2019年01月07日

厳しく長い尾根を登る2019年

2019年がスタートしました
皆さまと皆さまが愛する人たちのご多幸を願いご挨拶といたします厳しく長い尾根を登る2019年.jpg
NHK第69回紅白歌合戦を観ていて、すっと耳に入ってきた1曲。たまには音楽を聴いてボーっとする時間も必要ですね。
https://youtu.be/4CJyOBJ3IIo





posted by 今だけ委員長 at 21:50 | Comment(0) | 日記

2015年06月29日

今だけ委員長ブログを一時休止します

 2005年8月から書きはじめた小ブログ「新聞販売考―今だけ委員長の独りごと」。
 新聞産業にある構造的な問題や「不都合な真実」は、結果として読者の信頼を裏切ることになる――との懸念から、自分の目線で(備忘録として)発信してきました。

 しかし、いろいろと訳があって小ブログを一時休止(非公開)することにしました。
 直接、個人や組織から「止めろ」と言われたとか、それに類似した圧力があったということはありません。あくまでも自身の考えによるものです。「真実を曲げる」ことはできない性格なので・・・。

 サイトは残しますが、新聞販売問題、軽減税率、特定商取引法のカテゴリーと読売新聞に関連した日記などは「非公開」の設定をします。
 ブログは自身の日記でもあるので「非公開」のまま綴っていこうと思います。これまで閲覧いただいた皆さまに感謝申し上げます。
posted by 今だけ委員長 at 08:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2015年06月13日

「風化」という言葉がひとり歩きしている

 新聞は誰のためにあるのか―。
 東日本大震災では多数の新聞社、新聞販売店も甚大な被害を受けました。あの大変な状況のなか、新聞を作る側、届ける側の人たちは「誰のための仕事か」と、新聞産業の原点をバネに前を向いてふんばってこられたと思います。

敏郎さん.jpg 先週末、専修大学教授・山田健太さんの依頼を受け、ゼミ生30人を宮城県石巻市と女川町の被災エリアを巡るツアーをコーディネートさせていただきました。山田さんのもとでジャーナリズム論を研究する学生に4年経った被災地の“あの時”と“いま”を伝えるために、最初に訪れたのは児童74人が犠牲となった大川小学校。当時、6年生だった娘さんを亡くした佐藤敏郎さん(現在、小さな命を考える会代表、キッズナウジャパン事務局長)から「なぜ小さな命を守れなかったのか」を考えるお話をしていただきました。それは、講話というより「授業」そのものでした。流れ出る涙を抑えながら佐藤さんの話に聞き入る学生たち。真実と向き合う勇気を学んでくれたと思います。(その後、女川町を巡り、NPO法人「カタリバ」が運営するコラボ・スクール女川向学館を見学しました。ご協力いただいた皆さまへ感謝申し上げます)

 冒頭の話に戻りますが、ツアー初日の晩に石巻日日新聞社常務取締役で現在、「石巻NEWSee(ニューゼ)」館長の武内宏之さんから話をうかがう機会を得ました。ホテルの食堂で武内さんを囲み、3時間以上も繰り広げられた議論に学生たちの真剣さを感じました。

武内宏之.jpg 武内さんが繰り返し述べられていたことは、「誰のために新聞を作っているのか」、「『風化』しているとよく言われるが単語がひとり歩きしているのではないか」という2点。石巻市、女川町、東松島市で発行する同紙は地元に根ざした記事を発信し続けてきたことは言うまでもありませんが、震災後は被災された方の気持ちが前を向くような紙面づくりを心がけたそうです。また、震災後は発行部数も半減して経営的にも窮地に追い込まれるなか、被災者の生活を鑑みて購読料を500円引き下げるなど「地元の人たちと共に地域を作る新聞」を有言実行されています。
 学生からの質問に「4年経って風化していると言われているが」との意見に対し武内さんは、「私は震災後のTV取材などで『言葉を大切にしたい』と言ってきた。風化という単語のみで被災地の状況を一緒くたにされてはいけないと思う。地元の若い人たちも頑張っているし、遠方から足を運んでくれるボランティアの方もまだまだいる。これからだと思う」と語りました。

壁新聞 号外.jpg 翌日は武内さんが館長を務める「石巻NEWSee」を訪問(筆者は二度目)し、7枚の壁新聞(実際には8枚)を見学しました。一つひとつ丁寧に説明してくださる竹内さん。震災当時は報道部長として壁新聞作りの指揮をとられたとうかがいました。端々にガムテープの跡が残る手書きの紙面に「文字のチカラ」と「生活情報を丹念に伝える使命感」が伝わってきます。学生たちは1字1字を噛み締めるように新聞の原点ともいえる壁新聞を見入っていました。
NEWSee.jpg NEWSee 展示物.jpg
▽戦時中の伝説が生んだ壁新聞 「石巻日日新聞」常務取締役 武内宏之さんに聞く
▽誰のための取材なのか 大手メディアと石巻日日新聞の違い

posted by 今だけ委員長 at 08:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年05月02日

もう一歩踏み込んだ「デジタル版」提供の基準を考えたい

ゴールデンウィーク後半戦に突入!
でも、この時期は代配に追われ毎朝2時30分起きなので、帰省してくる友人や被災地へ継続的に訪れてくれるボランティア仲間と“ゆっくり語り合う時間がない(いわゆる飲めない)”のが残念。まぁこの稼業を続けているうちは「宿命」のようなものです(笑)

この期間中は旅行に出かけられる方や連休する企業から、新聞配達の一時休止の連絡が殺到します。ポストに新聞がたまっていると、「留守」と悟られて空き巣のターゲットとなってしまう―との意見多く、GW、お盆、年末年始の三大ウィークに新聞配達を一時休止される方が増えてきました。
今だけ委員長が勤める販売店では毎回、200件を超す一時休止の連絡が寄せられます。その期間や件数などを眺めると、旅行(帰省)に出かけられる方の多少や企業の休業日の平均などが見えてきます。4月29日から5月6日までの8連休をされる企業は2社のみで、ほとんどは本日から6日までの5連休。旅行などで家を空けられる人の数は例年より「少なめ」という感じです。

新聞は日々の情報を伝えるメディア。特に地元紙は全国規模のニュースではないローカル情報(地ダネ)が多いので、自身の関心ごとや知人が掲載された紙面を見逃すまいと、販売店で「保管」をして帰省後にお届けするサービスをしています。「お悔やみ広告は見逃せない」という人が大半ですが、帰省後にゆっくり4〜5日分の新聞を眺めると、あすから始まる日常へすっと入っていけるのではないかと感じているので、積極的に「一時保管後にお届け」をご案内しています。
一方、休止した分を購読料から値引くよう求められるケースも増えています。過去のブログにも書きましたが、販売店は月決め購読料を頂戴できる読者数分の新聞を新聞社へ発注(おそらく)しているので、お客さまへの値引き分は販売店の減収となります。販売店は再販制度によって、新聞社が決めた定価販売を義務付けられているため、本来はこの値引きの求めに応じることも業界的には「NG」。しかし、そんなこと言っていたら、お客さまからそっぽ向かれてしまいます。このあたりの現状を新聞社の方々にも理解してもらいたいものです。

で、もうひとつ。最近、現読者へのサービスとして各紙が取り組んでいる「デジタル版」(PDFデータなどで紙面が閲覧できる)の登録者が「(紙の)配達の一時休止」をされた場合に、読者の求めに応じて休止期間分の値引きをするべきかどうか?こんな「はてな」が生じています。
先日、入院されて約3週間、配達休止を承ったお客さまへ「返金」にうかがおうと連絡をしたところ「デジタル版で毎日紙面を読んでいたから返金しなくてもイイですよ」との返答がありました。なるほど、モノ(紙)は届けていなくとも紙面と同じコンテンツは読んでいる。デジタル版の申込者にはこのあたりの「サービス提供に当たっての基準」を理解、浸透させる必要があると感じています。

「それっぽっちのこと」と言わずに(誰に言っているのでしょうか?)、デジタル時代のコンテンツ提供を考える際の一助になればと思います。
posted by 今だけ委員長 at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年04月02日

えん罪に立ち向かった河野優司さん「真実を貫き、最後まで諦めず、日頃の懸命さが自分を助ける」

 2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」(周防正行監督)は、痴漢えん罪事件の容疑をかけられた時点で人権が無視される不条理な司法の実情を描き、「えん罪」という言葉を世に知らしめました。「推定有罪」。こんな言葉があるのだと不思議に思った方も少なくないと思います。
 この映画のモデルとなった方は1年6カ月の実刑(服役)を受けた後、「えん罪」を晴らそうと今年2月に再審請求したことも記憶に新しいと思います。
▽「痴漢は冤罪」と再審請求 周防監督「それでもボクはやってない」モデルの男性(産経新聞2015年2月5日付)
http://www.sankei.com/affairs/news/150205/afr1502050028-n1.html

 痴漢えん罪の多くは係争するよりも罰金を支払って解決するケースが多く、えん罪であるのに無実を証明する労力より罪を仕方なく受け入れる方が少なくありません。それだけ、着せられた濡れ衣(罪)を押し戻すことはとても難しいと言われています。

河野優司さん.jpg 2006年に起きた横浜市立高校・元教師の河野優司さんの痴漢えん罪事件。刑事事件では最高裁で有罪が確定し、えん罪を晴らすことはできませんでしたが、有罪判決を理由とした懲戒免職処分は不当として、横浜市教育委員会へ免職取り消しを求めた裁判では「元教諭に対する生徒・保護者の信頼や教育実践などを考えると、処分は重すぎ妥当性を欠き裁量権を逸脱している」と懲戒免職取り消しを勝ち取りました。
 河野さんはもとより、ご家族や「河野さんのえん罪を晴らし職場復帰を実現する会」がたたかった8年間は、私たちの想像を絶するものだったと思います。

 今だけ委員長が日本新聞労働組合連合の専従役員をしていた2007年春。霞ヶ関・東京高裁前でビラを配布する河野さんと初めての出会いました。神奈川新聞に勤める石川美邦さんを介して、えん罪事件でたたかっていることを知りました。専従の任期が切れて仙台に戻ってからも微力ながら署名活動やカンパの協力をさせていただき、送られてくる会報を見ては一喜一憂していました。一昨年11月に「免職取り消しの判決が確定」との会報が届いたときは、心の底から「良かった」とこみ上げる気持ちになったことを覚えています。

河野さん.jpg そして過日、なんと河野さんが私を訪ねてこられたのです。
 お互いに名前は知り得ているけれど8年近く時を経た再会でしたが、「一番つらく大変な時に支援をして※右側が河野さん もらってありがたかった」と河野さんが手を握ってくれた時、目頭が熱くなりました。短い時間でしたがいろいろと話をさせていただき、8年間のご苦労をあらためて感じました。「本人は絶対にやっていないからたたかえるけれど、家族は大変だったと思う」とても重い言葉でした。免職は取り消されたものの、教壇に再び立つことができなかった無念さも伝わってきました。

 昨年、11月11日付けの会報(最終号)に掲載された西村紀子弁護士のコメントが目を引きます。
「河野先生は、この間、教壇に立つことはできませんでしたが、この事件を通して、自身が多くを学ばれるとともに、弁護士を含めた周囲の関わった人たちに多くのことを教えられたのだと思います。真実を貫くこと、絶対に最後まで諦めないこと、日頃から一生懸命やってきたことが自分を助けること。私も学んだ一人です。河野先生に学んでいた生徒達も、この事件の結末を聞いて、そう感じているのではないでしょうか。これもまた『教壇』だったのではないかと思う今日この頃です」。

 河野さん大変お疲れさまでした

▽推定有罪って… 痴漢えん罪とたたかう著者に支援を(今だけ委員長ブログ 2008年3月27日付)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/91234131.html
▽痴漢冤罪の元高校教諭・河野さん――東京高裁で逆転勝訴(週刊金曜日ニュース 2013年5月21日付)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3258
posted by 今だけ委員長 at 20:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年03月19日

大川小の悲劇から感じる不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明となった石巻市立大川小学校の事故は、学校管理のもとで多くの命が奪われた大惨事。

大川小.jpg 「大川小の悲劇」として大きな社会問題となった背景には、甚大な津波被害だけではなく石巻市教育委員会による不誠実な事故検証、責任を認めない組織体質も露呈し、遺族との間に大きな溝が生じていることもクローズアップされています。2012年12月に大川小での事故を検証する第三者検証委員会が設置(2014年3月に大川小事故検証最終報告書が提出され解散)されましたが、重要な事実情報が盛り込まれず、中途半端な内容とする批判や問題視する声があがりました。検証に5700万円もの税金と1年以上の時間をかけた検証結果に真実の追求もない。ご遺族の失望感は計り知れません。

 富山大学の林衛さんは、事故検証委員会(室崎益輝委員長・関西学院大学総合政策学部教授、神戸大学名誉教授)が失敗に終わった3つの要因についてこう述べています。@大川小の事実に即し検証・再発防止を図る方針A匿名化・免責論以前に、組織トップに説明責任を求める姿勢B自らの方法論の限界を自覚し、見落としを避けようとする科学的態度―。検証委員会は直接の証言にもとづく、推測を交えない原因を導き出そうとしましたが、同委員会の聞き取り調査は公的立場の発言者であってもすべて匿名とした結果、「忘れました。覚えていません」と当初の証言を否定したり、曖昧にした石巻市教育委員会関係者が続出したことなどから「分からないものは、これ以上分からないと結論づけた」という骨抜きの報告書となってしまいました。組織や個人を守るために口をつぐむ隠ぺい体質に対して、「同じ過ちを繰り返さないための原因究明」を望んでいるご遺族の打ちひしがれた気持ちが伝わってきます。
▽大川小事故とその検証に学ぶ/林 衛(富山大学人間発達学部)
http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/bitstream/10110/13165/1/20141116_JSSTS_Hayash.pdf
      ◇
 声をあげはじめた子どもたち。

 東日本大震災から4年。各紙が震災関連の特集を組むなか、「卒業生ら大川小校舎保存」という記事がほとんどの紙面で大きく報じられました。また、今月14日から開催された「第3回国連防災世界会議」のパブリック・フォーラムを伝える記事も大川小の卒業生や遺族の登壇を取り上げています。
大震災4年:津波被災石巻・大川小「全体保存」市に要望へ(毎日新聞3/8)
卒業生ら大川小校舎保存主張へ…宮城(読売新聞3/6)
<被災者と防災会議>(1)生きた証し忘れぬため(河北新報3/15)
国連防災会議 「なかったことにしない」大川小遺族が訴え(産経新聞3/14)

プログラム.jpg 今だけ委員長も14日、仙台市市民活動サポートセンターで開催された「小さな命の意味を考える〜あの日の大川小学校の校庭から学ぶもの〜」を6歳になる娘を連れて拝聴してきました。
 主催のみやぎ復興応援隊 KIDS NOW(キッズ ナウ)事務局長・佐藤敏郎さん(小さな命の意味を考える会代表)は、今回のパブリック・フォーラムをこう位置づけました「あの日、大川小学校では多くの子どもと先生の命が一瞬にして失われました。たしかに悲しいことでした。失われた命は戻っては来ません。誰もが目を背けたい、耳をふさぎたい出来事です。しかし、私たちは、その事実に向き合いながら、4年間で多くのことに気づかされました。それは未来に向けての学びにすべきことではないかと考えています。大川小学校で起きたことについては、組織や立場を超えて向き合うべきだと思います。何が起きたのか、事実に基づいて問題点を整理し、参加者みんなで一緒に考えていきます。遺族ももちろんですが、むしろ4年間でつながりを作った方々と一緒にやるフォーラムです。みんなであの日の校庭に向き合う機会だと思っています。子ども達や先生方も一緒です」と。

会場風景.jpg 今だけ委員長は、ふんばろう東日本支援プロジェクトという震災復興ボランティアを通じて4年間、被災地域の方々と携わってきましたが、大川小関係のご遺族の方々とは距離を置いていました。2012年夏に当プロジェクトに参加された方が「この理不尽な対応に市教育委員会を提訴する」といった内容のブログを発信した際に、ご遺族の方から「遺族会の中でも考え方の違いがある。そっとしておいてほしい」という連絡を受けてから、静観してきました。しかし、時間とともに社会に埋もれる組織体質のようなことが74人の小さな命が奪われた本質的な原因ではないかと考えるようになりました。

佐藤敏郎さん.jpg 登壇した佐藤さんと西條剛央さん(早稲田大客員教授・ふんばろう支援基金代表)の報告は、一点の曇りもなく「大川小の悲劇」の本質を語ってくれました。300人を超す来場者は「そうだ、そうだ」と聞き入っていました。この大川小の悲劇を「想定外だった」、「残念だった」で終わらせるわけにはいかないと思います。二度とこのような惨状を招かないために真実の究明と学校防災のあり方、そして組織絡みの上司、同僚を優先してしまう隠ぺい体質へスポットを浴びせてこの問題の本質を検証していかなくてはならないと思います。

西條剛央さん.jpg 私たちは日常に追われながら「不都合な真実」と向き合うことを避けているのではないでしょうか。新聞産業で言えば、押し紙問題(発行本社と販売店の取引関係)を「そんなものは存在しない」と、業界全体が隠ぺいし、労働組合も経済闘争ばかりを優先させて足元にある「不都合な真実」から目を背けているように感じます。こういう体質こそが想定外の事故が発生した時にもろくも崩れ去ることを「大川小の悲劇」から感じるのです。

 自然災害は人の常識を覆すことが少なくありません。でも、人災は一人ひとりの勇気の結集によって防げるものだと感じています。小さな命を守る責任を、不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質を大人(社会人)は常に考えていかなければなりません。

 パブリック・フォーラムで配布された資料の中に、女川町や大槌町で被災した中学生などへ学習支援を行っているカタリバ代表の今村さんの寄稿を引用します。
日常的な職場風土としての「対話」。
すべての人に必要な、肩書きを超えた「リーダーシップ」。
その二つが、2011年の大川小学校の職員室に存在すれば、適切な「合意形成」がなされたのではないか。

大川小学校でお子様を亡くされた方々は、亡くなった子どもたちの思い出を取り戻したいという感情論で戦っているのではない。

ましてや、誰か特定の人を糾弾したいということでもない。

この停滞した社会の中で、普遍的にどこにでも存在してしまっている、「前例踏襲主義」「お任せ民主主義」の大人の思考停止状態に、そんなものもうやめよう、みんな自分の頭で常日頃から考えようと、訴えていらっしゃるように、私には見える。

はじめて大川小学校の、あの日の話を聞いたとき、実は私も、「未曾有の震災で起きたこと。ツラい責任追及はもうやめて・・」と、感じていた。

しかし今は、ちいさな命が失われた「原因」を、社会の学びに変えなければいけないと、心から感じている。
その責任が、すべての大人たちに課せられた、子どもたちからの宿題だと思う。
今村 久美(認定特定非営利活動法人カタリバ代表理事)

posted by 今だけ委員長 at 14:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年01月12日

ブログ開設から10年目突入。これまで通り「曲げずに」発信していきます!

