2014年10月22日

「新聞公正競争規約」制定から50年 新聞販売の自主規制ルールの歴史を考える

 新聞公正取引協議会(日本新聞協会加盟の新聞社らが運営)が発行する「中央協だより」10月10日号が届きました。50年前の10月9日に新聞公正競争規約(注@)が制定されたとのことで、50年間の歴史を編纂した記事が特集されています。

 実際の販売現場にいると「所詮、業界内で取り決めた自主規制」は公正取引委員会(今は消費者庁)へのポーズとして理念的かつ実効性が乏しいものだと感じざるを得ませんが、歴史を踏まえることは大切です。
 「中央協だより」の編纂作業は日本新聞協会(新聞協会)の職員がされたと思うので、新聞公正競争規約の成り立ちに際し、日本新聞販売協会(日販協)発行の「新聞販売百年史」と「朝日新聞販売百年史(東京・大阪編)」などの資料を引用しながら、同規約制定までの背景などを考えてみたいと思います。

新聞公正競争規約制定50年――さらなる規約順守の推進へ
 東京五輪の開会式を翌日に控えた1964年10月9日、公正取引委員会の告示「新聞業における景品類の提供に関する事項の制限」(新聞業告示)とともに、新聞公正競争規約(当時は「新聞業における景品類提供の禁止に関する公正競争規約」)が制定されました。今年は規約が誕生してから50年の節目に当たります。
 規約制定からさかのぼること2年前の62年8月、景品表示法が施行されています。それ以前の新聞の取引は、独占禁止法とこれに伴う公取委告示「新聞業における特定の不公正な取引方法(特殊指定)により、景品類の提供が規制されていました。景表法の施行による特殊指定の見直しに合わせ、新聞公正取引協議会(中央協)では2年かけて、販売業者からの意見もくみながら、規約制定に向けて検討を進めました。
 制定された規約では当初、景品類の提供を原則禁止した上で、新聞業界の正常な商慣習の範囲内で災害見舞い品や新聞類似の付録、公開招待、予約紙と見本紙、編集企画に関する景品類など5項目を例外的に提供できることとし、公正取引協議会の組織について定める内容でした。公取委への規約の認定申請は64年9月に開催された中央協と販売正常化連絡委員会(新聞協会会員8社の代表者で構成)の合同会議で最終的に了承されました。当時の上田常隆新聞協会会長(毎日)「新聞販売の正常化は単に販売の第一線に働く人の問題ではなく、新聞経営の将来という根本的な問題」と指摘した上で、規約順守に向け強い決意を示しました。
▽経済のグローバル化に伴う景品規制の緩和
 その後、規約は幾度か改正されましたが、長年にわたって基本的な枠組みは変わりませんでした。しかし80年代後半から、大幅な貿易黒字を背景に日米間での摩擦が増しました。米国が国内市場の開放を要求する中、日本の競争政策は一段の規制緩和へとかじを切り、これに伴い景品規制も大きな影響を受けました。
 景品規制の見直しを掲げた公取委の研究会は95年3月、社会や経済情勢の変化により景品類の提供によって公正な競争が阻害される恐れはかなり少なくなっていると指摘しました。公取委はこれを踏まえ、96年4月に告示「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」を緩和し、各業界に対しても規約の見直しを要請しました。こうして、新聞公正競争規約にとって大きな転機が訪れます。
▽景品類提供の「禁止」から「制限」へ
 規約の改正作業は、中央協が中心となって進められました。折しも規制緩和の一環として再販制度見直しの動きも出てきたことから、新聞界は一丸となって再販堅持に向けて取り組む一方、読者からの理解を得るためにも公正販売の推進は急務となりました。当時の板垣保雄中央協委員長(読売)は97年の年頭あいさつで、再販維持の重要性を訴えつつ「読者の声には真摯に耳を傾け、正すべきところは正す」と述べ、新たなルール策定に向け各社の協力を呼び掛けました。
 中央協で議論が進められていたさなかの98年4月10日、公取委は景品類の提供を原則「禁止」から上限付きの「制限」へと変更した新聞業告示を公告し、5月1日から施行されました。こうした中で同年9月1日から「新聞業における景品類提供の制限に関する公正競争規約」が施行され、景品類の提供を取引価額の8%、または3か月分の購読料金の8%のいずれか低い金額までとし、懸賞による景品類の提供については継続審議としました。また、2年以内に提供できる景品類の上限を見直すことが盛り込まれました。この規約が、いわゆる「3・8ルール」です。
 この際に、運用の細部も整えられました。景品類の届け出手続きや違反行為の処理手続き、防止措置などについては、新たに制定された規約の施行規則に含まれました。新聞事業者による一般懸賞に関しては、98年12月度中央協で提供できる景品類の最高額を取引価額の10倍か5万円のいずれか低い方、景品類の総額を売り上げ予定総額の0.7%以下とすることで合意し、99年1月20日から改正規約が施行されました。また、同年より発行本社に加え、販売業者の代表も中央協に加わることとなり、こうした現行の組織体制が完成しました。
▽6・8ルール制定――いっそうの規約順守を
 規約は施行後2年以内に見直すことになっていたため、中央協はすぐさま新たなルールの制定に向けて検討を開始しました。精力的に議論が進められる中、提供できる景品類の上限について、現行どおりとする意見と、引きあげるべきだとする意見に分かれました。見直し期限が迫る中、2000年6月14日開催の中央協は取引価額の算定期間を6か月に引き上げる一方、罰則を強化することで合意に達し、現在の「6・8ルール」が誕生することになります。6・8ルールを盛り込んだ規約は同年9月1日から施行され、現在に至っています。
 その後、「新聞のクーポン付広告に関する規則」や関連規定の廃止(02年)、ポイントサービス規定の追加(08年)など、規約を中心とした諸規則は時代に即した改正を重ねてきました。しかし、誕生から半世紀が過ぎた今も、さらなる公正販売の推進という規約の根本的な目的は変わりません。
 中央協の黒澤幸委員長(読売東京)は規約制定50年を迎え、「消費税の軽減税率導入に向けた議論が佳境にある今、国民、読者からの理解を確かなものにする上で、販売改革の重要性はかつてなく高まっている。発行本社、販売業者が協力し、いっそうの規約の順守に取り組んでいきたい」と話しています。(平成26年10月10日付、中央協だより第178号より引用)

■新法制定
 1962年5月15日、「不当景品類および不当表示防止法」が公布されたが、これは、顧客誘引のために過大な懸賞や景品をつけたり、虚偽または誇大な広告をすることを禁ずる趣旨から独占禁止法の特例として制定された法律である。これは独禁法における「不公正な取引方法」の特殊指定と同様に公正取引委員会が業種ごとに、特定の景品制限や表示制限を行い、これに基づいて、事業者団体が「公正競争規約」を作成し、公正取引委員会の認定を受けてこの規約を順守する――という自主規制の建て前をとっている。このため業者の自主規制団体として、従来からあった新聞公正取引協議会の再編成が計画されつつあった。

 62年5月の日販協定時総会に来賓として梅河内公正取引課長が出席、不当景品防止法の成立と、これに伴う新聞業の公正競争規約の作成について示唆した。
 翌63年5月の総会に臨席した中村取引課長補佐が、本社側で立案中の公正競争規約案の概要を説明し、販売店の同意を得て「認定申請」をする準備段階にある、との発言があった。
 日販協としては、販売店をツンボ桟敷に置いた従来と同様の新聞公正取引協議会では、現法体制として不完全であるから、販売店が、規約の立案にも、協議会の機構にも積極的に参加して、充分納得のいく結論を得た上で実施すべきである、との見解のもといん、修正意見を新聞協会に申入れ、これが容れられない場合には、販売店側だけで構成する「新聞公正販売協議会」(公販協)による個別の公正競争規約の制定ならびに自主運営を辞さない旨の強硬な主張を貫いた。

