というもの。

 ABC協会(会長は電通最高顧問の成田豊氏)は、新聞発行社、雑誌発行社、専門紙誌発行社、フリーペーパー発行社、広告主、広告会社の代表者らで構成されているため、FACTAが報じた記事内容に疑問を持ちました。そこで、ABC協会へ問い合わせてみました。
 すると、担当の方から以下の回答をいただきました。

 お問い合わせの下記雑誌の件ですが、先方からの取材依頼なく書かれたものであり、私どもも当惑している次第ですが、特に先方に申し入れるようなことは考えておりません。
 当協会としましては、常に信頼される部数を提供し続けられるよう、公査の精度を高めていく努力をしていかなければと考えておりますが、記事のような事実はございません。

 取材もなしに憶測で書かれたのでしょうか。

 個人運営のブログ程度ならともかく、まかりなりにも第3種郵便物として承認されている月刊誌(メディア)です。「取材もなしに紙面に掲載」したのであれば、記事そのものの信ぴょう性が疑われてしかるべきです。
 取材源の秘匿ということもあるのでしょうが、個人ではなく団体へコメント取らずして記事化すること自体、首を傾げたくなります。

 ABC協会発表による公称部数については、確かにその差異について指摘されるところ。協会理事の広告主代表側には、味の素、サントリー、花王、資生堂、ライオン、武田薬品工業、ツムラ、キャノン、東芝、日立製作所、パナソニック、トヨタ自動車、セイコーホールディングス、松坂屋、三越――日本を代表する企業が名を連ねていますが、このところの経済不況で広告主側から「コスト削減」と昨年来、週刊誌などが特集を組んだ“新聞没落”(部数の低迷や押し紙の存在)の影響を受けて「発行部数への不信」というものも、水面下ではあるのかもしれません。

 でも当事者へ“取材なしで掲載”とはいかがなものかなぁ…


▽あらたにすの「新聞案内人」で、歌田明弘さんが書かれた「『週刊新潮』と朝日新聞の反駁」のコラムがとても参考になります。
http://allatanys.jp/B001/UGC020005120090305COK00245.html

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2009年03月01日

日販協「公正販売の集い」 来賓はやはりあの二人

 社団法人日本新聞販売協会(略称:日販協、高橋政一会長:朝日)が2月18日、「日販協 公正販売の集い」を開催しました。
 例年開催されているもので、対外向けに新聞販売店側も公正な販売を目指してやってますよ〜というアピールするのが目的。全国紙をはじめ各新聞社の販売局長クラスも来賓として招待されます。(追記:日販協本体が毎年行っているのは7月の通常総会のみで、各地区本部や県支部でこのような「集い」が行われているそうですが、地方紙も含めた中央協正副委員長に出席要請して、日販協本体が公正販売の集いを開いたのは、はじめてではないか―とのご指摘を受けました。「例年開催」を訂正します)
 毎回、大会アピールというものを採択しているのですが、年々その内容に自己矛盾を感じざるを得ません。

 
大会アピール

 本日の大会は、業界が総力を挙げて取り組む、その決意と約束を確認する場です。決意と約束とは、公正販売の実現と購読率再生に向けた不退転の行動に他なりません。
 信頼なくして成り立つ商売はなく、協調を欠いて生き延びられる業界もないはずです。新聞に身を置く我々一人一人が、新聞の価値をおとしめてしまうような行為を行っていないか。まずは厳しく自らに問いかけねばなりません。新聞に思いを寄せる方々は言われます。「新聞は社会に必要だ」と、そして「戸別配達はありがたい」と。
 いまこそ、公正販売の実現に挑み、業界の明日を築く共同作業に取りかからなければなりません。
 全国のお店に訴えます。
 「ひんしゅくをかうような営業行為は絶対に行わないことを」
 「法律・規約を厳格にまもり、定価販売を厳守することを」
 中央協、地区協、支部協のみなさんにお願いします。
 「話し合いの指導など違反防止の徹底を」
 「違反は厳正かつ確実に徹底処理されることを」
 そして、すべての発行本社の責任者の方々に切にお願いします。
 「公正販売の実現に強い指導力を発揮されることを」
 「新聞の発展に大局からの指導と施策を講じられることを」
 新聞の危機に直面し、今まさに一人一人が、そしてそれぞれの立場での、自覚と責任が問われています。
 新聞産業は皆で支えているのです。