2015年年賀 会社用_01.jpg 正月作業を終えて、ひと息つく時間もなく暦の上では成人式となってしまいました。
 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。2005年8月からスタートした小ブログも今年で10年になります。細々とではありますが、これまで同様「曲げない」で発信していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

 あまりネタもないのですが、フェイスブックなどで友人から教えていただく社会や政治の問題、そしてマスメディアに関する論考などを眺めていたら、池上彰さんってすごい人なのだなぁと改めて感じたインタビュー記事を発見しました。
▽産経さんだって人のこと言えないでしょ?(iRONNAより)
http://ironna.jp/article/828
 「そんなこと教科書通りだろう」とふんぞり返る新聞社のお偉いさんの姿がなんとなくイメージできますが、「知ったかぶり」の人たちこそ実は現場のことを何にも知らないと思うのです。虚勢を張って見たところで、(最近は時代の流れとは言わないようにしました)新聞から離れていく人たちを止めることはできないわけで、それを販売関係者だけのせいにして本質を捉えようとしない業界体質が問題なのだとずっと言い続けているのですが・・・自身の力不足を感じつつ「なんも」変わらないわけです。

朝日落ちる_01.jpg 朝日新聞の「W吉田問題」で販売店(ASA)はだいぶ苦労しているようです。昨年末のABC部数(宮城県内)を見ると、これまで地元紙に次ぐ発行部数を維持していた朝日が、読売に逆転されるという現象も起きています。
 まぁ読者からすれば「そんなの関係ない。良い紙面を作って」となるのでしょうけれど、販売現場では(朝日が反転攻勢に出て)「また荒れるな」という話が漏れ伝わります。少なくなるパイを奪い合うための「拡材(サービス品)戦争」は永遠に続くのです(笑)
posted by 今だけ委員長 at 22:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年12月08日

遠のく信頼回復/悲しかったことは業界の体質vsそういった事実は知らなかった

 新聞協会が発行する「新聞研究」12月号(No.761)が届きパラパラと頁を進めると、10月15日に新潟市で行われた「第67回新聞大会・研究座談会―新聞界の直面する諸課題」のパネルディスカッションの内容が掲載されていました。業界紙でも先に詳細は伝えられていたのですが、「全国三紙と神戸、新潟の社長の話などつまらないだろう」と見向きもしませんでした。どうせ筋書き通りの不都合な真実には向き合うことのないディスカッションなのだろうと思っていたのですが、「ダーティーな話も新聞大会で語られるようになったのだ」と感じたので(備忘録として)紹介します。

 ディスカッションの副題は「新聞の信頼回復と経営力強化のために」。消費税率再引き上げに伴う軽減税率の適用や広告の低迷に伴う経営問題について語られる予定だったのですが、朝日新聞の「W吉田問題」で同社の木村伊量社長(当時)の謝罪からはじまったディスカッション。毎日新聞・朝比奈豊社長、新潟日報・小田敏三社長が「他山の石」と表し、編集部門のチェック機能などについて言及。(新聞研究紙面の)この3頁半の話で「もういいか」と感じていたのですが、神戸新聞・高士薫社長の発言から一変しました。高士社長は朝日の検証報道を振りかえり、「教訓と悲しかったこと」として販売問題における業界の体質ついて切り込みました。
 柳田邦男さんが紹介された話です。50年以上前、米国ロッキード社の航空機が空中分解事故を2回連続で起こしたとき、ライバルのボーイング社とダグラス社は、原因究明のため資材と人を惜しげもなくロッキードに提供したそうです。それは、航空機産業の信頼を早期に回復させるという大義のためでした。今回われわれ新聞界がたどった経緯と全く逆です。今回のことを例えれば、“ロッキード”は事故直後の謝り方が悪かった。不備があった上に、“ボーイング”も“ダグラス”も昔よく似たことをしていたとまで言ってしまい、他社が怒って反論した。反論だけでなく、『“ロッキード”の飛行機は危ないから乗らない方がいい、代わりにうちの飛行機を使ってください』とビラをまく社まで現れた。そういう状況だと思います。
 ここから得る教訓は、謝るときは誠意を持ってすっきり謝らなければならない。くどくど言い訳をすれば事態が悪化するということ。悲しかったことは、業界の体質です。業界全体で信頼回復と言いながら、逆行するような振る舞いが一部にあったということです
それに対し、白石興二郎新聞協会長(読売新聞グループ本社社長)は、
先ほど朝比奈さんから『報道の現場はもちろんのこと販売などの現場で』という発言がありました。これは読売新聞の販売現場に対する批判だと思います。ご批判は甘んじて受けるつもりです。8月に朝日が慰安婦問題をめぐり訂正報道をした直後、販売現場の一部が『千載一遇の好機』とげきを飛ばしたことがありました。一部週刊誌で報道された通りです。社長の私も、会長・主筆の渡邉もそういった事実は知らなかったのですが、報告を受け、即刻やめさせました。こうした行き過ぎた販売活動を通じて皆さんにご迷惑をおかけしたとすれば、私から謝罪したいと思います。そういうことはないようにしつつ、競争は競争として、編集も販売もやっていくつもりです(新聞研究から引用)

 読者からすれば「なんのこっちゃ」という話なのかもしれません。でも、新聞各社の経営陣が妙な紳士協定でことを済ませているように映る昨今、指摘するところをしっかり指摘する―という当たり前のことが「少しは機能しているのだ」と業界の内側にいると感じます。
 現場にいるときは筋の通った新聞人でも、経営に携わるようになると嘘つきになる人をいろいろ見てきました。会社員なので「立場」がそうせざるを得ないというのも理解しますが、メッキはすぐに剥がれるもの・・・。人間としての矜持だけは持ち続けたいものです。

▽朝日新聞の問題を考える/新聞社の特権意識が自由な言論を封じている
▽狩猟営業を続けるしかない大新聞社
▽足の引っ張り合いで紙メディア全体の信用が失われている
posted by 今だけ委員長 at 22:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年11月27日

衆議院解散で新聞休刊日は撤回へ

 衆議院解散に伴う選挙の投開票報道のため、12月14日(実際には15日付けの新聞発行)に予定されていた新聞休刊日は「撤回」となりました(「休刊日返上」という新聞社もありますが)。
日経休刊中止連絡.jpg 毎日新聞休刊日変更について.jpg 新聞休刊日についての論考は小ブログでも何度か取り上げてきましたが、宅配網(労基法が定める完全週休が取得できるローテーションの確立)がしっかりできていれば、新聞休刊日は無くてもよいと考えています。でも実際には新聞休刊日が「唯一の休日」という販売店も少なくありません。
 12月の休刊日は私が所属する販売店でも「忘年会」を予定していたのですが、どうしようかなぁと迷っています。いずれにしても12月15日は新聞の店着時間が大幅に遅れるので、スタッフ一同、総動員で配達することになります。
 ◇
 今回の「アベノミクス解散」についていろいろ考えてみたのですが、朝日新聞が11月22日から5回シリーズ(1面肩)で掲載した「問う 2014衆院選」は思わず膝を打ちました。記者のみなさんが執筆された「安倍政権への問い」はとても読み応えがありました。この連載の1篇を綴った知己の一人は「ネット読者からは『負け犬の遠吠え』とか言われそうですが、負け犬根性を脇に置いても、今回の増税延期と解散判断は筋が通らないことばかり。こんどの選挙を、言論の「多様性」を知ってもらういい機会ととらえ、遠吠えを続けたいと思います」とのメッセージを送ってくれました。
▽増税延期と「不都合な真実」 2014衆院選
http://www.asahi.com/articles/DA3S11472098.html

 新聞販売の先輩から教わったことのひとつに「新聞販売業に政治、宗教は御法度」というのがあります。その通りだと思います。ですが、この2年間、安倍晋三首相が講じてきたことを考えると黙っているわけにはいきません。
■平和憲法を手放していいのですか?
 ひとつは、アベノミクスというロジックだけをメディアは取り上げています。経済政策はとても大切なことであることは理解しますが、タカ派の安倍首相は集団的自衛権、特定秘密保護法しかり、自民党の選挙公約でも「憲法改正原案を国会に提出し、憲法改正のための国民投票を実施、憲法改正を目指す」と明文改憲の方針を打ち出しています。問われているのは「平和憲法を手放していいのですか?」ということです。
▽自民が公約発表 改憲原案提出を明記
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-26/2014112601_03_1.html
■広がる格差社会を放置していいのですか?
 ふたつ目が数字のマジックに騙されない―ということです。安倍政権が掲げたデフレ対策や雇用拡大政策はすべて失敗に終わっています。雇用についてもリーマンショック以降、安倍政権下の2年間で“見てくれの数字”は「雇用100万人増」と発表されていますが、実際は非正規雇用者123万人増加し、正社員は逆に22万人減っています。さらに100万人増えた内訳も65歳超のシルバー雇用がその7割を占めているのが実態です。賃上げに関しても名目上、15年ぶりの2%引き上げと報じられていますが、中小企業で働く労働者はその恩恵を受ける状況にありません。非正規雇用者は賃上げどころではないのでうす。格差がますます広がっていく社会に歯止めをかけることも問われていると思います。

 今回の解散総選挙には700億円の税金が投じられると言います。過去の報道では総選挙で生じる経済効果は2200億円だとか…。選挙ビジネスを仕掛ける側に「新聞」の影が過ぎってなりません。そして、解散直後の安倍首相へのインタビューで「軽減税率を導入する(新聞が対象となるかどうか不確定ですが」との明言を引き出す新聞社に違和感を覚えます。「解散総選挙の大義をうまく報じて自民圧勝のお膳立てをしてあげるから、2017年4月からの再増税では新聞も軽減税率の対象にしてね!」というきな臭さが拭えません(もちろん個人の感想です)。そして公明党は「軽減税率」を選挙公約に加えています。
▽軽減税率「17年4月導入」明記=中低所得者に給付措置−公明公約【14衆院選】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2014112700330

 今回の総選挙で新聞をはじめとしたマスメディアの発信力に期待したいと思います。投票率(数)の多いシルバー世代は新聞やテレビで伝えられる情報をもとに投票に行くわけですから・・・

 個人で携わっている「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動を河北新報で紹介していただきました。
河北抄 2014.11.22付.jpg
 これまで、「ワンコイン応援メッセージ」の活動を北海道新聞、神戸新聞、朝日新聞で取り上げていただきましたが、先の「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」の受賞に伴って、河北抄という「夕刊コラム」に取り上げていただきました。
http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20141122_01.html
posted by 今だけ委員長 at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年11月22日

ドラッカー学会に参加してきた

 ドラッカー学会が主催する「第9回 ドラッカー学会 大会in仙台」が15日、仙台市内で開催されました。ふんばろう支援基金の代表理事・西條剛央さんも講演者の一人であることから、学会員ではないのですが「午後の部」(参加費4,000円)へ参加してきました。テーマは「復興とマネジメント〜マーケティングとイノベーションの実践〜」。先行きの見えない日本経済に反映してか、定員を超す参加者で満席でした。備忘録として講演内容を自分なりにまとめてみます。

ドラッカーパンフ.jpg▽企業の目的を明確にすべし
 最初の登壇者はアイリスオーヤマ株式会社・代表取締役社長の大山健太郎さん。昨年執筆された「経営教室〜ロングセラーが会社をダメにする〜」をなぞりながら、「変化に対応する経営」の実践法をドラッカーの考察に照らし合わせながら話されました。アイリスオーヤマは5つの企業理念を掲げています。@会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立することA健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図るB働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくりC顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造するD常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる―。特に「いかなる環境になっても利益をあげる会社になる」という理念を実践している同社は、昨年からお米のビジネスへと参入しています。大山さんは新たなビジネスへの参入も企業理念に照らし合わせて、「本質的、多面的、長期的」にもの事を考えて決断されているとのこと。顧客の潜在的ニーズをキャッチ(ユーザーイン)し、スピードを優先させながら需要を自らつくりあげていく(創造需要)企業の方向性にドラッカーが提唱するマネジメント力を感じました。

▽すべての人間は肯定されたいと思っている
 次に登壇したのが早稲田大学ビジネススクール客員准教授の西條剛央さん。テーマは「日本最大級の支援組織をどうマネジメントしたか?」と題し、自ら立ち上げたボランティア「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動に照らしながら自ら提唱する「構造構成主義」に基づいた方法の原理を説きました。
 ボランティアという組織は「お願い」はできても命令権がないので、頑張りすぎる人にしわ寄せが増えてくるもの。「どうすればよいか」と悩むのではなく、「どう考えればよいか」というのが構造構成主義。目的の抽象度を上げるのが理念であり、企業(組織)理念がお飾りになっているところも少なくない。理念は組織の目的であり、目的がなければただの集団と化してしまう。本質を見失わないことが大切だ(本質観取)。理念とビジョンの違いについては、ビジョンは具体的な将来像(いわゆる下書き)で従業員などが色を塗ってくれるもの。リーダーは的確なビジョンを示すことが大切である。また、「人を集め、人を動かす」には、人間の本質を知ることが重要。すべての人間は肯定されたいと思っているわけだから、否定から入ってしまえばその組織はうまくいくはずがない―「知識労働者はボランティアとして扱わなければならない」というドラッカーの名言は、人間の労働とは体力労働には限界があるものの、方法の本質を見極めながら知識を提供することはボランティアでもあるという解に膝を打ちました。
◇「チーム作り」の最初の本質とは何か?(西條剛央連載 第1回)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141111/423901/?rt=nocnt

▽常に失敗することを人間は願っている
 最後は、作家の岩崎夏海さん。5年前にベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」の著者で、作詞家の秋元康氏に師事し、AKB48のプロデュースにも携わっていらっしゃる方です。「私は講演の際、原稿を一切用意しないようにしている。その場の雰囲気を重んじるために…」と切り出した岩崎さんの講話は、虚飾しない人間の本質を見事に言い当てた内容でした。会場内が「岩崎ワールド」に引き込まれ、メモをとることも忘れて聞き入ってしまいました。なぜ「もしドラ」の続編を書かないのか?この講演を聴いた人にしかわからない(参加した人でもわからない人も多かったはず)逆説的なテーマを参加者が与えられたような気がします。
◇岩崎夏海がとある高校で2014年11月6日に講義を行った!(1/5)
https://www.youtube.com/watch?v=qdmq0oWCDo8

posted by 今だけ委員長 at 11:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年10月12日

新聞週間が15日からスタート 真摯に生活者の声を伝えてほしい 

 大型で非常に強い台風19号が日本列島を通過する予定の15日、社団法人 日本新聞協会が主催する第67回新聞週間(新聞界のメーンイベントだそうです)が始まります(21日まで)。
posuta-.jpg 全国各地で講演会や新聞のPR活動などが行われる予定ですが、メーン会場となる新潟市内で開催される第67回新聞大会(会場=ANAクラウンプラザホテル新潟)での研究座談会「新聞界の直面する諸課題―新聞の信頼回復と経営力強化のために」のメンバーがスゴイ。読売新聞グループ本社社長(新聞協会会長)の白石興二郎氏がコーディネーターを務め、木村伊量(朝日新聞社代表取締役社長)、朝比奈豊(毎日新聞社代表取締役社長)、小田敏三(新潟日報社代表取締役社長)、高士薫(神戸新聞社代表取締役社長)の4氏がパネリストという新聞経営者の座談会ってどんな展開になるのか興味があります。

 朝日新聞の「W吉田問題」に触れるのかなぁ…とか期待してしまうのですが、まぁ予定稿通りにまとまるのだろうと思います。また、8日から与党税制協議会で本格的な議論がはじめられた軽減税率に対して、新聞・書籍へ適用を求める声明が出されるのでしょう。

読売社説 2014・10・12.jpg 「新聞週間」の口火を切って、けさの読売新聞は「やはり軽減税率が不可欠だ」との社説を掲載しています。戸別配達率と軽減税率、豊かな国民生活の維持に欠かせない公共財と軽減税率、海外の事例と日本の現状…。たとえ話はいろいろあるだろうけれど、対象品目を絞るべくは生活者の視点が欠かせないわけです。業界団体の運動だけを報じないで真摯に生活者の声を伝えるべきじゃないかと思います。

▽「消費税10%」 やはり軽減税率が不可欠だ(読売新聞 10/12付)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20141011-OYT1T50142.html?from=yartcl_blist
posted by 今だけ委員長 at 14:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年10月07日

まわりが騒いでも変わりようのない新聞産業

東洋経済.jpg 久しぶりに「新聞・テレビ動乱」という見出しにそそられ?て週刊東洋経済を購入しました。この類の雑誌を5年前までは必ず購入していたのですが、最近はネタも乏しく手に取ることすらしませんでした。このほか週刊ダイヤモンドでも毎年、マスメディアの崩壊を伝える(予言)特集が組まれる号は、超〜売れるそうです(新聞関係者が買い占めているのかも)が、「ワンパターン」、「ツッコミも不十分」というのが飽きてきた原因。今回の12ページにわたる特集も内容は5年前(もっと前からかも)とほぼ変わりないと感じました。それだけ新聞産業も「変わりない」のだと思います(まわりは変わっているのですが…)。

 河内孝さんの寄稿は販売店の流通システム崩壊危機と経営破綻、夕刊問題などに触れて、販売現場の実情を取材していると感じる一方、“モヤモヤ感”も残りました。「新聞販売店は優良店であっても10%前後の予備紙(在庫)を抱えている。まして経営破綻に瀕した店には不良在庫が多い。引き継ぎ店のないまま消滅されると、実読者数を上回る発行部数減を発行本社にもたらすのだ」とは新聞社の目線であって、新聞産業としてこのような誤差をどうクライアントへ説明するのかといった本質的なところには踏み込んでいません。やはりモヤモヤだなぁ―という感想です。

三河屋さん.jpg 唯一、目を凝らしたのが「販売店は“三河屋さん”たれ」という囲み記事。全国に1万8000店ある新聞販売店の生き残りのヒントがマンガ「サザエさん」に登場する御用聞きの酒屋さんにあるとGEE&BEE代表の青木慶哉氏の取り組みが取り上げられています。今月から大手コンビニと組んで販売店が商品宅配をする事業も開始するのだとか。下降線をたどる新聞産業ではありますが、やり方次第ではまだまだ多くの可能性があるということであり、経営者が「ビジネス」、「ビジョン」をどう捉えるかの問題ですね。
* * *
 新聞販売店をサポートするMIKAWAYA21主催の「女性スタッフの活用セミナー(テレマシステム)」が5日、仙台市内で開催され今だけ委員長も参加してきました。もちろん個人として「自腹」での参加です。少人数のセミナーだったこともあって、とても得るものが多かった内容でした。

 講師を務めたのは前出の青木慶哉氏。青木氏は「販売環境が厳しくなっているなかで『現読者満足度をあげる』とは聞こえはよいが、それだけではダメだ。入れカードを増やさないと部数は減っていくだけ。諦めている人が多い新聞販売現場の中で、やはり勝ち組として残っていかなければならない」と切り出し、「売る人を育てる仕組み」(誰もが同じ結果を出せる営業手法、トレーニングシステムの確立が大切。「このスタイルで売れ」と従業員へ指示することが店長・経営者の仕事)や読者を増やす具体的な手法について言及。女性スタッフの導入とテレマーケティングによる効率的かつ時代にあった営業スタイルなどについてうかがいました。

 新聞販売店(販売会社)には店長はいるけれど経営者はいない―。与えられた枠の中でしか事業ができないことの例えのようです。サントリーホールディングスの社長としてローソン会長の新浪剛史氏が就任されたように経営者はその仕事のプロではなく業績をあげるプロであることは言わずもがなですが、新聞社が株主のような契約関係になっている販売店では店長の域は超えられないのかもしれません。

 でも、出来ることはまだまだあります。高齢化社会に対応する事例としてMIKAWAYA21がそのノウハウを提供する「シニアサポート」は、この半年間で200店舗増えたそうです。時代にあった顧客ニーズに対応できる組織と人材が「勝ち組」として生き続けられるのだとあらためて感じました。
posted by 今だけ委員長 at 07:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年10月01日

処分に屈するような新聞記者は潔く辞めるべし

 朝日新聞の「吉田調書記事取り消し」問題で、191人の弁護士が朝日新聞社の木村社長と「報道と人権委員会」に対して、取材した記者を不当に処分しないよう求める申し入れ書を提出しました。
 ネット上では朝日、産経と一部のネットメディアでアップされているようですが、たとえ処分されたとしても記者が委縮して、報道の自由が損なわれるような状況になったとすれば(そんな弱腰の人では)、その記者はそもそも職業選択を誤ったと思うし、権力におもねる新聞社は「死」する以外ないと感じます。

 第二次大戦中の大本営に屈した新聞社は、過去の反省に立って報道機関としての役割を担っていると多くの読者は思っているのですから、ちゃんと「仕事」してください。
(押し紙問題もしっかりやってもらいたいんだけどなぁ)

「吉田調書記事」問題/「記者の不当処分避けよ」弁護士ら朝日に申し入れ

 朝日新聞社が「吉田調書」の記事を取り消した問題で、挟山事件で再審請求を求めている中山武敏氏ら弁護士9人が9月26日、同社の木村伊量代表取締役社長と「報道と人権委員会」に対し、現場の記者らを不当処分しないよう求める申し入れ書を提出した。記者を委縮させ、報道の自由を損なうことにつながるとの懸念を示した。
 発起人は中山弁護士。梓澤和幸氏、宇都宮健児氏ら人権・報道問題に関わる弁護士が申し入れに名を連ねたほか、191人の弁護士が賛同した。
 吉田調書報道について、「『命令違反で撤退』したかどうかは解釈・評価の問題」であり、「所員に福島第一近辺に退避して次の指示を待てと言ったのに、約650人の社員が10`南の福島第二原発に撤退したとの記事は外形的事実とは大枠で一致している」と指摘。朝日の報道をきっかけとした吉田調書公開の意義は大きく、事故現場での絶望的な状況や混乱が「所長の命令違反で撤退」との表現につながったとして、記事全体を取り消さなければならないほどの誤報とはいえないと訴えた。(新聞協会報 2014年9月30日付)

▽「吉田調書」報道の記者を処分しないで―朝日新聞に弁護士が「申入書」提出(弁護士ドットコムより)
http://www.bengo4.com/topics/2100/

posted by 今だけ委員長 at 19:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年09月19日

足の引っ張り合いで紙メディア全体の信用が失われている

朝日新聞社 ご愛読のみなさまへ深くおわび申し上げます.jpg 自宅で購読している朝日新聞に「ご愛読者のみなさまへ深くおわび申し上げます」というプリントが折り込まれていました。丁寧な対応にいろいろな思いを巡らせながら、もっと早めにやっておけば…と感じました。
 誤りはしっかり検証して謝罪、訂正すべきですが、だからと言って生活者が朝日新聞に期待しているであろう「権力の監視」の手を緩めるようであってはいけません。安倍政権の広報紙とも思えるようなY紙やS紙(スポーツ紙じゃありません)の攻勢など相手にせず、おもねらない紙面で信頼を回復してもらいたいと思います。

産経PR版.jpg 地上戦ではここぞとばかりに朝日読者を切り崩そうとY紙、S紙が朝日バッシングの宣伝版を大量にポスティングしているようです。生活者の反応はというと「醜い」のひと言。
▽真実を探すブログより
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3834.html
* * *
 きのう、フェイスブックで以下のブログをシェアしたところ、尊敬する方からコメントをいただきました。
▽朝日新聞叩きで紙メディア全体の信用が失われている(Taejunさんのブログより)
https://note.mu/taejun/n/n9323a566b17c
(諸兄からの返信)
朝日新聞をかばうつもりは寸毫もない。
しかし、朝日叩きを見ていると反吐が出る。
この問題に限らず、何かを、誰かを、そして他国を叩くことによって、自らの優越感を得るような風潮が蔓延してきていることに大きな危惧感を覚える。
Facebookがそのような風潮を拡大する場と成っていることにも不快感を覚える。

「日本のメディア全体の信用が問われている」という指摘は的を射ていると思う。

(本文より引用)
朝日を叩いているメディアのうち、結構な数が、(おそらく当の朝日よりも)トンデモ記事をより多く日々量産している。起こっている事態を100歩くらい離れて遠くから見ると、「目くそ鼻くそを笑う」を壮大なスケールで行っているわけで、結果として読者の目に明らかになるのは、「紙メディアってどこも信用できないんだね」ということだ。