 本社側で認定申請の準備を進めていた公正競争規約および地区、支部の運営諸規則の原案は一時ストップして、改めて東京地区をモデル地区として、その地区の本社、販売店から同数の規約審議委員を出し、そこで原案を練り直すことになった。
 販売店側の委員は、特殊指定発足後約8年間の過程に鑑み、この際、充分な審議を経て、責任の持てる案を作り、業界の安定向上に資したいとの熱意をもって審議に当った。この審議に1年以上かかったが、販売店側の意見は概ね採用されて、64年8月頃には双方一致の成案を見ることができた。
その主な修正点は
@事件処理に当って販売店が参加する機関は、従来は地域別実行委員会のみであったが、新たに支部および地区に運営協議会を設け、販売店代表が委員として協議会に参加することになった。(東京地区協議会規則第5条及び第16条)
A折込み広告の大きさの制限を撤廃した。(公正競争規約第5条第2項第1号)
B押し紙の解釈を具体的に表し、違反の場合の違約金の額および支払い方法を明確にした。(東京地区協議会運営細則12条、第24条、第25条)
C保証金は新聞社および販売店の両者が積立てることを原則とする(同第23条)が、当分の間、販売店は積立をしない。販売店の違約金の支払いは新聞社が立替え払いをなし、後で新聞社がその店から徴収する。(同第25条)
 以上のような修正が、東京地区で行われたことは、販売店側の委員の絶大なる努力と本者側の良識とが相俟っての成果であるが、この東京地区の諸規則を基準にして京阪神地区、近畿地区でも販売店側と本社側との折衝が行われ、細部の点では若干の相違があるが、ほぼ同様な規則ができ上がった。
 64年10月5日、公正取引委員会庁舎3階会議室で公聴会が開かれ、口述人として田村三之助(読売新聞販売会社社長)、猪川綾(日本新聞販売協会副会長)、千々松清(日本新聞販売協会事務局長)、和田盛雄(東京サンケイ会会長)、高雄辰馬(新聞公取協委員長)が意見を述べ、自由発言として武藤政一(東京読売会会長)が発言した。
 販売店側の発言は、規制の強化と上級協議会への販売店代表の参加を強く要望するとともに、特殊指定の押し紙禁止の条文をより明確にすること、権威あるコミッショナー制を採用することなどであった。
 10月9日、新聞業における「特殊指定」と「景品類の提供に関する事項の制限」の告示が出され、「公正競争規約」も同時に公表され即時実施されることになって、新聞販売競争は新たなる段階を迎えたのである。
■不当景品防止法施行後の違反事件
 「新法」といわれた不当景品防止法は業界粛正の特効薬として期待されたが、宿命的な新聞社間のとめどのない増紙競争の嵐の中では、従来以上の効能を発揮することは所詮無理であった。
 幾多の違反事件が起こり、被害者から現地機関に提訴されたが、それらの多くは、違反の元兇が現地機関の委員であり、その委員が弁護人や審判人を兼ねるという奇妙な機構であるが故に、処理が長びき、ついには有耶無耶のうちにお茶をにごす、といった状態であった。巧妙な新聞社販売担当者にとっては、不当景品防止法が却って、増紙活動の隠れミノの役割を果たす道具になることさえあった。彼らにとっては、予定部数を売ることが至上命令であったから、たとえ順法観念の欠除と避難されようとも、多少の違約金を取られようとも、販売店に押し紙を割当て、逡巡する販売店主の尻を文字通り鞭撻した。
 現場で踊らされる店主はいい面の皮で、泣き泣きでも、本社の指示に従わねばならなかった。しかし被害店もまた黙って指をくわえているわけではなかった。1部でも紙が減ることは痛いので、猛然と反撃に出ざるを得ず、勢いソロバンを無視した乱戦に突入するのが通例であった。(1969年3月15日、日販協発刊「新聞販売百年史」より引用)

◆不当景品類及び不当表示防止法が成立
▽1962年8月から施行

 昭和三十年代、日本経済はめざましい発展を遂げ、国民生活の向上とともに消費意欲が盛んになった。同時に誇大広告など不正な商行為もめだってきた。これに対し公正取引委員会は62年2月、「不当顧客誘引行為防止法案」を国会に提出することを決めた。
 公取委は、一つのねらいをもっていた。新聞販売界の特殊指定の違反を処理するとき、この法案の罰則を適用しようと考えていたのである。
 日本新聞協会は、この法案は新聞界を混乱させ、販売、広告の正常な活動を阻害するものと判断し、同法案の成立に反対した。その理由は、同法案には、金銭供与などの規制がなく、新聞販売面では現行の特殊指定をかえって緩和する結果となるということであった。62年3月10日、新聞公正取引協議委員会は公正取引委員会に対し、販売面では、@現行の特殊指定を存置することA新法と特殊指定との関係を明確にすること、という要望を提出した。
 同法案は、日本新聞協会の要望を取り入れて3月27日の閣議で一部修正され、名称も「不当景品類及び不当表示防止法」と改められ、衆参両院を通過成立し、8月15日から施行された。独占禁止法は、大企業の独占行為を禁止して、自由かつ公正な競争の確保をはかることが目的である。同法には一般指定と特殊指定とがあり、特殊指定とは特定の事業分野で、不公正な取引方法として指定されているものをいう。新聞業における特殊指定は、@景品の提供A無代紙の配布B差別定価の設定、または割引C発行者の押し紙――の」4種類であり、独禁法は、これらの行為を禁止しているのである。
▽違反行為には直ちに排除命令
 この防止方は、新聞の正しい選択を阻害する過度の景品つき販売と、一般消費者を誤認させるような不当表示の広告を防止するため、独禁法の特例として定めたもの。この防止法の最大の狙いは、違反行為に対しては直ちに排除命令が出され、違反処理の簡素化と敏速化をはかった(第6条)ことである。
 新聞販売界では、この「不当景品類及び不当表示防止法」を「新法」と呼んだ。新法の第10条には「事業者又は事業者団体は、公正取引委員会の定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を促進するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる」とあり、この協定、または規約を「公正競争規約」と呼んだ。しかし、新聞業界が、この「新法」に基づき、景品類の提供・無代紙の禁止について、新しい「公正競争規約」をつくりあげるまでには1年あまりの時間がかかった。
 この新法待ちの時間をチャンスとして、販売の現場では大型拡材が出回り、混乱した。販売店は、規約運営への販売店の参加と、1ページ大折り込み広告禁止規定の削除、注文部数の解釈の明文化を強く要望した。
 日本新聞協会加盟の全新聞社と、各新聞社の販売系統会は、64年9月末、公正取引委員会に対し、「新聞業における公正競争規約」の認定申請を行い、公聴会を開いて「新聞業における景品類の提供に関する制限」を決定した。
 これにもとづいて、従来の特殊指定を廃止する、と官報に発表されたのは同年10月9日のこと。新たに「差別定価の設定および割引の禁止」と「押し紙の禁止」を特殊指定として再指定することが、官報で告示された。それは、販売競争の激化が予想された東京オリンピック開会式の、まさに前日であった。(朝日新聞販売百年史・東京編より引用)

 発行本者側の新聞協会と販売店側の日販協とでは、公正競争規約制定までのなぞり方が微妙に違っていることがわかります。結果は同じであってもそのプロセスについては、自らの立場を介するあまり「格好よく」、「都合の悪い内容は削除」して編纂されているという印象です。そして、当時は日販協が相当の発言力を持っていたということを感じます。「朝日新聞販売史・大阪編」によると、新聞公正競争規約の修正案が63年5月、新聞協会理事会で承認されたものの、「この公正競争規約案も、新聞販売店側から強硬な反対が出て、新聞社側と販売店側との折衝が重ねられた。結局は販売店側の主張がだいたいおいて認められたが、その間約1年数か月を費やし、ようやく64年9月29日、公正取引委員会にたいし、協会加盟全新聞社ならびに販売店系統会の名で、新聞業における公正競争規約の認可申請がおこなわれた」と記載されています。

 現状はどうでしょう。日販協も新聞協会と一体化しているようにしか感じられません。新聞社と販売店の取引関係の中で「優越的地位の乱用」(独禁法で禁止されている)を受けて苦労している販売店も少なくありません。右肩上がりの成長期には発言力を持ち、斜陽になるとひっそりと発行本社にすり寄る(と思われる)のでは、団体としての価値はありません。もっと発言力を持っていただくことを期待したいと思います。
 また「押し紙」という単語も業界内から姿を消そうとしています。新聞協会が発行する書籍の類からHPまでその単語は消えてしまっています。臭いものには蓋をする体質はどこの業界でもあるわけですが、新聞産業もご多分に漏れず…なのです。