日本新聞販売協会「公正販売の集い」
2009年2月18日


 業界の構造的な問題を正さなければ、何も変わらないかもしれません。販売店主の多くも「正直ものだけばバカを見る」と感じているので、なかなか本腰を入れて変わろうとは思っていません。残念ながら。
 やはり新聞社の販売政策を転換して、販売店との取引関係もしっかり見直すことからはじめないと。そのあたりを日販協の役員の方には望みたいものです。
 また、来賓には、今や新聞業界の既得権維持に欠かせない国会議員が招かれました。以下、新聞通信 2月23日付から引用。

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2009年02月23日

値下げはご法度?新聞は誰のために発行し続けるのか…

 友人から「新聞購読をやめたい」という連絡が今月に入って2件ありました。
理由を聞けば、「就労先で給与の見直しがあり、諸手当など月額で3万円削減された」ので、毎月の生活費を見直したところ、新聞代を削るということになったというもの。


 今年3月末でいわゆる派遣切りをされる方々は100万人を超すと報じられ、年収200万円に満たない「ワーキング・プア」と呼ばれる人が1,000万人もいると言われています。そのほか雇用は維持されるも年収が下がっている社員は少なくありません。
 日々の紙面では「100年に一度の金融危機」という文字が飛び交い、生活者だけでなく中小企業も先の見えない経済環境の中で、少しでも経費を抑えようと新聞購読を中止するところも増えています。年度末を待たずして「購読中止」の連絡が急速に増えていることを、新聞社の方々はどれだけ知っているのでしょうか?

 新聞の価値とは――このブログでも業界(新聞人)として読者に対し「新聞の再発見(活用術)」をしてもらう取り組みを、と主張してきましたが、それ以上に生活者の経済的状況が悪化してきている昨今、新聞代を削減せざるを得ない状況になっているのです。新聞は生活水準の高い人たちに向けて発行する媒体へと縮小しながら生き残りの道を模索するのでしょうか…それではEPIC2014が別な形ですでに訪れているのかもしれません。


 新聞は15年間も値上げしていないのだ…と多くの新聞経営者が「我慢」を強調しています。いま値上げすれば定期購読をやめる読者の予測ができず、値上げが逆効果となって経営を圧迫する可能性があるため値上げに踏み切れないというのが実情だと思います。
 値上げをするタイミングを画策するよりも、いまは値下げについても考えるべきではないでしょうか。国民の知る権利を掲げるのであれば、ここは値下げ(シルバー世代割引や生活保護者割引など)を武器に新聞の価値創造と習慣性を後世に引き継ぐという戦略も必要ではないかと思うのです。


 これまで業界は、再販制度や特殊指定の維持を世論に訴える際に「国民の知る権利」を主張し、世論形成をしてきたはず。その論拠に嘘がなければ社会的弱者への対応も検討するべきです。すでに新聞経営者は日本経団連の経営者と同じになってしまいましたが、自社の経営ばかりを考えるのではなく「新聞産業の生き残り」は、読み手がいて成り立っていることを忘れてはいけないと感じています。

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2009年02月03日

“今だけ委員長の独りごと”がアルファブロガー・アワード2008にエントリー?