 フェイスブックなどのソーシャルメディアによって『問題点の本質を整理せずに』拡散・シェアすることは、情報提供の機会を増やすことよりも「やじ馬」を煽るだけにしかならない―と受け止めました。
 感覚でものごとを判断するのは大人げないことであって、インターネットで発信していくことの責任というか、情報リテラシーの重要性を指摘してもらいました。情報リテラシーの習熟に努めながら、やじ馬にならないよう販売現場からの真実をこれからも発信していこうと思います。
posted by 今だけ委員長 at 21:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2014年09月05日

朝日新聞の問題を考える/新聞社の特権意識が自由な言論を封じている

 今月の新聞研究(2014年9月号)をながめていたら、日刊工業新聞社論説委員の加藤正史氏が随想コーナーへ寄稿された「神童と特権意識」が目にとまりました。
〜特権は人を腐らせる。おそらく例外はない。人生の早い時期に甘美な経験をした私は、その抗しがたい魔力を知っている。成人して、あるいは老成して特権にたどりついた人が、無残なほど脆く魔力におぼれていく姿を、同情をもって見ている。
社会には、特権を許してしまう環境がある。たとえば大臣に接する官僚の言動だ。あんな態度のスタッフばかりに囲まれていたら、1年を経たずして、どんな大臣でも自己規制のタガが外れてしまうのではないか。長期にわたって企業に君臨する経営者もまた、同じであろう。
腐ってしまう人間より、人を腐らせてしまう環境が憎い。ささやかながら、そうした思いが拙文の背後にある。

 この数日間、ネット上で物議を醸しだしている朝日新聞の従軍慰安婦報道(の誤り)から派生した池上彰氏のコラム見送り(数日遅れで掲載)や週刊新潮の広告の一部を伏字にして紙面掲載した問題。
▽(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証(9/4 朝日新聞)
▽<朝日新聞>週刊新潮広告、一部黒塗りへ(9/3 毎日新聞)

 今だけ委員長は、朝日新聞社内の特権的なおごりが出てしまったのではないか―という印象を持ちました。あと、実は打たれ弱い新聞社の体質というものを感じました。従軍慰安婦問題の報道の誤りに対して、さらに踏み込んだ検証を期待していた読者も少なくないのに「火消し」の方に目が向いてしまったと映ります。

週刊新潮 9月11日号.jpg ミスを犯さないために、またミスを犯してしまった際の事後対応を適切に実行するための関連部署や経営に携わる人たちの議論、または経営トップへどのような進言をしたのかが問われます。
 池上氏のコラム見送りの件では同社の記者がツイッターを通じて「もし本当なら言論機関の自殺行為だ」、 「多様性のある、自由な言論は朝日新聞の生命線じゃなかったの?現役記者として危機感を感じます」などの批判的な投稿があったことも影響しているかもしれませんが、結局は池上氏へ謝罪しコラムを掲載するという顛末をたどりました。
 この記者たちが書いたツイートには、新聞社という言論機関が機能不全に陥らないよう危惧する現場の声を強く感じるわけです。この意識がなくなり利益を上げるための企業に新聞社がなってしまったら、「終わりだな」と一読者として思います。

 ネット上では朝日新聞への罵詈雑言が絶えません。建設的な意見も発信されていますが、「朝日叩き」をライフワークにしている人たちの発信を興味本位で拡散する輩も増殖しているように感じます。
 読売新聞は朝日を批判する週刊誌の広告を破格のスペース(6/12段)で掲載。「慰安婦報道検証・読売新聞はどう伝えたか」という朝日批判のリーフレットを作り販売店が各戸へ配布するなど、ここぞとばかりに攻勢をかけています。
▽読売新聞、朝日の慰安婦報道検証で攻勢 チラシを各戸配布(9/2 edgefirstのブログ)

 でも、朝日新聞(朝日新聞の論調)がなくなってもいいのか?と考えるわけです。読売、産経の論調を支持する人たちが増えてナショナリズムへ突き進む様を静観しているだけでいいのか?と強く感じるのです(対極として)。ときの政権というか、権力者が行おうとしていることを冷静に判断する材料を提供してくれる報道機関の存在は欠かせないのであって、新聞というメディアはその最後の砦だと思うのです。
 「そんなことは国民一人ひとりが考え、決めればよいこと」という当たり前の意見もあるでしょうけれど、そこは冷静に現実を考えたいものです。過去の過ちを繰り返してほしくないと思っているから、そう願っています。

 前出の加藤氏の随想のように、朝日新聞は特権意識が強くなりすぎているのかもしれません。そう勘違いされている人が下す判断がときには取り返しのつかない問題を生んだり、従業員のモチベーションを損ねたりするものです。そして、特権を得た人や組織へ忠言してくれる「人」が大切なのであり、耳を傾ける器量が必要なのだと思います。
 朝日新聞社には反省すべきところは反省され、引き続き自由な言論機関としての活躍を期待しています。
posted by 今だけ委員長 at 07:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年07月13日

デジタルから収入を増やす方法を見つけなければ

 新聞販売店にとって嫌な季節になりました。そう「梅雨」の時期は新聞は濡れるは(濡れないようにラッピングする経費もかさむし)雨カッパを着用しながらの配達は「サウナ状態」で体力は消耗するわでイイとこなしであります。

 最近は業界関連の動きにとても疎くなっているのですが、7月10日発行の「中央協だより」でこんな記事を見つけました。
 平成26年6月度中央協(6月19日開催)は、新聞本紙と電子サービスを組み合わせて販売する際、タブレット端末を無償もしくは無料提供することは、原則、新聞公正競争規約上の景品類にあたることを確認しました。各社から上記のような販売方法に関する規約上の扱いについて問い合わせがあり、規約研究会での検討を経て消費者庁に確認の上、中央経に上申されました。この項目は、25年12月度中央協で了承された「電子サービスの新聞公正競争規約上の扱いに関する見解Q&A」に追加されることになります。
▽タブレット端末の無償貸与、無料提供は規約上の景品
Q.新聞本紙と電子サービスの組み合わせ販売に際し、「購読者に対してタブレット端末を無償貸与」もしくは「無料提供」と表示して行う企画は、規約上どのような扱いになりますか?
A.上記のような表示を行った場合、タブレット端末の貸与および提供が消費者に景品類であると認識されますので、新聞景品制限国時・新聞公正競争規約が適用されます。
 タブレット端末の無償貸与は、相手方に「タブレット端末のレンタル」という経済上の利益を提供していることになります。新聞本紙と電子サービスの組み合わせ販売の購読者に対して、タブレット端末を無償貸与することは、新聞本紙と電子サービスの取引に付随した景品類となり、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用されます。価額の算定に際しては、同端末のレンタル料の市価を参考に算出されることとなります。
 また、タブレット端末を無料で提供する場合も、上記の無償貸与と同様にタブレット端末の提供が消費者に景品類であると認識された場合には、取引に付随した景品類となり、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用されます。(6/19 第629回中央協)

aipaltudo.jpg 要は新聞社もしくは新聞販売店が「新聞を購読してください。今だと月極購読料(3,093円)に1,000円プラス(もしくは定期購読者無料)でするとデジタル版も読めます。デジタル版を読むデバイスとしてiPad(アイパット・Apple)をプレゼントします」というケースのことを指していると思うんですが、iPadをタダでもらってもネット回線につながなければ“ただの箱”なので無線ルーターなどの端末をすでに持っているユーザー以外は、月々の回線使用料がかかります。なので、新聞社もしくは新聞販売店(というか新聞業界)がタブレット端末を新聞定期購読のための景品(拡材)に利用するというのはあまり現実的ではないと思います。
 逆にタブレット端末を販売し、回線使用料で利益を得るというビジネスを展開している企業が、(最低契約期間中)新聞デジタル版をオマケに使うというケースの方が現実的かもしれません。朝日新聞とPC DEPOT(ピーシーデポ・関東圏を中心に全国展開中のインターネットデバイス・ネットワーク総合専門店)のコラボ企画で、kindle(キンドル・Amazon)やiPadの端末と「3年間の定期購読」を条件に朝日新聞デジタル購読料金のみで端末を提供されています。

 「ネットはオールドメディアが圧勝」とニコニコ動画などを運営するドワンゴの川上量生会長は語っていますが、新聞業界もデジタ分野での収入をどう上げていくのかが大きな課題。「紙の収入だけで行く!」というのであれば、もっとデジタル部門へ提供するコンテンツを制限せよ―などの唸り声が販売陣営から聞こえそうですが、現実的ではありません。アルビントフラー的に言えば「情報(収集)革命はまちがいなく起きている」わけで、そのような環境の中で紙の新聞を読むよさを生活者に見出してもらわないといけないわけです。
 新聞協会報7月8日付けで毎日新聞デジタルメディア局長の岩沢武夫さんがトリノで開かれた第66回世界新聞大会の報告で以下のように述べています。
 「25億人が新聞を紙で読み、電子版の読者も8億人に上る。しかし新聞社の収入の93%が紙から発生している。デジタルから収入を増やす方法を見つけなければ、新聞は社会的役割を果たせなくなり、結果として民主主義の弱体化につながる」。世界新聞大会のでの年次報告で世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)のラリー・キルマン事務局長は警笛を鳴らした。デジタル購読者は着実に増大しているが、その勢いに収益が追いついていない、そんな悩みを世界共通で抱えていることを改めて共有した」
 現実をしっかり見つめ、発想の転換をしていかないと産業は衰退していくばかり・・・。先輩たちが築いてきた基盤に敬服しつつ、「エイヤー」で乗り切った精神論ではもう通用しなくなっているのになぁと。誤解されないように言っておきますが「紙」の読者をしっかりサポートするのが販売店の仕事であると同時に、販売店も
時代の向きに対応していかなくちゃいけないということです。しがみつくだけじゃオモシロくないですからね。

▽ピーシーデポオリジナルセット/3年定期購読(限定300セット)
http://www.pcdepot.co.jp/campaign/asahidigital.html
▽ピーシーデポオリジナルセット(限定300セット)※コチラは受付終了
http://digital.asahi.com/info/pcdepot_kindlefire/

posted by 今だけ委員長 at 18:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年06月22日

紙面段数15段から12段へ 6年で移行社倍増

10468365_10202727863095565_1332845958196558225_n.jpg 定期購読している朝日新聞の折込チラシをながめていたら(枚数のチェックはしているのですが)、「オーダースーツの販売会」というフライヤーが入ってました。朝日新聞販売店会が主催。「このチラシご持参で1000円割引」という仕掛けもベタではありますが、既製のスーツ(礼服)がフィットしなくなってきたシルバー世代へ「朝日読者への特典」ということでかなりリーチできていると思います。

 新聞販売店の副業ではなく「複業」について思案しているところですが、ミニコミ紙の価値をあらためて見直すべきではないかと感じているこの頃です。新聞と一緒で“モノ”として発行されるアナログメディアのミニコミ紙は、その企画や登場する人物によってよりローカル色の強い媒体としての価値を秘めています。シルバー世代は言わずもがなですが、無読者層が広がる子育て世代の懐へ入り込みチャンスは少なからず「ある」と感じます。また、(チョット飛躍しますが)全国の販売店が発行するミニコミ紙をネット上でクローズ管理し、登録した販売店が顧客の出身地域のミニコミ紙を販促ツールとして活用することもできますね。
 販売店の持ち出しもなく、公益社団法人日本新聞販売協会(日販協)に取りまとめをしていただいて(サーバー管理など)このような販売促進ツールの開拓も検討してもらいたいものです。
* * *
 新聞協会報(日本新聞協会・毎週火曜発行)の6月17日号によると紙面を12段制へ変更した新聞社の方が従来の15段制を続ける新聞社を上回ったと報告されていました。(一部引用)
 新聞協会技術委員会はこのほど、新聞各社が発行する紙面の段数状況に関する調査結果をまとめた。今年4月時点で12段制を採用しているのは51紙で、前回調査時(2008年)の29紙に比べ、22紙増えた。
 12段制については、読売が07年末から08年初めにかけ、協会加盟の主な社に対し、文字拡大が全ての新聞社の課題だとして移行を検討するよう要請、共に研究を進めてきた朝日のほか、産経や地方紙などが移行した。
 12段制導入に向けた動きは昨年末から今年にかけて再び活発化した。13年11月に西日本が移行。今年に入り以下の社が12段制に移行している。
 1月=中日(東京、北陸中日、日刊県民福井)、北國、宇部日報、2月=中国、3月=日刊スポ、北海道、室蘭、下野、新潟、福井、山陰中央、4月=中部経済、京都、山陽(引用終わり)

新聞各社の段数.png 「12段・大文字」の新聞に切り替えた読者へ再購読のアプローチをすると(ほとんどが購読中止の申し出があった時点で契約終了の翌月からの契約締結をしますが)、「読みやすい」という返答は間違いなく多いものです。ほかの新聞を読まなければ現行の段数(文字ポイント)に慣れているし、特に文字の大きさは感じないのかもしれません。でも、購読者の多くがシルバー世代であることを考えると「文字の大きさ=読みやすさ」であることは間違いないですね。
 「文字ポイントの拡大は早急にやるべき」。このような提言を何年前からしてたかなぁと忘れてしまうくらいですが、「12段・文字ポイントの拡大は紙面の記事量を制限(少なくなる)することにつながる」という回答をもらったことを思い出します。まぁ、新聞社からすると文字の大小は二の次なわけですが・・・。

▽機能せず国連化する新聞協会を尻目にG7ならぬG3化を極めるANY(2008年01月22日)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/79980574.html
▽メガ文字で新聞離れを止められるか(2008年02月17日)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/84546756.html
posted by 今だけ委員長 at 17:22 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2014年06月11日

Amazonで新聞が売られていた?

 昨夜、なにげにamazon.co.jpをながめていたら、新聞紙というカテゴリーを発見。入ってみると
アマゾン 古紙.jpg
 “新聞紙 (新古・未使用) 1束(15kg) 【引越・荷造の包装材・緩衝材として】”という品目で販売されていました。価格は2,400円(1キロあたり160円)。「引っ越しや荷造りの包装材・緩衝材、また隙間埋め材として最適」と紹介されてます。

 販売店(もしくは即売会社?)からの残紙が古紙回収業者だけでなく、販売目的の会社(K MART)へ流通しているというのはさすがに驚き。画像ではさすがに題字を消していますが「A新聞」というのはバレバレです。

 新聞販売業を生業にしている方の感じ方もさまざまだと思いますが、正直「ここまできたか」と、とても切ない気持ちになりました。

posted by 今だけ委員長 at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年06月08日

生活サポートを活用した新聞の新しい営業スタイル 新たな仕組みを導入しても結果は「やる気」に比例する

 梅雨入りした仙台から新幹線で2時間あまり北上し、青森市で開催された新聞販売店向けのセミナー(「Gee&Bee×新聞情報社」コラボセミナー全国ツアー2014青森大会)を受講してきました。所属する会社から派遣されたセミナーなので、その内容について個人ブログでは語りませんが(後々面倒なので)、講師の青木慶哉さん(株式会社Gee&Bee代表取締役)のプレゼンはとても歯切れがよく感銘を受けました。
Gee&Beeセミナー.jpg 青木さんとお会いするのは2回目ですが、いまや多くの新聞社、販売店からの講演依頼でお忙しいのもよくわかります。新聞産業が抱える問題点を的確に整理され、販売店の強みを活用した実現可能な施策を示し「あとは、やるかやらないかです」と・・・。

 会場には20名ほどの販売店経営者の方がいらっしゃっていたのですが、「発行本社の(自主的な業務展開に関する)縛りがねぇ」とおっしゃる方が少なくありません。副業をするのではなく「複業」をすることで読者の維持獲得に結びつくというアクションプランは(新聞社の方々も)理解できても「(新聞社の方々の)掌握できないことをされるのは許さない」というのが“いまの販売事情”なのでしょう。
Gee&Beeパンフ.jpg @これまでの成功事例にしがみついて精神論でもって生き残りの道を模索するか、Aテクノロジーの進化を見極めながら事業を再構築していくのか、Bもしくは、両極端な発想ではなく新聞と親和性の高いシルバー世代へ応分のサービスを提供し、客単価をあげていくか。私の立ち位置などを考えるとBに注力せざるを得ないと思っていますが、@を選択する人は間違いなく自分のことしか考えていない(自分が定年するまでその企業が持てばよし)となりますね。
 青木さんが提唱するような新しい営業スタイルを導入しても経営者や実践する従業員に「やる気」がなければ成功するはずもなく、「どうせダメなシステムだ」となってしまうもの。じつはモチベーションがすべてのことに大きく関わってくるのですが、自由度のない抑制された企業でモチベーションを高め安定させることは難しい。顧客に感謝されたり、自分の実績を褒めてもらうことが人の“やる気”をあげるのであって、賃金だけではないと感じています。

 2009年にリリースされた「マイクロソフトが描く2019年のITビジョン」をあらためて観ると、スマホやタブレットPCの市場へ電子ペーパーがこれから盛り返すことができるか興味もあります。新聞のような一覧性や持ち運びに長けた新聞の電子版を読むデバイスとして電子ペーパーの実用性についてはまだ伝わってきませんが、これからの動きを見ていきたいと思います。

(あまり悲観的なことを発信すると“よろしくない”と業界内部の方々からお叱りを受けるのですが、ネガティブな問題にフタをしておくことこそ自殺行為だと思うのです。メディアの内側にいる人の中には、自分たちの情報操作によって何とでもなると勘違いしている方も少なくないように思っています。もっと現場に目を向けてもらいたいですね)

* * *
 私が昨年4月から代表を務める「ふんばろう宮城プロジェクト」の母体でもある『ふんばろう東日本支援プロジェクト』(代表 西條剛央さん)が6月2日、世界で最も歴史あるデジタルメディアのコンペティション・ゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)を獲得しました。

▽国際コンペで最優秀賞 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(河北新報 6/5付)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140605_73011.html
▽すんごい賞をいただいたようです!(ふんばろう宮城PJブログ 6/4付)
https://kacco.kahoku.co.jp/blog/volunteer25/50599
【Prix ArsElectronicaとは】
 オーストリアにある文化機関「アルスエレクトロニカ」が主催する国際コンペティションで、「アート・テクノロジー・社会」をテーマに、社会を動かすイノベーティブなアイデアや取り組みを世界各地から選出し奨励することを目的としたものです。その最高賞であるゴールデン・ニカ賞は「コンピューター界のオスカー」とも呼ばれているそうです。
 日本でのゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)の受賞者には、坂本龍一さんが1996年にinteractive musicの部門で受賞するなど何人かの受賞者がおりますが、コミュニティ部門でのゴールデン・ニカは国内初受賞とのことです(他の部門をあわせても日本での最優秀賞受賞は7年ぶりとのこと)。
 このコミュニティ部門では、過去、Webの創設にあたるWWW(World Wide Web)や Wikipediaがゴールデン・ニカを受賞、WikiLeaks が準グランプリを受賞するなど、実際に、その後世界を変えてきた枠組みに対して与えられてきたものです。

【西條剛央代表のメッセージ】
 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は明確な境界をもたない市民意思機能です。
 この受賞は、これまで無償のボランティアとして昼夜を問わず運営を支えてくれた3000人にのぼるスタッフや、自ら被災したにもかかわらず立ち上がった現地のボランティア、定期的にご寄付いただいている1000名以上のサポータークラブの皆様、協力してくださった70社以上の企業や団体の皆様の御尽力はもちろんのこと、サイトやAmazon、ECサイトを通して物資や家電を送ってくださった何万人という皆様、TwitterやFacebookで情報を広めてくださった何十万人という皆様、温かく見守ってくださった皆様、陰ながら協力してくださった皆様、また真摯に改善点を指摘してくださった皆様も含め、協力してくださったすべての方々のおかげに他なりません。
 あの日から3年以上が経過し、多くの困難を乗り越えてきた今、みなさま全員とこうした栄誉と喜びをわかちあえることをとても嬉しく思っています。
 そして、だからこそ、原点に戻ることの大切さも感じています。

 先日、74名の子ども達の命が失われた大川小学校のご遺族でもあり、スマートサバイバープロジェクトという新たなプロジェクトで一緒に活動している佐藤敏郎さんが、韓国の沈没事故のご遺族に向けて手紙を書かれました。(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/17501.html)以下はその一節です。
 「あの子たちの犠牲が無駄になるかどうか、それが問われているのは生きている私たちです。小さな命たちを未来のために意味のあるものにしたい、それが、三年かかってようやく見つけた私にとってのかすかな光です。」

 震災をただの悲惨な出来事で終わらせてしまうのか、そこに新たな意味を見出せるのかは、やはり僕らのこれからの行動にかかっているのだと思います。
 あらためて関連死も含め亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、震災の教訓を活かした防災教育などの活動も視野に入れながら「目指すべき未来」に向かって一歩ずつ進んでいければと思っております。
 今後ともどうぞよろしくお願いします。
 2014.6.3.
ふんばろう東日本支援プロジェクト代表・早稲田大学大学院客員准教授 
西條剛央