注@ 新聞公正競争規約(しんぶんこうせいきょうそうきやく)は、日本の景品表示法第10条の規定に基づき日本の多くの新聞事業者(新聞社及び新聞販売業者)が共同して定め、公正取引委員会の認定を受けた新聞業における景品提供の自主規制ルール。正式名称は「新聞業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」と言います。

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2009年11月02日

ビジネスアイが展開する週刊誌とのセット販売

 このところ、新聞価格の流動化が目につきます。先月だけでも2件の事例が業界紙で紹介されていました。
 売上が伸び悩む新聞業界のなかでも、スポーツ紙とビジネス紙の落ち込みは相当なものです。以前は販売部数を引き上げるため「人とオマケ」に投資したキャンペーンが展開されてきたのですが、「値上げ」と「値引き」によって増収策を模索しようとする新聞各社の動きが出てきたと感じます。


スポニチ大阪本社 1部売り130円に値上げ(新聞情報 10月7日付)
 スポーツニッポン大阪本社は1日から1部売り定価を120円から10円引き上げ、130円に改定しました(月ぎめ購読料3260円は据え置き)。ただし、名古屋市内で現地印刷する東海版(愛知、三重、岐阜エリアで発行)の1部売り価格は120円のまま据え置くとのこと。即売定価を二重価格にするということです。「即売用と宅配用とでは紙面構成も若干違う」とは言え、新聞特殊指定の「差別定価」との兼ね合いが問題視されてしかるべきでしょう。


週刊誌とセットで1935円引き ビジネスアイとダイヤモンドで(新聞通信 10月29日付)
 フジサンケイビジネスアイ(日本工業新聞新社)は、10月の新創刊1周年を記念して、ダイヤモンド社と連携して、「週刊ダイヤモンド」とのセット定価キャンペーンを23日から開始しました。キャンペーンは来年1月末まで実施されるようです。
 ビジネスアイと週刊ダイヤモンドのセット販売は、1年間の購読契約をクレジットカード決済するとことで、定価7万5400円(ビジネスアイ月ぎめ4200円×12カ月とダイヤモンド年間購読料2万5000円))のところ6万300円で購読できるというもの。年間1万5100円(20%)の割引となります。


 週刊ダイヤモンドはもともと年間定期購読の割引制度(ビジネス系週刊誌はほとんど)を導入しているので、今回の連携でダイヤモンド社側が更なる値引きに応じたとは考えられません。そうするとビジネスアイ側がセット価格の割引分の転嫁を受けたと考えられます。ビジネスアイの購読料は5万400円(4200円×12カ月)から3万5300円へ実質30%割引されることになります。

 カード決済によって購読料が前払いとなり集金の手間が省けること、「オマケ」を付けて契約更新(半年ごと)にかかる経費や圧縮できるとの判断から、購読料を30%割り引くという価格政策に踏み切ったフジサンケイビジネスアイ。価格の弾力化は公正取引委員会も推奨するところでしょうが、デフレ拡大によって起こる流通破壊は、最終的に生活者の利益になるのか考えたいものです。
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2009年05月27日

特殊指定を崩す産経の地域限定値上げ

  5月26日付の産経新聞(九州版)に「月ぎめ購読料を50円値上げし3,000円へ」という社告が掲載されました。値上げは10月から。
 今年10月からの現地印刷(毎日新聞へ委託)に合わせて、「九州・山口版」ページ復活、取材体制の強化が値上げの理由とのこと。


 現在、九州地区で販売されている産経新聞は、大阪本社で印刷したものが空輸され、西日本新聞の販売店によって宅配されています。九州エリアの発行部数は公称3千部(実配はその半分くらいでしょう)。
 「値上げ」社告が刷られた紙面は空輸便のみのということもあり、まだネット上でも話題になっていないようです。


 「なぜ50円だけしか値上げしないのか」、「なぜ10月からの値上げをこんな早い段階で社告するのか」といった疑問もあるのですが、それよりも何よりも、不公正な取引を定めている特殊指定の「差別定価」に当たるのではないかというのがポイントです。
 特殊指定では「〜@日刊新聞の発行を業とする者が、直接であろうと間接であるとを問わず、地域又は相手方により、異なる定価を付し、または定価を割り引いて新聞を販売すること。〜」を禁止しています。

 今回の値上げ(山口・九州のエリア限定)について、業界の切り込み隊長と言われる産経新聞ですから、「ミスリード」ではないはず。すでに公取委には打診をし、特殊指定のくだりにある「ただし、学校教育用であること、大量一括購読者向けであること、その他正当かつ合理的な理由をもってするこれらの行為については、この限りでない」の合理的な理由に当たるとの確認はしているのだと思います。いわば公取委のお墨付きをもらったうえでの社告なのでしょう。

 新聞特殊指定を廃止したいと考えている公取委にとっては、このような取り組み(値上げであっても)は歓迎するはずです。理屈はどうであれ。


 問題は、護送船団の新聞業界にあります。今回の動きを「はいそうですか」というわけにはいかないと思います。たとえ部数が少なくても自ら特殊指定を崩そうとしているのですから…。
 産経新聞 値上げ社告.jpg

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2006年06月28日

韓国に見習おう「物流コスト節減狙い新聞共同配達開始」

 今だけ委員長が所属する労働組合では、新聞業界紙を3紙定期購読しています。早めに仕事を終えた時などは組合事務所に行って1週間分くらいたまった業界紙を拾い読みします(数字は参考にしませんウソが多いですから)。

 業界紙も「新聞特殊指定」の特需によって結構売れたのかなぁ…などと思いつつ、特殊指定の記事を後追いしていたらこんな記事を見つけました。
「公取委に遺憾の意を表明」新聞特殊指定存続決定当事者に説明なし

 日本新聞協会の6月度の理事会は21日午前11時から東京内幸町の同協会で開かれ、一般会計の収入が22億6234万円で、余剰金が82万円となった平成17年度決算などと、テレビ和歌山が6月30日をもって退会することを承認した。報告事項では、新聞業の特殊指定の見直しに関しては、公正取引委員会が2日、今回の見直し作業では結論を出すことを見合わせる方針を正式に発表して新聞特殊指定の存続が決まったことと、その敬意などについて報告があり、12日には新聞特殊指定プロジェクトチームの荒木高伸座長(朝日新聞社社長室)名で公取委の舟橋和幸取引部長あてに「(公取委の決定を)直接の話し合いの当事者組織に正式な説明がなされていないことは誠に遺憾だ」としたうえで、特殊指定の存在理由に理解を求める文書を提出したことや、同プロジェクトチームは所期の目的を達成したため解散することを決めた報告を了承し、北村正任会長(毎日新聞社社長)と秋山耿太郎再販対策特別委員会委員長(朝日新聞社社長)から、新聞特殊指定問題をめぐる会員各社の支援、協力に感謝の意が表明された。販売正常化に関しては、20日開催の6月度新聞公正取引協議委員会(中央協)の審議内容を中心とした報告があり…(新聞之新聞 2006年6月23日付)

 やはり今回の特殊指定問題の決着は公取委と議員連盟で決められたことが露呈しており、ジャーナリズムが権力に握られていると思わざるを得ません。また、公取委の肩を持つわけではありませんが、今だけ委員長は今年2月と5月に公取委に出向いて意見交換を行った時の話では、公取側が「新聞協会は公取委側の質問に対して、論点を摩り替えてばかりで全く質問の内容に答えてくれない」と語っていました。どちらの言い分が本当なのか?やはり公取委側も公開ディスカッションなどに参加(そうするとウソは書けませんから)してペーパーに残さないと「ペンの力?」に押されてしまうのです。ネット(HP)による発信だけでは世論形成とまでは行かないのでしょう。PJニュースもブログで新聞叩きをしていますが全体的な広がりには欠けているように感じます。だって新聞を読んでない人が、読んでいない人に対して書いてるんでしょうから…。

