2007年10月18日

業界内部の問題にどれだけの人が関心を持ってくれるだろうか?

  崩壊する新聞.JPG
崩壊する新聞 ―新聞狂時代の終わり―
著者 黒藪哲哉(花伝社)1,700

 最近では新聞販売関係者必見のサイト「新聞販黒書」を運営している著者が、前著の「新聞が危ない」に続く告発本の第2弾。

 著者とはじめてお会いしたのはもう9年ほど前だったと思うが、後にも先にも新聞販売業界の問題は何も改善されていない。読み終えての感想は、自らの(何も改善できなかった)反省と本書で指摘する問題点の改善を待たずして新聞産業が「終わり」を迎えてしまうのではないかということだ。インターネットの出現によって新聞(マスコミ)業界がどのような状況にあり、これまで声高に叫んできたジャーナリズムや媒体としての価値がどのように受け止められているのかを考察すると、まさしく副題にある「新聞狂時代の終わり」に近づいているのかもしれないのだ。

 著者はサワダオサム氏(全販労顧問)から新聞販売労働者の「心の叫び」を継承され、販売関係者への丹念な取材のもと新聞社と販売店の取引関係の改善を柱に業界内の問題点を本書や新聞販売黒書で指摘しているが、販売関係者ならば「誰でも知っていること」であり、「なぜ改善できないのか」という問題についてもっと踏み込んでもらいたかった。新聞販売店は配る商品(新聞)なしには存在し得ないのであって、著者の心の奥底にあるであろう(販売問題を含めた)新聞ジャーナリズムへの対立心には、腰を引いてしまう販売労働者の姿が目に浮かんでしまう。自分はそうではないと思いたいのだが…

 本書ではYC久留米文化センター前真村久三氏らが読売新聞社を相手取って起こした裁判の経過が記されている。この事件は販売店の連続改廃問題に対してYCの販売店主3人(真村氏含む)が福岡地裁に地位保全を求めて起こした裁判で、歴史的にも販売店が勝訴したはじめての裁判。今年6月の福岡高裁での控訴審では(控訴審も真村氏の勝訴)、読売新聞側の「押し紙」政策を認定する判決理由が述べられるなど時代の変化が感じられる。

 花伝社は全国の新聞販売店へ本書の宣伝ファックスを流していたようだが、業界以外の方に読んでもらいたいと思う反面、新聞業界の問題なんてどうだっていいじゃないか―という声が「新聞離れ」の方々から聞こえてきそうだ。いずれにしても、これまでの新聞業界のやり方(紙面も販売も)では衰退をしてしまうことだけは間違いない。新聞社の経営者も販売店の店主も意識を変えなければ…

posted by 今だけ委員長 at 01:43 | Comment(2) | TrackBack(1) | 書籍紹介
この記事へのコメント
今日発売のSAPIOに新聞何とか、の特集が
連載されています。
かなり、新聞業界人には、きつい内容です。



Posted by ひろひろ at 2007年10月24日 20:28
ひろひろサマ!コメントありがとうございます。

サピオ(11月14日号)の感想については、ひろひろサマがコメント寄せていただいた後にアップしましたが、あまり「きつい内容」という感じはしません。逆にこのような指摘をしていただけるうちに何とかしなければならないのだと思います。相手にされなくなったらおしまいですから…
Posted by 今だけ委員長 at 2007年10月26日 20:24
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