※以下はアルスエレクトロニカにて発表されたプレスリリース用の文章を和訳したものです。
http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/201406030001/
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」
:構造構成主義とSNSを用いた危機的状況に即応する自律型クラウドソーシングモデル
-
2011年3月11日。東日本はマグニチュード9.0、1000年に一度といわれる超巨大地震に襲われた。津波により沿岸は400kmに渡って壊滅的な打撃を受けたことに加え、福島第一原発事故も発生し、日本人は未曾有の複合災害によって国家的危機に陥った。震災による死亡者は15,861人、行方不明者2,939人にのぼった。さらにその後の長引く避難生活や震災の影響によって2916名が死亡し、合計21,716名もの尊い命が失われた (2014年6月現在) 。
-
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(以下「ふんばろう」)は、危機的状況に対応するために、西條により体系化された哲学(構造構成主義)といくつかのソーシャルネットワークサービスを活用した自律的なクラウドソーシング・プラットフォームであり、それによって市民が自律的につながり、様々なプロジェクトを迅速に生み出すことが可能になった。
-
「ふんばろう」はテーマ別の支援活動に特化した各プロジェクトと、岩手、宮城、福島といった3つの前線支部、その他全国の都市にある後方支部からなっており、プロジェクト、支部、運営チームの総数は50以上にのぼる。それぞれが効果的に連携することによって「ふんばろう」は日本最大級の支援組織へと成長していった。
-
西條はプロジェクト立ち上げた時点で、次世代のモデルとして世界に広がることも視野に入れて、Fumbaro Japan Modelという別称も与えた(そのためTwitterアドレスは@fjm2011となっている)。そして実際に、大雨や土砂災害などの大規模災害が発生した際にも対応するより汎用性の高いモデルとしてその方法論が活用されている。
-
「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、震災直後の緊急支援物資提供活動から立ち上がった。当初、この想定を大きく超える巨大地震によりあまりに広域にわたり壊滅的な打撃を受けたため、行政による被災地の状況把握は困難を極め、必要な支援を行うことも困難な状況であった。そのため、全国から届けられる支援物資は中小規模の避難所や個人宅に残された人々の元には届かない状況が多く見られた。あるいは、その現場の人々のリアルなニーズとは異なる物資が届くという状況が多くみられた。(例えば、ある時電力が途絶え孤立したある避難所が本当に必要としていたのは、大量に届く服や絵本のかわりに、暖をとるために木を切るチェーンソーだったりした、等。)被災したエリアはあらゆるものが流されており、車もガソリンもないため移動は困難で、パソコンやインターネットも使えず、被災者が自分達でできることは極めて限られている状況であり、避難所ごとに必要としているものは異なり、また変化していく中で、支援物資のマッチングは困難を極めた。
-
西條は現地に入り、その場のリアルニーズを把握することからはじめ、ソーシャルメディアなどの既存の利用可能なシステムを、ブリコラージュ的にすぐさま組み合わせて活かすという方法論を瞬時に立ち上げることで、こうしたミスマッチングの問題を解決していった。
-
当初、彼は壊滅した地域に行き、それぞれの地域で本当に必要としているものを聞く活動からはじめた。彼は被災していないエリアに戻ると、翌日すぐにホームページを作り、それぞれの避難所で被災者が必要としているものをホームページや彼のブログに掲載した。そして彼のTwitterにそのHPのURLをリンクして、小さな避難所や個人避難宅では物資を受け取ることができないことや、その時点で被災地で必要としている物資の情報を拡散した。というのも直接Twitterに必要な物資を書き込んでしまうと、Twitterが無限に拡散することにより必要なくなった物資が避難所に届き続けてしまうという弊害が起こるためだ。そのためその都度情報を更新できるHPに情報を書き、それをTwitterにリンクして広めたのである。それをみた人はそれぞれの避難所に直接物資を送る。どこに何をどれくらい送ったかだけ報告してもらい、必要な物資の数を減らしていき、すべて送られた時点でその物資を消す。そうすることにより必要以上に物資が届くことを防ぐことを可能にした。
-
こうして、彼は、現地での聞き取り、電話、宅急便、情報を随時更新できるブログやホームページ、拡散力のあるTwitter、インターネット上の販売サイト(EC)等といった既存のインフラを組み合わせることにより、必要な物資を必要な量だけ必要としている人に直接届ける新たな仕組みを開発したのである。
-
しかし、東北のどこにあるかもわからない何千という避難所を一人で訪ねるのは不可能である。そこでどうしたのか? 彼は、HPからふんばろうのチラシをダウンロードできるようにして、必要物資を届けながらふんばろうの仕組みを伝える営業マンになって欲しいと呼びかけたのである。そして呼びかけに応じた人がそれぞれ独自の判断で動き始めた。物資を届けるときに現地で必要な物資を聞き取ってくると同時に、そのチラシも一緒に渡してもらうことで、避難所から直接ふんばろうに電話できるようにして、継続的なサポートが可能な避難所を何十箇所、何百箇所と広範囲に渡って急速にカバーしていったのである。
-
それによって、震災から1年弱の間に、行政の支援が及ばなかった東北の小規模避難所や仮設住宅、個人避難宅エリアなどを中心に3,000カ所以上に155,000品目、35,000回以上におよぶ物資支援を実現させた。さらに、amazonのwishlistなどの既存システムを援用するアイデアを応用し、55,000アイテム以上の支援を実現した(*2013年度までの動物班の実績も含む)。さらに全国の自治体は被災地に物資を被災していない全国の自治体の倉庫の中でマッチングできずに送り先を失った大量の物資と、被災エリアで必要としている避難所とをマッチングすることで、4tトラック200台分以上もの物資を被災者に届けた。
-
さらに、上記に示された膨大な実績を遥かに上回る意義がある。というのも、支援者は宅配便に自分の住所や電話番号を明記する形で個人や避難所に直接物資を送るため、支援された人は誰から支援されたかがわかる。するとお礼の電話がいくようになる。支援者は被災された方々の生の声で、いかに厳しい状況かを知り、また自分の支援がいかに役立ったかを知る。するとその支援者はさらなる支援を行う。またふんばろうの仕組みを通さずに直接支援するようになったり、現地に直接物資を持ってボランティアに行ったりするようになる。この仕組みは支援者と被災者をつなげて、深い絆を育むきっかけを提供することも意図していたのである。
-
このように、従来のトップダウン型の仕組みが機能しない緊急事態において、支援者と被災者をつなぐことによって、結果として精度が高く心が通う被災者支援が自己組織的に成立する仕組みを構築したのだった。
-
こうしたボランティアによる自律的な支援プロジェクトが生まれた理由は、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げた早稲田大学の西條剛央が約10年前に体系化した「構造構成主義」という考え方が市民ボランティア内で共有されたことによる。その都度「状況」を判断しながら「目的」を実現するための有効な「方法」を打ち出していくという構造構成主義が唱える「方法の原理」という考え方が、市民ボランティア内に浸透していくことで、さらに現場で生まれる新たな課題に対応する新しい方法とプロジェクトが自律的に次々に生まれていった。デジタルツールではなく、いわば「思想」「哲学」がボランティアたちを動かしたのだった。
-
仮設住宅には日本赤十字社から家電が配布されるのに、半壊した自宅に戻っている自宅避難民やアパート等で暮らす被災者には家電が配布されないという理不尽な状況があった。そこで2011年5月には、こうした“支援格差”を埋めるべく、家庭で使われていない家電を回収、清掃して送る「 家電プロジェクト」 を立ち上げた。まず、東京を中心として各地で家電が収集され、 東北各地の被災者に届けられた。やがて夏になると、大量の扇風機が必要となった。そこで専用のECサイトを立ち上げ、 支援者に家電を購入してもらいそれを必要とする被災者に届ける新たな方法を開発した。さらに冬が近づくと、全国各地に散らばった被災者にも支援を行うため、全国紙をはじめとしてあらゆるメディアに大々的に告知を載せ、 それを見た被災者に罹災証明書のコピーと希望の家電を書いて送ってもらい、直接希望家電を送るという新たな方法を提案した。こうした家電プロジェクトは約25,000世帯に家電を贈ったのだった。
-
また当初、被災地は大量の瓦礫で埋め尽くされている中、家も仕事場も流された多くの被災者は避難所で鬱々と過ごす日々を強いられていた。そこで、就労先を失った被災者の重機免許取得を支援することで、瓦礫の処理や復興建設関係への就労を可能にすることを目指した「重機免許取得プロジェクト」を立ち上げ、現地の被災者1,000名以上の重機免許取得にかかる費用の支援を全国から取り付けることにも成功した。
-
他にも状況の変化に応じて、「学習支援プロジェクト」「就労支援プロジェクト」「ものづくりプロジェクト」「布ぞうりプロジェクト」「おたよりプロジェクト」「ガイガーカウンタープロジェクト」「漁業支援プロジェクト」「PC設置でつながるプロジェクト」「緑でつながるプロジェクト」「チャリティーブックプロジェクト」といった30以上のボランティアプロジェクトが立ち上がった。
-
これらのプロジェクトの運営は、目的に応じて、FacebookグループやCybozu、Paypalといった複数の既存システムを駆使して自律的に立ち上げられ運営されていった。明確な境界をもたない市民ボランティアの自律的ネットワークモデル、次々と自己組織的に目的を達成していく市民による市民のための次世代のクラウドソーシングモデルとして「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は災害エリアの支援を実現していった。
-
構造構成主義の「方法の有効性は、状況と目的に応じて決まる」という方法の原理にしたがい、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」では、役割を終えたプロジェクトは速やかに解散したり、状況に応じて組織構造すら柔軟に変えていくなど、一つのモデルに固執しない姿勢が徹底されている。大震災の現場では、前例主義により硬直化した組織の抱える課題が浮き彫りにされた。その教訓がここでは活かされている。


posted by 今だけ委員長 at 14:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年05月11日

新聞配達に関するエッセーコンテストに応募してみませんか?

 最近の新聞紙面に「新聞配達に関するエッセーコンテスト募集」の広告(半5段・段数が15段組だと下段にある3分の1の半分の広告枠)を目にする機会が増えています。日本新聞協会販売委員会(黒沢幸委員長・読売新聞東京本社常務取締役販売局長)が毎年10月、「新聞配達の日」となる新聞週間中の日曜(今年は19日)に先駆けて、読者などから寄せられた新聞配達に関する心あたたまるエッセーを公募する企画。

▽新聞配達に関するエッセーコンテスト 実施要綱(日本新聞協会販売委員会)
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/

 毎年受賞される作品を目にするたびに“うるっ”とくるのですが、今年は今だけ委員長も応募しようと思います(400字でまとめるのは至難の業ですが)。最優秀賞は金10万円です。ぜひ毎朝決まった時間に配達される新聞・配達スタッフに対して感じたことを書いてみませんか?
***
 そうそう、前出の販売委員会では今年2月3日に「新聞販売ルールの紹介サイト」をネット上に開設しました(ググるとまだトップに表示されるのは小ブログなのですが・・・)。

▽新聞販売には、決められたルールがあります(新聞公正取引協議会・日本新聞協会販売員会)
http://nftc.jp/

 販売現場では「ルールなんて誰も守らない」と、新聞公正競争規約が形骸化しているという声の方が多いと思いますが、外側(消費者)へ発信しはじめたことはちょっと前進。あとは、購読者の多くが高齢者であるため、ネットだけではなくそれこそ半5段の広告(赤広告ですが)を定期的に掲載することを期待します。

 大組織になればなるほど、「これやりました」というパフォーマンスが実際の効果はどうであれ重んじられたりするものです。相変わらずコメ10キロ(5キロ袋×2)や発泡酒2ケース(350ml×24)の拡材(さらにプロ野球キャラクターのバスタオルとか)が当たり前のように使われている販売現場。パフォーマンスに奔走する輩は問題を棚上げして内向きの(無駄な)労力を強いているとしか映りません。
 折込チラシも低迷しはじめているため、販売店では消耗戦というか我慢比べの域に入っているのになぁ。
販売所労務ポイント.jpg
※こちらもマスターしておかなければ・・・
posted by 今だけ委員長 at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年05月08日

「こんなアプリもあるんですよ」大学生に教わった“全紙_無料新聞アプリ”

 先日、私が勤務する販売店へ大学生二人組が来店されました。内容はサークルのコンサートを開催するのでプログラムへの協賛広告をお願いしたいとのこと。
 彼女たちの熱心な説明をうかがって、3千円の広告協賛をすることに決めました。「新聞を定期購読している学生は少ないからあまり効果はない」と思いつつ、何かしらのつながりで別な波及効果に期待―といったところです。

 説明受けながら世間話・・・。「お二人はご自宅で新聞を購読しているの?」と当方。「いや、取っていません」とお二人。「必要な時は図書館で読めるし、古新聞の処理も面倒だし・・・。ネットでも最低限のニュースはカバーできるので」と想定内の“取らない理由”を話してくれました。そして「こんなアプリもあるんですよ。これ便利かも」とiPhoneの画面を見せてくれました。「全紙_無料新聞」。無料のアプリケーションで今だけ委員長もさっそく「Playストア」からダウンロード。(以下にアプリの説明を引用)
日経・朝日・毎日など大手新聞やスポーツ新聞などマス媒体の記事が全て無料で読めるニュースアプリです。
記事の一覧はtwitter・facebook・はてなブックマークでのシェア状況を集計し、人気の記事が一目でわかるようになっています。
シンプルなデザインでメディア媒体ごとに記事を表示するか否かの設定をすることが可能です。
ぜひこの機会に一度無料で読める新聞(しんぶん)をご利用ください!
●こんな方におすすめです!
 ・新聞(しんぶん)が読みたいけど有料購読をされていない方
 ・隙間時間に時事ネタを抑えておきたいビジネスマンや就活生

 複数の新聞社が発信する記事のダイジェスト版で、記事が(ツイッターのように)短い文章にまとめられているので要点だけは把握できそう。記事配信をする新聞社へどれだけの手数料が入るのかはわかりませんが、スマホを使いこなす学生たちは、こういうアプリで新聞社が発信するニュースを読んでいるわけです。では、こういった学生たちに3千円超の購読料を払っても届けてもらいたい新聞(紙)とは・・・。いまに始まったことではありませんがとても大きな課題です。相手(ネット事業者)は消費者(広告主)ニーズに合わせて素早く(アクセスが伸びなければ)カスタマイズをしてくる一方、新聞は既存のスタイル(デザインも含めて)を変えるのはかなり難しい媒体なので、「現状の新聞」購読者へいかに引き込むか。無料を上回る価値をどう提供するか・・・。そこには商品力じゃないキーワードがあるように感じます。
* * *
電子サービスの新聞公正競争規約上の扱いに関する見解
2013年12月12日
新聞公正取引協議委員会
1. 電子サービスと新聞公正競争規約について
 消費者庁によれば、新聞と電子サービスは、コン店津が異なる場合は個別の商品と認められる。告示は、「新聞の発行又は販売を業とする者」が「新聞を購読するもの」に対して提供する景品類を規制するものであることから、企画における表示の仕方や内容等から、新聞本紙の取引に付随していると認められる企画は、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用され、同様に企画の表示や内容等から電子サービスのみの取引に付随して提供される景品類であると認められる企画は景品表示法の一般ルールが適用される。
2. 電子サービスを本紙読者に割安に提供することについて
 例えば単体で3000円の電子サービスを、本紙購読者は1000円で購入できるケースについては、消費者庁によれば、景表法上、本紙購読に伴う景品類には該当しない、電子サービスの値引きである。
3. 電子サービスを本紙読者に無料で提供することについて
 消費者庁によれば、有料の電子サービスを本紙読者には無料で提供することは、本紙と電子サービスを組み合わせた商品の販売であると認められる場合には景品類に該当しない。景品類であると認識される表示により電子サービスを無料提供した場合は景品類に該当し、新聞告示・規約が適用される場合がある。
また、上記の例外として、電子サービスが単に紙面を画像化して配信するものである場合、電子サービス単体では有料であっても、本紙読者へ割安又は無料で提供することは景品にも値引きにも該当しないとしている。これは、紙、電子の2種類の媒体で読者に利用できるようにさせているだけで、商品自体は同一のものであるとの解釈に基づいている。
ASA.jpg
posted by 今だけ委員長 at 08:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年03月30日

消費税増税をあすに控えて思うこと/静岡新聞が税込購読料据え置き

 2週前のネタですが、全国紙を皮切りに新聞各紙が4月からの消費税率引き上げに伴う「月ぎめ購読料」改定の社告を掲載しました。3月17日に読売、翌18日に朝日と毎日、19日には産経(産経は1部売り定価を10円値上げし110円へ)が社告。それぞれ「紙面の充実とサービスの向上」という同じような社告の内容となりました。
 勿体つけているわけではないのでしょうけれど、なぜギリギリにならないと読者へ知らせないのか不思議。「他紙の出方を確認するまでは・・・」との戦略なのかなぁ。それも掲載は一回のみ。社告は一度きりでもよいと思いますが「お知らせ」として複数回掲載して読者へしっかり伝えるべきと感じます。ちなみに、秋田魁新報は早々と2月28日に社告を打ち、販売側がじっくりと読者フォローをする態勢を敷かれたようです。
値上げ社告.jpeg
 新聞業界では、値上げなどの場合は全国紙がリードして地方紙が追従するというパターンなのですが、静岡新聞社(673,000部発行・月ぎめ購読セット版2,900円)では増税分を購読料へ転嫁せず「据え置き」という施策を打ち出しました。
▽税込み購読料据え置き(静岡新聞 3月17日付)
 4月1日から消費税率が8%に引き上げられます。これに伴い静岡新聞は月決め購読料の本体価格を77円引き下げ、税込み購読料を従来と同じ2900円とします。
 国内経済は回復の兆しが見られますが、静岡県経済の回復は全国に比べ遅れ、県民全般が個人所得の増加などの実感を得られるまでには時間が必要です。
 新聞は読者の皆さまの購読によって支えられています。その社会的役割を考え、支払料金の増額を避け、税込み価格を据え置くものです。
 本体価格引き下げ分は静岡新聞社の負担となりますが、紙面構成の見直しや新聞制作の効率化などで費用削減に努めます。

 南信州新聞(23,000部発行・月ぎめ購読1,500円)や中部経済新聞(94,700部発行・月ぎめ購読1カ月3,300円)も3%増税分を購読料へ転嫁しない措置をとったようですが、県内で約60%の普及率を持つ静岡新聞の経営判断は、社告にあるように「読者とともに」という姿勢を全面的に打ち出した戦略と思われます。その背景には専売店を持たずに全国紙販売店へ委託するという効率的な経営(同紙では土曜夕刊も休刊している)もあるのでしょう。これまで攻勢をかけてきた中日新聞や全国紙を一気に突き放した感じですね。

 販売店では社告後、4月からの購読料改定のお知らせチラシや挨拶品などを携えて、読者宅を回っています。私が接した方のほとんどが「仕方ないねぇ。全部あがるんだもんね」という反応です。あきらめ感というか、消費税引き上げそのものに対して「社会保障になんて使われないでしょう。年金は減らされるは、医療費は上がるわで大変よ」と愚痴をこぼす方も少なくありません。ある50代の方からは「あなたたちも大変ね。税金上がって新聞やめられたら大変だものね。若い人は新聞をネットで読むから(読者が増えず)大変だって言うけど、読者のほとんどが年寄りなのだからまだまだ大丈夫なんじゃない。年寄りは新聞やめないから」と励まされ?ました。
 日中に面談できる世帯のほとんどは高齢者が在宅しているお宅。ラジオを聞き、再放送の時代劇や相撲を観ながら、新聞を手元に置いて隅から隅まで読んでいます。新聞産業はこの方々に支えられているのが現実です。紙面の充実とは何かを考えたとき、ターゲットはこの世代だということを認識しないと、ですね。
 消費税が上がっても年金受給額も同じように上がれば(新聞購読補助費なるものの新設など)、読者は一気に減ることはない―。そう感じるのであります。
posted by 今だけ委員長 at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年02月23日

自社ブランドのイメージ戦略は重要な広報活動

 今週から日テレ系で放送されている読売新聞のCMはイイなぁと思います。
mimamoritai_15_3.jpg
YC見守り隊」のテレビCM(読売新聞CMギャラリーより)

 「配達で、街の安心を見守りたい」というコンセプトは、読売新聞販売店に限らず各系統の販売店でも(温度差はあれ)掲げており、実際にマニュアルを作って取り組んでいます。しかし、読者からすると販売店がそのような活動をしているという認識はとても薄い。紙面で一度紹介したくらいでは読者にすら浸透しないし、「共感を得る」までのイメージ戦略は“広報と現場のギャップは埋まらないまま”となってしまうものです。これってとても残念。

 以前から読売新聞のテレビCM「配達する力 時事川柳」編や「配達する力 エア配達」編を拝見するたびに、「(新聞の流通部門全体として)コンセプトはすばらしいけれど現実とのギャップをどう埋めるか」と個人的に感じていました。「新聞って、新聞販売店の人たちってこうなんだよ」というイメージを訴求する気持ちはその通りなのだけれど、これまでの販売店のダーティーなイメージを一新するための施策はどうか・・・。スタッフ不足に悩む販売店の現状などを考えると、このような素晴らしいCMを多くの方に共感してもらう(してもらいたいと思っています)には、まだまだ改善しなくちゃいけないことが多そうだなと思ったりします。

 これからも企業間の販売競争は続くのでしょうが、宅配網の役割や価値を産業全体として浸透させることって不可欠であるはず。でもそこには流通部門だけでは・・・という限界もある。ふんばっていくしかないですね。

▽読売新聞CMギャラリー
http://www.yomiuri.co.jp/cm/

 
posted by 今だけ委員長 at 21:13 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2014年02月10日