 もうひとつオモシロイ!?記事を見つけました。文化通信(6月19日付)2面に「韓国で新聞共同配達開始」という見出しで、「物流コスト節減狙い」というサブタイトルで掲載。韓国で昨年7月から施行された「新聞法」(新聞などの自由と機能保障に関する法律)によって「新聞流通院」が設置。今年春から、国の支援で新聞の共同配達が始まったという。また、同国の公正取引委員会が昨年4月から、新聞販売店の過大な景品に歯止めをかけるために「深刻報奨金制」を導入しているとし、日本と同様、公正取引法(日本の独禁法にあたる)により新聞に再販制度が認められ、新聞公正取引規約もある韓国で、新聞の流通にどのような変化が起きているのかという内容で、韓国出版研究所責任研究員、白源根氏が寄稿しています。
 本文を引用すると、今年4月26日に韓国で初めて新聞共同配達センターが開所された新聞流通院は、政府の公益特殊法人で、今年に全国50カ所(直営15、民営35)、2010年までに750カ所の地域共配センターを構築する目標を設けているとのこと。インターネットの煽りで新聞購読率が低下する中で、高費用低効率の構造は新聞産業の発展を損なうとし、国が新聞流通の現代化を目指し、読者には新聞選択権の改善、配達労働者の雇用安定と労働条件向上のために新聞共配を実現させたとのこと。実際には配達の物流コスト節減が狙いとの見方もあるようです。
 いまや韓国と言えばネット大国というイメージが強いのですが、言論機関(多様な言論)を守るために国による法整備や効率的な配達を手掛けているようです。このような記事を多くの新聞経営者に読んでもらって…
 日本と全く逆な方向ですよねぇ韓国は。韓国の新聞はなぜネット喰われたのでしょうか?なぜ日本は新聞が世論を動かす力をいまだに持ち続けているのでしょうか?『リテラシー』という言葉を最近よく耳にしますが国民性だけでは済まされないような気もします…。
posted by 今だけ委員長 at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年06月26日

新聞特殊指定の問題を終わらせてはいけない

 もうすぐ2006年も折り返し。あと4日で下半期に突入するわけですが、今月2日には公取委が新聞特殊指定問題について「結論を出すことを見合わせる」とする発表がされるなど、新聞業界にとってはいろいろな意味で節目の月になりました。
 昨年11月2日に公取委が新聞を含む特殊指定8項目について、廃止も含めた見直しを検討すると発表されてから7カ月間、「新聞特殊指定は必要」との考えで行動してきました。公取委へも2回伺って意見交換をさせてもらったり、このブログにも「新聞特殊指定は廃止すべき」という意見が圧倒的に多かったのですがTBやコメントを書き込んでもらったり、販売店労働者の「声」を発信してきました。今年4月あたりからはページビューが4千アクセスになる日もあり、発信する責任を感じながらコツコツと動いてきました。
 「新聞特殊指定は必要だけれども、いまの新聞の販売行為や新聞社と販売店との取引関係を正して行かなければならない」と自分が働く販売会社でも労働組合の取り組みとして“業界内の問題”を改善させるべく活動していますが、なかなか前進していません。ルールを無視した新聞販売行為は、新聞特殊指定問題があろうとなかろうと関係なく続いています。新聞社経営と販売現場の実態に認識のズレ(知っているのに知らぬふりなのでしょうが)が大きくなればなるほど、読者と新聞との距離もさらに離れて行くものです。「新聞離れの原因は、新聞が読者から離れていった」という反省が全く生かされない。そして特殊指定問題も先延ばししただけで、新聞業界として読者への説明責任も正常販売の実行もされていません。“このまま”の状態ではもっと読者離れが進むと思うのですが…。

 先日、新聞業界紙の記者の方とお話しをする機会がありました。新聞特殊指定の主観やこのブログを読まれて感じられたことを90分程ざっくばらんに意見交換。以前このブログに「業界紙も新聞経営者に擦り寄る体質」という内容でエントリーしたことに触れ、「業界紙をひと括りにせずキチンと見比べてから意見を書くべきで、自分の社は今だけ委員長の指摘には必ずしも当てはまらない」との指摘も受けました。その記者の方は消費者の立場から新聞特殊指定は見直すべきとの意見を持っており、「どう考えても特殊指定が撤廃されれば各戸配達制度が崩れるという新聞業界の理屈は通用しないと思うのだが…」と悩まれていました。業界紙の方とはよくお話しをするのですが、胡散臭い方が多く販売店の人間なんて馬鹿にする方がほとんどでしたが、この方は本音で話しをしてくれましたし、業界のことを真剣に考えていらっしゃるのだなぁと感じました。。
 自らの業界を正当化するのではなく、読者のニーズやジャーナリズム論も含めて、新聞がその役割を全うし業界(新聞協会や日販協)が健全な判断をするための指南役を業界紙にも求めたいと思います。
posted by 今だけ委員長 at 23:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年06月07日

公取委 竹島委員長のインタビュー

新聞の特殊指定見直し議論は一歩前進=公取委委員長

 6月2日に当面存置が公取委から発表された「新聞特殊指定」。公取委の正式な見解も「これ以上議論を続けてもかみ合わないので打ち切る」、「与野党の議員が反対を表明している」など、本質的な議論がされないままに「当面、見直さないこととする」という形で決着がついた新聞特殊指定問題について、ロイター通信が公正取引委員会の竹島一彦委員長のインタビューを配信しました。

 竹島委員長は「ここで議論を中断するということであって、後退ではない。廃止はできなかったのは事実だが、とにかく議論を提起した。結論は出さなかったが、一歩か半歩かは前進した。あれは法律的には筋が通らず、説明が難しいということが、分かる人には分かってもらえた」と新聞特殊指定の廃止に向けて、ふたたび動き出すことを示唆しています。

 ブログなどでも新聞特殊指定の問題を取り上げたエントリーが減少する中で、新聞経営者には“正すべきところは正す”ことを強く求めるとともに、新聞労働者も経営側に“正させるべきところはキチンと正させる”経営のチェック機能を果たさなければなりません。販売行為の正常化、新聞社と販売店の取引関係の正常化… 業界内部の治療はまだ手術室にも入っていません。
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2006年06月03日

新聞労連が新聞特殊指定見合わせに対する声明を発表

 まだまだ新聞各紙では新聞特殊指定問題を後追いした記事が数多く掲載されています。
 本日付の読売新聞は社説で[新聞の特殊指定]「『当面見直さず』の結論は当然だ」との見出しで「不毛な見直し論が提起されることのないよう、強く公取委に求めたい」とこれ見よがしに「だから言ったじゃない!」との理論を展開しています。

 また、前のエントリーでも書いたのですがライブドアのPJニュースでも「新聞特殊指定の特集」において、ある意味暴力的とも取れる痛烈な新聞批判を展開するなど土俵の外にいるメディア(新聞も含めて)が紙やネットを使って“言いたい放題”の状況になっていると感じます。

 その中で、新聞労連が声明を出し「公取委の結論はあくまで通過点。私たちが目指すのは販売正常化の実現だ」とし、「現在でも規制を超えた景品提供や契約期間に応じた無代紙が後を絶たない」と指摘。「新聞の公共性を高め、新聞ジャーナリズムの信頼を構築することが急務だ」と表明しています。

