2005年10月04日

「新聞屋だって人間なのだ!」新聞販売労働運動の第一人者が綴った自分史

けつまずいてもころんでも.jpg
けつまずいてもころんでも−新聞販売労働運動私史ノート〈第一部〉−
著者 サワダ オサム(滋賀県新聞販売労働組合)2,200円

 新聞販売労働運動の大先輩であるサワダオサム氏が、「新聞幻想論」に続き1996年に発行した自分史の記録。
サワダ氏が滋賀県の大津市で販売店の店主らと労働組合を立ち上げるに至った背景には、新聞販売店の劣悪な労働条件を招いているのは新聞社との片務契約により、発行本社との取引関係の矛盾を正すことに決起した。日ごろは競争相手の他新聞販売店の店主らも「そのような闘いならば…」と団結する。
 そして、滋賀販労を結成し、1年後には全国新聞販売労働組合連絡協議会(全販労)に参加する。全販労は1977年5月に横浜で結成された新聞販売労働者がはじめて組織した全国組織。当時の加盟組合は河北新報仙台販売労働組合(仙台)、新潟日報販売労働組合(新潟)、全国一般神奈川地本新聞分会(横浜)、全商業京都府支部新聞分会(京都)で組織され、日本新聞労働組合連合(新聞労連)の支援を得て結集された。
 「新聞販売正常化」に全精力を尽くして闘った著者の意気込み、販売労働者の団結、新聞社体質への指摘、「新聞販売問題」を国会質問まで展開する手法などが伝わってくる。
 サワダ氏は今年70歳を向かえ、新聞販売労働運動から引退を表明した。サワダ氏の凄まじい運動の歴史は残るが、今の新聞販売の現状は一向に改善されていない。販売問題一つ改善されない新聞業界は、インターネットの普及により「紙」新聞の存在自体を危ぶまれても自らの業界構造の問題を改善することが出来ないでいる。
 長い歴史を持ち、再販制度などに守られている「新聞社」は、時の流れや消費者(購読者)のニーズには鈍感なのだ。



posted by 今だけ委員長 at 19:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍紹介
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