毎日新聞社が北海道エリアでの夕刊発行を8月末で廃止すると報じられました。
同エリアでの毎日新聞の発行部数(日本ABC協会調べ:3月)は朝刊6万8千部、夕刊1万4千部。夕刊は1年間で4千部減っているとのこと。
毎日新聞は昨年末から配送コスト削減などに取り組んでいますが、道内の都市圏(夕刊購読の多くは企業中心)で夕刊発行をやめるという決断は「企業を守るため」。夕刊の記事を朝刊にスライドさせるとしていますが、読者への視点はなくなっているように感じます。
地方紙との提携(輪転機、発送、販売店)を模索している毎日新聞社ですが、なかなか進まない理由のひとつにANY(のうちAY)の存在があるわけです。全国紙(毎日)の読者のパイは全国紙(毎日以外の)が山分けすると言わんばかりに、地方紙に対してAYが相当な圧力を掛けている(販売関係筋)そうです。全国紙の生き残り戦略が透けて見えますね。
6年前に産経新聞が東京本社エリアの夕刊を廃止した時よりも、個人的にはあまりにもリアルすぎて・・・ショックでした。
【参考記事】
毎日新聞、北海道の夕刊廃刊へ 9月から/朝日新聞
毎日新聞が北海道での夕刊発行を8月末で廃止/読売新聞
毎日新聞、北海道での夕刊廃止/日本経済新聞
毎日新聞が北海道の夕刊廃止へ/産経新聞
印刷職場の合理化がどうなるかも気がかりです。制作から印刷、発送、販売へと業界再編が大きく動き出すかもしれませんね。
すでに販売現場では流通コングロマリット(河内さん風に言うと)が起きています。実は昨年あたりから私が所属する販売会社でもMを取り扱っています。販売店でも新興住宅などをエリアに抱えていないと折込チラシも軒並み前年割れなので、経営的にもう持たない状況です。どこの世界でも一緒ですが末端から切られていくのでしょう。悔しいですが。
北海道地区で毎日新聞の専売店はそう多くはありませんが、夕刊発行を止めると販売店従業員の約半分は必要なくなります。「夕刊の部数は少ないから夕刊配達のスタッフも少ないはず…」と思われるかもしれませんが、場所によっては朝刊で100部配達する時間と夕刊で50部配達する時間が同じ場合があるのです。その理由は部数が少ない分、朝刊の3倍のエリアを配達しているからなんです。
東北ではもともと全国紙の夕刊は発行されていませんが、夕刊だけじゃなく「紙に印刷し宅配する新聞」そのものの問題として捉えています。