
新聞 もう一つの顔−販売の暴走十八年−
著者 森 茂(旭出版)1,800円
九州地区は関東、関西地区と並んで新聞部数過当競争が絶えない地区。その理由は現地印刷工場の建設によって販売部数(部数拡大による広告収入増)を増やさないと経営がひっ迫するからだ。そんなこと地域の読者には関係のない話なのだが、全国紙の1社が進出すると他の2社も追随する構図は今も変わりない。
森さんはそんな九州の熊本にあって、長きに渡り販売を担当され「販売正常化」に取り組んで来られた重鎮。全国紙の乱売に負けず、地方紙が主導となって正常化を果たすべきだと訴え、新聞社、公取委、販売店主会の正常化から手を付けてていくべきだという姿勢は、今の熊本日日新聞社にも受け継がれている。