2015年06月29日

今だけ委員長ブログを一時休止します

 2005年8月から書きはじめた小ブログ「新聞販売考―今だけ委員長の独りごと」。
 新聞産業にある構造的な問題や「不都合な真実」は、結果として読者の信頼を裏切ることになる――との懸念から、自分の目線で(備忘録として)発信してきました。

 しかし、いろいろと訳があって小ブログを一時休止(非公開)することにしました。
 直接、個人や組織から「止めろ」と言われたとか、それに類似した圧力があったということはありません。あくまでも自身の考えによるものです。「真実を曲げる」ことはできない性格なので・・・。

 サイトは残しますが、新聞販売問題、軽減税率、特定商取引法のカテゴリーと読売新聞に関連した日記などは「非公開」の設定をします。
 ブログは自身の日記でもあるので「非公開」のまま綴っていこうと思います。これまで閲覧いただいた皆さまに感謝申し上げます。
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2015年06月13日

「風化」という言葉がひとり歩きしている

 新聞は誰のためにあるのか―。
 東日本大震災では多数の新聞社、新聞販売店も甚大な被害を受けました。あの大変な状況のなか、新聞を作る側、届ける側の人たちは「誰のための仕事か」と、新聞産業の原点をバネに前を向いてふんばってこられたと思います。

敏郎さん.jpg 先週末、専修大学教授・山田健太さんの依頼を受け、ゼミ生30人を宮城県石巻市と女川町の被災エリアを巡るツアーをコーディネートさせていただきました。山田さんのもとでジャーナリズム論を研究する学生に4年経った被災地の“あの時”と“いま”を伝えるために、最初に訪れたのは児童74人が犠牲となった大川小学校。当時、6年生だった娘さんを亡くした佐藤敏郎さん(現在、小さな命を考える会代表、キッズナウジャパン事務局長)から「なぜ小さな命を守れなかったのか」を考えるお話をしていただきました。それは、講話というより「授業」そのものでした。流れ出る涙を抑えながら佐藤さんの話に聞き入る学生たち。真実と向き合う勇気を学んでくれたと思います。(その後、女川町を巡り、NPO法人「カタリバ」が運営するコラボ・スクール女川向学館を見学しました。ご協力いただいた皆さまへ感謝申し上げます)

 冒頭の話に戻りますが、ツアー初日の晩に石巻日日新聞社常務取締役で現在、「石巻NEWSee(ニューゼ)」館長の武内宏之さんから話をうかがう機会を得ました。ホテルの食堂で武内さんを囲み、3時間以上も繰り広げられた議論に学生たちの真剣さを感じました。

武内宏之.jpg 武内さんが繰り返し述べられていたことは、「誰のために新聞を作っているのか」、「『風化』しているとよく言われるが単語がひとり歩きしているのではないか」という2点。石巻市、女川町、東松島市で発行する同紙は地元に根ざした記事を発信し続けてきたことは言うまでもありませんが、震災後は被災された方の気持ちが前を向くような紙面づくりを心がけたそうです。また、震災後は発行部数も半減して経営的にも窮地に追い込まれるなか、被災者の生活を鑑みて購読料を500円引き下げるなど「地元の人たちと共に地域を作る新聞」を有言実行されています。
 学生からの質問に「4年経って風化していると言われているが」との意見に対し武内さんは、「私は震災後のTV取材などで『言葉を大切にしたい』と言ってきた。風化という単語のみで被災地の状況を一緒くたにされてはいけないと思う。地元の若い人たちも頑張っているし、遠方から足を運んでくれるボランティアの方もまだまだいる。これからだと思う」と語りました。

壁新聞 号外.jpg 翌日は武内さんが館長を務める「石巻NEWSee」を訪問(筆者は二度目)し、7枚の壁新聞(実際には8枚)を見学しました。一つひとつ丁寧に説明してくださる竹内さん。震災当時は報道部長として壁新聞作りの指揮をとられたとうかがいました。端々にガムテープの跡が残る手書きの紙面に「文字のチカラ」と「生活情報を丹念に伝える使命感」が伝わってきます。学生たちは1字1字を噛み締めるように新聞の原点ともいえる壁新聞を見入っていました。
NEWSee.jpg NEWSee 展示物.jpg
▽戦時中の伝説が生んだ壁新聞 「石巻日日新聞」常務取締役 武内宏之さんに聞く
▽誰のための取材なのか 大手メディアと石巻日日新聞の違い

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2015年05月02日

もう一歩踏み込んだ「デジタル版」提供の基準を考えたい

ゴールデンウィーク後半戦に突入!
でも、この時期は代配に追われ毎朝2時30分起きなので、帰省してくる友人や被災地へ継続的に訪れてくれるボランティア仲間と“ゆっくり語り合う時間がない(いわゆる飲めない)”のが残念。まぁこの稼業を続けているうちは「宿命」のようなものです(笑)

この期間中は旅行に出かけられる方や連休する企業から、新聞配達の一時休止の連絡が殺到します。ポストに新聞がたまっていると、「留守」と悟られて空き巣のターゲットとなってしまう―との意見多く、GW、お盆、年末年始の三大ウィークに新聞配達を一時休止される方が増えてきました。
今だけ委員長が勤める販売店では毎回、200件を超す一時休止の連絡が寄せられます。その期間や件数などを眺めると、旅行(帰省)に出かけられる方の多少や企業の休業日の平均などが見えてきます。4月29日から5月6日までの8連休をされる企業は2社のみで、ほとんどは本日から6日までの5連休。旅行などで家を空けられる人の数は例年より「少なめ」という感じです。

新聞は日々の情報を伝えるメディア。特に地元紙は全国規模のニュースではないローカル情報(地ダネ)が多いので、自身の関心ごとや知人が掲載された紙面を見逃すまいと、販売店で「保管」をして帰省後にお届けするサービスをしています。「お悔やみ広告は見逃せない」という人が大半ですが、帰省後にゆっくり4〜5日分の新聞を眺めると、あすから始まる日常へすっと入っていけるのではないかと感じているので、積極的に「一時保管後にお届け」をご案内しています。
一方、休止した分を購読料から値引くよう求められるケースも増えています。過去のブログにも書きましたが、販売店は月決め購読料を頂戴できる読者数分の新聞を新聞社へ発注(おそらく)しているので、お客さまへの値引き分は販売店の減収となります。販売店は再販制度によって、新聞社が決めた定価販売を義務付けられているため、本来はこの値引きの求めに応じることも業界的には「NG」。しかし、そんなこと言っていたら、お客さまからそっぽ向かれてしまいます。このあたりの現状を新聞社の方々にも理解してもらいたいものです。

で、もうひとつ。最近、現読者へのサービスとして各紙が取り組んでいる「デジタル版」(PDFデータなどで紙面が閲覧できる)の登録者が「(紙の)配達の一時休止」をされた場合に、読者の求めに応じて休止期間分の値引きをするべきかどうか?こんな「はてな」が生じています。
先日、入院されて約3週間、配達休止を承ったお客さまへ「返金」にうかがおうと連絡をしたところ「デジタル版で毎日紙面を読んでいたから返金しなくてもイイですよ」との返答がありました。なるほど、モノ(紙)は届けていなくとも紙面と同じコンテンツは読んでいる。デジタル版の申込者にはこのあたりの「サービス提供に当たっての基準」を理解、浸透させる必要があると感じています。

「それっぽっちのこと」と言わずに(誰に言っているのでしょうか?)、デジタル時代のコンテンツ提供を考える際の一助になればと思います。
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2015年04月02日

えん罪に立ち向かった河野優司さん「真実を貫き、最後まで諦めず、日頃の懸命さが自分を助ける」

 2007年に公開された映画「それでもボクはやってない」(周防正行監督)は、痴漢えん罪事件の容疑をかけられた時点で人権が無視される不条理な司法の実情を描き、「えん罪」という言葉を世に知らしめました。「推定有罪」。こんな言葉があるのだと不思議に思った方も少なくないと思います。
 この映画のモデルとなった方は1年6カ月の実刑(服役)を受けた後、「えん罪」を晴らそうと今年2月に再審請求したことも記憶に新しいと思います。
▽「痴漢は冤罪」と再審請求 周防監督「それでもボクはやってない」モデルの男性(産経新聞2015年2月5日付)
http://www.sankei.com/affairs/news/150205/afr1502050028-n1.html

 痴漢えん罪の多くは係争するよりも罰金を支払って解決するケースが多く、えん罪であるのに無実を証明する労力より罪を仕方なく受け入れる方が少なくありません。それだけ、着せられた濡れ衣(罪)を押し戻すことはとても難しいと言われています。

河野優司さん.jpg 2006年に起きた横浜市立高校・元教師の河野優司さんの痴漢えん罪事件。刑事事件では最高裁で有罪が確定し、えん罪を晴らすことはできませんでしたが、有罪判決を理由とした懲戒免職処分は不当として、横浜市教育委員会へ免職取り消しを求めた裁判では「元教諭に対する生徒・保護者の信頼や教育実践などを考えると、処分は重すぎ妥当性を欠き裁量権を逸脱している」と懲戒免職取り消しを勝ち取りました。
 河野さんはもとより、ご家族や「河野さんのえん罪を晴らし職場復帰を実現する会」がたたかった8年間は、私たちの想像を絶するものだったと思います。

 今だけ委員長が日本新聞労働組合連合の専従役員をしていた2007年春。霞ヶ関・東京高裁前でビラを配布する河野さんと初めての出会いました。神奈川新聞に勤める石川美邦さんを介して、えん罪事件でたたかっていることを知りました。専従の任期が切れて仙台に戻ってからも微力ながら署名活動やカンパの協力をさせていただき、送られてくる会報を見ては一喜一憂していました。一昨年11月に「免職取り消しの判決が確定」との会報が届いたときは、心の底から「良かった」とこみ上げる気持ちになったことを覚えています。