宅配網を守る新聞販売マインド/東北地連・販売正常化委員会ディスカッション報告

こんな大雪は見たことない

 8日から9日未明まで東北の太平洋側で降り続いた雪は「想定以上」でした。今だけ委員長が住む仙台市内では観測史上3番目となる35センチの積雪で、78年ぶりの記録更新。石巻市では38センチで史上2番目(91年ぶり)というから、9日付の新聞配達は想像を絶する「雪との格闘」となりました。
 今だけ委員長は昨年末にバイクで転倒し骨折した部位がまだ使いモノにならないので朝刊作業は同僚に任せましたが、ほとんどの配達スタッフが膝まで積もった雪をかき分けながら配達し、一部地域では配達終了が昼頃までかかったそうです。除雪されていない道ではバイクはおろか自動車でも走行できない状況で、作業に従事された方のご苦労は計り知れません。

プリウス.jpg 新聞販売に携わるFB友だちの書き込みを見ていると「新聞を積んだ車が坂道を登れず(梱包された新聞を)担いで届けた」、「車道と畦道の区別がつかず車が田んぼへ突っ込んだ」と大変だった様子が伝わってきました。でも、皆さんの書き込みに共通しているのは「配達が遅れて読者へ迷惑をかけないように」という気概を持っていらっしゃるということ。
 毎朝、当たり前のように新聞を届ける―。このマインドを持っているからこそ、この商売を続けていけるのだとあらためて感じました。
* * *
新聞販売店はテクノロジーの進歩を直視した経営を

 「チャレンジ2014 新聞の可能性と潜在力 人、組織、つながりの再構築」をメーンテーマに新聞労連東北地連春闘産研集会が2月3−4の両日、仙台市内のホテルを会場に開催されました。東北の新聞社に勤める労働者ら約100人が参加しました。
 東北地連(正式名称は「日本新聞労働組合連合・東北地方連合会」)の産業研究委員会は、新聞研究部、合理化対策部、販売正常化委員会の専門部で構成され、毎年2月にシンポジウムを行っています。

集会1.jpg 今だけ委員長は販売正常化委員会のパネル討論「地域における販売店の在り方」でコーディネーター役を仰せつかりました。パネリストには、福田洋介さん(秋田魁新報秋田南販売所所長)と青木慶哉さん(株式会社GEE&BEE代表取締役)という、新聞販売の次代を担う経営者との討論になりました。
 福田さんからは、秋田魁の販売店主会によるJR秋田支社とタイアップしたサッカーブラウブリッツ秋田応援列車「BB SAKIGAKE EXPRESS」の企画・運営や県内の全小学校へ秋田県地図を贈呈するなど全県規模で「地域に根ざした販売店作り」に取り組んできた事例が紹介されました。また、「地元新聞社のブランド力をもっと活用して、読者の生活圏に入り込んでいくことが重要。新聞の販促もクロスメディアを上手に展開していけばまだまだ販路は残っている」と地方紙の強みを活用し編販がさらに連携していけばさまざまな効果が生まれると述べました。

 青木さんは昨年まで経営していた読売新聞の販売店を後任に引き継ぎ、現在は新聞販売店向けのコンサル会社を設立。女性スタッフの活用とシニア層に絞った営業戦略を提唱しており、私自身も以前から話を聞きたいと思っていました。シニア層をターゲットに営業戦略を立てることは成功法だけれど、10〜20年後の新聞販売を考えると今の20〜30代の無購読者へのアプローチも必要ではないか―との問いに「テクノロジーの進歩は私たちの常識を超える。トヨタですら7年先までしか戦略を立てていないが、それは時代(技術)の変化に対応しながら経営するということ。過去の成功事例にとらわれず今の新聞販売店の強みを生かして客単価をあげていくしかない」と力説。従業員のモチベーションをあげる秘策については「読者からありがとうと言われない企業は衰退する。感謝される仕事をしていればモチベーションは自ずとあがってくる。特に女性は裏表のある仕事だと懸命にやらないと感じる。(固定読者以上に循環読者に経費を使っている現状を踏まえ)一部の読者だけにコソコソと景品を提供するような仕事ではモチベーションはあがらない」と語ってくれました。

集会5.jpg 販売正常化運動の原点は新聞社(全国紙vs地方紙)による販売過当競争や新聞社と販売店の取引関係に起因する押し紙問題などでした。しかし、昨今の部数減等による経営問題が直近の課題となり、それまでの議論を飛び越えてビジネスモデル再構築に走りすぎている感も否めないわけですが、新聞産業全体としてこれからの新聞販売問題を新聞労働者の皆さんには考えていただきたいと思います。


 「EPIC2014」が発表されたのがちょうど10年前。この間はなんとなく新聞産業界にネガティブな雰囲気が漂っていたように感じます。「(2014年には)ニューヨーク・タイムズはインターネット展開を止めエリートや高齢者のための紙媒体新聞に移行することになる」というストーリーは、紙は衰退しネットに取って代わるのだ―という将来への不安から、経営効率化に拍車がかけられた10年だったように思えます。そして、ロビン・スローンとマット・トンプソンの予言通りにはならなかった(もっと奥底では計り知れない個々人の情報蓄積が行われているかもしれませんが・・・)わけですが、「それみたことか」と揶揄するのではなく、「紙も、ネットも」現状に甘んじることなくふんばっていくしかないのです。

posted by 今だけ委員長 at 22:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年12月30日

不覚にもバイクでコケちゃいました

 新聞販売店の元日作業(朝刊配達)は紙面も増ページで特集が組まれ、折込チラシは100枚超の受付があります。1部あたりの重量は2キロ近くになりますからね。当日の配達作業は通常の倍以上の時間を要します。
 この時期の販売店ではそのチラシを何度も丁合機で組み込み、人海戦術で手組みをしながら元旦作業がうまく回るよう備えます。この段取りがうまくいけば元旦当日は(作業量は大変だけれど)ある意味でお祭りのようなものです。


12sakotu02.jpg しかし、不覚にもおととい、集金業務のさなかに相棒のスーパーカブと共に凍結した路面に気づかず転倒。右鎖骨を骨折してしまいました。
 今年の4月から12年ぶりに新聞販売の現場で汗を流し、配達労務難を抱えながらも配達スタッフの協力を得ながら何とか年を越せると思っていたのですが職場の仲間に大変な迷惑をかけてしまいました。最も大切な時なのに・・・。

 でも、悔いてもしかありません。気持ちを切り替えて治療に専念します。(私が言うと説得力もありませんが)販売現場に従事されていらっしゃる皆さんも配達作業中の車両事故や転倒に気をつけてください。

* * *

このこだわりって何だろう?

 最近、業界紙をチェックする時間もないので知己のedgefirstさんのブログから引用しますが、読売新聞社が11月定数で1000万部を達成したという報道。
▽読売新聞、恒例の1000万部回復 2年連続で達成
(edgefirstのブログ12/27付)http://edgefirst.hateblo.jp/entry/2013/12/27/200929

 「部数は世論へ訴える力」とか表面ではアピール(部数=世論として政治に圧力をかける場面も)しつつ、部数増は新聞社の収入源(販売店からの新聞原価および広告収入)アップに連動します。

続きを読む
posted by 今だけ委員長 at 15:32 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2013年11月15日

有名人より「ホンモノ」を紙面で紹介するという視点

 東日本大震災から2年8カ月が経ちました。
 各メディアをながめていると「震災関連」の報道(記事や映像)が少なってきたなぁと感じます。国民というか生活者の関心事は移り変わっていくので仕方のないことですが、いまだ28万人が避難生活を強いられ(復興庁「全国の避難者等の数」)、プレハブ応急仮設住宅で三度目の「寒い冬」を迎えようとしています。せめて月命日にあたる11日にはこのような被災地の現状を取り上げてほしいーそう願ってやみません。


 被災地への取材体制も震災前に戻っており、被災者の視点に立って喜怒哀楽のネタを掘り起こすような記事も間違いなく減っています。行政等からの発表モノの取材に追われて、これまでのような取材(ひとり支局は大変です)が難しくなっている・・・。いわゆる「遊軍(記者)」がいなくなって(通常に戻って)しまうと、「風化」がいっそう進むのだと思います。


 一方、被災3県の新聞社や放送局各メディアは、被災された読者や視聴者と共にこれからを歩むーというスタンスを感じられることはうれしい限りです。全国紙やキー局の報道に偏重することなく、地元の方が共感する報道を続けていってほしいと思います。読者は天下国家を論じる紙面より、身近な話題を伝えてくれて生活しやすいまちづくりの旗振り役としての期待の方が大きいと実感しています。

* * *
 「新聞ではEXILEやBEGINのような名のしれたミュージシャンの被災地慰問しか取り上げないんすかね。たまにしか来ないのに」。
 南三陸町志津川でさんさカフェという飲食店を営む内田智貴さんが発した言葉は忘れられません。マスコミは当然マスを意識してその取材対象を探り、話題性があるかどうかの判断をするのですが、著名人が被災地を慰問するだけで紙面に掲載されるのは広告と同じようなもの。「誰に向かって書いているのか分からない」と内田さんは凄みました。「震災直後は多くの有名人が来たけれど、継続して訪れる人はほとんどいないんです。それなのに新聞では地元の人たちとロクにつながってもいない有名人だけが賛美されて伝えられるのはおかしいんじゃないですか」。


 その時、「桃梨」というバンドのことを彼は紹介してくれました。上村美保子さん(ボーカル)とJIGENさん(ベース)の音楽ユニットで、震災後すぐに南三陸町の避難所(志津川高校)を訪れた時のこと、都内在住の二人が楽器と支援品を積んだ車で毎月きてくれること、献身的に被災者へ寄り添った活動をしていることなどを熱く語ってくれました。
 その話を聞いて私は「ホンモノだ」と直感しました。こういう「ホンモノ」をもっと多くの人に伝える必要があるし、それはやはり新聞じゃないのかと。新聞各社へ取材依頼の原稿を考えながら、無性に彼らに会いたくなったのは言うまでもありません。7月28日に南三陸町入谷小学校仮設住宅集会所で開催されたミニライブの光景は素晴らしいものでした。20人程度の来場者が一緒に歌い、笑って体を動かして…会場が一体になる。はじめは照れていたおじいさんも子どもたちと一緒になって声を張り上げる。震災から毎月被災地へ足を運び100回ものライブを通じて培った「被災者と向き合う姿勢」にただただ感動しました。


 盛岡市出身のJIGENさんは「これまでメディアに出ることを極力控えてきました。ミュージシャンがこのような活動をすることって売名行為と受け取られてしまうから。でも、2年半経過して支援活動を続ける人たちも減ってきているし、僕たちだけの力では何も変えられない。被災地にくるとわかるんです。みんなまだまだ不自由な生活をしているし、何も変わっていないんですよ。僕らのことをマスメディアが取り上げてくれて、被災地支援の輪がちょっとでも広がってくれれば良いと思うようになったんです」と語ってくれました。

河北新報11.5付.jpg 読売新聞10.31付.jpg 毎日新聞11.31付.jpg
※左から河北新報11/5付、読売新聞10/30付、毎日新聞10/30付

 取材依頼をして10月30日に行われた「100回目のライブ」を河北新報、毎日新聞、読売新聞が記事にしてくれました。それぞれの記者がどう感じたのかは記事の内容でおおよそ把握できますが、被災地で生活する方々から慕われる「桃梨」の地道な活動をマスメディアの方々にも追いかけてもらいたいものです。そして、新聞販売店の従業員が読者から伝えられる話題を編集の方々へつなぐ仕組み(申請あげろとか面倒なこと言わないでw)が大切だとあらためて思いました。

posted by 今だけ委員長 at 17:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年10月15日

10年に一度の勢力・・・台風26号に警戒

 仙台市内も雨足が強くなってきました。
 「特別警報」が発せられそうな勢いの台風26号はあす未明に関東・南東北圏に上陸する可能性が高くなってきました。
▽台風26号 東北の沿岸、特別警報も 仙台管区気象台(河北新報ニュース 10/15付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/10/20131015t73039.htm


 あすの朝刊作業は不測の事態に備えて当番社員の配置を増員。また、緊急時には社内のマニュアルに沿って業務運営をするよう指示をしました。
 備えあれば憂いなし・・・と言いたいところですが、雨濡れに注意しながら風で飛びやすい「紙」を届けるのが私たちの仕事。「年配のKさんは強風で自転車での配達ができるかな」とか、「奨学生のO君は・・・」なんとなく心配で眠りにつけそうにありません。
* * *
ふれあいの詩.jpg 日本新聞協会・販売委員会が毎年公募している「新聞配達に関するエッセーコンテスト」(今年で20回目)の入選作品集が届きました。
 同協会のホームページや新聞紙面ではその入選作品が紹介されていますが、冊子を手にとって読んでみると新聞配達に携わる者としてはジンとくるものがあります。また、最優秀賞三部門のうち、二部門で宮城県在住の方が受賞したことも感慨深いものとなりました。その最優秀賞に選ばれた二作品を引用します。
・大学生・社会人部門
『新聞は私の生きている証』 伊勢伸彬さん(66歳)仙台市宮城野区

 一人暮らしの母のもとに帰り、介護生活を始めたある日のこと。
 「読みもしない新聞、もう断るぞ」と言うと、認知症の母がキッとした目で、「そんなこと言わないでけさい、私の生きている証しなんだから」と私をにらんだ。
 そして要介護4の母がなおも続けた。「新聞取り忘れた時、心配して何回も来てけだんだよ。孤独死してもすぐ見つけてけられっから、安心して暮らしてんだから」
 一人暮らしがボケ防止だと強がっていた母、心の中は不安と寂しさでいっぱいだったのだろう。
 母が逝って丸三年。その家で私が一人暮らしをしている。ザクザクと小砂利を踏む足音が近づき、バサッと音がして遠ざかる。私は布団の中で手足を伸ばし、健康に朝を迎えたことを意識する。
 そして、新聞配達さんありがとう、私にも、母と同じように安心を届けてくださいと、手を合わせる。

・中学生・高校生部門最優秀賞
『一日が始まる合図』 日野はるかさん(16歳)宮城県気仙沼市

 震災数週間後の静かな町。
 早く目が覚めてしまった私は布団の中で考えごとをしていました。学校に行きたい。友達に会いたい。早く元の生活に戻りたい。そんなことを考えていると、いつの間にか泣いていました。
 その時、なんだか聞き覚えのある音が近づいてきました。新聞配達のバイクの音です。
 この音が聞こえると、母は起きて家族のお弁当や朝ごはんを作り始めます。そこから私の家の一日が始まるのです。バイクの音は、母が準備を始める合図でした。この音があるからこそ一日が始まり、家族の日常を取り戻せることに、その日初めて気付きました。バイクの音が聞こえることも幸せな日常だったのです。
 あれから二年もの年月がたちましたが、バイクの音は休むことなく毎朝聞こえてきます。そして今日もまた、バイクの音を合図に家族の日常が始まるのです。

▽新聞配達に関するエッセーコンテスト入選作一覧(日本新聞協会HPより)
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/works.html#daigakuhighest
posted by 今だけ委員長 at 21:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年10月02日

増税により厳しさが増す家計の中で問われる新聞の価値

 安倍晋三首相は1日、消費税率を平成26年4月から8%に引き上げることを正式に表明しました。消費税増税は9年4月に3%から現行の5%に引き上げて以来、17年ぶりとなります。日本新聞協会などが求めていた新聞や書籍、雑誌への軽減税率の適用は、ナベツネさんの力をもってしてもかなわなかったようです。


 これで、来年4月から新聞購読料も3%上乗せ(増税)され、セット版で4,037円(+112円)、統合版で3,093円(+86円)となる可能性が大きくなりました。これから販売現場ではこの増税(実質値上げ)によって読者を失わないよう(新聞社の施策によって)価格を据え置いたり、逆に他紙読者を取り込もうと高額景品を投入して拡販を展開するところも出てくることでしょう。
 今回の増税による紙勢の動向は、購読料の実質値上げに対する感情的なことではなく、(実際にそうではなくともイメージ的に)実感のないアベノミクス下で「家計が厳しいので購読を中止する」という読者の多少がポイントだと思います。まさに、新聞の商品価値が問われるのだと感じます。


 こういう背景の中で、私たち販売店従業員は部数を守っていかなければいけません。来年4月までに何を整え、備えていくか―。流通部門で商品価値以上のパフォーマンスを展開していかなければ「新聞離れ」の潮流は押し戻せません。



 新聞購読料は5年の購読料改定(200円の値上げ)から20年間価格を据え置いていますが、デフレ経済の中にあっては「値上げに踏み切れなかった」のでしょう。値上げ以上に読者が減ってしまっては元も子もないわけですから…。新聞社も人を削り(契約社員等に置き換えられ)、支局体制を統合し、印刷部門の受委託でコスト軽減を図ってこの20年間、値上げをせずに経営をしてきたのだと思います。一方、販売店は細りゆく読者数に連動して店舗数や従業員数の縮小が如実に表れています。この10年間で全国の販売店数は3,248店(15%)減少して18,367店へ。従業員数も91,604人(19.9%)減って367,809人となっています。(日本新聞協会「新聞販売所従業員数、販売所数の推移」より)


 新聞部数の減少によって統廃合が進む販売店。扱い部数が10%減ると従業員を20%減らさなければ経営は維持できない。さらに労働条件は悪化し(ブラック企業化し)、人材不足に陥るというスパイラルが続きます。このままでいくと、宅配網のほうが先に崩壊していく可能性も否めません。
 新聞産業が置かれている状況を冷静に直視すると、まさに多様な言論を守っていくために流通部門は総力戦で市場に向かっていかなければならない時代なのだと感じます。

posted by 今だけ委員長 at 06:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年09月13日

新聞労連産政研が最終報告書を提起/「ポスト産政研」はそれぞれの職場から

 新聞産業が直面する課題について全国の新聞労働者の精鋭が集い、日本新聞労働組合連合(略称:新聞労連・日比野敏陽委員長)の研究機関として2期7年間活動してきた産業政策研究会(産政研)が、このほど最終報告書をまとめました。
産政研全国集会@.jpg 二期目研究員の皆さんによる最終報告を発表する「新聞労連・産政研全国集会」が8月24〜25日の両日、茗台アカデミー会議室(東京都文京区)で行われました。全国の新聞労働者をはじめ、大学などで新聞産業を研究されている方など約30名が参加。今だけ委員長も25日のみ参加してきました。

この山をどう登るのか.jpg 第二期最終報告書(暫定版)「この山をどう登るか」の柱となる「消費税」、「読者ニーズと地域貢献」、「ネットとジャーナリズム」のテーマを3グループに構成した参加者とディスカッション形式で討論されました。今だけ委員長は「読者ニーズと地域貢献」のグループへ参加。下野新聞が展開する「NEWS CAFE」、新潟日報による「読者満足度調査の取材」や各社の貢献活動について報告がありました。
 新聞産業に内在する問題点や将来に向けた対策は山ほどありますが、「重要課題」と提起しても労働組合自体もまとまらず、その多くがペンディングとなっています。なので、喫緊の課題を『なぞる』ような研究結果になってしまうのは仕方ないと思いますが、その時代背景によって、読者側と新聞側の物ごとの捉え方が変化していて、同じテーマでも“違い”を感じます。
 先人たちの問題提起もそれぞれの職場などでいかされないということは、その提言自体に現実性がないか(魅力がない、採算が合わない)、もしかするとチャレンジしているけれど成功していないから表面化しないのかもしれません。いずれにしても特効薬は見当たらず、経営陣は人件費などの支出を抑え込むしか利益確保の手立てはないというのが現状です。

産政研全国集会A.jpg 社外のコンサル会社のマンパワーを活用しながら、新聞、広告、ネット事業を展開(PR方法や課金の仕組みなど)している新聞社もあると思いますが、新聞社間でもっと連携すればより良いアイディアが生まれ、協業するメリットも出てくると思うのです。しかし、現状では難しいのでしょう。
 新聞産業研究をする機関や研究者が少なく、いや無くなっていくのは、今の新聞産業を象徴しているのかもしれません。でも、まだまだあきらめず「ポスト産政研」を職場から実践していくしかないですねぇ。
posted by 今だけ委員長 at 23:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年08月04日

新聞労連・産政研7年間の集大成「全国集会」のお知らせ

 東北地方も3日、やっと梅雨明けしました。河北新報によると東北南部の梅雨明けは史上5番目の遅さだとか。新聞販売店に勤める私たちもやっと乾く暇のない雨合羽の着用から解放されそうです。
▽夏、やっと到来 東北梅雨明け 南部、史上5番目の遅さ(河北新報8/4付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130804t75016.htm


 東日本大震災から地震にには敏感になっているのですが、きょう12時29分に宮城県沖を震源とする震度5強の地震が発生しました。ツイッターやフェイスブックのメッセージを通じて全国の方々から安否を気遣うコメントをいただきました。どうもありがとうございます。
 今だけ委員長が住む仙台市若林区は震度4でした。ちょうど家族3人で昼食をとっていたのですが、先の大震災当時2歳だった娘は地震に対して相当なトラウマを抱いてしまい、ちょっと揺れただけでもパニック状態になって泣き出してしまいます。
hiroseriver.jpg
※仙台市内を流れる広瀬川
 そのあと、販売店の様子が気になって行ってみると翌日の折込チラシも崩れておらず、電源や水道などライフラインも異常ありませんでした。趣味で乗りはじめたバイクで管内を一通り巡回して土砂の崩落などをチェック。大量の雨のあとなのでこちらの方が心配でしたが、あすの新聞配達に支障はないようです。

何かあった時の初動はとても大切です。いくらマニュアルを作り、配っても履行されなければただの紙切れ・・・。やはり災害は忘れた頃にやってくるものですね。
* * *
 
産政研の集大成「全国大会」が開催されます!
 2007年の発足から2期、7年間にわたり活動する日本新聞労働組合連合(略称:新聞労連、日比野敏陽委員長)の産業政策研究会(通称:産政研)が今月24〜25の両日、「全国集会」を開催します。会場は東京都文京区・アカデミー茗台。
▽全国集会のお知らせ(7/31付 新聞労連産業政策研究会ブログより)
http://sanseiken.seesaa.net/article/370771946.html


