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河北仙販では仙台市教育委員会が推進する「仙台自分づくり教育・中学生における職場体験活動」に賛同し、「職場体験学習」の受け入れを行っています。今回は仙台市立五橋中学校(郷家雄二校長)の生徒5人を受け入れ、職場体験学習が五橋支店で行われました。
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スカイブルーのジャージに身を包んだ五橋中二年生5人組が23日、職場体験学習のため河北仙販五橋支店を訪れました。同中学校からの体験学習受け入れは今回で3回目。21〜22日は河北新報社で新聞をつくる仕事(取材→編集→印刷)を学び、研修最終日は「読者へ新聞を届ける」販売店の仕事を体験してもらいました。
▽販売店の仕事は配達だけじゃない
9時に出勤した五橋中生5人は新聞販売店の仕事内容などの説明を受けた後、翌日の朝刊に組み込まれる折込チラシの搬入作業と折込丁合機で組み込まれたチラシを丁寧に整える作業を体験しました。一度に20種類のチラシを組み込むことができる丁合機の操作に関心を寄せていたようです。午前中は書籍のお届けにもチャレンジしました。週刊誌の定期購読をしている事業所をまわり、「ご注文の書籍をお届けに来ました。納品書にサインをお願いします」とハキハキした受け答えはとても中学生とは思えない対応で感心しました。
▽中学生の目線で配達員募集チラシ作成
午後からはデリパル(当社では配達バイトを総称してデリパルと呼んでいます)募集チラシを作成してもらいました。デリパル不足に悩まされている当支店ですが、「新聞配達をやりたくなるようなイメージ」という課題のみを与え、5人がそれぞれ意見を出し合いながら作成してもらいました。研修時の写真をふんだんに使った手書きの募集チラシは後日、新聞に折り込みますのでご覧ください。
▽新聞配達は感謝される仕事だと感じた
職場体験のメーンは夕刊配達です。午後2時半過ぎに到着した夕刊は配達区域ごとに部数をかぞえ、デリパルへ渡されます。支店長から「私たちは配達のプロ。不配はできないよ」と激を飛ばされた5人は二班に分かれて米ヶ袋エリアを配達しました。途中で自転車を倒しながら乗りなれない自転車での配達は大変だったと思いますが、届けた先々で「ご苦労さん」とあたたかい声をかけてもらいました。
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研修終了後のディスカッションでは、「夕刊を配達していて多くのお客さまから『ありがとう』、『ご苦労さま』と言われた。人に感謝される仕事だと思った」、「販売店の仕事は朝夕刊の配達だけだと思っていたが、いろいろな仕事があることを知った」という感想を述べてくれました。また、「デリパルさんが減っているという話を聞いて大変だと思った。自分も高校生になったら新聞配達をやってみたい」と言ってくれた男子生徒もいて、とても心強く思いました。
新聞販売店の仕事は、早朝から遅い時間まで事務所の灯りが消えることのない長時間の業務ですが、新聞産業のアンカー役という責任を担いながら日々作業をしています。
今回研修にこられた五橋中生に読者の皆さまへ決まった時間に新聞を届けることの大切さを伝えることができたと思います。(小関勝也)
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「すべての教室へ新聞を」運動
日本新聞販売協会では、文部科学省の後援のもと新聞販売店から希望される小学校の高学年、中学校、高等学校へボランティアで新聞を届ける『すべての教室へ新聞を』運動を展開しています。すでに学校教育の一環として進められているNIE事業(教育に新聞を)と連携しながら、地域の教育委員会、希望される学校の要望を踏まえて進められています。2013年6月現在、全国の2,170校で実施されています。五橋中学校へも毎日、新聞をお届けして授業で活用されています。