河野さん.jpg そして過日、なんと河野さんが私を訪ねてこられたのです。
 お互いに名前は知り得ているけれど8年近く時を経た再会でしたが、「一番つらく大変な時に支援をして※右側が河野さん もらってありがたかった」と河野さんが手を握ってくれた時、目頭が熱くなりました。短い時間でしたがいろいろと話をさせていただき、8年間のご苦労をあらためて感じました。「本人は絶対にやっていないからたたかえるけれど、家族は大変だったと思う」とても重い言葉でした。免職は取り消されたものの、教壇に再び立つことができなかった無念さも伝わってきました。

 昨年、11月11日付けの会報(最終号)に掲載された西村紀子弁護士のコメントが目を引きます。
「河野先生は、この間、教壇に立つことはできませんでしたが、この事件を通して、自身が多くを学ばれるとともに、弁護士を含めた周囲の関わった人たちに多くのことを教えられたのだと思います。真実を貫くこと、絶対に最後まで諦めないこと、日頃から一生懸命やってきたことが自分を助けること。私も学んだ一人です。河野先生に学んでいた生徒達も、この事件の結末を聞いて、そう感じているのではないでしょうか。これもまた『教壇』だったのではないかと思う今日この頃です」。

 河野さん大変お疲れさまでした

▽推定有罪って… 痴漢えん罪とたたかう著者に支援を(今だけ委員長ブログ 2008年3月27日付)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/91234131.html
▽痴漢冤罪の元高校教諭・河野さん――東京高裁で逆転勝訴(週刊金曜日ニュース 2013年5月21日付)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3258
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2015年03月19日

大川小の悲劇から感じる不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人の計84人が死亡・行方不明となった石巻市立大川小学校の事故は、学校管理のもとで多くの命が奪われた大惨事。

大川小.jpg 「大川小の悲劇」として大きな社会問題となった背景には、甚大な津波被害だけではなく石巻市教育委員会による不誠実な事故検証、責任を認めない組織体質も露呈し、遺族との間に大きな溝が生じていることもクローズアップされています。2012年12月に大川小での事故を検証する第三者検証委員会が設置(2014年3月に大川小事故検証最終報告書が提出され解散)されましたが、重要な事実情報が盛り込まれず、中途半端な内容とする批判や問題視する声があがりました。検証に5700万円もの税金と1年以上の時間をかけた検証結果に真実の追求もない。ご遺族の失望感は計り知れません。

 富山大学の林衛さんは、事故検証委員会(室崎益輝委員長・関西学院大学総合政策学部教授、神戸大学名誉教授)が失敗に終わった3つの要因についてこう述べています。@大川小の事実に即し検証・再発防止を図る方針A匿名化・免責論以前に、組織トップに説明責任を求める姿勢B自らの方法論の限界を自覚し、見落としを避けようとする科学的態度―。検証委員会は直接の証言にもとづく、推測を交えない原因を導き出そうとしましたが、同委員会の聞き取り調査は公的立場の発言者であってもすべて匿名とした結果、「忘れました。覚えていません」と当初の証言を否定したり、曖昧にした石巻市教育委員会関係者が続出したことなどから「分からないものは、これ以上分からないと結論づけた」という骨抜きの報告書となってしまいました。組織や個人を守るために口をつぐむ隠ぺい体質に対して、「同じ過ちを繰り返さないための原因究明」を望んでいるご遺族の打ちひしがれた気持ちが伝わってきます。
▽大川小事故とその検証に学ぶ/林 衛(富山大学人間発達学部)
http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/bitstream/10110/13165/1/20141116_JSSTS_Hayash.pdf
      ◇
 声をあげはじめた子どもたち。

 東日本大震災から4年。各紙が震災関連の特集を組むなか、「卒業生ら大川小校舎保存」という記事がほとんどの紙面で大きく報じられました。また、今月14日から開催された「第3回国連防災世界会議」のパブリック・フォーラムを伝える記事も大川小の卒業生や遺族の登壇を取り上げています。
大震災4年:津波被災石巻・大川小「全体保存」市に要望へ(毎日新聞3/8)
卒業生ら大川小校舎保存主張へ…宮城(読売新聞3/6)
<被災者と防災会議>(1)生きた証し忘れぬため(河北新報3/15)
国連防災会議 「なかったことにしない」大川小遺族が訴え(産経新聞3/14)

プログラム.jpg 今だけ委員長も14日、仙台市市民活動サポートセンターで開催された「小さな命の意味を考える〜あの日の大川小学校の校庭から学ぶもの〜」を6歳になる娘を連れて拝聴してきました。
 主催のみやぎ復興応援隊 KIDS NOW(キッズ ナウ)事務局長・佐藤敏郎さん(小さな命の意味を考える会代表)は、今回のパブリック・フォーラムをこう位置づけました「あの日、大川小学校では多くの子どもと先生の命が一瞬にして失われました。たしかに悲しいことでした。失われた命は戻っては来ません。誰もが目を背けたい、耳をふさぎたい出来事です。しかし、私たちは、その事実に向き合いながら、4年間で多くのことに気づかされました。それは未来に向けての学びにすべきことではないかと考えています。大川小学校で起きたことについては、組織や立場を超えて向き合うべきだと思います。何が起きたのか、事実に基づいて問題点を整理し、参加者みんなで一緒に考えていきます。遺族ももちろんですが、むしろ4年間でつながりを作った方々と一緒にやるフォーラムです。みんなであの日の校庭に向き合う機会だと思っています。子ども達や先生方も一緒です」と。

会場風景.jpg 今だけ委員長は、ふんばろう東日本支援プロジェクトという震災復興ボランティアを通じて4年間、被災地域の方々と携わってきましたが、大川小関係のご遺族の方々とは距離を置いていました。2012年夏に当プロジェクトに参加された方が「この理不尽な対応に市教育委員会を提訴する」といった内容のブログを発信した際に、ご遺族の方から「遺族会の中でも考え方の違いがある。そっとしておいてほしい」という連絡を受けてから、静観してきました。しかし、時間とともに社会に埋もれる組織体質のようなことが74人の小さな命が奪われた本質的な原因ではないかと考えるようになりました。

佐藤敏郎さん.jpg 登壇した佐藤さんと西條剛央さん(早稲田大客員教授・ふんばろう支援基金代表)の報告は、一点の曇りもなく「大川小の悲劇」の本質を語ってくれました。300人を超す来場者は「そうだ、そうだ」と聞き入っていました。この大川小の悲劇を「想定外だった」、「残念だった」で終わらせるわけにはいかないと思います。二度とこのような惨状を招かないために真実の究明と学校防災のあり方、そして組織絡みの上司、同僚を優先してしまう隠ぺい体質へスポットを浴びせてこの問題の本質を検証していかなくてはならないと思います。

西條剛央さん.jpg 私たちは日常に追われながら「不都合な真実」と向き合うことを避けているのではないでしょうか。新聞産業で言えば、押し紙問題(発行本社と販売店の取引関係)を「そんなものは存在しない」と、業界全体が隠ぺいし、労働組合も経済闘争ばかりを優先させて足元にある「不都合な真実」から目を背けているように感じます。こういう体質こそが想定外の事故が発生した時にもろくも崩れ去ることを「大川小の悲劇」から感じるのです。

 自然災害は人の常識を覆すことが少なくありません。でも、人災は一人ひとりの勇気の結集によって防げるものだと感じています。小さな命を守る責任を、不都合な真実に向き合おうとしない現代社会の隠ぺい体質を大人(社会人)は常に考えていかなければなりません。

 パブリック・フォーラムで配布された資料の中に、女川町や大槌町で被災した中学生などへ学習支援を行っているカタリバ代表の今村さんの寄稿を引用します。
日常的な職場風土としての「対話」。
すべての人に必要な、肩書きを超えた「リーダーシップ」。
その二つが、2011年の大川小学校の職員室に存在すれば、適切な「合意形成」がなされたのではないか。

大川小学校でお子様を亡くされた方々は、亡くなった子どもたちの思い出を取り戻したいという感情論で戦っているのではない。

ましてや、誰か特定の人を糾弾したいということでもない。

この停滞した社会の中で、普遍的にどこにでも存在してしまっている、「前例踏襲主義」「お任せ民主主義」の大人の思考停止状態に、そんなものもうやめよう、みんな自分の頭で常日頃から考えようと、訴えていらっしゃるように、私には見える。

はじめて大川小学校の、あの日の話を聞いたとき、実は私も、「未曾有の震災で起きたこと。ツラい責任追及はもうやめて・・」と、感じていた。

しかし今は、ちいさな命が失われた「原因」を、社会の学びに変えなければいけないと、心から感じている。
その責任が、すべての大人たちに課せられた、子どもたちからの宿題だと思う。
今村 久美(認定特定非営利活動法人カタリバ代表理事)

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2015年01月12日

ブログ開設から10年目突入。これまで通り「曲げずに」発信していきます!

2015年年賀 会社用_01.jpg 正月作業を終えて、ひと息つく時間もなく暦の上では成人式となってしまいました。
 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。2005年8月からスタートした小ブログも今年で10年になります。細々とではありますが、これまで同様「曲げない」で発信していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

 あまりネタもないのですが、フェイスブックなどで友人から教えていただく社会や政治の問題、そしてマスメディアに関する論考などを眺めていたら、池上彰さんってすごい人なのだなぁと改めて感じたインタビュー記事を発見しました。
▽産経さんだって人のこと言えないでしょ?(iRONNAより)
http://ironna.jp/article/828
 「そんなこと教科書通りだろう」とふんぞり返る新聞社のお偉いさんの姿がなんとなくイメージできますが、「知ったかぶり」の人たちこそ実は現場のことを何にも知らないと思うのです。虚勢を張って見たところで、(最近は時代の流れとは言わないようにしました)新聞から離れていく人たちを止めることはできないわけで、それを販売関係者だけのせいにして本質を捉えようとしない業界体質が問題なのだとずっと言い続けているのですが・・・自身の力不足を感じつつ「なんも」変わらないわけです。

朝日落ちる_01.jpg 朝日新聞の「W吉田問題」で販売店(ASA)はだいぶ苦労しているようです。昨年末のABC部数(宮城県内)を見ると、これまで地元紙に次ぐ発行部数を維持していた朝日が、読売に逆転されるという現象も起きています。
 まぁ読者からすれば「そんなの関係ない。良い紙面を作って」となるのでしょうけれど、販売現場では(朝日が反転攻勢に出て)「また荒れるな」という話が漏れ伝わります。少なくなるパイを奪い合うための「拡材(サービス品)戦争」は永遠に続くのです(笑)
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2014年12月08日

