週刊東洋経済 4/12特大号
東洋経済新報社 670円
本日発売の週刊東洋経済。まず見出しがオモシロイ「『日経新聞』を読む人読まない人―新聞ビジネス大解明―」という表記は思わず「日経の神出鬼没な申込パンフ」を連想させるぐらいのインパクトがあります。プレジデントの「新聞没落」に匹敵するコピーじゃないでしょうか。
経済誌らしく“新聞業界を叩く”といったこれまでの週刊誌の切り口とは違い、それぞれの新聞社の決算状況など数字が並んでいます。中でも日本経済新聞が昨年度の連結決算で、「利益」でデジタル部門が新聞部門を逆転したという報告がいまさらながら目を引きます。
日経の新聞部門は部数が前年比で1万部ほどの伸び。その理由として、一般紙は主要なニュースを無料で配信していますが、経済指標など日経が得意とする記事はそのおおよそ3割程度しか(ネットで)無料で見ることができないため、日経を購読するビジネスマンが増えているというもの。しかし、結果としては広告収入のマイナスによって、新聞部門は減収減益(2007年度決算)だったということです。デジタル部門の伸びは、課金システムによるデータベース事業が好調で、いま新聞業界が苦慮している「ネット時代の新聞ビジネス」の成功事例として日経の戦略が賛美されているようにも感じられますがあ、データベース化されたコンテンツは取材、編集整理、解説など人員、拠点にいたるまでの取材経費が含まれていることを忘れてはならないでしょう。その取材経費は新聞部門からだけ徴収されてデジタル部門(全てではありませんが)は取材経費が差っぴかれたコンテンツだけを加工、商品化しているに過ぎないと思います。
さながら日経の経営方針を称賛する内容になっていますが、園城寺モデルと務台モデルでいうと「いまの時代に必要なのは園城寺モデルだ」との結論になるのでしょうか・・・
※故園城寺次郎氏は1970年頃の日本経済新聞経営者
この手の雑誌に引っ張りだこの河内孝さんも「朝・読・日経の3社連合 二兎を追う者は…」という内容の寄稿をされています。
私みたいなものが言うのも失礼でしょうが、しっかり取材もしていて構成も洗練されていてけっこう良いできばえだと思います。