 2期目の研究員らによる成果発表の場となります。テーマを拝見するだけでもタイムリーな話題が目白押しです。新聞労連の組合員のみの参加受付となりますが、各メディアの取材も対応可。詳しくは新聞労連まで。
▽消費税と新聞:上野傑(神戸DS労組)、高力秀雄(宮崎日日新聞労組)、野沢哲也(朝日新聞労組)
▽読者ニーズ・地域貢献:大日方英樹(新潟日報労組)、増田正一(全下野新聞労組)
▽メディアのあす:櫛引素夫(元東奥日報労組)、登地敬(中国新聞労組)、明神功(高知新聞労組)※敬称略


 産政研は発足時に携わらせていただきましたが、個人的にも強い思い入れがあります。
 新聞記者から販売店スタッフまで多くの労働者が携わる新聞産業。それぞれの役割があり精一杯に仕事をされているのですが売り上げ(部数)が伸びないという課題を受け、新聞というメディアを、言論機関を維持するために新しいビジネスモデルを考え、下流部門の受委託や合理化などの可能性について議論してきました。「読まれる紙面」については編集の方々と相容れない場面も多く新聞労連の歴代役員の皆さんや研究員の方々も苦慮されたとお察しします。そして7年間にわたり中心的な役割を担ってこられた櫛引素夫さんには敬意を表します。
 新聞を産業として考えた場合、読者から対価を得るためになぜ「紙」にこだわるのかという議論があります。それは、新聞産業は「紙」だからこそ大きな収入ベースがあり、新聞産業に携わる方の大半が「紙」ベースでの労働をし、生活しているからです。
 だからこそ、チャレンジしていくべきことや譲歩すべきところを議論していかなければならないのですが、それぞれの職場の既得権が邪魔をしてしまう。これが新聞産業の一番のネックになっているのでしょう。


 販売現場の第一線に配属されてから4ヵ月。いろいろな意味で現実と向き合っています。
 これからの販売店はシルバー世代の要望をしっかりキャッチしながら読者を守り、宅配網を活用した事業(共同配達なども)を推進していかざるを得ません。そして新聞社は、「ウェブ」を活用した課金型ビジネスモデルを早めに打ち出すべきと感じています。記事配信のスタイルは紙からウェブへと変わっていく趨勢は避けられようもありません。
 でも、ポジティブに前を向いて仕事に取り組んで行くしかありません。まだまだチャレンジしきれていないことがたくさんあるから白旗をあげるわけにはいかないのです。

posted by 今だけ委員長 at 16:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2013年07月15日

時代を読むチカラと部数にこだわる(しかない)チカラ

 今年の梅雨は寒暖の差が激しく、新聞販売従業員にとっては憂鬱な時期。合羽を着るにもサウナ状態で体力の消耗は相当なものです。健康管理に注意したいものです。
 
 さて、どうでもよいことなのですが、きのうの朝日新聞と読売新聞の1面センター(「ヘソ」と言います)に「成田ゆめ牧場」(千葉県成田市)で13日からオープンした「ひまわり迷路」の写真が似たようなスナップで掲載されていました。 
紙面比~1.JPG 読売の方は「真夏色 もう満開」のタイトルで両親が愛らしい乳児を抱いた写真。朝日は「迷路大輪」で幼児を肩車する父親のスナップが収まっています。同じようなアングルで撮られたと思われますが、カメラマンが伝えたかったことなどを考えながら両紙の写真を見るのも楽しいものです。
 新聞紙面は21日に投開票される参院選報道にその多くが費やされていますが、ホッとする写真を入れようと両紙の編集者は考えたのかもしれません。新聞社のみならず役職者はある程度、(日本的な)年功序列になっているので同世代のデスクが考えることも(意識しながら)近しくなってくるのかもしれませんね。
* * *
抜き出た感のある朝日新聞デジタルの販促手法

 最近、業界紙を閲覧できる状況にないので、もっぱら「edgefirstのメモ」を参考にさせていただきながら業界の動きをウォッチしています。
 「学割パック」など業界内でもその販促手法が群を抜いている(実績はどうかわかりませんが)朝日新聞。
先月も朝日新聞デジタルを申し込むと「KindleFireHD」がオマケで付いてくるセット販売を発表したかと思いきや、今度はANAと提携して1年契約すると5000マイル付与されるパック商品を売り出しました。「丘マイラー」にとっては朗報で換金率もかなり高い設定です。また、買い物などで貯まったマイルで朝日新聞デジタルも読める(10,000マイルで3カ月購読)相互乗り入れも可能にした点は、しっかり「B to C」も考えての施策だと感じます。

 来年実施予定の消費税率引き上げ対策に各社とも「守り」の姿勢ですが、『デジタル』へシフトする朝日新聞社のスケールメリットで勝負する経営手腕を感じます。

▽朝日新聞デジタル、1年ごとに5000ANAマイル付与するコース新設(edgefirstのメモより)
http://d.hatena.ne.jp/edgefirst/20130712

▽朝日新聞デジタルとKindleFireHDをセット販売 設定・サポート付きで月3800円(edgefirstのメモより)

http://d.hatena.ne.jp/edgefirst/20130620
posted by 今だけ委員長 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月28日

今年もいろいろなことがありました/報道界2012年重要ニュース

 今年も残すところ、あと3日になりました。
 新聞社は元旦号の特集面を作り終え、一段落といったところ。一方、下流部門の印刷、発送、販売店は降版された特集号の印刷、発送、折込広告との組込み作業に追われ、明日くらいまで慌ただしい状況が続きます。
 新聞販売店は雑誌の厚さまでになる元旦号を読者の手元までお届けして、やっと仕事納めという感じがします。元旦の天気は北海道、東北・北陸の日本海側を除いて穏やかな天候に恵まれそうです。事故のないよう2013年をスタートしたいものです。

 小ブログも年内の発信はこれで終了します。本年もご愛読いただきありがとうございました。新聞業界は歴史と伝統が負担となり大きな飛躍は期待できませんが、未来を創造できる方々と手を取り合い1歩ずつ歩んでまいりたいと思います。
 皆さまにとって素晴らしい2013年になりますことを祈念しています。
*  * *
報道界2012年重要ニュース(日本新聞協会報編集部選定)
▽東日本大震災から1年/各紙が特集、原発報道検証も
 東日本大震災の発生から1年となる3月11日、新聞各紙は特集紙面を展開した、1万5874人(警察庁調べ)の犠牲者を出し、復興への課題も山積する現状を踏まえ、被災者の生活再建、健康・医療、福島第一原発事故の見通し、除染、防災再対策などテーマは多岐にわたった。
 在京各紙は、被災者などへのアンケートや聞き取り調査を実施。被災地での暮らしぶりなどについて尋ねたほか、全国の学生に震災後の意識の変化を尋ねたり、教育委員会に防災教育の見直しについて調べたりする社もあった。
 原発事故報道については、多くの批判が寄せられたことなどを踏まえ、検証記事を掲載する動きも見られた。
 被災地の岩手日報、河北、福島民報、民友は、犠牲者の追悼企画などを載せた。震災の記憶が風化していくことへの懸念から、犠牲者の生前のエピソード、復興に向けたプロセスや課題などをきめ細かく報じた。4紙合同で震災翌日の紙面をパノラマで載せた広告企画も注目を集めた。

▽NIE推進協、全都道府県に/新聞社と教委の協定進む
 全国で47番目となる富山県NIE推進協意義会が5月10日、設立総会を開いた。これにより47都道府県すべてに推進協が発足し、NIEを全国展開する体制が整った。朝日、毎日、読売、日経、北日本、富山、北陸中日の7紙と共同、時事が加盟。新潟県で1994年に全国初の推進協(新潟県新聞活用教育推進協議会)が誕生してから18年がかりでの達成となった。
 4月には新聞活用を盛り込んだ新学習指導要領が、前年の小学校に引き続き中学校で実施された。こうした追い風が吹く中、今年もNIEの広がりを感じさせる出来事が相次いだ。
 学校での新聞活用推進を目的に、文部科学省は2012年度から5年計画で、全学校図書館へ新聞配備のため75億円の財政措置を取った。使い方を特定しない地方交付税措置であるため、各地方自治体で予算化しないと新聞配備に使われない。新聞協会博物館・NIE委員会は、予算化を促し学校図書館への新聞配備を求める新聞広告を作製した。

▽協会、軽減税率を求める/消費税率引き上げへ知識課税強化に反対
 消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が8月10日、成立した。消費税率は2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。新聞協会は活字文化を守るという観点から、新聞への軽減税率適用を主張している。
 欧州はじめ経済協力開発機構(OECD)加盟の主要国は、新聞への付加価値税(VAT)について、ゼロか最低の税率を適用している。新聞協会はこうした世界の情勢を踏まえ、新聞は民主主義社会や文化の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与していると主張。知識への課税強化は確実に国力を低下させ、国際競争力を衰退させると訴えている。

▽広がるソーシャルメディア活用/ジャーナリズムに新たな可能性
 ツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアを活用して読者や取材先と新たな関係を築き、ジャーナリズムの可能性を模索する動きが見られた。
 朝日は1月、記者が氏名や肩書を明かし、記事の裏話や紙面で紹介できなかった写真などをツイッターで公開する「つぶやく記者」を開始した。アカウントの開設・承認プロセスを明確にし、研修やトラブルサポートの態勢を整えることを定めたガイドラインも設けた。
 河北が3月に始めた震災関連の情報を発信する「つむぐ 震災を超えて」をはじめ、新聞社がフェイスブックのファンページを開設し、そこで読者が情報を発信する動きも広がった。

▽読者の信頼揺るがす誤報も
 人工多機能性幹細胞(iPS細胞)をめぐる誤報や、兵庫県尼崎市の連続変死事件での別人の顔写真掲載など、読者の信頼を揺るがす問題が相次いだ。
 iPS細胞の臨床応用が実現したとする森口尚史氏の発表を、読売は10月11日付朝刊で報道。共同も同日、同様の記事を配信した。しかし、発表が虚偽である疑いが強まり、読売は13日朝刊に研修お記事を掲載、誤報を認めた。共同も誤報を認め、12日に検証記事を配信した。過去に森口氏の研究を記事にした他紙も、検証結果を紙面で公表した。毎日は16日付朝刊で、同氏の肩書き全てに誤りがあったなどと説明。日経も11月6日付朝刊で検証記事を掲載した。

▽災害援助協定の締結相次ぐ
 災害やシステム障害等に際し、相互に新聞発行に協力する援助協定。通信途絶や停電など、さまざまな事態が発生した昨年の東日本大震災で重要性があらためて認識され、今年に入り締結が相次いだ。
1月に産経=秋田魁、中日=中国、5月に朝日=中日、北海道=釧路、7月に毎日=北海道、8月に産経=上毛、9月に産経=下野、産経=山梨日日、10月に西日本=琉球などの協定が結ばれた。

▽東電、TV会議映像公開/規制庁発足、21社が常駐
 東京電力は8月6日、東日本大震災による福島第一原発事故直後の本店でのテレビ会議録画映像を公開した。しかし、社員のプライバシー保護を理由に映像や音声を修正したほか、録画や録音、撮影を制限した。
 新聞各紙は制限の撤回を訴えた。新聞協会編集委員会も公開に先立ち8月3日、全面公開を東電に申し入れた。
※日本新聞協会報から引用しています。重大ニュースの序列は協会報の紙面構成などから今だけ委員長が独自に並べています。

posted by 今だけ委員長 at 05:48 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月26日

高年齢者雇用安定法の論考「甘ったれるのもいい加減にしろ」FBで「いいね!」が増加中

 師走は何かとバタバタしますね。
 新聞販売の現場では、年内の購読料金回収や元旦号へ折り込むチラシ(多いエリアで100種類超)の組込作業に追われています。例年、(ミスプリ等で)チラシのキャンセルが生じ、一度組んだチラシから抜き取ることは組込作業の3倍の作業量になります。

 あと、もう一つ気になるのは、新聞社のノンブル付チラシ(広告特集)が年々増えていること。カニバリゼーションの最たるものですが、ノンブルが付くと販売店への折込手数料は激減します(広告主が支払う広告料はさほど変わらない)。この「中抜き」というか「搾取(古い?)」の構造にこそ、新聞社と販売店の片務的契約の上に成り立っている新聞産業があるように思っています。
 販売店ももっと知恵を絞らなければ、「自社(自分)のことだけしか考えない」このサバイバル時代は乗り切れません。あきらめずにふんばりましょう。


 きょう、フェイスブックをチェックしていたら、すんごいタイムリーなネタが議論されていました。私が信頼する方が書いた「高年齢者雇用安定法改正」に関する書き込みで、「いいね!」がたくさんついています。私の所属する会社でも労使で協議中なので「備忘録」として引用させていただきました(ご本人には確認済)。私はこの問題について“どうこう”と述べる立場にはありませんが、一部の経営幹部の皆さんが社内の仕組みを一方的に変えようとすると軋轢が起きるように思いますね。以下の議論はこれからのビジョンなき「社会保障制度(年金制度)」へ絆創膏を貼るのではなく、根本的な60歳までの賃金制度(定年制を続けるのであれば)による60歳超からの自立なども考察されるべきだと思います。

(T氏)最近、「世も末じゃ」と思うことの一つが雇用延長だ。
 12月15日の日経朝刊の一面トップは「NTT、40〜50代の賃金抑制」だった。
改正高年齢者雇用安定法成立で65歳までは希望者全員を雇用する義務が生じる。そのための対策だ。

 私は、「会社が居てくれと言わないのに、こっちから希望する気はない」とシニア雇用を希望しなかった。上司がいない生活がこんなに楽しいとは思わなかった。
 この法律は、国が年金の支給年齢を引き上げることで、無収入・無年金の人が増えることを回避するために作られたもの。


 「甘ったれるのもいい加減にしろ」といいたい。大企業のサラリーマンは恵まれている。数年程度の生活資金はあるはずだ。
 彼らの「甘え」の代償として、こうした現役へのしわ寄せや、若年層の雇用低減が起きる。


 バカじゃないか。何より腹が立つのは、そこまで「ぶら下がり」を続けたいのか・・・ということ。

 現実に同世代のシニア雇用の実態を見ると、「ブラブラしている」としかいいようがない。会社のお情けにすがっているだけだ。
 一人前の社会人なら、会社のぬるま湯から脱して、自分で仕事を創ってはどうか。地域には、高齢者ができる仕事がたくさんある。企業も、外で働ける能力を付けて、「放し飼い」にすべきだ。
(中略)
 役立たずのぶら下がりを抱えるのはやめよう。「自立した働き方」をしっかり実践してみよう。仕事は会社の外にいくらでもあるのだから。


 このT氏の書き込みに対して、以下のようなコメントが寄せられました。
注)フェイスブックでの書き込みやコメントは「2ちゃんねる」のような匿名での書き込みではなく、その多くが自身の身分を明かしている方々によるソーシャルメディアであることを(あらためてFBなどを使っていない方へ)ご理解ください。
(A氏)大企業で牙を抜かれた人は会社を離れては、無用の存在。社畜は野生には戻れません。しがみつく以外にない気持ちはよくわかります。誰もが強いわけではないのです。
 でも、そのままでは日本は終わり。
 会社を離れての活躍の例がいっぱい出てくると、世の中が変わるでしょうね。そんな社会にしていきたいです。去勢された社畜社会に未来はありません。


(B氏)Tさんのような大人に僕らも刺激を受けてます!
 でも、ぶら下がりのおかげで生活出来ている子供もいることを考えるとサバイバルな世界に皆を出すのも難しいですよね。
 またおっしゃる通り、ぶら下がりを支えている優秀な人が辛そうです。


(C氏)20年間、外から言い続けてきましたが諦めました。問題先送り社会に未来はありません。50歳以上の選挙権を取り上げるくらいのことをしないと何も変わらないかと。


posted by 今だけ委員長 at 05:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月17日

大槌町へ新聞配達と町民の声を聞きに行ってきました!

 東日本大震災後に行われる最初の国政選挙(第46回衆院選)のあった16日、NewsLabおおつち日本ジャーナリスト教育センターNPO法人ボランティアインフォが大槌町や地元NPO、商店街の協力を得て運営)が発行する「大槌みらい新聞」の配達をしてきました。
いざ出陣.jpg 今だけ委員長が所属する「ふんばろう東日本支援プロジェクト・宮城支部」(以下、ふんばろう)のメンバーや職場の同僚に声をかけて集まった5人の仲間とともにいざ岩手県大槌町へ。大槌町を訪れたのは今回で5回目ですが、津波被害を受けた市街地は前回訪れた時と何にも変わっていないように映りました。

 NewsLabおおつちプロジェクトは、大槌町と釜石市で発行されていた岩手東海新聞が震災の影響で廃刊となったことを受けて、地域情報の発信を目的に立ち上げられました。また、取材から編集、配達に至るまで町民とともに「新聞をつくる」というコンセプトで運営され、写真と撮り方や文章の書き方などのワークショップにも取り組まれています。被災地に住み続ける方々の情報発信力を引き上げることにも寄与するプロジェクトなのです。
 以下は配布ボランティアに配られたマニュアルから引用します。


「大槌みらい新聞 配布ボランティアについて」

○大槌みらい新聞は、「手渡し」で町民の方々に配布をします。
 大槌町は、大槌と釜石で発行されていた「岩手東海新聞」が震災によって廃刊に追い込まれたことにより、町の行政情報などを得る機会を失いました。
 大槌みらい新聞では、失われた情報発信を取戻し、町の方々が届けたい、知りたい情報が町内に行き届くことを目指しています。また、町民の方への情報発信力をあげるための写真や文章などのワークショップ運営にも力を入れ、町民の方と一緒に新聞をつくっていきたいと考えています。紙面に対する意見、感想や載せてほしい情報を伺うことや、情報発信のワークショップのお知らせをもっとしていきたいのですが、ポストにただ新聞を入れるだけでは読んでいただけていません。そこで、配布ボランティアの皆さまには、紙面をよりよくし、町の方々に新聞作りを一緒にしてもらえるように、一軒一軒訪ねていただき、配布の際に町の方の意見やお知らせをしていただきたいと思っています。また、約5000戸への全戸配布を目指しています。


 仙台を6時30分に出発してNewsLabおおつちの拠点がある大槌町大ケロへ到着したのは10時過ぎ。活動拠点として間借りしているという風情ある古民家で、日本ジャーナリスト教育センター代表運営委員の藤代裕之さん、長期インターンの木村愛さんから配布に関するレクチャーや町内の現状について説明を受けました。「大槌町の方と一緒につくる新聞(紙面)を目指している。紙面の感想や要望を聞いてきてもらいたい」と木村さん。また、先日ふんばろうから支援させていただいたiPadがワークショップで活躍しているとの報告(お礼)も受けました。(同紙編集長の松本裕樹さんとも久しぶりに会うことができました)


吉里吉里仮設手渡し.jpg この時期としては暖かな気温でしたが風が強く、新聞配達のプロ?といえども地図とにらめっこしながらの配達に多少戸惑いましたが、吉里吉里仮設住宅を含む浪板海岸エリア(鯨山の裾野に広がる集落)の290世帯(第7〜12地割まで)へ手渡し配布をしながら町民の声を聞くことができました。
 「大槌みらい新聞の第4号をお届けにきました。前号も読んでいただきましたか?何かこんな情報が知りたいとか紙面で取り上げたほうがよいと思う話題とかありますか?」と相手の表情を見ながら語りかけると、「あぁ読んでると。どっからきたの?仙台・・・あら遠いところからご苦労さんだねぇ」とほとんどの方が優しく言葉を返してくれます。どこの被災地でもそうですがボランティアなどからの支援は仮設住宅(の入居者)へ偏り、在宅避難世帯は手薄になっていることがうかがえました。

配布後のレクチャー.jpg 新聞だけではないけれど、「手配り」の良さをあらためて感じました。「モノ」を届けるだけならポストへ投函すれば済むことですが、コミュニケーションを取りながら(取る努力をしながら)人はつながり、その人が作っている(配達している)商品(新聞)の価値も側面的にあげていくことになる。「あの人が作っているから読みたい」と。もっと新聞の作り手は外に出て読者とコミュニケーションを取っていかないと…ですね。大槌みらい新聞のコンセプトの中にいろいろ学ぶべきことは多いと思います。

 大槌みらい新聞は毎月15日発行。それに合わせて配布ボランティアも随時募集しています(1〜2月は路面凍結よる転倒事故等を防ぐため配達業者へ委託)。全国の新聞産業で働いている皆さん、まずは行動してみませんか?

