11月2日に公正取引委員会が打ち出した「特殊指定」の見直しの件は、新聞販売労働者にとって今後大きな問題になることが予想される。公取委は長期購読者や集金作業の軽減になる自動振替、一括支払いなどの読者に対して、値引き等のサービスは商習慣上一般的である―としているが、本当の狙いは上限を超える景品の提供以上に蔓延する「無代紙」を合法化させることだと思われる。値引きといっても毎月の購読料に格差をつけて回収することは実質的に不可能に近い。そうであれば1年間で11カ月分の購読料を回収し、1カ月分を値引きに相当する無代紙をあてがうというのが、事実上の「長期固定読者への値引き」のからくりだ。
公取委からすると販売店に対する「押し紙」の活用もでき一石二鳥とでも言いたいのだろうが、販売店の収入は大幅に減ることは間違いない。また、残紙率の低い地方紙の販売店では経営自体成り立たない状況に陥り、新聞の戸別配達網は崩壊する。
今回の公取委の動きに対して、毎日新聞以外の全国紙の動きが全く見えないことも問題だ。販売の正常化、発行本社と販売店の取引関係の正常化が一向に進まない状況下で、全国紙(朝日・読売)対地方紙の生き残りをかけた熾烈な戦いが始まろうとしている。読者無視の業界内のゴタゴタ劇が相変わらず繰り広げられようとしているのだ。こんな
カニバリを続けていていられる新聞業界は、やっぱりオモシロイとしか言いようがない。
posted by 今だけ委員長 at 18:07
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特殊指定