推定有罪−それでもあきらめないボクと家族の物語−
河野さんのえん罪を晴らす会 500円+カンパ
昨年の今頃だっただろうか、東京高裁前での宣伝行動に参加していた私は、同じく裁判所職員にビラを手渡し無実を訴えていた河野さんと出会った。
以前から某新聞社の方を通じて痴漢えん罪で闘っている河野さんの話を知り、加盟団体へ署名などの支援要請に少なからず協力をさせていただいた。
その後も同会のホームページやお手紙で状況を伝えてもらったが、昨年11月の最高裁での上告棄却、同月の市教委から懲戒免職を受けるという最悪事態を私は受け入れられなかった。河野さんとご家族はこのあまりにも酷い司法判断をどのような心境で受け止めたのだろう。いや、受け止められるはずはない。事実無根の言いがかりで人の生活が奪われることになったのだから…。
しかし、この本を読むとそんな河野さんの苦しいであろう思いを感じさせずに「えん罪」というものに焦点をあわせて「推定有罪」というあいまいな司法判断の矛盾と、その判断によって社会的地位までも奪われかねないという現実がつづられている。
エピローグでは「ボクは真実が知りたい」と語る河野さん。司法を信じられずに誰を信じればよいのだろうか… ある痴漢えん罪事件の記録と記憶が記された1冊。
元横浜市立高校教員の河野優司さんは、2006年1月15日、日曜日午前中の高島屋横浜店で身に覚えのない「チカン」容疑のため逮捕されました。本人は、当初から「そうした事実はない」と否認し続けましたが、「起訴」され裁判にかけられて、昨年の11月に最高裁で罰金刑が確定しました。
その後、横浜市教育委員会はこの判決確定を理由に、2007年11月29日に河野さんに「懲戒免職」処分を発令しました。この処分は、「一審(横浜地裁)の執行猶予付き懲役刑判決は、失職の恐れがあり、酷すぎる」とする高裁判決に照らしても、司法判断を大きく超えた「懲戒免職」処分であり、あまりにも不当であるといわざるを得ません。
河野さんはこの処分を不当として、横浜市人事委員会に対し処分の取り消しを求める不服申し立てを行いました。これまでに400を超える組織から「処分の取り消しと復職を求める」団体署名が寄せられ、市教委と人事委員会に提出。
当初より無実を主張している河野さんの職場復帰の実現を目指して、今後も運動を継続することを確認しました。
【お問い合わせ】
河野さんのえん罪を晴らす会
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