新聞の特殊指定改廃見合わせに対する声明


 6月2日の自民党独占禁止法調査会で公正取引委員会は、新聞の特殊指定改廃について、今回は結論を見合わせることを表明した。昨年11月に公取委が特殊指定見直しを表明して以来、議論が続いてきたが新聞については当面は残ることになる。この結論自体は、私たちが求めてきたことと一致する。しかし、この結論に至る議論の経緯には、問題が多いと考える。
 新聞労連は特殊指定改廃にこれまで一貫して反対してきた。「新聞の同一題号同一価格」を定めたこの制度が廃止されれば、購読料値下げによる乱売合戦が予想されるからだ。現在でも規制を超えた景品提供や契約期間に応じた無料購読(無代紙)が後を絶たず、これに値引き合戦が加われば販売現場は混迷を極める。資本力の弱い新聞社は次々と倒れ、多様な言論を形成してきた新聞が少数の新聞に淘汰され、民主主義が危機にさらされるだろう。
 私たちはこれまでの議論から、特殊指定維持を求めるには販売正常化が実現しなければ理解が得られないと訴えてきた。新聞労連が調査したところ、新聞に対する意見は「紙面内容」よりも「新聞販売への苦情」が圧倒的に多かった。
 新聞労連はこれまで新聞協会に販売正常化の早期実現を求め、公取委には特殊指定の堅持を訴えてきた。今回、公取委が出した結論は私たちの主張に沿ったものだが、問題点も多い。これまで公取委は新聞協会との話し合いで「実態の説明」を求めてきたが、協会側は明確な回答を避けてきた。現状を説明し、矛盾点の是正へどのように取り組むかが焦点だった。
 一方、公取委の方針には与野党を問わず全政党が反対し、自民、公明の両党は独占禁止法に特殊指定の内容を盛り込んだ改正案をまとめ、国会提出に向けた手続きを進めてきた。公取委が見合わせると判断した背景にはこうした政界の動きがあるといわれている。業界側と「かみ合わない」として議論を打ち切った公取委。独禁法の改正で公取委の権限を封じ込めようとした政界。本質的な議論を置き去りに、何より読者・市民の意見を顧みないままの政治癒着といえる。
 さらに公取委が「見送り」を最初に伝えたのは自民党で、新聞業界の窓口となっいている新聞協会ではなかった。このことは問題の本質からすでに新聞業界が、一歩外に押し出されていることを表している。公取委が議論すべき相手はいつの間にか政界にすり替わっていた。
 今回の議論では販売正常化に関する問題で前進したことはほとんどなかった。公取委が説明を求めても、新聞業界が明確に答えなかったからだ。公取委の結論はあくまでも通過点ととらえなければならない。そして私たちがめざすのは販売正常化の実現である。「言論・表現の自由」「知る権利」を守る責務を果たすことで新聞の公共性を高め、新聞ジャーナリズムの信頼を構築することが急務である。新聞労連の取り組みはこれからが正念場だ。
2006年6月2日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 美浦克教

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2006年06月02日

公取委の正式発表も歯切れが悪い

 昨日は「新聞の特殊指定が当面維持」をほとんどの新聞が1面トップで報じましたが、公取委が本日の記者会見で正式発表を行いました。

新聞特殊指定を存続 公取委が正式発表

 新聞の戸別配達(宅配)制度などを支える独禁法の特殊指定をめぐり、廃止も含めた見直しを検討していた公正取引委員会は2日、当面は現行規定をそのまま残し指定を維持すると決めたことを正式に発表した。
公取委の野口文雄取引企画課長が同日、記者会見し「存続を求める新聞業界との議論に進展がなく、各政党からも存続するよう要請を受けたため、今回は結論を出すのを見合わせたい」と述べた。
指定維持の決定を受け、日本新聞協会(会長・北村正任毎日新聞社社長)は同日、「われわれの主張を適切に判断したものと受け止める。新聞各社は戸別配達網の維持、発展などに一層努力していく」とする会長談話を発表した。

 公取委は新聞業界との間で議論を繰り返してきたが、噛み合わず「これ以上」議論を続けても特段の進展は望めない状況にあると述べ、各政党においても新聞特殊指定を存続させるべきとの議論がなされていることを踏まえて、今回の見直しでは結論を出すことを見合わせることとした―と結んでいます。新聞業界の「政治家との癒着」も大きな問題ですが、公取委の軟着陸も少々味気なさを感じてしまいます。
 これまで公取委へ申し入れなどの交渉に数度伺って意見交換をしてきましたが、事務レベルでの議論からすると「不満が募る」決着であったことは間違いありません。

公取委の正式見解(報道発表資料 同委員会HPより)
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2006年06月01日

全国3紙の解説記事を比較してみました

 きのうの「新聞の特殊指定維持」の動きを受けて、けさの全国3紙は見事に1面で大きく取り上げています。1面トップの記事はほとんど横並びなので、各紙の解説記事(ネットには出ていないと思うので)をアップします。

朝日新聞「公取委、廃止見合わせ」−見直し作業打ち切り−(1面見出し)
自民、独禁法改正案見送り(3面・解説)
 公正取引委員会が新聞の特殊指定廃止を当面見合わせる方針を固めたことを受け、自民党は31日、特殊指定存続のための独禁法改正案の今国会提出見送りを決めた。
 同党では「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」(高市早苗座長)が独禁法改正案をまとめ、国会提出に向けた党内手続きを進めていた。
 一方で、保岡興冶・独禁法調査会長らが公取委側と協議を重ね、31日の公取委の竹島和彦委員長との会談で特殊指定維持を確認。これを踏まえ、中川秀直政調会長と改正案を提出しないことで一致した。
 中川氏は31日、党本部で記者団に「世論を反映した意見を入れ、(公取委が特殊指定を)見送ったことはよかった」と語った。また、保岡氏は同日、記者会見し、特殊指定を見直すための条件として「全政党が反対しているような状況でなく、何らかの合理的理由が存在する必要がある」との考えを示した。(南岡信也)

毎日新聞「新聞特殊指定 維持へ」−公取委、廃止見送りを決定−(1面見出し)
国会と世論 配慮か(2面・解説)
 公正取引委員会が新聞の特殊指定の廃止方針を一転して見送った背景には、国会で与野党がこぞって反対し、指定を維持するための独占禁止法改正案を今国会中にも提出する動きが出てきたことがある。
 自民、公明両党が個別にまとめた独禁法改正案は、現行の特殊指定の内容を法律に別表として盛り込み、指定の廃止には公聴会の開催や国会の議決などを義務付けるというものだ。
 特殊指定廃止に対しては、地方議会でも反対の意見が相次いだ。また、主な新聞社、通信社が今年2月以降に相次いで実施した世論調査では、7〜8割の人が特殊指定の維持を支持し、8〜9割の人が、特殊指定によって支えられる新聞の宅配制度の継続を望んだ。
 公取委のある幹部は「(与党の改正案は)かなり違和感のある法律だ」と明かす。このような状況で廃止を主張し続ければ改正案が現実化しかねないため、公取委の竹島一彦委員長らも強行を見合わせるとの判断に傾いたとみられる。
 しかし、公取委は「特殊指定は法的に説明がつかない」という立場は変えていない。日本新聞協会などとの協議で「指定を廃止しても宅配に影響はない」と主張しているが、具体的な根拠を示さないままだ。
 国会内には「公取委は裁量の幅が大きく、第二の立法機関だ」との批判も根強い。反対意見に耳を傾ける姿勢が求められる。(横井信洋)

読売新聞「新聞特殊指定維持へ」−公取委、与党に見解伝達−(1面見出し)
特殊指定、公取委見解の要旨(37面・公取委の見解要旨)
 公正取引委員会が31日、自民党などに示した見解「特殊指定の見直しについて」の要旨は次の通り。
1.これまでの取り組み状況
 公正取引委員会は、制定後長期間を経過し、近年運用実績のない5つの特殊指定について、昨年11月以降見直しを行ってきたところ、これまでに、@食品缶詰または食品瓶詰業における特定の不公正な取引方法A海運業における特定の不公正な取引方法B広告においてくじの方法等による経済上の利益の提供を申し出る場合不公正な取引方法C教科書業における特定の不公正な取引方法――の4つの特殊指定について廃止することとした。
 残る「新聞業における特定の不公正な取引方法」については、新聞業界等との間で鋭意議論を進めてきた。
2.新聞特殊指定をめぐる議論(略)
3.今回の対応
 これまで公取委と新聞業界との間で議論を繰り返してきたものの、議論がかみ合っておらず、これ以上の議論を続けても特段の進展は望めない状況にある。また、各政党においても、新聞特殊指定を存続させるべきとの議論がなされているところである。これらの状況を踏まえ、公取委は新聞特殊指定については、今回の見直しでは結論を出すことを見合わせることにした。

