会社以外で一日7時間も同じ場所にいるなんて珍しいことなんですが、内容が盛りだくさんのイベントなので飽きることなく、セッションや展示作品、映画(国道20号線)を観てきました。

メインセッション第1部は「ローカルの創造性」について、地元で活躍している鹿野護さん(映像クリエイター)、タノタイガさん(美術家)と北海道に住み世界的な活動をしている五十嵐淳さん(建築家)からの講演と東北大学教授(建築、メディア)らによるディスカッション。皆さん味わいのあるお話で興味深く拝聴させていただきました。
有能なアーティストはその拠点を都市圏へ移してしまいます。それは発表する場所が少なかったり、文化、芸術への興味・関心がある人口そのものが少ないなどの問題から、“食うため”に拠点を移らざるを得ないという提起もありました。しかし、講演者からは「大きな船に乗るより、小さな船をつくることが大切で、本当に良いものは大きな声を上げなくても“つぶやき”で届くもの」(鹿野さん)、「街の活性化、文化、芸術そして経済の発展も地元のメディアとどうつながるかが問題」(タノタイガさん)という弁。
アーティストの方のみならず、仙台から優秀な人材が離れていってしまう理由にその地域での活動の限界があります。いくらネットで全世界へ発信できる環境が整ったとしても、地域の中で活動できるためには文化や芸術に光をあてる地道な努力も必要ですが、地元のメディアがもっと積極的に地元で活動するアーティストを取り上げることも大切なのだと感じました。これは文化芸術の部門だけではなく経済活動においてもそうなのでしょう。地域を活性化させる役割を地元マスメディアは担っているのです。

「タノニマス」タノタイガさん
大きすぎず、小さすぎず、古すぎず、新しすぎない。「すきま」、「あいだ」の都市仙台。「空/間」をテーマに掲げたカルチュラルタイフーン2008in仙台は、自分たちの住む街を考え直す良い機会になると思います。
29日も10時から19時まで開催されています。ぜひ足を運んでみては!