遠のく信頼回復/悲しかったことは業界の体質vsそういった事実は知らなかった

 新聞協会が発行する「新聞研究」12月号(No.761)が届きパラパラと頁を進めると、10月15日に新潟市で行われた「第67回新聞大会・研究座談会―新聞界の直面する諸課題」のパネルディスカッションの内容が掲載されていました。業界紙でも先に詳細は伝えられていたのですが、「全国三紙と神戸、新潟の社長の話などつまらないだろう」と見向きもしませんでした。どうせ筋書き通りの不都合な真実には向き合うことのないディスカッションなのだろうと思っていたのですが、「ダーティーな話も新聞大会で語られるようになったのだ」と感じたので(備忘録として)紹介します。

 ディスカッションの副題は「新聞の信頼回復と経営力強化のために」。消費税率再引き上げに伴う軽減税率の適用や広告の低迷に伴う経営問題について語られる予定だったのですが、朝日新聞の「W吉田問題」で同社の木村伊量社長(当時)の謝罪からはじまったディスカッション。毎日新聞・朝比奈豊社長、新潟日報・小田敏三社長が「他山の石」と表し、編集部門のチェック機能などについて言及。(新聞研究紙面の)この3頁半の話で「もういいか」と感じていたのですが、神戸新聞・高士薫社長の発言から一変しました。高士社長は朝日の検証報道を振りかえり、「教訓と悲しかったこと」として販売問題における業界の体質ついて切り込みました。
 柳田邦男さんが紹介された話です。50年以上前、米国ロッキード社の航空機が空中分解事故を2回連続で起こしたとき、ライバルのボーイング社とダグラス社は、原因究明のため資材と人を惜しげもなくロッキードに提供したそうです。それは、航空機産業の信頼を早期に回復させるという大義のためでした。今回われわれ新聞界がたどった経緯と全く逆です。今回のことを例えれば、“ロッキード”は事故直後の謝り方が悪かった。不備があった上に、“ボーイング”も“ダグラス”も昔よく似たことをしていたとまで言ってしまい、他社が怒って反論した。反論だけでなく、『“ロッキード”の飛行機は危ないから乗らない方がいい、代わりにうちの飛行機を使ってください』とビラをまく社まで現れた。そういう状況だと思います。
 ここから得る教訓は、謝るときは誠意を持ってすっきり謝らなければならない。くどくど言い訳をすれば事態が悪化するということ。悲しかったことは、業界の体質です。業界全体で信頼回復と言いながら、逆行するような振る舞いが一部にあったということです
それに対し、白石興二郎新聞協会長(読売新聞グループ本社社長)は、
先ほど朝比奈さんから『報道の現場はもちろんのこと販売などの現場で』という発言がありました。これは読売新聞の販売現場に対する批判だと思います。ご批判は甘んじて受けるつもりです。8月に朝日が慰安婦問題をめぐり訂正報道をした直後、販売現場の一部が『千載一遇の好機』とげきを飛ばしたことがありました。一部週刊誌で報道された通りです。社長の私も、会長・主筆の渡邉もそういった事実は知らなかったのですが、報告を受け、即刻やめさせました。こうした行き過ぎた販売活動を通じて皆さんにご迷惑をおかけしたとすれば、私から謝罪したいと思います。そういうことはないようにしつつ、競争は競争として、編集も販売もやっていくつもりです(新聞研究から引用)

 読者からすれば「なんのこっちゃ」という話なのかもしれません。でも、新聞各社の経営陣が妙な紳士協定でことを済ませているように映る昨今、指摘するところをしっかり指摘する―という当たり前のことが「少しは機能しているのだ」と業界の内側にいると感じます。
 現場にいるときは筋の通った新聞人でも、経営に携わるようになると嘘つきになる人をいろいろ見てきました。会社員なので「立場」がそうせざるを得ないというのも理解しますが、メッキはすぐに剥がれるもの・・・。人間としての矜持だけは持ち続けたいものです。

▽朝日新聞の問題を考える/新聞社の特権意識が自由な言論を封じている
▽狩猟営業を続けるしかない大新聞社
▽足の引っ張り合いで紙メディア全体の信用が失われている
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2014年11月27日

衆議院解散で新聞休刊日は撤回へ

 衆議院解散に伴う選挙の投開票報道のため、12月14日(実際には15日付けの新聞発行)に予定されていた新聞休刊日は「撤回」となりました(「休刊日返上」という新聞社もありますが)。
日経休刊中止連絡.jpg 毎日新聞休刊日変更について.jpg 新聞休刊日についての論考は小ブログでも何度か取り上げてきましたが、宅配網(労基法が定める完全週休が取得できるローテーションの確立)がしっかりできていれば、新聞休刊日は無くてもよいと考えています。でも実際には新聞休刊日が「唯一の休日」という販売店も少なくありません。
 12月の休刊日は私が所属する販売店でも「忘年会」を予定していたのですが、どうしようかなぁと迷っています。いずれにしても12月15日は新聞の店着時間が大幅に遅れるので、スタッフ一同、総動員で配達することになります。
 ◇
 今回の「アベノミクス解散」についていろいろ考えてみたのですが、朝日新聞が11月22日から5回シリーズ(1面肩)で掲載した「問う 2014衆院選」は思わず膝を打ちました。記者のみなさんが執筆された「安倍政権への問い」はとても読み応えがありました。この連載の1篇を綴った知己の一人は「ネット読者からは『負け犬の遠吠え』とか言われそうですが、負け犬根性を脇に置いても、今回の増税延期と解散判断は筋が通らないことばかり。こんどの選挙を、言論の「多様性」を知ってもらういい機会ととらえ、遠吠えを続けたいと思います」とのメッセージを送ってくれました。
▽増税延期と「不都合な真実」 2014衆院選
http://www.asahi.com/articles/DA3S11472098.html

 新聞販売の先輩から教わったことのひとつに「新聞販売業に政治、宗教は御法度」というのがあります。その通りだと思います。ですが、この2年間、安倍晋三首相が講じてきたことを考えると黙っているわけにはいきません。
■平和憲法を手放していいのですか?
 ひとつは、アベノミクスというロジックだけをメディアは取り上げています。経済政策はとても大切なことであることは理解しますが、タカ派の安倍首相は集団的自衛権、特定秘密保護法しかり、自民党の選挙公約でも「憲法改正原案を国会に提出し、憲法改正のための国民投票を実施、憲法改正を目指す」と明文改憲の方針を打ち出しています。問われているのは「平和憲法を手放していいのですか?」ということです。
▽自民が公約発表 改憲原案提出を明記
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-26/2014112601_03_1.html
■広がる格差社会を放置していいのですか?
 ふたつ目が数字のマジックに騙されない―ということです。安倍政権が掲げたデフレ対策や雇用拡大政策はすべて失敗に終わっています。雇用についてもリーマンショック以降、安倍政権下の2年間で“見てくれの数字”は「雇用100万人増」と発表されていますが、実際は非正規雇用者123万人増加し、正社員は逆に22万人減っています。さらに100万人増えた内訳も65歳超のシルバー雇用がその7割を占めているのが実態です。賃上げに関しても名目上、15年ぶりの2%引き上げと報じられていますが、中小企業で働く労働者はその恩恵を受ける状況にありません。非正規雇用者は賃上げどころではないのでうす。格差がますます広がっていく社会に歯止めをかけることも問われていると思います。

 今回の解散総選挙には700億円の税金が投じられると言います。過去の報道では総選挙で生じる経済効果は2200億円だとか…。選挙ビジネスを仕掛ける側に「新聞」の影が過ぎってなりません。そして、解散直後の安倍首相へのインタビューで「軽減税率を導入する(新聞が対象となるかどうか不確定ですが」との明言を引き出す新聞社に違和感を覚えます。「解散総選挙の大義をうまく報じて自民圧勝のお膳立てをしてあげるから、2017年4月からの再増税では新聞も軽減税率の対象にしてね!」というきな臭さが拭えません(もちろん個人の感想です)。そして公明党は「軽減税率」を選挙公約に加えています。
▽軽減税率「17年4月導入」明記=中低所得者に給付措置−公明公約【14衆院選】
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2014112700330

 今回の総選挙で新聞をはじめとしたマスメディアの発信力に期待したいと思います。投票率(数)の多いシルバー世代は新聞やテレビで伝えられる情報をもとに投票に行くわけですから・・・

 個人で携わっている「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動を河北新報で紹介していただきました。
河北抄 2014.11.22付.jpg
 これまで、「ワンコイン応援メッセージ」の活動を北海道新聞、神戸新聞、朝日新聞で取り上げていただきましたが、先の「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー2014」の受賞に伴って、河北抄という「夕刊コラム」に取り上げていただきました。
http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20141122_01.html
posted by 今だけ委員長 at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年11月22日

ドラッカー学会に参加してきた

 ドラッカー学会が主催する「第9回 ドラッカー学会 大会in仙台」が15日、仙台市内で開催されました。ふんばろう支援基金の代表理事・西條剛央さんも講演者の一人であることから、学会員ではないのですが「午後の部」(参加費4,000円)へ参加してきました。テーマは「復興とマネジメント〜マーケティングとイノベーションの実践〜」。先行きの見えない日本経済に反映してか、定員を超す参加者で満席でした。備忘録として講演内容を自分なりにまとめてみます。

ドラッカーパンフ.jpg▽企業の目的を明確にすべし
 最初の登壇者はアイリスオーヤマ株式会社・代表取締役社長の大山健太郎さん。昨年執筆された「経営教室〜ロングセラーが会社をダメにする〜」をなぞりながら、「変化に対応する経営」の実践法をドラッカーの考察に照らし合わせながら話されました。アイリスオーヤマは5つの企業理念を掲げています。@会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立することA健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図るB働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくりC顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造するD常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる―。特に「いかなる環境になっても利益をあげる会社になる」という理念を実践している同社は、昨年からお米のビジネスへと参入しています。大山さんは新たなビジネスへの参入も企業理念に照らし合わせて、「本質的、多面的、長期的」にもの事を考えて決断されているとのこと。顧客の潜在的ニーズをキャッチ(ユーザーイン)し、スピードを優先させながら需要を自らつくりあげていく(創造需要)企業の方向性にドラッカーが提唱するマネジメント力を感じました。