 あす、公取委が公式見解を示す前に読売は「その要旨」を先駆けて掲載しています。これを取材力と言うのかどうか分かりませんが、「2.新聞特殊指定をめぐる議論」に公取委の本音があるように感じてなりません。
 公取委の公式発表(記者会見)は、通常であれば上杉事務総長が行うと思われますが、ぜひ竹島委員長に本音の沙汰を述べてもらいたいものです。

追伸:きょう開かれた新聞の特殊指定問題を考える公開シンポジウム「知識格差が生まれる」(主催・毎日新聞労働組合、ジャーナリズムを語る会)は、今回の報道を受けてどのような反響だったのでしょうか・・・
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | 特殊指定

2006年05月31日

自民党中川氏が「特殊指定維持を公取委が決定」と会見。公取委の正式発表を待ちたい

新聞の「特殊指定」維持 公取委が決定を伝える
 本日16:20に共同通信ネットニュースが突如舞い込んできました。ただし、公取委の公式発表ではなく、自民党の中川秀直政調会長の談話であることから、その信憑性についてはじっくりと調査をしなければならないと思います。

 自民党の中川秀直政調会長は31日、新聞の宅配制度や同一紙の全国一律価格を支えている「特殊指定」問題で、公正取引委員会が当面、指定維持を決めたことを明らかにした。党本部で記者団に明らかにした。
 自民党有志議員は、特殊指定維持のための独占禁止法改正案をまとめていたが、公取委の判断を受け、今国会提出を取りやめる方針を固めた。
 新聞販売の特殊指定は、新聞の地域別定価や値引きを禁じ、独禁法の適用を除外する制度。昨年11月に公取委が特殊指定の存廃を含め見直しを検討すると発表した。
 これに対し日本新聞販売協会などが「適正な競争には現行制度の維持が必要」と主張。各党からも「日本の文化にかかわる問題だ」などと反対が表明されていた。
(2006年5月31日16:20 共同通信ニュースより)


 また、今日の動きとして公正取引委員会の竹島一彦委員長が、衆院経済産業委員会で著作物の再販制度について「原則廃止」との考えを表明するなど、議論の展開が飛躍しすぎているという印象を持ちました。
 これまで竹島委員長自らが、「見直しは考えていない」と語っていた「著作物の再販制度」を引き合いに出し、「国民的合意を得られず、当分存置するということで今日に至っているが、政策上は廃止すべきものだ。世の中の意見がそうなってくれば、喜んで廃止させていただく」と述べるなど公取委側も方針転換に揺らいでいると感じざるを得ません。
 特殊指定が政治的な圧力で維持せざるを得ない状況に追い込まれ、つぎは、再販制度のリベンジなのか…公取委の公式発表を待ちたいと思います。
posted by 今だけ委員長 at 19:14 | Comment(4) | TrackBack(5) | 特殊指定

特殊指定報道で見える 新聞vs雑誌vsネット?

 明日から6月。当初、公取委が新聞特殊指定の見直しについて結論を出すと表明をしていましたが、今月12日の定例記者会見で「協議は継続しており6月中の結論にはこだわらない」とも報じられています。自民党をはじめとする国会議員や地方議会がこぞって特殊指定維持を表明する中、公取委の竹島委員長が朝日と毎日に登場して公取委の主張を語るに止まり、新聞特殊指定の見直しに賛成の意見はブログ(公取委もホームページ上で)でしか議論されていません。
 こうした中、各個人(私もそうですが)が発信するブログとは違い、ポータルサイト運営会社や雑誌社が、新聞業界(特殊指定問題を中心に)の問題を取り上げています。

ライブドア「PJニュース」
 パブリック・ジャーナリストの小田光康氏は、公取委が特殊指定見直しを表明した昨年11月から「新聞の再販制度と特殊指定はホントウに必要か?」との主張を発表しており、これまで6回にわたり新聞特殊指定の問題を「本当に必要なのか」という立場で問題点を指摘しています。「PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJニュースはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です」としながらも、多くのブロガーも参考にしているようです。

「WiLL」(7月号)
ウィル.jpg
 ワック・マガジンズが発行するウィル(花田紀凱編集長)の7月号は、「新聞の恥部」と題して、40ページの特集を組んでいます。その中でも特殊指定堅持とは片腹痛い 地方の読者から徴収していた「上乗せ配達料金」の章では、栃木県に住む主婦が購読料に配達料金が別に加算され支払い続けていたことを告白。東京新聞販売局が返金に来たことなどが掲載されています。実際には値引きどころか料金上乗せまで行なわれているにもかかわらず、「特殊指定」を堅持する根拠として「配達の大変な地域でも全国同一価格での戸別配達を行なうため」などと主張する欺瞞性を認めるべきだ―と新聞業界に特殊指定が崩れている事実を認めるよう提起しています。また、ASA(朝日新聞販売店)60店を対象に新聞料金の調査をした結果が掲載されており、8種類の価格設定(セット版地区と統合版地区があるので一概には言えないが)が実在していることを伝えています。


 新聞と放送は資本関係が近いことが指摘されており、それぞれの批判は行なえない(NHKは別のようですが)。そうすると新聞vs雑誌vsネットになるのでしょうか?新聞が書かないことはネット(ブログ)や雑誌が書かなければならないのか、取材力(人員も含めた)や編集機能といった面からしても、“今のところ”新聞には及ばないのではないかと感じます。だからこそ販売正常化の問題を含めた新聞内部の構造改革が急務なのです。
posted by 今だけ委員長 at 15:11 | Comment(4) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年05月26日

【新聞特殊指定】新聞業界も察知したのでしょうか?今週の自民党の動きは取り上げず…

 今週は新聞特殊指定に関する紙面への掲載やニュースサイトへのアップがないなぁと思っていたら、毎日日経のサイトで見つけました。
 ともに自民党の中川秀直政調会長と保岡興治独占禁止法調査会長が、公取委の竹島一彦委員長と会談し、「新聞特殊指定の維持」を要請し、公取委が見直しを変更しなければ、自民党新聞販売懇話会の「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」(高市早苗座長)がまとめた独禁法改定案を今国会に提出する方針を伝えたようです。

自民政調会長、新聞特殊指定の維持を公取委員長に要請

 自民党の中川秀直政調会長は24日、党本部で公正取引委員会の竹島一彦委員長と会い、同一価格での新聞販売を定めることで宅配制度を支える「特殊指定」について「国会が閉会すれば(見直しを)抜き打ち的にやるということで新聞業界も心配している。多くの国会議員も反対していることを受け止めるべきだ」と維持を要請した。

 竹島氏は「国会が終わってすぐに見直すことは考えていない」と答えながらも、見直す方針を撤回するかどうかには明言を避けた。

 新聞の特殊指定に関しては、超党派の国会議員でつくる活字文化議員連盟が4月に堅持を求める決議を採択。自民党の有志議員による「新聞販売懇話会」の議員立法検討チームが見直しに歯止めをかける独占禁止法改正案をまとめ、党経済産業部会で協議している。 (5/25日経)


 新聞特殊指定に関して「目を覆いたくなる」新聞業界の偏った記事の垂れ流しについて、このブログでも再三指摘をしてきましたが、読者不在の一方的な「戸別配達網の崩壊キャンペーン」から見えてくる政界と業界の距離間、ブロガーからの激しい指摘、読者も違和感を抱き始めていることに感じたのでしょうか。これからはもしかすると紙面から「新聞特殊指定」の文字が消える可能性も出てきました。
これまた危険です!
posted by 今だけ委員長 at 14:38 | Comment(6) | TrackBack(1) | 特殊指定

2006年05月19日

スゴイね! 自民党の追い討ちは?

