2008年06月07日

なんとかしなきゃ新聞業界… 若者の方がしっかり考えてます

 5日、6日の両日、日本新聞労働組合連合(新聞労連)青年女性部主催の全国学習集会「なんとかしなきゃ 〜今すること、できること〜」が横浜市で開かれました。全国の新聞社や印刷センターに働く労働組合員(30代前半の方が大半)約100名が参加する大規模な集会です。
 私は「販売問題と新聞を考える」という分科会の講師として参加してきました。

 初日は「
新聞がなくなる日」の著者、歌川令三氏(元毎日新聞社取締役編集局長、多摩大学大学院客員教授)が、「メディア界の『それから』−新聞業界の将来を論ずるー」と題して講演。
 インターネット時代のマスメディアのあり方については「広告を取ることによって媒体が存在する。勝負は広告を稼ぐこと…」という私見を展開。米国の新聞モデルを日本の新聞業界にあてはめるのはどうかと私個人はかなり違和感を覚えました。メディア論は日々変化しているわけですからわからなくもないのですが、広告を稼ぐといってもこれまで日本の大企業(ナショナルクライアント)が個人消費(内需)を促進させるべくマスメディアを使った広告を展開してきたのに対し、いまや大企業のターゲットは海外(外需)に向かっているのです。車や電機だけではなく食品や日用品といったこれまでの内需型企業もしかりですね。流通大手のイオンでさえ国内の約4分の1を閉鎖して「マーケットはアジア全体」という戦略です。
 そうするといくらインターネットは全世界で…といっても、例えば日本のメディアが韓国の住民に対してトヨタの新車の広告を打つというのが現実的なものか、ネット時代だからといってもマスメディア企業の活動がすべてが広告費で賄われるというのは無理でしょう。では米国モデルはなぜ賄いきれてるのか?賄いきれていないから買収が頻発しているのであって、新聞社は広告費だけで企業活動をすることはおそらく無理なのだと思います。フリーペーパーのように記事はどうでもよく広告だけと割り切れば話は別ですが…

 分科会での講演(講演というほど立派なものではありません)はディスカッションも含めて約2時間。夜なべして作ったPPTをもとに販売問題の現状と課題について話してきました。こんな感じで・・・
 値上げ.JPG 再販.JPG 予算.JPG
 立ち位置.JPG まとめ.JPG
その他の分科会
A:これからのジャーナリスト
B:販売問題と新聞を考える
C:新聞社のCSRを考えよう
D:組合の現状とこれから
E:介護、メンタルヘルスと更年期
F:私達の労働と人事・賃金について

 会議終了後、久しぶりに日本新聞博物館(NEWSPARK)へ立ち寄りました。今回で3度目ですがじっくり展示物を観ると新聞の歴史を感じます。TICAD W横浜開催記念写真展「アフリカの一日」という企画展が催されていました。

輪転機.jpg
posted by 今だけ委員長 at 01:56 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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Excerpt: 2008-06-05■[新聞から遠く離れて]川下の販売網から崩れ行く新聞ビジネスid:HALTAN:20080605:p3 などでは拡張の時代の終焉としましたが、実際はまだまだ拡張は続いているようで..
Weblog: HALTANの日記
Tracked: 2008-06-17 20:01
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