▽すべての人間は肯定されたいと思っている
 次に登壇したのが早稲田大学ビジネススクール客員准教授の西條剛央さん。テーマは「日本最大級の支援組織をどうマネジメントしたか?」と題し、自ら立ち上げたボランティア「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動に照らしながら自ら提唱する「構造構成主義」に基づいた方法の原理を説きました。
 ボランティアという組織は「お願い」はできても命令権がないので、頑張りすぎる人にしわ寄せが増えてくるもの。「どうすればよいか」と悩むのではなく、「どう考えればよいか」というのが構造構成主義。目的の抽象度を上げるのが理念であり、企業(組織)理念がお飾りになっているところも少なくない。理念は組織の目的であり、目的がなければただの集団と化してしまう。本質を見失わないことが大切だ(本質観取)。理念とビジョンの違いについては、ビジョンは具体的な将来像(いわゆる下書き)で従業員などが色を塗ってくれるもの。リーダーは的確なビジョンを示すことが大切である。また、「人を集め、人を動かす」には、人間の本質を知ることが重要。すべての人間は肯定されたいと思っているわけだから、否定から入ってしまえばその組織はうまくいくはずがない―「知識労働者はボランティアとして扱わなければならない」というドラッカーの名言は、人間の労働とは体力労働には限界があるものの、方法の本質を見極めながら知識を提供することはボランティアでもあるという解に膝を打ちました。
◇「チーム作り」の最初の本質とは何か?(西條剛央連載 第1回)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141111/423901/?rt=nocnt

▽常に失敗することを人間は願っている
 最後は、作家の岩崎夏海さん。5年前にベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」の著者で、作詞家の秋元康氏に師事し、AKB48のプロデュースにも携わっていらっしゃる方です。「私は講演の際、原稿を一切用意しないようにしている。その場の雰囲気を重んじるために…」と切り出した岩崎さんの講話は、虚飾しない人間の本質を見事に言い当てた内容でした。会場内が「岩崎ワールド」に引き込まれ、メモをとることも忘れて聞き入ってしまいました。なぜ「もしドラ」の続編を書かないのか?この講演を聴いた人にしかわからない(参加した人でもわからない人も多かったはず)逆説的なテーマを参加者が与えられたような気がします。
◇岩崎夏海がとある高校で2014年11月6日に講義を行った!(1/5)
https://www.youtube.com/watch?v=qdmq0oWCDo8

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2014年10月12日

新聞週間が15日からスタート 真摯に生活者の声を伝えてほしい 

 大型で非常に強い台風19号が日本列島を通過する予定の15日、社団法人 日本新聞協会が主催する第67回新聞週間(新聞界のメーンイベントだそうです)が始まります(21日まで)。
posuta-.jpg 全国各地で講演会や新聞のPR活動などが行われる予定ですが、メーン会場となる新潟市内で開催される第67回新聞大会(会場=ANAクラウンプラザホテル新潟)での研究座談会「新聞界の直面する諸課題―新聞の信頼回復と経営力強化のために」のメンバーがスゴイ。読売新聞グループ本社社長(新聞協会会長)の白石興二郎氏がコーディネーターを務め、木村伊量(朝日新聞社代表取締役社長)、朝比奈豊(毎日新聞社代表取締役社長)、小田敏三(新潟日報社代表取締役社長)、高士薫(神戸新聞社代表取締役社長)の4氏がパネリストという新聞経営者の座談会ってどんな展開になるのか興味があります。

 朝日新聞の「W吉田問題」に触れるのかなぁ…とか期待してしまうのですが、まぁ予定稿通りにまとまるのだろうと思います。また、8日から与党税制協議会で本格的な議論がはじめられた軽減税率に対して、新聞・書籍へ適用を求める声明が出されるのでしょう。

読売社説 2014・10・12.jpg 「新聞週間」の口火を切って、けさの読売新聞は「やはり軽減税率が不可欠だ」との社説を掲載しています。戸別配達率と軽減税率、豊かな国民生活の維持に欠かせない公共財と軽減税率、海外の事例と日本の現状…。たとえ話はいろいろあるだろうけれど、対象品目を絞るべくは生活者の視点が欠かせないわけです。業界団体の運動だけを報じないで真摯に生活者の声を伝えるべきじゃないかと思います。

▽「消費税10%」 やはり軽減税率が不可欠だ(読売新聞 10/12付)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20141011-OYT1T50142.html?from=yartcl_blist
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2014年10月07日

まわりが騒いでも変わりようのない新聞産業

東洋経済.jpg 久しぶりに「新聞・テレビ動乱」という見出しにそそられ?て週刊東洋経済を購入しました。この類の雑誌を5年前までは必ず購入していたのですが、最近はネタも乏しく手に取ることすらしませんでした。このほか週刊ダイヤモンドでも毎年、マスメディアの崩壊を伝える(予言)特集が組まれる号は、超〜売れるそうです(新聞関係者が買い占めているのかも)が、「ワンパターン」、「ツッコミも不十分」というのが飽きてきた原因。今回の12ページにわたる特集も内容は5年前(もっと前からかも)とほぼ変わりないと感じました。それだけ新聞産業も「変わりない」のだと思います(まわりは変わっているのですが…)。

 河内孝さんの寄稿は販売店の流通システム崩壊危機と経営破綻、夕刊問題などに触れて、販売現場の実情を取材していると感じる一方、“モヤモヤ感”も残りました。「新聞販売店は優良店であっても10%前後の予備紙(在庫)を抱えている。まして経営破綻に瀕した店には不良在庫が多い。引き継ぎ店のないまま消滅されると、実読者数を上回る発行部数減を発行本社にもたらすのだ」とは新聞社の目線であって、新聞産業としてこのような誤差をどうクライアントへ説明するのかといった本質的なところには踏み込んでいません。やはりモヤモヤだなぁ―という感想です。

三河屋さん.jpg 唯一、目を凝らしたのが「販売店は“三河屋さん”たれ」という囲み記事。全国に1万8000店ある新聞販売店の生き残りのヒントがマンガ「サザエさん」に登場する御用聞きの酒屋さんにあるとGEE&BEE代表の青木慶哉氏の取り組みが取り上げられています。今月から大手コンビニと組んで販売店が商品宅配をする事業も開始するのだとか。下降線をたどる新聞産業ではありますが、やり方次第ではまだまだ多くの可能性があるということであり、経営者が「ビジネス」、「ビジョン」をどう捉えるかの問題ですね。
* * *
 新聞販売店をサポートするMIKAWAYA21主催の「女性スタッフの活用セミナー(テレマシステム)」が5日、仙台市内で開催され今だけ委員長も参加してきました。もちろん個人として「自腹」での参加です。少人数のセミナーだったこともあって、とても得るものが多かった内容でした。

 講師を務めたのは前出の青木慶哉氏。青木氏は「販売環境が厳しくなっているなかで『現読者満足度をあげる』とは聞こえはよいが、それだけではダメだ。入れカードを増やさないと部数は減っていくだけ。諦めている人が多い新聞販売現場の中で、やはり勝ち組として残っていかなければならない」と切り出し、「売る人を育てる仕組み」(誰もが同じ結果を出せる営業手法、トレーニングシステムの確立が大切。「このスタイルで売れ」と従業員へ指示することが店長・経営者の仕事)や読者を増やす具体的な手法について言及。女性スタッフの導入とテレマーケティングによる効率的かつ時代にあった営業スタイルなどについてうかがいました。

 新聞販売店(販売会社)には店長はいるけれど経営者はいない―。与えられた枠の中でしか事業ができないことの例えのようです。サントリーホールディングスの社長としてローソン会長の新浪剛史氏が就任されたように経営者はその仕事のプロではなく業績をあげるプロであることは言わずもがなですが、新聞社が株主のような契約関係になっている販売店では店長の域は超えられないのかもしれません。

 でも、出来ることはまだまだあります。高齢化社会に対応する事例としてMIKAWAYA21がそのノウハウを提供する「シニアサポート」は、この半年間で200店舗増えたそうです。時代にあった顧客ニーズに対応できる組織と人材が「勝ち組」として生き続けられるのだとあらためて感じました。
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2014年10月01日

処分に屈するような新聞記者は潔く辞めるべし

 朝日新聞の「吉田調書記事取り消し」問題で、191人の弁護士が朝日新聞社の木村社長と「報道と人権委員会」に対して、取材した記者を不当に処分しないよう求める申し入れ書を提出しました。
 ネット上では朝日、産経と一部のネットメディアでアップされているようですが、たとえ処分されたとしても記者が委縮して、報道の自由が損なわれるような状況になったとすれば(そんな弱腰の人では)、その記者はそもそも職業選択を誤ったと思うし、権力におもねる新聞社は「死」する以外ないと感じます。

 第二次大戦中の大本営に屈した新聞社は、過去の反省に立って報道機関としての役割を担っていると多くの読者は思っているのですから、ちゃんと「仕事」してください。
(押し紙問題もしっかりやってもらいたいんだけどなぁ)

「吉田調書記事」問題/「記者の不当処分避けよ」弁護士ら朝日に申し入れ

 朝日新聞社が「吉田調書」の記事を取り消した問題で、挟山事件で再審請求を求めている中山武敏氏ら弁護士9人が9月26日、同社の木村伊量代表取締役社長と「報道と人権委員会」に対し、現場の記者らを不当処分しないよう求める申し入れ書を提出した。記者を委縮させ、報道の自由を損なうことにつながるとの懸念を示した。
 発起人は中山弁護士。梓澤和幸氏、宇都宮健児氏ら人権・報道問題に関わる弁護士が申し入れに名を連ねたほか、191人の弁護士が賛同した。
 吉田調書報道について、「『命令違反で撤退』したかどうかは解釈・評価の問題」であり、「所員に福島第一近辺に退避して次の指示を待てと言ったのに、約650人の社員が10`南の福島第二原発に撤退したとの記事は外形的事実とは大枠で一致している」と指摘。朝日の報道をきっかけとした吉田調書公開の意義は大きく、事故現場での絶望的な状況や混乱が「所長の命令違反で撤退」との表現につながったとして、記事全体を取り消さなければならないほどの誤報とはいえないと訴えた。(新聞協会報 2014年9月30日付)