大槌みらい新聞.jpg
posted by 今だけ委員長 at 07:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月09日

12月10日の新聞休刊日が一部地方紙で取りやめに

 昨夜は宮城県平野部でも雪がつもりました。そして″寒い”・・・。
3242072193_e4f19442c8_o.jpg こうして嫌ぁーな冬の季節がまたやってきました。東北地区などの降雪の多いエリアでは、冬期間に突入すると新聞輸送や販売店の宅配時間に考慮して記事の降版時間を繰り上げる「冬ダイヤ」が導入され、読者の手元へ一定の時間までに届くような配慮がされてきました。しかし、印刷部門の委・受託印が取り組まれるようになってからは、降版時間は繰り上げられても新聞が販売店へ到着する時間はあまり変わりなくなってきました。
 
 「早く配達を終わらせよう」という焦りが大きな事故を招くケースもあります。冬期間に起こる″滑って転ぶ”事故によるケガは症状も重く(骨折など)なるものです。新聞配達の仕事で「ゆっくり配達してね」とは言えないのですが、安全確認をしながらケガのないように配達してもらいたいと願います。

 
 まずは業界紙より


▽有力地方紙 12月の休刊日返上へ(ジャーナリスト新聞 11月26日付)
 衆院総選挙の日程決定を受け、有力地方紙(東奥日報、デーリー東北、秋田魁、山形、信濃毎日、新潟日報など)では12月10日の休刊日を返上し、朝刊を発行する。

 河北新報社でも本日9日付の朝刊に社告が出されました(注)社告が出るまで公言するなとか、いろいろい面倒なので前日のブログアップになってしまいました。
 『あす10日は新聞休刊日の予定でしたが、東日本大震災後初の大型国政選挙である衆院選の経過を継続して報道するため、朝刊を発行します。 河北新報社』
 

 多くの新聞社で年間10日の新聞休刊日を設けていますが、高知新聞では年間5回の休刊日であったり、夕刊であれば日・祝日に加え土曜夕刊の発行を休んでいる新聞社もあります。実際に配達に従事するアルバイトの方々は休日出勤となりますが、ちゃんと休日出勤の割増手当が支払われているのか疑問です。家族経営的な規模の比較的小さい販売店さんはご苦労されると思います。年に一度の泊りがけ忘年会もキャンセルされたところもあるでしょう。

 今回の休刊日を取りやめは信濃毎日新聞が口火を切ったとされていますが、その背景についてはいろいろな言われ方をしているようです。各政党や選挙管理委員会からの紙面広告収入を取り込むため―との意見もありますが、公職選挙法(選挙に関する広告)では新聞紙面へ出す広告の基準も事細かに規制されているため「決まった広告料」しか見込めません。

2.衆議院議員選挙広告

衆議院議員選挙は総選挙とも呼ばれ、小選挙区、比例代表並立制で行われます。この総選挙は〈1〉選挙区候補者広告〈2〉候補者届出政党広告〈3〉比例代表名簿届出政党等広告の3種類があります。すべて無料(広告料金は国庫負担)広告ですが、比例代表名簿届出政党等広告に限り、当該選挙区における得票総数が当該選挙区の有効得票総数の2%に達しない場合は有料(名簿届け出政党等支払い)になります。

〈1〉選挙区候補者広告
●回数は5回まで(朝刊、夕刊、スポーツすべて回数に数えます)
●1回当たりのスペースは横9.6センチ、縦2段組み以内
●必要書類は「新聞広告掲載証明書」「新聞広告掲載承諾通知書」
●掲載範囲は福岡県、長崎県の候補者は朝刊通し版、その他の県はそれぞれの県の地方版
●掲載期間は、選挙運動期問中(立候補届け出日の翌日から投票日の前日まで)


  「誰に投票すればいいのか?」。顔の見えない今回の国政選挙で、新聞社がどのようなスタンスで国民の関心を高めていくことができるか、新聞がある意味で投票へ行くきっかけを呼び起こせるか・・・。投票率の動向は別な意味で関心のあるところです。
 橋元徹大阪市長のように「ネット選挙を禁じている公選法を批判」する方も今後増えてくるでしょう。これは時代の趨勢でしょうがないこと。であれば、いま新聞、テレビなどのオールドメディア(こういう言い方するとまた怒られるかw)に託されている役割をしっかり考えたいと思います。

 さて、16日の投開票結果はどうなることやら。皆さん選挙には行きましょうね。
posted by 今だけ委員長 at 23:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年12月07日

宅配網を守るため、読者の奪い合いではなく「アルバイトの奪い合い」が起こるかも

 ここ数年、多くの新聞販売店が配達スタッフ不足に悩まされています。いわゆる「配達労務難」。
 今だけ委員長がこの業界に入った平成2〜3年あたりもこの配達労務難現象が起きていて、毎朝2区域の配達をしてから通常業務に入るということが当たり前の時代でした。その後、配達スタッフの労働条件引き上げや配達区域の統合(部数減少により統合せざるを得なかった)などにより、一部の地域的な問題(山坂が多い地区など)を抱えるエリアを除くとスタッフの充足率は向上してきました。

 従業員数推移.jpgあれから20年。平成5年の値上げ以降、全国紙の購読料は変わらないもののインターネットの隆盛に後押しをされるような形で広告収入は減少傾向を辿り、発行部数も1世帯あたりの購読紙が1部を下回る状況になってきました。部数が減ってくれば必然的に配達区域を統合せざるを得ないため、配達スタッフの総数も減少しています。以下の図表は販売店従業員数や発行部数を15年前の数字と比較したものです。(日本新聞協会データブックより引用)

 これまで新聞配達スタッフの募集方法は「募集チラシを新聞折込」が主流でしたが、近年は求人誌やネット広告などのメディアへ募集をかけています(広告料は安くありませんね)。しかし、応募してくる人数そのものが少なくなっているのです。
 先日、とある全国紙系の店主さんと話したところ「いやぁ困った。専業が配る(部数)にも限界があるしなぁ」と声のトーンが下がったまま。さらに、募集をかけている地区((欠員区域)だけ突出した労働条件を提示するわけにもいかず(ほかの地区との兼ね合いもあるため)、配達労務難の悩みは増すばかり…。
 振り返れば、労働基準法すら守られていない労働条件であったり、「労基法をクリアしていれば問題ないのだ」と豪語して、最低基準の労働環境下に配達スタッフ(専業従業員含む)を押し込めていたツケが回ってきたとも取れますが、新聞が決まった時間に配達されることを望んでいる読者からすれば「そんな内部事情は関係ない」となるわけです。


 でも、今だけ委員長は思うのです。この時代、労働委条件を引き上げていくだけでは配達スタッフは確保できないのではないかと。確かに早朝の2〜3時間の労働で2〜30万円の給与が保証されれば就労者は増えるのかもしれませんが、(専業従業員以外で)日中の仕事(本業)に従事しながら新聞配達のアルバイトをされる方のパイは増えないどころか、今後さらに減っていくのではないかと思うのです。
 配達スタッフの中心は主婦層です。家事や子育てをしながら、早朝の空いた時間に扶養控除の対象となる年収103万円以内で「こずかい(生活費の補てん)」を稼ぐには新聞配達のアルバイトは持ってこいでした。しかし、いまはその主婦層が応募してくるケースも減っています。また、朝の運動を兼ねて新聞配達の仕事をと、シルバー世代へ訴求してみても反応はなし…。
 うぅーん困った。労働条件アップやバイク貸与を提示してみても(机上で論じても)、ターゲットとなる方のことをあまり考えていないことが問題のような気もします。


 これからは、各系統同士の配達スタッフの奪い合いが起きるかもしれません。いまの土建業者と同じ構図ですが、アルバイトでの就労形態で集まる人たちが限られているのであればパイの奪い合いは必然的に起こりえるでしょう。読者の奪い合いではなく「アルバイトの奪い合い」になりそうな予感もしています。でも、結局は産業自体のカニバリ的な内部崩壊を招くだけで問題の改善にはなりません。そこで考えたいのが、全系統による共同配達の推進です。エリアごとに担当配達地区を設定し、宅配網を協業しながら維持し、効率化を図っていくしか打つ手はないと思うのです。
 さまざまな障壁があるのも承知のうえで、@共同配達の推進A配達スタッフの労働条件向上―に着手していく必要性を現場にいる者として強く感じています。そろそろ販売店も知恵を絞らなきゃと思うのですが、すべては本社担当員が認めなければできないこと…。おかしな産業構図なのです。

posted by 今だけ委員長 at 08:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月20日

きょうのフェイスブックでのつぶやき

 最近、朝刊だけでなく夕刊の店着遅れも増えている。理由は「輪転機のトラブル」というが…。

 すでにお客さまから8件の問い合わせ(統括部署へ)。「いつも届いている
時間なんだけど」。

 夕刊が届くのを待っていてくれる方からすれば
、配達が1時間も遅れればオヤッと思うのは当たり前。日暮れも早いしw
 最終アンカーの販売店(配達スタッフの方々)もがんばるけれど、限界がある。もうちょっと下流部門のことを考えてもらえないかなぁ…。

 「まだ夕刊届いていない」という電話すらいただけなくなってしまったら…。
posted by 今だけ委員長 at 16:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月17日

歳費に群がる政治屋にうんざり/新聞配達に関するエッセーコンテスト

 野田首相がきのう16日に衆院解散を表明しました。けさの紙面は選挙一色…。うんざりですね。
 「なぜ11月15日解散ではなく11月16日なのか」について、フェイスブックの友達がわかりやすく解説していました。「1日違いで歳費等の手当てが満額もらえるか否か」。結局のところ、政治屋さんたちも“金の亡者”なのだということです。信じられませんね、政治を商売にしている方々は…。
そして新聞等のメディアもこの辺のネタに関しては突っ込みが甘い。新聞協会が消費税軽減税率の適応を求めているから腰が引けているのかな…。
▽「国会議員の歳費、旅費及び手当」ざっくり解説
第5条 解散された月は給料が丸々もらえる。月初解散も月末解散も同じ。
第11条の2 12月1日に在職していると期末手当(ボーナス)がもらえる。
第11条の3 11月16日〜11月30日まで解散の場合は、12月1日まで在職したものとみなされボーナスが満額もらえる。
結論:月給、ボーナスの満額をもらえる最短日が11月16日ということになるのです。
▽国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO080.html
* * *

ふれあいの詩.jpg 新聞協会が実施した新聞配達に関するエッセーコンテストの入選作品を集めた冊子「ふれあいの詩」をご紹介します。


 新聞配達に関するちょっといい話、日ごろ感じていることや心温まるエピソード、「こうしたらいい」と思っていること、新聞配達での経験などをエッセーの形で寄せていただく「新聞配達に関するエッセーコンテスト」も、平成6年の第1回以来、今回で19回目となりました。「大学生・社会人」「中学生・高校生」「小学生」の3つの部門に分けて応募した結果、はがき、封書、電子メール、ファクスで、海外も含め全国から4,397編の応募がありました。(新聞協会販売委員会「刊行にあたって」より引用)
 応募作品の中から入選した30編が「新聞販売に関連する写真」とともに掲載されています。入選作品はネットでも公開されています。
▽新聞配達に関するエッセーコンテスト入選作品集
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/works.html
 個人的に目を引いたのは、地元宮城の女川町に住む中学生が応募した「町の復興といっしょに」。震災後すぐに新聞配達をはじめ、毎朝眺める自分の町が復興に向かって変わっていく様子がうかがえます。

『町の復興といっしょに』宮元 凌(15歳) 宮城県牡鹿郡女川町
 僕は震災から二か月後に新聞配達を始めました。週六日間配っています。
 僕の住む女川町は震災で大きな被害を受けましたが、この町で、何かの役に立ちたいと思ったのがきっかけです。あの頃はなんだかじっとしていられなかったのです。
 新聞配達を始めた頃、道で会う人たちに「おはよう」「気をつけてね」と声をかけられました。地域の人たちに、自分が温かく見守られているんだと思い、とてもうれしく元気づけられたのを覚えています。あいさつって大事だなぁと実感するようになり、今は自分からあいさつをするようにしています。
 新聞配達を始めてから、一年以上がたちました。配達中に見る風景が、毎朝少しずつ変わって、町が復興していることに気づかされます。震災直後に比べると、配達の軒数もだいぶ増えたそうです。これからも新聞配達を続けて、町の復興といっしょに僕も成長していきたいです。

 巻末には新聞倫理綱領と新聞販売網領が収められています。これは一般の生活者より新聞人の皆さんがしっかり把握すべきもの。自己(自社?)の利益追求ばかりしていると、大切なことを忘れてしまうものです。注意、注意。


◇新聞倫理網領(2000年6月21日制定)
自由と責任
 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。
正確と公正
 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。
独立と寛容
 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。
人権の尊重
 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。
品格と節度
 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。


◇新聞販売網領(2001年6月20日制定)
販売人の責務
 新聞が国民の「知る権利」にこたえ、公共的・文化的な使命を果たすためには、広く人々に読まれることが不可欠である。新聞販売に携わるすべての人々は、それぞれの仕事を通じ、民主主義社会の発展に貢献する責務を担う。
戸別配達の堅持
 新聞は読者のもとに届けられてはじめて、その役割を果たすことができる。新聞がいつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものであるために、われわれは戸別配達を堅持し、常に迅速・確実な配達を行う。
ルールの順守
 新聞販売に携わるすべての人々は、言論・表現の自由を守るために、それぞれの経営の独立に寄与する責任を負っている。販売活動においては、自らを厳しく律し、ルールを順守して節度と良識ある競争のなかで、読者の信頼と理解を得るよう努める。
読者とともに
 新聞は読者の信頼があってこそ、その使命をまっとうできる。販売に携わるすべての人々は、読者の期待にこたえつつ、環境への配慮や地域貢献など、新しい時代にふさわしい自己変革への努力を続ける。

posted by 今だけ委員長 at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年11月05日

めっきり寒くなってきたこの時期 FB投稿を読んで思うこと

 かじかんだ手に息を吹きかけながら、早朝の新聞配達をされている配達スタッフの皆さん。大変お疲れさまです。体調を崩されないようにしてくださいね。


 さて、新聞社に勤務する知己がフェイスブックで以下の投稿をしていました。
(以下、引用します)
 「販売正常化」、日暮れて道遠し。
 何らかの措置を講じようかとも思ったんですが、「報復」の可能性もあり、躊躇しています。
‐‐‐
 先日、おいた叔母を訪ねた。弱視で、日常生活はできるが、活字メディアは読めない。

 …なぜか、ある全国紙を3ヵ月配達する旨の、お知らせ文書が、郵便受けにあった。
 「何かの間違いでは!?」と驚いて尋ねると、あまりに勧誘がしつこく、断り切れなかったので、3ヵ月限りで購読を約束したのだという。目を通すことができない「商品」を、それでも買わざるを得ないところまで、追い詰められたのか。
 脱力感と無力感と憤りが襲ってきた。「新聞」にかかわっている自分を恥じた。このような状況を変えられずにきたのは、「業界」すべてなのだ、結局。身内がこのような目に遭うと、かえって、自分自身には「特定の社、特定の販売店、特定の拡張員の問題だ」という言い訳は、逆に通用しない。
 …。前へ進むしかない、と分かってはいるが…。(引用終わり)


配達用バイク.jpg 何度か読み返してみて、何とも言えない深いため息のでる話です。
 こういうことが日常茶飯事起きている新聞販売の現状ってやはり異常だよなぁ。自分もその渦中にいますが、販売労働者は「理性など持っちゃいけない」と言わんばかりに「ロボット」のように扱われているのが現状です。発行本社の号令によって「目標○○万部!」と何の根拠もない目標(ノルマ)が独り歩きし、要求される数字をあげないと罵声が飛ぶ。改廃されてはたまらないと、言われるがままに紙を抱える…。
 こんなこと繰り返していて業界の将来があるのかぁーと心の中で叫んだところで何も変わらない。変えようとする人はこの産業にはいないのだと思った方がよいのかもしれません。


 でも、でも…。自分には少しばかりの理性はある。振り返ってみると子どものころからよく父親に「嘘だけはつくな」と言われたものです。貧しかったけど、「嘘は泥棒のはじまり」との思いから、嘘をついてまで自分の私腹を肥やなんて許せないと思ってた。そして、今では娘に対して「嘘はつくな」と口酸っぱく言っている自分。
 嘘だらけの新聞産業、だれも責任を取らない産業のその構図は滑稽としか言いようがありませんが、諦めることなくチャンスを待つしかないのです。「青臭い馬鹿なヤツ」と言われようが、嘘つきにはなりたくないのです。しつこく、粘り強く…。

posted by 今だけ委員長 at 20:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年09月21日

スマホの普及で電子チラシが拡大だって…

 備忘録としてアップしておきます。

▽電子チラシ急拡大 凸版印刷のシュフー、スマホ利用が後押し(9月3日付、新聞通信) 
 スマートフォンユーザーの急速な拡大に伴い、凸版印刷の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の利用者が増加。月間利用者は400万人を超え、参加するスーパーなどは約7万8000店舗に及ぶ(12年6月時点)。利用者の58.7%が新聞非購読者で、中心は20〜40代の女性。
(産業政策研究会WEB ひろいよみ(9/1〜15)より)

 利用者の58.7%が新聞を購読していない20〜40代の女性ということです。そうであれば、新聞紙面に電子チラシの広告を掲載しなくてもよいのに…と。印刷会社が運営しているから便宜上、新聞広告を出さざるをえないと思いますが、販売店には何の恩恵も無しw
posted by 今だけ委員長 at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年09月19日

「救急の日」新聞勧誘に関する相談窓口開設

 ほとんどの新聞社が休刊日だった今月9日(実際には翌10日の新聞発行が休み)、私が所属する会社で「新聞勧誘に関する相談窓口」(10:00〜15:00)を開設し、読者の方から問い合わせをいただきました。

新聞購読相談窓口チラシ.jpg 「救急の日だから何かしようか」と思い立った背景には、最近頻繁に起きている悪質な詐欺行為と消費者から嫌われるセールス行為がります。詐欺行為の方は(おそらく業界経験者だと思われますが)、普通の領収書に「○○新聞8月分」を書いて「担当者が休みなので集金に来ました。払ってください」という事件が最近発生しました。疑念もなく金を支払ってしまった方もいます(警察に届けました)。新聞販売店の名をかたり高齢者宅を狙う悪質な集金詐欺事件は、断じて許せない行為です。また、新聞のセールスについてもルール無視の営業行為などに関する苦情をしっかり把握したいとの思いもありました。

 「頼んでもいないのに勝手に『3日間配達させていただきます』と新聞を入れられた。代金を請求されるのではないか心配」、「いつも強面のセールスマンが来て勧誘される。怖くて泣く泣く契約を延長しているが断ってほしい」、「苦情を言うと仕返しされるかもしれないので怖い」――このような内容の相談が3件寄せられました。
 購読したくないのに怖くて断れない―というものが多く、新聞への嫌悪感が相当強いことがうかがえます(その方は2紙併読)。また、読者の承諾を得ない試読紙配布(投げ込み)も「後日、代金を請求されるのではないか」という不信感を買うことにつながっていると感じました。


 強面で脅しをかけながら―とか、上限を超えた拡材をちらつかせながら―という営業行為で、どれだけの読者の信用を無くし、新聞を読まない人たちを増やしてしまっているのか…。目先の数字だけを追い求めている新聞産業。常識のない営業行為の弊害は、年金と同じで後世にそのツケが回ってくるのです。
*  *  *
読売3日間連続チラシ.jpg ちょうど同じ時期に、今だけ委員長の自宅ポストに読売新聞のチラシ(B2版)が見本紙と一緒に投函されていました。

 「3日間、見本紙を届けます。3日間お試しいただいた方へエコロールプレゼント」という大盤振る舞いの内容でした。そして3日目に同じようなチラシと新聞、新聞整理袋も届けられていて、「あす、エコロールのお届けと読み終えた新聞の回収にうかがいます」と表記されていました。嫁に「契約はするなよ」念押しをして仕事に向かったのですが、その日の訪問はありませんでした。というか、19日の時点でも読売新聞の販売店の方が来られた形跡はありません。
 いったい、なんだったのだろう・・・。

posted by 今だけ委員長 at 07:22 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記

2012年08月08日

時間と空間が不可欠な民主主義のシステム

 久しぶりの出張です!「第17回NIE全国大会(7/30〜31)」(日本新聞協会主催)へ参加するため、気温37度を超す福井県へ行ってきました。
 社業で知りえたことを個人ブログへ掲載するといろいろ面倒なので、出張目的のNIE関連のことはスルーして、大会で記念講演を行った反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんの心に響いた話を紹介します。

268379_3683507084140_1030282875_n.jpg 湯浅さんの父親は元日本経済新聞の記者、母親は教員という家庭環境に育ったといいます。福井新聞でも連載を持っている湯浅さんの話は、いじめや貧困、格差社会の問題を民主主義の基礎となる「考える時間と意見を交わす場」が減っていることが原因だと解説します。湯浅さんになりきって私のメモを起こしてみました。
* * *
【いじめの問題】
 学校内でのいじめ問題が取り沙汰されているが、いじめる人、いじめられる人のほかにその周りにいる人のことの方が心配だ。先生にいじめの事実を話せば、次は自分がいじめられるかもしれないと知らないふりをしてしまう。でも気持ちが“ざわざわ”して悩むわけだ。でもだんだんといじめられている人に問題があるからいじめられているのだと思うようになってしまう。「普通にしていればこうならないだろう」と。ホームレスの人たちもこのような目で見られているが、同じ社会のメンバーからその人を切り離すことで“ざわざわ”する気持ちを忘れようとしてしまうのだ。

【民主主義は面倒くさくて疲れるシステム】
 この国は民主主義国家だ。しかし、民主主義は面倒なもので、自分たちで物事を決めていくことは大変なものだ。いろいろな異なる意見を持つ人と意見の調整をする、合意するというのは相当の労力が必要なのだが、民主主義の主権者である私たち国民はそこから降りるわけにはいかないのだ。国民一人ひとりがすべての問題を背負わないと(引き受けないと)成り立たないシステムが民主主義といってもよい。その民主主義を引き受けるための条件として、時間(分担)と空間(議論)が必要になってくるわけだが、いまの社会は忙しすぎて時間も空間も確保できない状況にある。親の介護で大変な人は介護の話し合いに参加することも、考えることすらできない。子育てに追われている人は子育ての会合で議論することもできないのが現状だ。こういう人たちが増えると参加型の民主主義は成り立たない。

