仙台市民オンブズマンが県警の報償費問題をめぐり「情報公開」を求めたのは2001年4月。同年9月に前年(2000年)の報償費に不正支出があるとし、仙台地裁に提訴したのがこの問題の始まりであり、県警と県政の問答が県民の大きな関心を呼んだ。
県警側は「捜査協力者への報償は事件の情報収集など捜査に欠かせない」と一貫して監査内容を公開せず、県政の要請を断じてきた。そこに北海道警の裏金疑惑問題も浮上し、県警への不信感は増大したのだが、県民による「運動」にまでは発展しなかった。また地元マスコミもこの問題については、積極的な原因解明を展開できなかった。報償費停止に取り組んだ前浅野知事も8月には次回の知事選不出馬を早々に発表。この報償費問題は一気にトーンダウン。
公職において不透明な部分は「それなり」の納得しうる説明責任はあって当然のことだ。しかし、チェックが甘いと「なあなあ」の前例踏襲がまかり通ってしまう。そのチェックが出来ないマスコミも記者クラブなどの温床に漬かった馴れ合い集団へ化したと思わざるを得ない。
不透明な問題を暴こうと闘う記者は、新聞社という組織を離れてフリーで活躍する人も多い。商業主義へと大きく傾く新聞社。市民(読者)の期待感とはなんだろう。新聞社は単なる情報の垂れ流しではないはずだ。