先日、とある学生さんが私が勤務する会社へ突然訪ねてきました。
「今だけ委員長」のブログを書いている○○と連絡がとりたくて…ということだったらしいのです。
総合受付からの内線で連絡を受けた私は「全国紙の刺客でも来たのかな」と半信半疑のところもありましたが、躊躇せず会うことに。
そうしたら、なんと今年4月からある地方紙に入社(編集系)するという学生さんでした。こんなブログでもよく読んでいてくれて(読み進めるうちに個人が特定できたそうです)、新聞産業の現状を聞きたかったというのです。
その好奇心旺盛な姿勢にとても共感しました。新聞社や販売店の方々がどのように新聞の将来を考えているのか、そして会社や業界の外にいる人たちとどう連帯をしていこうとしているのか―。あっという間に1時間近く話し込んでしまいました。
後日、その学生さんから頂いたメールにはこんなことが書かれていました。
学生時代にさまざまな活動をしてきましたが、そこで実感したのが、何かを考えたり実行したいときは、いろんな人たちと繋がりあって、いろんな人たちから意見を聞くのが一番てっとりばやいということでした。
一人や一つの組織だけでうんうんうなっていても、しょうがないだろう、と。
僕はまだ働き出してもいないのですから、どんな人たちがどのように新聞の将来について、考えているのか、まったく知りません。これからもっとそんなことを勉強していきたいですし、また僕個人としては、会社や業界の外にいる人たちと、もっと「連帯」していきたいなあと思っています。
今、国民国家という幻想がなし崩し的に瓦解していく中で、単一言語を使う単一民族による国家というイデオロギーを浸透させるマシンであった新聞が、その一つの役割を終えたのは確かだと思っています。
今ほど、国内政治と国際関係が混じり合った時代はないですから。ただこういうことに関して、僕が好きな言葉があるんです。「愛国心は敵対や憎しみを生むが、愛郷心は連帯や人類愛を生む」。愛郷心というのは、自分の属する地域のコミュニティへの愛情ですよね。
これからの地方紙の方向性というのは、このへんにあると思うんですが…
こういう方たちが将来の新聞産業を支えていかれるのだと感じたし、「学生さん」に対して自分に出来ることを考えてみたいと思います。