▽「吉田調書」報道の記者を処分しないで―朝日新聞に弁護士が「申入書」提出(弁護士ドットコムより)
http://www.bengo4.com/topics/2100/

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2014年09月19日

足の引っ張り合いで紙メディア全体の信用が失われている

朝日新聞社 ご愛読のみなさまへ深くおわび申し上げます.jpg 自宅で購読している朝日新聞に「ご愛読者のみなさまへ深くおわび申し上げます」というプリントが折り込まれていました。丁寧な対応にいろいろな思いを巡らせながら、もっと早めにやっておけば…と感じました。
 誤りはしっかり検証して謝罪、訂正すべきですが、だからと言って生活者が朝日新聞に期待しているであろう「権力の監視」の手を緩めるようであってはいけません。安倍政権の広報紙とも思えるようなY紙やS紙(スポーツ紙じゃありません)の攻勢など相手にせず、おもねらない紙面で信頼を回復してもらいたいと思います。

産経PR版.jpg 地上戦ではここぞとばかりに朝日読者を切り崩そうとY紙、S紙が朝日バッシングの宣伝版を大量にポスティングしているようです。生活者の反応はというと「醜い」のひと言。
▽真実を探すブログより
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3834.html
* * *
 きのう、フェイスブックで以下のブログをシェアしたところ、尊敬する方からコメントをいただきました。
▽朝日新聞叩きで紙メディア全体の信用が失われている(Taejunさんのブログより)
https://note.mu/taejun/n/n9323a566b17c
(諸兄からの返信)
朝日新聞をかばうつもりは寸毫もない。
しかし、朝日叩きを見ていると反吐が出る。
この問題に限らず、何かを、誰かを、そして他国を叩くことによって、自らの優越感を得るような風潮が蔓延してきていることに大きな危惧感を覚える。
Facebookがそのような風潮を拡大する場と成っていることにも不快感を覚える。

「日本のメディア全体の信用が問われている」という指摘は的を射ていると思う。

(本文より引用)
朝日を叩いているメディアのうち、結構な数が、(おそらく当の朝日よりも)トンデモ記事をより多く日々量産している。起こっている事態を100歩くらい離れて遠くから見ると、「目くそ鼻くそを笑う」を壮大なスケールで行っているわけで、結果として読者の目に明らかになるのは、「紙メディアってどこも信用できないんだね」ということだ。

 フェイスブックなどのソーシャルメディアによって『問題点の本質を整理せずに』拡散・シェアすることは、情報提供の機会を増やすことよりも「やじ馬」を煽るだけにしかならない―と受け止めました。
 感覚でものごとを判断するのは大人げないことであって、インターネットで発信していくことの責任というか、情報リテラシーの重要性を指摘してもらいました。情報リテラシーの習熟に努めながら、やじ馬にならないよう販売現場からの真実をこれからも発信していこうと思います。
posted by 今だけ委員長 at 21:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2014年09月05日

朝日新聞の問題を考える/新聞社の特権意識が自由な言論を封じている

 今月の新聞研究(2014年9月号)をながめていたら、日刊工業新聞社論説委員の加藤正史氏が随想コーナーへ寄稿された「神童と特権意識」が目にとまりました。
〜特権は人を腐らせる。おそらく例外はない。人生の早い時期に甘美な経験をした私は、その抗しがたい魔力を知っている。成人して、あるいは老成して特権にたどりついた人が、無残なほど脆く魔力におぼれていく姿を、同情をもって見ている。
社会には、特権を許してしまう環境がある。たとえば大臣に接する官僚の言動だ。あんな態度のスタッフばかりに囲まれていたら、1年を経たずして、どんな大臣でも自己規制のタガが外れてしまうのではないか。長期にわたって企業に君臨する経営者もまた、同じであろう。
腐ってしまう人間より、人を腐らせてしまう環境が憎い。ささやかながら、そうした思いが拙文の背後にある。

 この数日間、ネット上で物議を醸しだしている朝日新聞の従軍慰安婦報道(の誤り)から派生した池上彰氏のコラム見送り(数日遅れで掲載)や週刊新潮の広告の一部を伏字にして紙面掲載した問題。
▽(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証(9/4 朝日新聞)
▽<朝日新聞>週刊新潮広告、一部黒塗りへ(9/3 毎日新聞)

 今だけ委員長は、朝日新聞社内の特権的なおごりが出てしまったのではないか―という印象を持ちました。あと、実は打たれ弱い新聞社の体質というものを感じました。従軍慰安婦問題の報道の誤りに対して、さらに踏み込んだ検証を期待していた読者も少なくないのに「火消し」の方に目が向いてしまったと映ります。

週刊新潮 9月11日号.jpg ミスを犯さないために、またミスを犯してしまった際の事後対応を適切に実行するための関連部署や経営に携わる人たちの議論、または経営トップへどのような進言をしたのかが問われます。
 池上氏のコラム見送りの件では同社の記者がツイッターを通じて「もし本当なら言論機関の自殺行為だ」、 「多様性のある、自由な言論は朝日新聞の生命線じゃなかったの?現役記者として危機感を感じます」などの批判的な投稿があったことも影響しているかもしれませんが、結局は池上氏へ謝罪しコラムを掲載するという顛末をたどりました。
 この記者たちが書いたツイートには、新聞社という言論機関が機能不全に陥らないよう危惧する現場の声を強く感じるわけです。この意識がなくなり利益を上げるための企業に新聞社がなってしまったら、「終わりだな」と一読者として思います。

 ネット上では朝日新聞への罵詈雑言が絶えません。建設的な意見も発信されていますが、「朝日叩き」をライフワークにしている人たちの発信を興味本位で拡散する輩も増殖しているように感じます。
 読売新聞は朝日を批判する週刊誌の広告を破格のスペース(6/12段)で掲載。「慰安婦報道検証・読売新聞はどう伝えたか」という朝日批判のリーフレットを作り販売店が各戸へ配布するなど、ここぞとばかりに攻勢をかけています。
▽読売新聞、朝日の慰安婦報道検証で攻勢 チラシを各戸配布(9/2 edgefirstのブログ)

 でも、朝日新聞(朝日新聞の論調)がなくなってもいいのか?と考えるわけです。読売、産経の論調を支持する人たちが増えてナショナリズムへ突き進む様を静観しているだけでいいのか?と強く感じるのです(対極として)。ときの政権というか、権力者が行おうとしていることを冷静に判断する材料を提供してくれる報道機関の存在は欠かせないのであって、新聞というメディアはその最後の砦だと思うのです。
 「そんなことは国民一人ひとりが考え、決めればよいこと」という当たり前の意見もあるでしょうけれど、そこは冷静に現実を考えたいものです。過去の過ちを繰り返してほしくないと思っているから、そう願っています。

 前出の加藤氏の随想のように、朝日新聞は特権意識が強くなりすぎているのかもしれません。そう勘違いされている人が下す判断がときには取り返しのつかない問題を生んだり、従業員のモチベーションを損ねたりするものです。そして、特権を得た人や組織へ忠言してくれる「人」が大切なのであり、耳を傾ける器量が必要なのだと思います。
 朝日新聞社には反省すべきところは反省され、引き続き自由な言論機関としての活躍を期待しています。
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2014年07月13日

デジタルから収入を増やす方法を見つけなければ

 新聞販売店にとって嫌な季節になりました。そう「梅雨」の時期は新聞は濡れるは(濡れないようにラッピングする経費もかさむし)雨カッパを着用しながらの配達は「サウナ状態」で体力は消耗するわでイイとこなしであります。

 最近は業界関連の動きにとても疎くなっているのですが、7月10日発行の「中央協だより」でこんな記事を見つけました。
 平成26年6月度中央協(6月19日開催)は、新聞本紙と電子サービスを組み合わせて販売する際、タブレット端末を無償もしくは無料提供することは、原則、新聞公正競争規約上の景品類にあたることを確認しました。各社から上記のような販売方法に関する規約上の扱いについて問い合わせがあり、規約研究会での検討を経て消費者庁に確認の上、中央経に上申されました。この項目は、25年12月度中央協で了承された「電子サービスの新聞公正競争規約上の扱いに関する見解Q&A」に追加されることになります。
▽タブレット端末の無償貸与、無料提供は規約上の景品
Q.新聞本紙と電子サービスの組み合わせ販売に際し、「購読者に対してタブレット端末を無償貸与」もしくは「無料提供」と表示して行う企画は、規約上どのような扱いになりますか?
A.上記のような表示を行った場合、タブレット端末の貸与および提供が消費者に景品類であると認識されますので、新聞景品制限国時・新聞公正競争規約が適用されます。
 タブレット端末の無償貸与は、相手方に「タブレット端末のレンタル」という経済上の利益を提供していることになります。新聞本紙と電子サービスの組み合わせ販売の購読者に対して、タブレット端末を無償貸与することは、新聞本紙と電子サービスの取引に付随した景品類となり、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用されます。価額の算定に際しては、同端末のレンタル料の市価を参考に算出されることとなります。
 また、タブレット端末を無料で提供する場合も、上記の無償貸与と同様にタブレット端末の提供が消費者に景品類であると認識された場合には、取引に付随した景品類となり、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用されます。(6/19 第629回中央協)

aipaltudo.jpg 要は新聞社もしくは新聞販売店が「新聞を購読してください。今だと月極購読料(3,093円)に1,000円プラス(もしくは定期購読者無料)でするとデジタル版も読めます。デジタル版を読むデバイスとしてiPad(アイパット・Apple)をプレゼントします」というケースのことを指していると思うんですが、iPadをタダでもらってもネット回線につながなければ“ただの箱”なので無線ルーターなどの端末をすでに持っているユーザー以外は、月々の回線使用料がかかります。なので、新聞社もしくは新聞販売店(というか新聞業界)がタブレット端末を新聞定期購読のための景品(拡材)に利用するというのはあまり現実的ではないと思います。
 逆にタブレット端末を販売し、回線使用料で利益を得るというビジネスを展開している企業が、(最低契約期間中)新聞デジタル版をオマケに使うというケースの方が現実的かもしれません。朝日新聞とPC DEPOT(ピーシーデポ・関東圏を中心に全国展開中のインターネットデバイス・ネットワーク総合専門店)のコラボ企画で、kindle(キンドル・Amazon)やiPadの端末と「3年間の定期購読」を条件に朝日新聞デジタル購読料金のみで端末を提供されています。

