2005年10月27日

日本の大新聞社の問題点は世界的にも注目されている?

日本の新聞報道.jpg
日本の新聞報道
著者 林ヶ谷 太郎(池田書店)1,200円

アメリカに長く住み、国際関係論を専門にしている著者が、アメリカからの提言と題し、日本の新聞社の問題点を幅広く指摘している。日本人の無気力さが大新聞社のおごりを助長し、読者を甘く見ているから誤報や捏造記事が生まれると説く。

さらに注目したのは、カリフォルニア大学の教授である著者が「ナベカマ拡張団と新聞販売店の存続」の項で販売現場の実態を詳細に書いている。拡張団の販売行為は、新聞社がやるべき販売行為ではないと一喝。拡張団の仕組みや発行本社の販売局が裏で糸を引いている(拡張団の直接雇用は発行本社)と指摘する。また、世界最大部数を誇る読売新聞は販売店に対して信賞必罰主義に徹した「販売の神様 務台」の功績と皮肉っている。日本の新聞が巨大化した理由のひとつに宅配制度があり、その制度が崩れれば日本の新聞の危機を迎えるとアメリカから発信するところはすごい。最後の結びでは「新聞が巨大部数を維持する大企業であるところに日本の新聞の問題点がある」というのが筆者の持論だ。納得。
posted by 今だけ委員長 at 19:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介
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