 先日、このブログ「機能せず国連化する新聞協会を尻目にG7ならぬG3化を極めるANY」にトラックバックが寄せられ送付先を確認したら、アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞というサイトにたどり着きました。
 なんと、小生の日記が掲載されているではありませんか。思わずビックリ。中間結果リストに加わったことのお知らせをTBで送ってきてくれたのです。

 「今だけ委員長の独りごと」ブログは、新聞関係者へ販売側から見た問題点を提起させていただき、諸問題が改善されることを目的にしているため、アフィリエイト(企業広告とのリンクによる報酬制度)などいっさい組み込まずに4年間、細々と運営しています。
 できるだけ多くの方にご覧いただけることはうれしいことですが、このようなイベントにエントリーされているとは思いもよりませんでした。

 昨年は政治評論家の勝谷誠彦さんのブログに引用され、さらにその過程を
佐々木俊尚さんの書籍で紹介されるなど、自分が書いたものが知らないところでネタにされているというネットの危うさを身にしみて感じました。書いたことの真意が正確に伝われば何の問題もないのですが、ときに歪曲されて伝えられる(書き方も甘いと認識していますが)こともあるので、自ら発信したものはきちんと責任を持つ(当たり前のことですが嘘はダメです)ことが、インタラクティブな時代に最も必要なことだと感じます。

 さて、そのブログ記事大賞ですが、わずか2票…まぁそんなものです。今後ともご指導、ご鞭撻(ときにはご批判も)をいただきますようよろしくお願いします。
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2009年01月06日

ネットメディアJ-CASTニュースも「新聞崩壊」の連載だそうです…

 エンタメ系のネタや有名人のブログ、2ちゃんねるなど掲示板をニュースソースとして運営されているインターネットメディア「J-CASTニュース」が昨年末から「新聞崩壊」という連載を始めています。
  “新聞嫌い”のネットメディアが「新聞崩壊」の連載を組むとは、当たり前すぎる企画だなぁと思っていましたが、結構多方面の方にインタビューをしているようです。

「紙」にしがみつくほうが日本の新聞長生きできる
(連載「新聞崩壊」第8回/評論家・歌田明弘さんに聞く) 2009/01/06

人件費削るのは安易な方法 経営者はもっとビジョン示せ
(連載「新聞崩壊」第7回/新聞労連・一倉基益副委員長に聞く) 2009/01/05

新聞を法律で守る必要あるのか 「再販制」という反消費者制度
(連載「新聞崩壊」第6回/鶴田俊正名誉教授に聞く) 2009/01/04

米国の新聞は決断した 「紙が減ってもウェブ中心でやる」
(連載「新聞崩壊」第5回/アルファブロガー・田中善一郎さんに聞く) 2009/01/03

新聞の20%以上は配達されない 「押し紙」という新聞社の「暗部」
(連載「新聞崩壊」第4回/フリージャーナリスト・黒薮哲哉さんに聞く) 2009/01/02

「変態記事」以降も毎日新聞の「ネット憎し」変わっていない
(連載「新聞崩壊」第3回/ITジャーナリスト・佐々木俊尚さんに聞く) 2009/01/01

北京の私服警官だらけの光景 新聞はどこまで伝えきれたのか
(連載「新聞崩壊」第2回/佐野眞一さんに新聞記者再生法を聞く) 2008/12/31

記者クラブという「鎖国」制度 世界の笑いものだ
(連載「新聞崩壊」第1回/フリージャーナリストの上杉隆さんに聞く) 2008/12/30


 このサイトは時に硬派な切り口で社会問題を両断する一方で、くだらないネタも入り混じる「息抜き」メディアとして浸透しているようです。最近では複数のポータルサイトにも配信しているため、そこそこのアクセス数を稼いでいるのでしょう。

 ウィキペディアによると、このJ-CASTニュースの編集長は「武富士問題」で朝日新聞社を退社した大森千明氏。「J−CASTニュース」運営している株式会社ジェイ・キャスト(1997年8月25日設立)も朝日新聞の週刊誌『AERA』元編集長だった蜷川真夫氏が設立しています。

 近年、新聞界の暴露本を発行する新聞社OBもしくは途中で退社された方々が、こぞって新聞業界(組織なのか、働いている人なのか)を追いやろうとする構図は、叱咤激励なのか、単なる復讐なのか… 真摯に意見はうかがうとしても観客の野次に惑わされる必要はないと思います。結局は自分たちで考え行動するしかないのですから。