 「ネットはオールドメディアが圧勝」とニコニコ動画などを運営するドワンゴの川上量生会長は語っていますが、新聞業界もデジタ分野での収入をどう上げていくのかが大きな課題。「紙の収入だけで行く!」というのであれば、もっとデジタル部門へ提供するコンテンツを制限せよ―などの唸り声が販売陣営から聞こえそうですが、現実的ではありません。アルビントフラー的に言えば「情報(収集)革命はまちがいなく起きている」わけで、そのような環境の中で紙の新聞を読むよさを生活者に見出してもらわないといけないわけです。
 新聞協会報7月8日付けで毎日新聞デジタルメディア局長の岩沢武夫さんがトリノで開かれた第66回世界新聞大会の報告で以下のように述べています。
 「25億人が新聞を紙で読み、電子版の読者も8億人に上る。しかし新聞社の収入の93%が紙から発生している。デジタルから収入を増やす方法を見つけなければ、新聞は社会的役割を果たせなくなり、結果として民主主義の弱体化につながる」。世界新聞大会のでの年次報告で世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)のラリー・キルマン事務局長は警笛を鳴らした。デジタル購読者は着実に増大しているが、その勢いに収益が追いついていない、そんな悩みを世界共通で抱えていることを改めて共有した」
 現実をしっかり見つめ、発想の転換をしていかないと産業は衰退していくばかり・・・。先輩たちが築いてきた基盤に敬服しつつ、「エイヤー」で乗り切った精神論ではもう通用しなくなっているのになぁと。誤解されないように言っておきますが「紙」の読者をしっかりサポートするのが販売店の仕事であると同時に、販売店も
時代の向きに対応していかなくちゃいけないということです。しがみつくだけじゃオモシロくないですからね。

▽ピーシーデポオリジナルセット/3年定期購読(限定300セット)
http://www.pcdepot.co.jp/campaign/asahidigital.html
▽ピーシーデポオリジナルセット(限定300セット)※コチラは受付終了
http://digital.asahi.com/info/pcdepot_kindlefire/

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2014年06月22日

紙面段数15段から12段へ 6年で移行社倍増

10468365_10202727863095565_1332845958196558225_n.jpg 定期購読している朝日新聞の折込チラシをながめていたら(枚数のチェックはしているのですが)、「オーダースーツの販売会」というフライヤーが入ってました。朝日新聞販売店会が主催。「このチラシご持参で1000円割引」という仕掛けもベタではありますが、既製のスーツ(礼服)がフィットしなくなってきたシルバー世代へ「朝日読者への特典」ということでかなりリーチできていると思います。

 新聞販売店の副業ではなく「複業」について思案しているところですが、ミニコミ紙の価値をあらためて見直すべきではないかと感じているこの頃です。新聞と一緒で“モノ”として発行されるアナログメディアのミニコミ紙は、その企画や登場する人物によってよりローカル色の強い媒体としての価値を秘めています。シルバー世代は言わずもがなですが、無読者層が広がる子育て世代の懐へ入り込みチャンスは少なからず「ある」と感じます。また、(チョット飛躍しますが)全国の販売店が発行するミニコミ紙をネット上でクローズ管理し、登録した販売店が顧客の出身地域のミニコミ紙を販促ツールとして活用することもできますね。
 販売店の持ち出しもなく、公益社団法人日本新聞販売協会(日販協)に取りまとめをしていただいて(サーバー管理など)このような販売促進ツールの開拓も検討してもらいたいものです。
* * *
 新聞協会報(日本新聞協会・毎週火曜発行)の6月17日号によると紙面を12段制へ変更した新聞社の方が従来の15段制を続ける新聞社を上回ったと報告されていました。(一部引用)
 新聞協会技術委員会はこのほど、新聞各社が発行する紙面の段数状況に関する調査結果をまとめた。今年4月時点で12段制を採用しているのは51紙で、前回調査時(2008年)の29紙に比べ、22紙増えた。
 12段制については、読売が07年末から08年初めにかけ、協会加盟の主な社に対し、文字拡大が全ての新聞社の課題だとして移行を検討するよう要請、共に研究を進めてきた朝日のほか、産経や地方紙などが移行した。
 12段制導入に向けた動きは昨年末から今年にかけて再び活発化した。13年11月に西日本が移行。今年に入り以下の社が12段制に移行している。
 1月=中日(東京、北陸中日、日刊県民福井)、北國、宇部日報、2月=中国、3月=日刊スポ、北海道、室蘭、下野、新潟、福井、山陰中央、4月=中部経済、京都、山陽(引用終わり)

新聞各社の段数.png 「12段・大文字」の新聞に切り替えた読者へ再購読のアプローチをすると(ほとんどが購読中止の申し出があった時点で契約終了の翌月からの契約締結をしますが)、「読みやすい」という返答は間違いなく多いものです。ほかの新聞を読まなければ現行の段数(文字ポイント)に慣れているし、特に文字の大きさは感じないのかもしれません。でも、購読者の多くがシルバー世代であることを考えると「文字の大きさ=読みやすさ」であることは間違いないですね。
 「文字ポイントの拡大は早急にやるべき」。このような提言を何年前からしてたかなぁと忘れてしまうくらいですが、「12段・文字ポイントの拡大は紙面の記事量を制限(少なくなる)することにつながる」という回答をもらったことを思い出します。まぁ、新聞社からすると文字の大小は二の次なわけですが・・・。

▽機能せず国連化する新聞協会を尻目にG7ならぬG3化を極めるANY(2008年01月22日)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/79980574.html
▽メガ文字で新聞離れを止められるか(2008年02月17日)
http://minihanroblog.seesaa.net/article/84546756.html
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2014年06月11日

Amazonで新聞が売られていた?

 昨夜、なにげにamazon.co.jpをながめていたら、新聞紙というカテゴリーを発見。入ってみると
アマゾン 古紙.jpg
 “新聞紙 (新古・未使用) 1束(15kg) 【引越・荷造の包装材・緩衝材として】”という品目で販売されていました。価格は2,400円(1キロあたり160円)。「引っ越しや荷造りの包装材・緩衝材、また隙間埋め材として最適」と紹介されてます。

 販売店(もしくは即売会社?)からの残紙が古紙回収業者だけでなく、販売目的の会社(K MART)へ流通しているというのはさすがに驚き。画像ではさすがに題字を消していますが「A新聞」というのはバレバレです。

 新聞販売業を生業にしている方の感じ方もさまざまだと思いますが、正直「ここまできたか」と、とても切ない気持ちになりました。

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2014年06月08日

生活サポートを活用した新聞の新しい営業スタイル 新たな仕組みを導入しても結果は「やる気」に比例する

 梅雨入りした仙台から新幹線で2時間あまり北上し、青森市で開催された新聞販売店向けのセミナー(「Gee&Bee×新聞情報社」コラボセミナー全国ツアー2014青森大会)を受講してきました。所属する会社から派遣されたセミナーなので、その内容について個人ブログでは語りませんが(後々面倒なので)、講師の青木慶哉さん(株式会社Gee&Bee代表取締役)のプレゼンはとても歯切れがよく感銘を受けました。
Gee&Beeセミナー.jpg 青木さんとお会いするのは2回目ですが、いまや多くの新聞社、販売店からの講演依頼でお忙しいのもよくわかります。新聞産業が抱える問題点を的確に整理され、販売店の強みを活用した実現可能な施策を示し「あとは、やるかやらないかです」と・・・。

 会場には20名ほどの販売店経営者の方がいらっしゃっていたのですが、「発行本社の(自主的な業務展開に関する)縛りがねぇ」とおっしゃる方が少なくありません。副業をするのではなく「複業」をすることで読者の維持獲得に結びつくというアクションプランは(新聞社の方々も)理解できても「(新聞社の方々の)掌握できないことをされるのは許さない」というのが“いまの販売事情”なのでしょう。
Gee&Beeパンフ.jpg @これまでの成功事例にしがみついて精神論でもって生き残りの道を模索するか、Aテクノロジーの進化を見極めながら事業を再構築していくのか、Bもしくは、両極端な発想ではなく新聞と親和性の高いシルバー世代へ応分のサービスを提供し、客単価をあげていくか。私の立ち位置などを考えるとBに注力せざるを得ないと思っていますが、@を選択する人は間違いなく自分のことしか考えていない(自分が定年するまでその企業が持てばよし)となりますね。
 青木さんが提唱するような新しい営業スタイルを導入しても経営者や実践する従業員に「やる気」がなければ成功するはずもなく、「どうせダメなシステムだ」となってしまうもの。じつはモチベーションがすべてのことに大きく関わってくるのですが、自由度のない抑制された企業でモチベーションを高め安定させることは難しい。顧客に感謝されたり、自分の実績を褒めてもらうことが人の“やる気”をあげるのであって、賃金だけではないと感じています。

 2009年にリリースされた「マイクロソフトが描く2019年のITビジョン」をあらためて観ると、スマホやタブレットPCの市場へ電子ペーパーがこれから盛り返すことができるか興味もあります。新聞のような一覧性や持ち運びに長けた新聞の電子版を読むデバイスとして電子ペーパーの実用性についてはまだ伝わってきませんが、これからの動きを見ていきたいと思います。

(あまり悲観的なことを発信すると“よろしくない”と業界内部の方々からお叱りを受けるのですが、ネガティブな問題にフタをしておくことこそ自殺行為だと思うのです。メディアの内側にいる人の中には、自分たちの情報操作によって何とでもなると勘違いしている方も少なくないように思っています。もっと現場に目を向けてもらいたいですね)

