2005年11月09日

新聞社の虚報はなぜ起こるのか…

新聞の裏が分かる本.jpg
「新聞」のウラの裏がわかる本
著者 久留米 郁(ぴいぷる社)1,140円

 特ダネと誤報・虚報は紙一重=一流紙記者が明かす新聞づくりの舞台裏…まずはじめに一流紙記者ってずいぶん偉そうに…と思いながら読み始めたが、内容はすんなり読めて一流紙記者は朝日の方だとすぐに判明。
 虚報の検証では朝日新聞のサンゴ損傷・捏造事件(1990年4月20日付朝日新聞夕刊)が14ページに渡って、カメラマン(朝日新聞社員)が犯した捏造行為の始終が詳しく報告、読者からの投書や社内の動きなどが詳細に記されている。また、かつて毎日新聞で起こった「西山事件」にも触れ、その問題点を厳しく指摘している。
 記事づくりの楽屋裏の章では、記者の取材活動の原点をサツ(警察)回りとして、「夜討ち朝駆け」をして事件の裏を取らず、警察の「発表もの」だけを書いていればすむ、サラリーマン記者の増加に警告する。また、記者クラブについても閉鎖性を指摘、発表記事に頼りすぎ記者クラブに入れる特権ある一部の記者によるニュースの独占には見直す必要があると述べながら、新聞社間のチェック機能(競争意識)の必要性については否定しない。
 さらに新聞記者の特徴を分析。政治部記者の権威主義、事件で勝負する社会部記者、情報化時代のエース経済部記者、外信部記者は語学力が基本、学芸部記者は専門職、なんでも屋の地方部記者、論説委員と編集委員の違いーなど新聞社の仕組みが分かりやすく述べられている。
 新聞アラカルトの章では、全国の新聞社の特徴なども評論的に書かれている。また「新聞販売競争は仁義なき戦い」として、新聞配達員の労働条件の低さや悪質勧誘によって読者からのイメージを新聞社自らが作っていることなども綴られている。著者も販売問題については「おかしい」と指摘しながらも手を付けられなかったのは残念だ!

 今年に入って朝日新聞や埼玉新聞の虚報問題が起こったが、記者の資質だけでは済まない新聞社の内部事情がチョットだけ理解できる一冊だ。
posted by 今だけ委員長 at 01:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介
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