【追記】
新聞記者は会社官僚制の中で埋没 だから新しいニーズを掬えない
(連載「新聞崩壊」第9回/新聞研究者・林香里さんに聞く)  : 2009/1/ 7

ビジネスモデルが崩壊 身を削ぐような合理化が始まる
(連載「新聞崩壊」第10回/ジャーナリスト・河内孝さんに聞く)  : 2009/1/ 8

ネットで有名になり、新聞が売れる そんな好循環が中国では可能だ
(連載「新聞崩壊」第11回/中国メディア研究者 ミン大洪さんに聞く)  : 2009/1/ 9

【追記2】
再販、記者クラブ問題 新聞協会「当事者ではない」
(連載「新聞崩壊」第12回/新聞協会・新聞社の見解) :2009/1/13

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2009年01月05日

各紙元旦号の広告状況

 明けましておめでとうございます。
 今年も新聞販売労働者の目線で独りごとを発信してまいります。相変わらず“つたない”文章ですが、お付き合いいただきますようお願いします。

 さて、今だけ委員長の今年の元旦作業は、キオスクなどの売店で販売する新聞(全紙)の仕分け作業でした。1日の0時から4時まで駅構内に届く当日の新聞に、事前に配送されている特集号を組み込み各売り場へ届けるという仕事です。各紙とも広告量が減っているため、前年よりも大分ページ数が少ないことを実感しました。

 正月3が日は家でゆっくり新聞を読みました。今年は太宰治が生誕100年、「進化論」のダーウィンも生誕200年ということで、各紙とも紙面を大きく割いて特集を組んでいます。
 社説では「日本の国力に自信を持て!」という論調が目立ったように思います。でも首を傾げたのは、国民の貯蓄額が1500兆円もある…から、まだまだ日本は大丈夫という言い方をしていたこと。貯蓄は1500兆円あるかもしれませんが、多くの国民は借金もあるわけですから、相殺すれば国の借金(国債借款債)をご破算にできるはずもないと思います。それ以前に個々人の財産を「お国のもの」という捉え方で、昭和21年に起きた預金封鎖を匂わせるような論に感じました。まぁ預金封鎖はされないにしても、消費税率の引き上げかハイパーインフレを仕掛けることで国の赤字財政を救う道はないのかもしれませんが、まじめな国民がバカを見ることにならないように願いたいものです。

 昨年は毎日新聞が大きく扱っていた「IT・デジタル」関係の特集は、日経のみが第二朝刊で大きく扱い、電子書籍端末「キンドル」やSNSの可能性などを紹介していました。なんか1年前とあまり変わらないような気もしますが…
 広告では・・・

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2008年12月29日

来年のメディア展望  右往左往することなかれ!

 今年も残すところ3日となりました。
 個人的には先月29日に第1子(女の子)が誕生し、人並みに(たぶん)パパ業がプラスオンになったため、まだページをめくれていないメディア関連の本が増えてしまいました。このブログでも紹介したい本がたくさんあるのですが、この正月休みに何本書けるか(読めるか)は微妙…子守りをしながら「読書な正月」もイイかなぁと。


 12月に入っていつもチェックしているブログなどを拝見していると、「今年のメディア界(特に技術部門)には何の旋風は吹かなかった」というようなことが結構取り上げられています。技術というか仕掛けというか、ネットで金儲けをしようとメディア企業も躍起になっているように映りますが、新しいブームも起こせずに「ネットもそろそろ飽きてきた」という停滞感が漂っています。

 日経メディアラボが24日に発表した「2009年メディア予測」では、利用者にとってインターネットは「息抜きの場なのに息苦しい」存在になっていくと分析しています。さらに今後は、より居心地の良い環境を求めてネットサービスを使い分けたり乗り換えたりする人が増え、新たなヒットサービスが生まれにくい状況になる―と2009年以降のメディア界を予測しています。
 ミクシィなどのSNSは「誰かとつながっている」という心地よさや情報を共有している(仲間外れではない)という安心感のようなものが好評でした。しかし、だんだん息苦しく感じているということは「仮面を被った表面的なつきあい」では長くは続かないし、リアルに勝るものはないということだと思います。