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 私が昨年4月から代表を務める「ふんばろう宮城プロジェクト」の母体でもある『ふんばろう東日本支援プロジェクト』(代表 西條剛央さん)が6月2日、世界で最も歴史あるデジタルメディアのコンペティション・ゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)を獲得しました。

▽国際コンペで最優秀賞 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(河北新報 6/5付)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201406/20140605_73011.html
▽すんごい賞をいただいたようです!(ふんばろう宮城PJブログ 6/4付)
https://kacco.kahoku.co.jp/blog/volunteer25/50599
【Prix ArsElectronicaとは】
 オーストリアにある文化機関「アルスエレクトロニカ」が主催する国際コンペティションで、「アート・テクノロジー・社会」をテーマに、社会を動かすイノベーティブなアイデアや取り組みを世界各地から選出し奨励することを目的としたものです。その最高賞であるゴールデン・ニカ賞は「コンピューター界のオスカー」とも呼ばれているそうです。
 日本でのゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)の受賞者には、坂本龍一さんが1996年にinteractive musicの部門で受賞するなど何人かの受賞者がおりますが、コミュニティ部門でのゴールデン・ニカは国内初受賞とのことです(他の部門をあわせても日本での最優秀賞受賞は7年ぶりとのこと)。
 このコミュニティ部門では、過去、Webの創設にあたるWWW(World Wide Web)や Wikipediaがゴールデン・ニカを受賞、WikiLeaks が準グランプリを受賞するなど、実際に、その後世界を変えてきた枠組みに対して与えられてきたものです。

【西條剛央代表のメッセージ】
 「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は明確な境界をもたない市民意思機能です。
 この受賞は、これまで無償のボランティアとして昼夜を問わず運営を支えてくれた3000人にのぼるスタッフや、自ら被災したにもかかわらず立ち上がった現地のボランティア、定期的にご寄付いただいている1000名以上のサポータークラブの皆様、協力してくださった70社以上の企業や団体の皆様の御尽力はもちろんのこと、サイトやAmazon、ECサイトを通して物資や家電を送ってくださった何万人という皆様、TwitterやFacebookで情報を広めてくださった何十万人という皆様、温かく見守ってくださった皆様、陰ながら協力してくださった皆様、また真摯に改善点を指摘してくださった皆様も含め、協力してくださったすべての方々のおかげに他なりません。
 あの日から3年以上が経過し、多くの困難を乗り越えてきた今、みなさま全員とこうした栄誉と喜びをわかちあえることをとても嬉しく思っています。
 そして、だからこそ、原点に戻ることの大切さも感じています。

 先日、74名の子ども達の命が失われた大川小学校のご遺族でもあり、スマートサバイバープロジェクトという新たなプロジェクトで一緒に活動している佐藤敏郎さんが、韓国の沈没事故のご遺族に向けて手紙を書かれました。(http://japan.hani.co.kr/arti/politics/17501.html)以下はその一節です。
 「あの子たちの犠牲が無駄になるかどうか、それが問われているのは生きている私たちです。小さな命たちを未来のために意味のあるものにしたい、それが、三年かかってようやく見つけた私にとってのかすかな光です。」

 震災をただの悲惨な出来事で終わらせてしまうのか、そこに新たな意味を見出せるのかは、やはり僕らのこれからの行動にかかっているのだと思います。
 あらためて関連死も含め亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、震災の教訓を活かした防災教育などの活動も視野に入れながら「目指すべき未来」に向かって一歩ずつ進んでいければと思っております。
 今後ともどうぞよろしくお願いします。
 2014.6.3.
ふんばろう東日本支援プロジェクト代表・早稲田大学大学院客員准教授 
西條剛央

※以下はアルスエレクトロニカにて発表されたプレスリリース用の文章を和訳したものです。
http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/201406030001/
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「ふんばろう東日本支援プロジェクト」
:構造構成主義とSNSを用いた危機的状況に即応する自律型クラウドソーシングモデル
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2011年3月11日。東日本はマグニチュード9.0、1000年に一度といわれる超巨大地震に襲われた。津波により沿岸は400kmに渡って壊滅的な打撃を受けたことに加え、福島第一原発事故も発生し、日本人は未曾有の複合災害によって国家的危機に陥った。震災による死亡者は15,861人、行方不明者2,939人にのぼった。さらにその後の長引く避難生活や震災の影響によって2916名が死亡し、合計21,716名もの尊い命が失われた (2014年6月現在) 。
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「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(以下「ふんばろう」)は、危機的状況に対応するために、西條により体系化された哲学(構造構成主義)といくつかのソーシャルネットワークサービスを活用した自律的なクラウドソーシング・プラットフォームであり、それによって市民が自律的につながり、様々なプロジェクトを迅速に生み出すことが可能になった。
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「ふんばろう」はテーマ別の支援活動に特化した各プロジェクトと、岩手、宮城、福島といった3つの前線支部、その他全国の都市にある後方支部からなっており、プロジェクト、支部、運営チームの総数は50以上にのぼる。それぞれが効果的に連携することによって「ふんばろう」は日本最大級の支援組織へと成長していった。
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西條はプロジェクト立ち上げた時点で、次世代のモデルとして世界に広がることも視野に入れて、Fumbaro Japan Modelという別称も与えた(そのためTwitterアドレスは@fjm2011となっている)。そして実際に、大雨や土砂災害などの大規模災害が発生した際にも対応するより汎用性の高いモデルとしてその方法論が活用されている。
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「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は、震災直後の緊急支援物資提供活動から立ち上がった。当初、この想定を大きく超える巨大地震によりあまりに広域にわたり壊滅的な打撃を受けたため、行政による被災地の状況把握は困難を極め、必要な支援を行うことも困難な状況であった。そのため、全国から届けられる支援物資は中小規模の避難所や個人宅に残された人々の元には届かない状況が多く見られた。あるいは、その現場の人々のリアルなニーズとは異なる物資が届くという状況が多くみられた。(例えば、ある時電力が途絶え孤立したある避難所が本当に必要としていたのは、大量に届く服や絵本のかわりに、暖をとるために木を切るチェーンソーだったりした、等。)被災したエリアはあらゆるものが流されており、車もガソリンもないため移動は困難で、パソコンやインターネットも使えず、被災者が自分達でできることは極めて限られている状況であり、避難所ごとに必要としているものは異なり、また変化していく中で、支援物資のマッチングは困難を極めた。
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西條は現地に入り、その場のリアルニーズを把握することからはじめ、ソーシャルメディアなどの既存の利用可能なシステムを、ブリコラージュ的にすぐさま組み合わせて活かすという方法論を瞬時に立ち上げることで、こうしたミスマッチングの問題を解決していった。
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当初、彼は壊滅した地域に行き、それぞれの地域で本当に必要としているものを聞く活動からはじめた。彼は被災していないエリアに戻ると、翌日すぐにホームページを作り、それぞれの避難所で被災者が必要としているものをホームページや彼のブログに掲載した。そして彼のTwitterにそのHPのURLをリンクして、小さな避難所や個人避難宅では物資を受け取ることができないことや、その時点で被災地で必要としている物資の情報を拡散した。というのも直接Twitterに必要な物資を書き込んでしまうと、Twitterが無限に拡散することにより必要なくなった物資が避難所に届き続けてしまうという弊害が起こるためだ。そのためその都度情報を更新できるHPに情報を書き、それをTwitterにリンクして広めたのである。それをみた人はそれぞれの避難所に直接物資を送る。どこに何をどれくらい送ったかだけ報告してもらい、必要な物資の数を減らしていき、すべて送られた時点でその物資を消す。そうすることにより必要以上に物資が届くことを防ぐことを可能にした。
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こうして、彼は、現地での聞き取り、電話、宅急便、情報を随時更新できるブログやホームページ、拡散力のあるTwitter、インターネット上の販売サイト(EC)等といった既存のインフラを組み合わせることにより、必要な物資を必要な量だけ必要としている人に直接届ける新たな仕組みを開発したのである。
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しかし、東北のどこにあるかもわからない何千という避難所を一人で訪ねるのは不可能である。そこでどうしたのか? 彼は、HPからふんばろうのチラシをダウンロードできるようにして、必要物資を届けながらふんばろうの仕組みを伝える営業マンになって欲しいと呼びかけたのである。そして呼びかけに応じた人がそれぞれ独自の判断で動き始めた。物資を届けるときに現地で必要な物資を聞き取ってくると同時に、そのチラシも一緒に渡してもらうことで、避難所から直接ふんばろうに電話できるようにして、継続的なサポートが可能な避難所を何十箇所、何百箇所と広範囲に渡って急速にカバーしていったのである。
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それによって、震災から1年弱の間に、行政の支援が及ばなかった東北の小規模避難所や仮設住宅、個人避難宅エリアなどを中心に3,000カ所以上に155,000品目、35,000回以上におよぶ物資支援を実現させた。さらに、amazonのwishlistなどの既存システムを援用するアイデアを応用し、55,000アイテム以上の支援を実現した(*2013年度までの動物班の実績も含む)。さらに全国の自治体は被災地に物資を被災していない全国の自治体の倉庫の中でマッチングできずに送り先を失った大量の物資と、被災エリアで必要としている避難所とをマッチングすることで、4tトラック200台分以上もの物資を被災者に届けた。
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さらに、上記に示された膨大な実績を遥かに上回る意義がある。というのも、支援者は宅配便に自分の住所や電話番号を明記する形で個人や避難所に直接物資を送るため、支援された人は誰から支援されたかがわかる。するとお礼の電話がいくようになる。支援者は被災された方々の生の声で、いかに厳しい状況かを知り、また自分の支援がいかに役立ったかを知る。するとその支援者はさらなる支援を行う。またふんばろうの仕組みを通さずに直接支援するようになったり、現地に直接物資を持ってボランティアに行ったりするようになる。この仕組みは支援者と被災者をつなげて、深い絆を育むきっかけを提供することも意図していたのである。
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このように、従来のトップダウン型の仕組みが機能しない緊急事態において、支援者と被災者をつなぐことによって、結果として精度が高く心が通う被災者支援が自己組織的に成立する仕組みを構築したのだった。
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こうしたボランティアによる自律的な支援プロジェクトが生まれた理由は、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」を立ち上げた早稲田大学の西條剛央が約10年前に体系化した「構造構成主義」という考え方が市民ボランティア内で共有されたことによる。その都度「状況」を判断しながら「目的」を実現するための有効な「方法」を打ち出していくという構造構成主義が唱える「方法の原理」という考え方が、市民ボランティア内に浸透していくことで、さらに現場で生まれる新たな課題に対応する新しい方法とプロジェクトが自律的に次々に生まれていった。デジタルツールではなく、いわば「思想」「哲学」がボランティアたちを動かしたのだった。
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仮設住宅には日本赤十字社から家電が配布されるのに、半壊した自宅に戻っている自宅避難民やアパート等で暮らす被災者には家電が配布されないという理不尽な状況があった。そこで2011年5月には、こうした“支援格差”を埋めるべく、家庭で使われていない家電を回収、清掃して送る「 家電プロジェクト」 を立ち上げた。まず、東京を中心として各地で家電が収集され、 東北各地の被災者に届けられた。やがて夏になると、大量の扇風機が必要となった。そこで専用のECサイトを立ち上げ、 支援者に家電を購入してもらいそれを必要とする被災者に届ける新たな方法を開発した。さらに冬が近づくと、全国各地に散らばった被災者にも支援を行うため、全国紙をはじめとしてあらゆるメディアに大々的に告知を載せ、 それを見た被災者に罹災証明書のコピーと希望の家電を書いて送ってもらい、直接希望家電を送るという新たな方法を提案した。こうした家電プロジェクトは約25,000世帯に家電を贈ったのだった。
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また当初、被災地は大量の瓦礫で埋め尽くされている中、家も仕事場も流された多くの被災者は避難所で鬱々と過ごす日々を強いられていた。そこで、就労先を失った被災者の重機免許取得を支援することで、瓦礫の処理や復興建設関係への就労を可能にすることを目指した「重機免許取得プロジェクト」を立ち上げ、現地の被災者1,000名以上の重機免許取得にかかる費用の支援を全国から取り付けることにも成功した。
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他にも状況の変化に応じて、「学習支援プロジェクト」「就労支援プロジェクト」「ものづくりプロジェクト」「布ぞうりプロジェクト」「おたよりプロジェクト」「ガイガーカウンタープロジェクト」「漁業支援プロジェクト」「PC設置でつながるプロジェクト」「緑でつながるプロジェクト」「チャリティーブックプロジェクト」といった30以上のボランティアプロジェクトが立ち上がった。
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これらのプロジェクトの運営は、目的に応じて、FacebookグループやCybozu、Paypalといった複数の既存システムを駆使して自律的に立ち上げられ運営されていった。明確な境界をもたない市民ボランティアの自律的ネットワークモデル、次々と自己組織的に目的を達成していく市民による市民のための次世代のクラウドソーシングモデルとして「ふんばろう東日本支援プロジェクト」は災害エリアの支援を実現していった。
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構造構成主義の「方法の有効性は、状況と目的に応じて決まる」という方法の原理にしたがい、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」では、役割を終えたプロジェクトは速やかに解散したり、状況に応じて組織構造すら柔軟に変えていくなど、一つのモデルに固執しない姿勢が徹底されている。大震災の現場では、前例主義により硬直化した組織の抱える課題が浮き彫りにされた。その教訓がここでは活かされている。