 拾い読みです!
 共同通信(gooニュースから参照)「独禁法改正案に賛成相次ぐ 新聞特殊指定で自民部会」

 自民党の経済産業部会(松島みどり部会長)は19日、党本部で会合を開き、新聞の宅配制度や同一紙の全国一律価格を支えている「特殊指定」維持に向け同党有志議員がまとめた独禁法改正案について議論し、賛成意見が大勢を占めた

 改正案は、公正取引委員会の判断で実施できる特殊指定見直しに歯止めをかけるため、公聴会の開催などを義務付ける内容。松島氏は会合後の記者会見で、党独禁法調査会の保岡興治会長とも協議した上で、来週にも開く次回会合で改正案を了承する考えを示した。

 ただ、保岡氏は公取委との協議で特殊指定の維持が確認できれば法改正を見送る姿勢を示しており、今国会への改正案提出は微妙な状況だ。
産経WEBにもアップされています。

 公取委が「6月中の結論にこだわらない」と表明するや否や、独禁法改正案をちらつかせながら、ここに来てスゴイ勢いで追い討ちをかけているようです。いや、市民からすればそう大したことではないのだけれど、新聞業界だけが自民党の動きを“ある意味”盛り上げているだけなんですけどねぇ…。

posted by 今だけ委員長 at 19:28 | Comment(6) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年05月17日

新聞業界への影響力は必至 独禁法改正案がまとまったようです。

「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」(自民党 高市早苗座長)が、独占禁止法改正案をまとめ、今国会提出を目指し近く党内手続きに入る予定とのこと。gooニュースの共同通信記事を参照

これまでも、この動きについては取り上げてきましたが、公正取引委員会の独立的(政治家からの)な役割や機能そのものが、「新聞特殊指定を守るから」という大義?によって新聞が指摘できなくなる恐れ、議員立法検討チームへの迎合…を危惧してきました。

改正案を見てから、また書き込みたいと思いますが「不公正な取引方法」を規定した2条9項に手を付け、新聞の販売に関する別表記載を新設そうです。別な意味で公権力の介入を招いていると思うのですが…。
posted by 今だけ委員長 at 18:37 | Comment(4) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年05月15日

毎日に続き、朝日も「竹島一彦公取委員長のインタビュー」を掲載

 今朝(5月15日付け)の朝日新聞の特集「新聞特殊指定をめぐる動き」について、雑感を…

 見出しは「全政党が廃止反対表明」となっていますが、囲み記事の「新聞特殊指定 維持か廃止か」には「中立感」を匂わせたのかもしれませんが、やはり「偏り」を感じざるをえません。
 公正取引委員会が昨年11月に打ち出した新聞の「特殊指定」見直し表明に、新聞界だけでなく全政党から反対意見が出され、世論調査でも慎重論が大勢を占める。だが、公取委は妥協する姿勢を見せず、この問題をめぐる政界の動きと、公取委、新聞側の主張をまとめた。


 でも、竹島一彦公取委員長のインタビューは、以前の毎日新聞のインタビューに比べて公取委側の言い分が記されていると思います。竹島委員長が個人情報保護法の制定にもかかわったことを指し、「予期せぬ過剰反応が起きている」など竹島氏の「強引さを強調」してもいるわけですが、これまでの各紙の取扱いや業界紙より(比較するのもおかしいのですが)も、きちんと公取委の考えを掲載していると思います。
※ネットで今回の特集がアップされるかどうか分かりませんが、読まれてからコメントをいただけるとありがたいです。

 これまで、各紙とも「新聞の特殊指定見直し」の報道について、公取委の言い分というものを的確に伝えず、「偏った」紙面展開であったことは否めません。両論併記は新聞というか民主主義の基本のように思うのですが…。新聞にとって、再販制度や特殊指定が必要と業界が唱えるのであれば、せめて読者が不信感を抱いている不平等かつルールを無視した販売行為にメスを入れる必要がある。「新聞の販売も変わった」という読者の理解が得られて、やっとスタートラインに立てるとも言えるでしょう。
まだまだこれからです。

posted by 今だけ委員長 at 16:14 | Comment(3) | TrackBack(1) | 特殊指定

2006年05月14日

「特殊指定を維持するから」権力へ委ねたツケが徐々に起きている… 

 公正取引委員会が「6月中の結論にこだわらない」と定例記者会見で発表した矢先、今度は自民党内の「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」が、独禁法改正案の素案をまとめたとする動きがありました。来週から国会提出に向けて党内手続きに入るそうで、自民党は他の与野党の賛同を得ながら今国会中の成立を目指すということです。

 改正案は、公取委の裁量による変更や廃止に歯止めをかけるものであり、特殊指定の指定手続きを定めた独禁法71条に「特定の事業分野における特定の取引方法の指定を変更し、又は廃止しようとする場合についても」との文言を追加。指定しようとする時だけでなく、指定の変更や廃止の際にも事業者から意見を聞き、公聴会を開くことを義務づけるとなっています。さらに、同法2条9項に別表を新設し、特殊指定の対象である『新聞』を単独で明記。特殊指定の変更や廃止に同法の改正を必要とするという項目を設けています。

 このような動きについて、「権力のチェック」を果たすべき新聞は、どう機能するのでしょうか?
 新聞特殊指定を守るという名目で、新聞が権力の都合の良いように引導される可能性も見え隠れし、権力側の手中に吸い込まれるのではないだろうか…と危惧します。
posted by 今だけ委員長 at 09:14 | Comment(2) | TrackBack(2) | 特殊指定

2006年05月11日

6月結論見送られるも「新聞業界再生」プロセスは先延ばしするな!

 昨日10日の定例記者会見で、公取委の上杉事務総長が「新聞の特殊指定」見直しについて、当初6月中をめどに検討を進めるとした姿勢を一転させ、「6月中にはこだわらない」意向を示しました。しかし、朝日の配信では「6月末ぐらいまでは精力的に議論したい」と伝えられるなど、6月末までには結論が出されるのか、数ヵ月のスパンで先送りされるのか、各社でだいぶニュアンスの違いがあります。
 公取委の人事異動は7月1日。竹島委員長の人事が注目されるところです。

 いずれにしても6月中の結論はないのかもしれませんが、公取委は日本新聞協会のプロジェクトチームや日販協と協議をしている最中であり、この協議を踏まえて方針を決めた後、一般からの意見を募集して結論を出すことになるでしょう。
 ただし、一般からの意見って誰に?という疑問が…。新聞紙面では「特殊指定を存続させなければ戸別宅配網が崩れる」という偏った伝えられ方しかされておらず、特殊指定問題を「一般から」聴取しても議論が噛み合わないことは必至です。実際にこの問題の両論(撤廃派の方が多いのですが)が併記されているのはブログ上でしかないと思います。

 共同通信社からの配信記事も3月から20以上発表されていますが、なぜか「新聞宅配」というカテゴリー扱いになっています。20以上の配信の中で撤廃賛成のコメントは皆無なのです。

「6月結論」にこだわらず 新聞特殊指定めぐり公取委(共同通信)

 宅配制度を支えている新聞の特殊指定見直しをめぐり、公正取引委員会の上杉秋則事務総長は10日の記者会見で、結論を出す時期について、当初のめどである6月中にはこだわらない意向を示した。
 「ほかの特殊指定とは異なり、議論を重ねて対応を決める必要がある」と述べた。
 上杉事務総長は、特殊指定見直しで公取委が新聞社の代表などと進めている協議にも言及し「引き続き継続中で、議論が煮詰まったとは聞いていない」と説明。
 その上で、早くても6月中は協議が続けられるとの見通しを示し「精力的に議論を尽くした上で対応を決めたい」とした。


 今だけ委員長は新聞販売労働者の立場から「存置派」であることを表明していますが、「新聞業界にある構造的な問題を正す」ことが前提です。ルールを無視した販売行為の実態や新聞社と販売店の取引関係の問題をキチンと正し、新聞の再生、ジャーナリズムの再生に向けた最後のチャンスだと思っているのですが…。

posted by 今だけ委員長 at 14:24 | Comment(3) | TrackBack(0) | 特殊指定

2006年05月06日

業界紙の伝え方も大分『偏って』います…

 それぞれの業界には「業界紙」と他する、ほとんど業界人しか読まない新聞が結構あり、新聞業界にも「新聞之新聞」「新聞情報」「文化通信」などが発行されています。

 これまで公取委と意見存換をした際に「新聞協会や日販協は具体的な話し合いに応じてこない」という説明を受けてきました。「何でだろう」と感慨深く思っていたのですが、5月3日付の「新聞情報」には4月28日から実質的な初会合が開かれたと掲載されていました。では「それまでの期間何をしていたの?」と疑問に思ったのですが、会合が遅れた理由は“エッ”と思わせる内容。何でも公取委の竹島一彦委員長が3月27日の独禁法懇話会で「特殊指定に関して紙面を使って読者をマインドコントロールしている」旨の発言で紛糾していたそうです。