【教員もマスコミ関係者も既得権を振りかざしてはいないか】
P1020639.jpg 「既得権益を手放さない」。教員もマスコミ関係者もそう言われている。既得権とは一度レッテルを張ってしまうと楽になる。開き直れるのだ。現状の仕事や役割(忙しさ)を盾にして古臭い制度を守る。そういう何もしない人をやっつけてくれるヒーローが求められている。これを「水戸黄門型民主主義」(小泉純一郎元首相もそうだった)と呼んでいるが、何かアクションを起こしてもまた他の問題が生じる。この繰り返しだ。根本的な問題はやはり時間と空間が作られていないということ。

【格差社会と無縁社会】
 いまは金持ちほど働いている。格差社会とは競争社会であるから、そもそも余裕のある人からも時間と空間を奪ってしまうことになる。義務教育のメリットは時間と空間が確保されているということ。あえてデメリットを言えば受験のための競争が優先されてしまい格差を生み出す温床となっていること。また、社会生活に必要なコミュニケーションも薄れていると感じる。「考える人になれ」と言っても難しい社会だ。
 家族には「血縁」、地域では「地縁」という人間同士の結びつきがある。高度経済成長期以降は特に男性には「社縁」(同じ会社員同士のつながり)という結びつきが強くなっていく。いま、東日本大震災の被災地の仮設団地で問題になっているのは、中高年の男性が自分の居場所がなくなってしまっているということだ。血縁も社縁も失った人たちはやることもなくパチンコ屋へ行ってしまう。「仕事をしろ!」「そのような人たちが働ける仕事を作れ!」と多くの人は言う。でもそれは誰もがわかっていることだ。時間と空間がないために何の問題も解決しないのに職業訓練など同じことばかりやっている。無縁化していく中高年男性の問題は格差社会が生んだ歪なのかもしれない。

【信頼関係がないと問題は解決しない】
 「足湯ボランティア」の目的は単に気持ちよくなってもらうことではない。15分程度の時間で面と向かって話ができる空間づくりがその目的なのだ。あかの他人とつながるのが社会であるとおり、そもそも社会とは無縁なものだ。いじめを受けている子どもに「困ったことがあったら相談して」といっても信頼関係がなければ「大丈夫…」としか言わないものだ。「言っても解決してくれないだろう」と思うからだ。人と向き合うということは難しいものだ。仮設団地の自治会長さんたちは無縁の人を結びつける努力をしている。とても大変な苦労だと思う。

【民主主義と生産性は対立しない】
 教員とマスコミ労働者は民主主義を支えていくために必要な仕事をしている。いわば民主主義に参加するための時間と空間が確保されている。そのアドバンテージを活用して民主主義を支える時間と空間をより多くの人が確保できるような社会、考える子どもたちへの教育に取り組んでもらいたい。
いま起きている社会の問題は時間と空間を作れなかったことが原因だと思っている。そもそも民主主義と生産性は対立しないものだ。そのあたりの役割をしっかりやってもらえば、既得権者とは呼ばれなくなるだろう。

NIE福井大会、湯浅誠氏が記念講演 考える土壌は学校に 「時間と空間」見直そう(福井新聞 8/2付)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nie/36103.html

posted by 今だけ委員長 at 08:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年08月02日

「明るい未来のため」原発の早期導入に積極的だったのは日本の旧財閥系企業

 ―昨年3月の福島第一原発事故以後、このような問いがよく発せられるようになった。「原爆の被害国である日本はなぜ原発を受け入れるようになったのか」。

 毎週末、総理官邸前で行われている「原発再稼働反対!」のデモ活動の輪が広がりを見せるなか、今だけ委員長もこの疑問をずっと引きずっていました。その答えがようやく判明しました。それも何げなく読んでいた東京新聞夕刊記事(7/31付)というマニアック?な紙メディアからの発見でした(共同通信の配信かもしれません)。

 「原爆と原発」を新聞に寄稿した有馬哲夫氏(早稲田大教授・メディア論)の考察は、著書「原発・正力・CIA」ビデオニュース・第532回(2011年06月25日)でも配信されていますが、記事を読み進めてみると米国の反対をよそに日本の旧財閥系企業が原発を積極導入しようと動いた歴史が見えてきます。それも、その旗頭を担っていたのが(当時)読売新聞社主の正力松太郎氏だったというのですから、びっくり仰天。


1304880744.jpg 有馬氏の寄稿を要約すると、1955年にシドニー・イェーツ議員が米国下院へ@米国政府は日本政府と協力し、日本における事業用電力増産のために発電用原子炉建設に着手すべきA広島が世界の原爆の洗礼を受けた土地であることを鑑み、米国政府は同地を原子力平和利用の中心とするよう助言すべき―を提案。しかし、このイェーツ案は当時のアイゼンハワー政権幹部から支持を受けることはなかった。その理由としてⓐ日本に原発を与えれば、それはプルトニウムを産出するが、これは核兵器の原料となるⓑ広島原発で産出されたプルトニウムは、米国に返還されることになるが、そうすると広島で造られたプルトニウムから米国が核兵器を製造することになり、日本に対して心理的に大きな問題を生む―というものだった。米国務省文書には、広島に原発を建設することではなく、同地にある原爆傷害調査委員会を改組することにあったのだが、広島市の指導者たちが原発を歓迎していることで急きょ、医療用の原子炉を広島へ建設することを外務省へ申し出ることに…。しかし、米国政府が申し出た小型の実験炉では満足できない日本の旧財閥系企業が本格的な原発を導入しようと動き始めており、その旗頭になったのが当時の日本テレビ社長にして読売新聞社主の正力松太郎氏。56年に原子力委員長となった正力氏は原発の早期導入を目指し、その後、正力氏は英国から原発を輸入することを決定する。日本が米国から原発を輸入するようになるのは、「(原発の輸出を)禁止しても日本は他国から買うだけだ」と思い知らされたからだという。日本は原発を結果として受け入れたというより、米国の反対にもかかわらず「明るい未来のため」に自ら求めたという。(一部原文を引用)


 このような歴史的事実をしっかり残していくことが新聞に求められていると思います。有馬氏の考察が「事実とは言い難い」のであれば、両論を掲載してより多くの読者の議論を呼びかけるべきです。また、このような検証記事を新聞社によって「書かない」「書けない」ということが一番の問題。がんばれ新聞労働者!
* * *

ワンコイン応援メッセージプロジェクトご協力のお願い!
 ワンコイン応援メッセージプロジェクトは、
被災した新聞販売店への支援と被災エリアへの情報提供を目的に折込チラシを発行するプロジェクトです。
@発行エリア:宮城県石巻エリア(前回に引き続き石巻エリアで発行。エリアは検討中)
A折込部数:3000部程度
B折込日:2012年8月20日頃
Cメッセージ受付締切:8月10日
D支援金の振込先:ゆうちょ銀行・店番818・普通口座3265931
 名義:コセキカツヤ
 ※1口500円でお振り込みください。
Eその他:メッセージは140字以内でお願いします。チラシへ表記する
 お名前(ニックネーム可)、所属、居住地も一緒にコメント欄へ入力し
 てください。

posted by 今だけ委員長 at 05:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2012年06月20日

受託印刷はこれまでの「臨機応変」な対応が排除されるということ

 自然災害には太刀打ちできないと、昨年の大震災以降ひしひしと感じているところです。
 けさも台風4号が直撃するということで新聞配達作業中の事故を心配していましたが、大きなトラブルもなく順調に配達されたようです。ググってみたところ、栃木県で配達作業員が業務中に軽傷を負ったというニュースも。お大事にしてください。

▽新聞配達中の50歳代女性が軽傷 台風4号被害
 県消防防災課の20日午前7時45分時点のまとめによると、台風4号の影響で、真岡市でバイクで新聞配達中の50歳代女性が強風であおられ転倒し、右肩に軽傷。住家被害は宇都宮市中岡本町で一部損壊一棟、日光市下鉢石町で床上浸水1棟、那須塩原市塩原と日光市上栗山で計4棟が床下浸水した。非住家では佐野市の車庫1棟が倒壊した。那須塩原市の1世帯3人が自主避難した。
 道路関係では、通行止めになっていた国道120号線第1いろは坂が20日午前4時半に解除された。(下野新聞6/20付)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20120620/809065

 宮城県内では午前5時頃には(強風の余韻はありましたが)雨もあがり、きのうの時点で休校を決めていた児童や生徒の通学もないため、交通量も少なくいつもより通勤はスムーズでした。
 台風などは、あらかじめ来襲することが把握できるため、新聞発行も降版時間を早めるなどの対策を講じることも可能ですが、近年、印刷現場(新聞社が別会社として設立した印刷センターなど)で取り組まれている「受託印刷」という環境下だと、そう簡単に販売店への店着時間を早めることはできなくなります。単独印刷から複数印刷で生じるリスクでもあるのですが、仕事を請け負うということは「臨機応変」という言葉が排除されることでもあります。(降版の順番を視野に入れた)システム面、輸送態勢など決まったアウトラインをずらすことは、受託先との関係もあって相当難しいもの。
 この辺を理解していても販売と編集では「早く販売店へ届けろ!」「中途半端な紙面内容では降版できない」と、同じような綱引き(議論)が行われているものです。解決策は印刷職場の増員、輸送トラックの増便という原資を増やすことしかないのだと思います。

 ここで評論しても仕方ないのですが、(紙の)新聞は「物」なので、読者の手元へ安定供給できる体制を[「読者優先」を起点に編販一体で考えたいものです。

posted by 今だけ委員長 at 12:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2012年06月13日

訃報 ヤメ記者弁護士・日隅一雄さんが死去

 訃報です。元産経新聞記者で弁護士の日隅一雄さんが12日、お亡くなりになりました。

 日本のマスメディアを憂いマスコミ労働者に対する辛口なエールを送り続けてくれた方でした。東日本大震災以降は、福島第一原発事故に関連して政府や東電の責任を追及され、病気を抱えながら記者会見へ出向いて行かれたそうです。

 一度、日隅さんの講演をうかがったことがあり、ご自身が運営されているブログ「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄」でのスパッという物言いとは違った印象を持ちました。小ブログにもコメントやトラックバックなどを送ってもらい、いろいろご教示いただきました。
 

 お疲れさまでした。安らかにお休みください。合掌
 
PK2012061302100037_size0.jpg弁護士・日隅一雄さん死去(東京新聞 6/13付より)
 昨年三月の東京電力福島第一原発事故直後から、政府や東電の責任を追及してきた元新聞記者で弁護士の日隅一雄(ひずみ・かずお)さんが十二日午後八時二十八分、入院先の東京都新宿区河田町八の一の東京女子医大病院で死去した。四十九歳。昨年五月、末期胆のうがんで余命半年と告知されていた。広島県出身。
 京大卒業後、産経新聞記者を経て一九九八年に弁護士登録。第二東京弁護士会に所属。NHK番組改変訴訟や沖縄返還密約情報開示訴訟などに携わる一方、弁護士やジャーナリストらで設立したインターネット市民メディア「NPJ(News for the People in Japan)」編集長を務めた。
 十二日に亡くなった日隅一雄さんは、弁護士として「表現の自由」や「知る権利」の実現に奔走する一方、ジャーナリストとして福島第一原発事故の問題を追及し、ブログなどで発信を続けた。東電や政府の記者会見に足を運んだ数は延べ百回以上に上る。
 会見への出席は「市民に必要な情報がきちんと出ていない」との危機感を募らせたことが発端。既存のメディアにも問題を突きつけていた。
 今年二月、東京新聞のインタビューでは「今は政策決定が官僚主導。『主権在官』になっている」とし、国民が情報を得にくい制度に問題があると指摘。「市民が情報共有して主権を行使できる社会にし、日本に実質的な民主主義を根付かせなくてはいけない」と強い口調で説いた。
 一方で「今の記者はおとなしすぎる」と憂い、「官僚は常にメディアをコントロールしようとする。勝たなきゃだめだ」とも訴えていた。
 今年一月に「検証 福島原発事故・記者会見」(共著)、四月には「『主権者』は誰か」を刊行。病をおして対談や講演に出向き、真の民主主義の実現に最期まで執念を燃やした。

 東京共同法律事務所の同僚で前日弁連事務総長の海渡雄一弁護士は訃報に接し「日隅さんとは一緒にたくさんの仕事をした。本当によく働く誠実な人でジャーナリスティックな視点で訴訟に取り組んでいた」と話した。

▽日本のメディア労働者よ、立ち上がれ!〜カナダ公共放送局労組勝つ
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/80bec53c55599e873c928fe3706343cd
▽道新が「自殺」した経緯〜労働組合の報告から
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/3f32cbdcb2dae5d7b4be3749c6a14efc
▽政府・企業にがんじがらめにされている日本のマスメディア
http://minihanroblog.seesaa.net/article/97968567.html

posted by 今だけ委員長 at 23:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年06月02日

目的はサービス向上か収益確保か 下野新聞が直営のカフェオープン

 新聞社が新たな事業展開をする際に「読者サービスおよび拡大のため」なのか、「儲けを優先させる新たな収入源の確保」のかといった議論が会議の前段でされることがあります。

 これまでほとんどの新聞社は、(紙の)新聞発行以外の事業で儲けようという発想は希薄で、地域貢献的な使命感を引きずりつつ採算度返し外視の催事を行ってきたわけですが、それは経営的にも安定していた時のはなし。さらに言うと、新規事業を考えるにしても編集出身者が多い経営幹部は、突拍子もない提案を受け入れるはずもなかったのでしょう。良い意味でとらえれば、冒険せずに紙一本で収益をあげてきた(これまではあがっていた)とも言えます。
 ネット社会に直面し、新聞社の(経営を支える)ビジネス展開も変わりつつあるものもあれば、変わりようがないものもある。でも、最近思うのです。商品の「安売り」だけはしない方がよいと…。


 下野新聞社(栃木)が宇都宮市内の繁華街にコミュニティースペースを1日、オープンしました。
 新聞協会広告委員会が実施している「
私の提言―明日の新聞広告・新聞ビジネス」で、第1回目最優秀賞を受賞した北海道新聞社広告局の松久貴紀さんの提言「ニュースカフェの創設〜新たな拠点メディアとして」を参考にしたのかなぁと。
 下野新聞NEWS CAFEは読者サービス(拡大)の視点なのか、はたまた新たな収入源確保が起点なのか、とても興味のあるところです。

宇都宮に「下野新聞NEWS CAFE」を開店(6/2 下野新聞)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20120601/796568

posted by 今だけ委員長 at 08:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2012年06月01日

ニュースを、さわろう/毎日・スポニチの新デジタルニュース媒体TAP-i創刊

 「8月末まで無料」という言葉にひかれて、つい登録しちゃいました。
 毎日新聞とスポーツニッポンがスマートフォンやiPadなどのタブレット型PCに特化したダウンロード型コンテンツを提供する「TAP-i」(タップ・アイ)。キャッチコピーに「ニュースを、さわろう」というだけあって、日経や朝日が展開する「デジタル新聞」とも違った感じがします。ニュースを(音声で)読んでくれるサービスや紙面に掲載されないネタも提供されるようです。多機能であることは間違いないのですが、使いこなせるかどうかが問題かと…。
まずはお試しで3ヵ月。いかがでしょうか。

 TAP-i総合案内はコチラ→ http://www.mainichi.co.jp/tap-i/

【サービス概要】
 TAP-i(タップ・アイ)は、容易な操作で毎日のニュースや情報に「さわって」ご覧いただけます。美しい多数の写真を、臨場感のある高画質でお届けします。
 毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が協力し、紙面には掲載しきれない多数のスポーツ写真やマイナー競技などもお届けいたします。また、動画やアニメーションキャラクターを駆使した音声読み上げニュースもあります。
 一見、何の動きもない画面をさわっていただくと変化が起きるなど、最先端の端末の機能をフル活用したコンテンツを提供します。
 紙面にはあまり掲載されない芸能ニュースや海外の話題も豊富に盛り込んでいます。気になるページは新聞のようにスクラップしておくこともできます。
 TAP-iは、Webサイトではありません。ダウンロード型のコンテツです。iPhone、iPad、iPod touch、Android端末でご覧ください。
 毎日新聞本紙と併せてご購読いただければ、月額500円と割安料金で提供致します。新聞の一覧性と、新聞では扱えないコンテンツ。双方の特徴を生かした情報収集が可能になります。
 さらに、Facebookやtwitterなどソーシャルメディアとも親和性が高いメディアです。読んで、見て終わりではなく、あなたのお友達や知人と情報を共有していただき、使えるニュースを目指します。


▽毎日・スポニチ 新デジタルニュース媒体「TAP−i」 紙を読まない世代にアピール(新聞通信 5/31付)
 毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社は5月25日、新しいデジタルニュース媒体「TAP-i(タップ・アイ)」を創刊した。価格は月額900円で、毎日新聞の購読者は月額500円。8月末までは「お試し期間」として無料で利用できる。TAP-iは両紙の記事、紙面に掲載していない写真や動画ニュースなどを配信するほか、CGキャスター「アイ」が毎日、ニュース原稿を読みあげる。記者会見で、毎日の増田耕一常務執行役員コンテンツ事業本部長は「これまで新聞を読んでいない人に触れてもらうため、千円を切る価格に設定した」と話した。今年度末で3万部を目指すという。

posted by 今だけ委員長 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月26日

なぜか新聞販売店の押し紙訴訟は滋賀県で起こる…?

 地域メディアの中にあって、どっしりと存在感のある県紙の普及率が高い地域に比べ、県紙がない地域は全国紙や隣県の地方紙が部数伸長のためにせめぎ合うもの。こういう地区では競争(というか乱売)が激高し、裁判沙汰になるケースが後を絶たないものです。

 26日の朝刊各紙(第二社会面あたり)に掲載された共同配信のベタ記事ですが、「押し紙訴訟」が京都で起きているようです。NHK滋賀県ニュースのサイトではアップされていたようですが、現在はクローズ。そのほか、ネットには登場していません。


(ここから引用)
「販売押しつけ」京都新聞を提訴 元経営者
 購読者数を上回る部数の新聞を押しつけられ廃業に追い込まれたとして、京都新聞社の販売店の男性元経営者が同社に約1億880万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こしたことが25日、訴訟関係者への取材で分かった。
 訴状によると、元経営者は1988年から販売店を経営。昨年8月に廃業するまで同社と契約を結んでいた。近年、購読者が減少したが、同社が圧力をかけ必要以上の部数の新聞を送り続けたため、代金を回収できず経営が悪化したと主張。「負担に耐えられなくなり廃業した」としている。
 京都新聞グループの松山和義広報担当は「訴状がまだ届いていない。事実関係については、今後明らかにしていきたい」とコメントしている。
(引用終わり)

 廃業を決断するまでは新聞社との契約もあって、「モノを言えない」のが新聞販売店(経営者)の現状です。ぜひ、この記事を掲載した新聞社は、ことのいく末をしっかり報じてもらいたいものです。提訴だけなら大したニュースではないはず。新聞社と販売店のそのような関係を司法がどのように判断するのか―。追いかけてもらうことを期待しています。

posted by 今だけ委員長 at 22:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月12日

新聞折込広告でサンプル配布も可能に

 仙台市内の一部地域を対象にチョッと変わった新聞折込チラシ(最近はフライヤーと呼ぶらしい)が折り込まれました。

ソフトイン1 1面.jpg「ソフトインワンなら朝が変わります!うれしいサンプル付き!」と記されたその広告は、ライオンのシャンプー「Soft in 1(ソフトインワン)」の試供品(10ml×2ヶ入り)が“のり付け”されたチラシ(B3変形)で、春らしいスカイブルーを基調にしたデザインで3人の読者モデルさんが登場するフライヤー。4月10日の朝刊折込。

 販売店からすると、折込丁合機で作業ができないため手組となり配達作業も大変なのですが、読者からすると「おやっ」と注目されること間違いなしです。今のところ破損による液もれなどの連絡もなく、新聞購読者へきちんと届けられました。

ソフトイン1 中面.jpg 今回のようなサンプルを新聞に折り込んで配布するという広告手法もさることながら、読者に対しては付加価値の提供ともなり得るので一石二鳥だと思うのですが…。

 新聞配達のインフラに『モノを乗っける』というビジネスも開拓の余地があると思います。販売店ももっと間口を広げて宅配網を活用していきたいものです。

試供品.jpg
  試供品はコレ↑

posted by 今だけ委員長 at 18:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2012年04月06日

新聞をヨム日 春の新聞週間がはじまりました!

 例年のことですが、4月6日は「新聞をヨム日」。春の新聞週間がはじまりました。
 昨年は東日本大震災ですべての仕掛けがキャンセルになってしまいましたが、今年は各系統販売店が協力をして新聞のPRに取り組みました。
  P1140776.JPG  P1140778.JPG
 新聞業界のPR作戦はいつものように早朝から展開されました。写真は仙台市内で最も世帯数が多い高層マンションのエントランスでのPR。朝6時から試読紙を180部(各紙30部)を設置したものがお昼頃には品切れになっていました。

 もう一つの取り組みが「朝マック with ニュースペーパー」。朝マックを注文した方へ新聞も一緒にサービスするというもので、全国の47都道府県の各1店舗で展開されました。いつもはケータイを見ながら“朝マック”している人たちが、ところ狭しと店内で新聞を広げている様子は何故かタイムスリップしたようにも感じました。
▽「朝マックで若者に新聞提供 春の新聞週間始まる」(47ニュース)
http://www.47news.jp/news/2012/04/post_20120406144755.html

 全国各地で同様の取り組みが展開されていると思いますが、ぜひ「これはすごい!」という情報をお寄せください。
posted by 今だけ委員長 at 22:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。