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2014年05月11日

新聞配達に関するエッセーコンテストに応募してみませんか?

 最近の新聞紙面に「新聞配達に関するエッセーコンテスト募集」の広告(半5段・段数が15段組だと下段にある3分の1の半分の広告枠)を目にする機会が増えています。日本新聞協会販売委員会(黒沢幸委員長・読売新聞東京本社常務取締役販売局長)が毎年10月、「新聞配達の日」となる新聞週間中の日曜(今年は19日)に先駆けて、読者などから寄せられた新聞配達に関する心あたたまるエッセーを公募する企画。

▽新聞配達に関するエッセーコンテスト 実施要綱(日本新聞協会販売委員会)
http://www.pressnet.or.jp/about/recruitment/essay/

 毎年受賞される作品を目にするたびに“うるっ”とくるのですが、今年は今だけ委員長も応募しようと思います(400字でまとめるのは至難の業ですが)。最優秀賞は金10万円です。ぜひ毎朝決まった時間に配達される新聞・配達スタッフに対して感じたことを書いてみませんか?
***
 そうそう、前出の販売委員会では今年2月3日に「新聞販売ルールの紹介サイト」をネット上に開設しました(ググるとまだトップに表示されるのは小ブログなのですが・・・)。

▽新聞販売には、決められたルールがあります(新聞公正取引協議会・日本新聞協会販売員会)
http://nftc.jp/

 販売現場では「ルールなんて誰も守らない」と、新聞公正競争規約が形骸化しているという声の方が多いと思いますが、外側(消費者)へ発信しはじめたことはちょっと前進。あとは、購読者の多くが高齢者であるため、ネットだけではなくそれこそ半5段の広告(赤広告ですが)を定期的に掲載することを期待します。

 大組織になればなるほど、「これやりました」というパフォーマンスが実際の効果はどうであれ重んじられたりするものです。相変わらずコメ10キロ(5キロ袋×2)や発泡酒2ケース(350ml×24)の拡材(さらにプロ野球キャラクターのバスタオルとか)が当たり前のように使われている販売現場。パフォーマンスに奔走する輩は問題を棚上げして内向きの(無駄な)労力を強いているとしか映りません。
 折込チラシも低迷しはじめているため、販売店では消耗戦というか我慢比べの域に入っているのになぁ。
販売所労務ポイント.jpg
※こちらもマスターしておかなければ・・・
posted by 今だけ委員長 at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年05月08日

「こんなアプリもあるんですよ」大学生に教わった“全紙_無料新聞アプリ”

 先日、私が勤務する販売店へ大学生二人組が来店されました。内容はサークルのコンサートを開催するのでプログラムへの協賛広告をお願いしたいとのこと。
 彼女たちの熱心な説明をうかがって、3千円の広告協賛をすることに決めました。「新聞を定期購読している学生は少ないからあまり効果はない」と思いつつ、何かしらのつながりで別な波及効果に期待―といったところです。

 説明受けながら世間話・・・。「お二人はご自宅で新聞を購読しているの?」と当方。「いや、取っていません」とお二人。「必要な時は図書館で読めるし、古新聞の処理も面倒だし・・・。ネットでも最低限のニュースはカバーできるので」と想定内の“取らない理由”を話してくれました。そして「こんなアプリもあるんですよ。これ便利かも」とiPhoneの画面を見せてくれました。「全紙_無料新聞」。無料のアプリケーションで今だけ委員長もさっそく「Playストア」からダウンロード。(以下にアプリの説明を引用)
日経・朝日・毎日など大手新聞やスポーツ新聞などマス媒体の記事が全て無料で読めるニュースアプリです。
記事の一覧はtwitter・facebook・はてなブックマークでのシェア状況を集計し、人気の記事が一目でわかるようになっています。
シンプルなデザインでメディア媒体ごとに記事を表示するか否かの設定をすることが可能です。
ぜひこの機会に一度無料で読める新聞(しんぶん)をご利用ください!
●こんな方におすすめです!
 ・新聞(しんぶん)が読みたいけど有料購読をされていない方
 ・隙間時間に時事ネタを抑えておきたいビジネスマンや就活生

 複数の新聞社が発信する記事のダイジェスト版で、記事が(ツイッターのように)短い文章にまとめられているので要点だけは把握できそう。記事配信をする新聞社へどれだけの手数料が入るのかはわかりませんが、スマホを使いこなす学生たちは、こういうアプリで新聞社が発信するニュースを読んでいるわけです。では、こういった学生たちに3千円超の購読料を払っても届けてもらいたい新聞(紙)とは・・・。いまに始まったことではありませんがとても大きな課題です。相手(ネット事業者)は消費者(広告主)ニーズに合わせて素早く(アクセスが伸びなければ)カスタマイズをしてくる一方、新聞は既存のスタイル(デザインも含めて)を変えるのはかなり難しい媒体なので、「現状の新聞」購読者へいかに引き込むか。無料を上回る価値をどう提供するか・・・。そこには商品力じゃないキーワードがあるように感じます。
* * *
電子サービスの新聞公正競争規約上の扱いに関する見解
2013年12月12日
新聞公正取引協議委員会
1. 電子サービスと新聞公正競争規約について
 消費者庁によれば、新聞と電子サービスは、コン店津が異なる場合は個別の商品と認められる。告示は、「新聞の発行又は販売を業とする者」が「新聞を購読するもの」に対して提供する景品類を規制するものであることから、企画における表示の仕方や内容等から、新聞本紙の取引に付随していると認められる企画は、新聞景品制限告示・新聞公正競争規約が適用され、同様に企画の表示や内容等から電子サービスのみの取引に付随して提供される景品類であると認められる企画は景品表示法の一般ルールが適用される。
2. 電子サービスを本紙読者に割安に提供することについて
 例えば単体で3000円の電子サービスを、本紙購読者は1000円で購入できるケースについては、消費者庁によれば、景表法上、本紙購読に伴う景品類には該当しない、電子サービスの値引きである。
3. 電子サービスを本紙読者に無料で提供することについて
 消費者庁によれば、有料の電子サービスを本紙読者には無料で提供することは、本紙と電子サービスを組み合わせた商品の販売であると認められる場合には景品類に該当しない。景品類であると認識される表示により電子サービスを無料提供した場合は景品類に該当し、新聞告示・規約が適用される場合がある。
また、上記の例外として、電子サービスが単に紙面を画像化して配信するものである場合、電子サービス単体では有料であっても、本紙読者へ割安又は無料で提供することは景品にも値引きにも該当しないとしている。これは、紙、電子の2種類の媒体で読者に利用できるようにさせているだけで、商品自体は同一のものであるとの解釈に基づいている。
ASA.jpg
posted by 今だけ委員長 at 08:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記