 日販協特殊指定プロジェクトチームは4月28日、公取委の野口文雄取引課長らと実質的な初会合を持ち、公取委に提出した9項目からなる「特殊指定をめぐる問題点」に沿って討議を開始した。
 プロジェクトチームは2月22日、3月23日に公取委と会合、見直しにおける問題点を販売現場の視点から強調してきたが、3月27日に開催された独占禁止懇話会での竹島一彦委員長の「マインドコントロール発言」を受け、理論展開を修正することにした。
公取委に提出した「特殊指定をめぐる問題点」とは、@51年、42年、7年前の改正の正当性A新聞における公正な競争B文化・公共性への配慮、順法義務C意見を聞く、考慮するの程度D特殊指定廃止と消費者利益E特殊指定廃止による乱売F不当廉売の基準G再販制度と特殊指定H再販・特殊指定と戸別配達。
初会合では、「51年、42年、7年前の改正の正当性」について、双方から主張が存わされる予定だったが、議論が始まる前にプロジェクトチームは、「マインドコントロール」発言の真意を明らかにするよう詰め寄った。これに対して野口課長は、「出席している我々は、ニュートラルな気持ちで臨んでいる」と発言、日販協の意向を上層部に伝えることを確約した。次回会合は5月22日午後4時から公取委で開かれる予定。
平成18年5月3日付、「新聞情報」より
 


 公取委は「存渉相手は新聞協会と日版協である」と述べていますが、今後、どのような議論が展開されるのでしょうか。これまで通り「都合の悪い話」は、日刊紙には登場してこないのでしょうかねぇ…。

 業界紙の「偏った」紙面展開は、新聞経営者を煽てなければいけないので仕方ないかもしれませんが、もっと業界内部にある正さなければならない構造的な問題にも警笛を鳴らすことも期待?…したいものです。
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2006年05月05日

おいおい毎日サンよ!チョット酷いやり方なんじゃない?

 新聞特殊指定の議論(議論といってもブログ上でしか盛り上がっていませんが…)もちょっと鎮静気味だったのですが、毎日新聞のインタビュー・新聞「特殊指定」を考える1日の社説で、また「新聞はけしからん!だから特殊指定は外せ!」という流れになってしまいました。

 何度も言っているのですが、新聞の特殊指定は存続してもらいたい。でもそのためには、もっと読者から理解を得るように「暗」の部分を正して行かなければならないー。情報の寡占化を防ぐためには、多様な言論機関が必要なのは言うまでもありませんが、新聞全体が今回の特殊指定に関して言えば「情報を寡占状態」にしているとしか受け取られません。

 今回の毎日新聞の社説を読む限りでは、公正取引委員会の竹島委員長を「よほどの権力者」という印象を抱かせる内容でしたが、公人とはいえ、あまりにも個人攻撃の色あいが強いと違和感を覚えます。
 新聞協会(協会長は毎日新聞社の北村社長)も公取委に対して「戸別宅配網の維持のため…」としか説明できていないようですし、ブログからの発信で「頑張れ!竹島公取委委員長」という世論も強まってくるでしょう。毎日新聞の特殊指定に関連するシリーズは、ある意味で「毎日だから」できることだったのかもしれませんが、逆効果だったように思います。

 新聞特殊指定が改廃されたら新聞社の経営もひっ迫(もちろん販売店の方がもっと搾取されて先に潰れますが)するでしょう。しかし、新聞人として、言論機関としての役割を果たすために経営を考えるならば、「中身の改善」はもっと出来るはず。非効率な専売店をメンツだけで維持していたり、歩留まりの悪い過剰な景品提供に読者もうんざりしていたり、無駄な押し紙と紙代・広告費の関係など、もっと経営効率を図れる術はあると思うのですがねぇ。
最近は「ヤクザが新聞をつくって、インテリが売っている?」ように感じます…。もっと自らの襟を正しましょうよ。
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2006年04月22日

「押し紙」という文字を消してはならない!

 昨日のエントリーの続きで、新聞労連の中央委員会で話し合われた内容をアップします。

 今回の特殊指定問題について、新聞労連本部では、新聞協会や日販協が繰り広げる国会議員や各県レベルの議会要請、各紙の過剰な報道のあり方などと一線を画すため、特別決議を採択しました。

新聞の特殊指定維持を求め、販売正常化と読者に信頼される
新聞ジャーナリズムの確立に取り組む特別決議
 昨年11月、公正取引委員会が新聞業をはじめとする「特定の不公正な取引方法」(いわゆる「特殊指定」)を見直す方針を示し、日本新聞協会はじめ業界団体は一斉に反対を表明した。新聞労連は昨年12月15日、拡大中央執行委員会が発表した声明の中で、新聞特殊指定の改廃に反対の方針を表明するとともに、販売正常化の早急な実現、読者や市民の信頼に応えうる新聞ジャーナリズムの確立を訴えた。3月14日には「2006春闘東京総行動」で公取委と新聞協会を訪れ、特殊指定の堅持を強く訴えた。
 この間、新聞各紙は「特殊指定廃止で戸別配達制度が崩壊」の特集記事を紙面に掲載し、読者に対し制度維持の理解を求めた。新聞協会も「特殊指定廃止」が「戸別配達制度の崩壊」につながると訴えている。わたしたちは、問題はそれだけではないと考える。特殊指定の廃止が新聞の乱売を招くことを危ぐする。シェア拡大のための値下げがひとたび始まれば、容易に「乱売合戦」へ進みかねない。そうなれば経営体力、資本力の差によって新聞が淘汰されることになりかねない。多様な言論が失われることを意味する。
 新聞特殊指定見直しをめぐっては、戸別配達制度維持の観点から政界からも改廃反対の発言が相次いでいるが、権力をチェックすべき新聞が過剰に政治力を頼るのだとしたら、読者や市民の支持を得られるか疑問であることも指摘しておきたい。
 著作物再販制度と特殊指定が一体となることで、新聞の「同一題号同一価格」が維持され、新聞の安定発行という読者利益が担保される。新聞販売をめぐる読者の不満の多くは、ルールを守らない販売方法にあるとわたしたちは考える。新聞産業にとって、ルールを順守した「販売正常化」を達成し、読者の信頼回復に努めることが急務だ。
 新聞が「言論・表現の自由」「知る権利」を守る責任を負っているのは、自明のことだ。その責任を果たしてこそ、新聞の公共性が社会に認められる。新聞が販売面で独禁法の適用除外とされ、特殊指定の対象であるためには公共性が前提となる。
 わたしたちは、著作物再販制度と一体となった特殊指定を存続させ、多様な新聞、多様な言論を守りたい。そのために販売正常化を達成し、読者・市民の「知る権利」に応えうる揺るぎなき新聞ジャーナリズムの確立に取り組むことを、ここに決議する。
2006年4月21日
日本新聞労働組合連合 第115回中央委員会


 この決議の他にも6項目に及ぶ具体的な内容を記した「特殊指定改廃問題に対する新聞労連の取り組み」も同時に承認されました。内容は「地方では全国紙の値下げ攻勢が予想される」などの表記もあり、自らの襟を立たす姿勢も感じられます。しかし、労連本部役員が中央執行委員会へ提出した原案にあった「押し紙」の表記がまるっきり抜けていました。
 新聞労連も連合体。それぞれの組合の思惑が大きく左右したのかもしれませんが、「押し紙」という言葉を排除してはいけない。この業界のすべての問題の温床が「押し紙」から派生しているといっても過言ではないからです。組織全体(多数決の論理)の決議のため、今回の決議文からは「押し紙」の言葉を載せられなかったのは仕方がないのかもしれませんが、議論として「押し紙」を外してはいけないのです。新聞経営者は公正競争規約(自主ルール)からも「押し紙」という表記を外しました。「予備紙」や「残紙」などと表現を変えても「押し紙」であることに変わりはないのです。

posted by 今だけ委員長 at 19:18 | Comment(4) | TrackBack(3) | 特殊指定