 もうひとつ来年のメディア展望として、時事通信の湯川鶴章さんが、自身のブログで「
メディアの変化は無視して広告主周辺の技術革新に注目すべき」というトピックスを書かれています。「メディア企業や広告会社は、消費者向け技術よりも広告主向け技術により注目すべきである」と述べ、なかでも注目すべきはソーシャル広告であり、メディア企業はその技術が機能するようなメディア環境を作るべきであると解説。コミュニティビジネスに注力することがメディア企業の唯一の進むべき道であると提言しています。


 それぞれの専門家が将来の展望を示されることはとても勉強になります。しかし、それに右往左往しすぎて自らの
コアコンピタンスを見失ってはいけないと思います。生活者の気持ちは常に変化しますが、その人たちにさまざまな「価値」を提供して気持ちをつかむことが出来ればイイわけです。難しいけど…
 これまでの付加価値って販売店レベルのものが多かったわけですが、これからは総力戦じゃないとダメなんだと思います。内部の綱引きをしている場合ではないし、定期購読者(新聞は読まれていますが)は間違いなく減っているわけですから。

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2008年12月25日

古紙の流通で左右する新聞用紙価格

 「原油価格の高騰で値上げをせざるを得ない」 今年の春先から夏場にかけて油脂や小麦を原材料にする商品の値上げが相次ぎました。「原油価格の引き上げは投資家が意図的に行ったマネーゲームだ」と言われてはいたものの、ここにきて価格は安定路線といったところでしょうか。輸入品目の値下げセールを実施するスーパーも目につきます。ガソリン価格も90円台に戻り新聞販売店も「燃料費」が嵩まず、ひと安心といったところでしょう。

 新聞社も今年春先から「用紙代の値上げ」を各製紙メーカーから要請され、値上げや夕刊を休刊を決断した新聞社もありました。約15年間、購読料が据え置かれた状況のなか、各社とも“まだ”がまんくらべが続いています。販売や広告収入が下がっているとはいえ、新聞製作や配達のコストは急には落とせないもの。そこに用紙代やインクなど原材料の値上げが追い打ちをかけた1年だったように感じます。

 さて、その用紙代ですが今後どのような推移をたどるのでしょうか。新聞通信(08年12月15日付)によると、「用紙代再値上げは回避か」という見出しで、中国の需要激減で古紙価格が暴落し、国内に古紙が流通して値段は値下げに転じる可能性も出てきたと解説しています。
 一方、古紙ジャーナル(08年12月5日付)では、「輸出価格の暴落で、大幅に減少するかと思われた10月の日本の古紙輸出並びに中国の古紙輸入だが、通関実績によると日本の輸出は減ったものの、欧米からの輸入量は増え中国の総輸入は二桁成長(前年同月比)している」と報じています。10月の(日本からの)輸出中止は中国の製紙大手が買い控え(欧米から大量に購入)を強めただけで、日本が過剰反応したものだと分析しています。

 そうすると、中国での需要(輸出価格)が高いうちは国内の建値も高騰するため、用紙代の再値上げは起こりうるとも取れます。ただし、このところの円高で、中国へ輸出するより国内価格の方が高値でさばけると判断すれば、海外へ出回ることなく国内の古紙在庫が増えて価格は安定するという見通しですが、どうなる事やら。
 今後は需要と供給のバランスからどの程度の価格調整が図れるかが争点となるでしょう。いずれにしても資源は限られているわけですから…

 ウィキペディアで「古紙」を検索してみると、以下の表記が目に刺さります。

「古紙の最大供給源」

 毎日、全国で印刷される新聞の1〜2割程度(1,000万部程度)は、新聞販売店のノルマ維持のために刷られる押し紙と呼ばれる新聞であり、実際には販売されずに全量がリサイクルに回される現状にある(新聞販売店の項を参照)。これは日本の新聞紙の回収率が、他国に比べて高い理由の一つにもなっており、手放しで評価できない一因にもなっている。

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