2007年05月20日

「憲法を守ろう」ではなく『憲法を守らせよう!』へスローガンを変えてみては?

 きょうは代々木にあるカタログハウス社セミナーホールで開かれた公開討論会「国民投票法(改憲手続き法)と国民主権を考える」(主催:国民投票/住民投票情報室)に行ってきました。


 パネリストは衆議院の憲法調査特別委員会の面々と慶応大と法政大の法学部教授。“よくぞここまで集めたなぁ”というくらい迫力もありました。中山太郎さん(衆院憲法調査特別委委員長)が改憲手続き法に関する総論的な話を説明した後、与党の船田元さん(自民)、赤松正雄さん(公明)。野党からは枝野幸男さん(民主)、笠井亮さん(共産)、辻元清美さん(社民)。憲法学の立場で、小林節さん(慶応大教授)、杉田敦さん(法政大教授)。主催団体の事務局長を務める今井一さん(ジャーナリスト)。コーディネーターは山口栄一さん(番組ディレクター)というそうそうたる面々。

 討論では、はじめに会場からの「質問」として、㋐そもそも内閣が憲法改正を発議すること自体が違法なのではないか㋑国民投票法と住民投票の違いは㋒附帯事項として残された18項目について―が提起されました。これまで議論を続けてきただけあって、与野党とも一定程度の共通認識で返答されていましたが、強行採決に踏み切った自民党、安倍首相への不快感は野党や憲法学者も怒りをあらわにしていました。
 この他、制定された改憲手続き法について@問題点や評価できる点A「立憲主義」「国民主権」「市民自治」を強化することになるのか、それとも損なうことになるのかB経過期間となるこの先3年間に何をするのかC予備的国民投票は実施されるのか―といった内容で討論が進められ、あっという間の3時間30分でした。

【気になった発言要旨】
・(予備的国民投票に関連して)1回の国民投票にかかる経費は840億円。そんな無駄な税金をかける必要はない。(通常の国政選挙もこのくらいかかるそうです)
・国民投票法が成立したからといって、必ず3年後に憲法を変えなければならないというものではない。自民党の憲法草案などを国会で発議するような話になっているが、国民的な(変えるべきだとの)議論が沸き起こらなければおかしなことになる。
・護憲派の皆さんは「憲法を守ろう」とよく言うが、政府与党や安倍首相に対して「憲法を守らせる」というスローガンに切り替えた方がよいのではないか。
・安部首相(自民党憲法改正草案)がいう愛国心は、国民主権の本質をねじ曲げる行為である。権力の側を規制する憲法に「国民に自由な権利を与えてやるから国を愛せ(義務を負え)という考え自体おかしなことだ。憲法の精神を全く理解していない権力者がやりたい放題というのが今の状況だ。
・法案(改憲手続き法)成立から、報道ステーションなどテレビ番組で積極的に特集を組んでいるが、このような討論会には案内を出しても取材に来ない。代議士の本音や苦労も感じ取れるし、何より分かりやすい討論だと思う。このような討論会をもっと多くのメディアで取り上げてもらいたいのだが・・・(たしかに取材陣は新聞記者が2人いた程度です)


 

 改憲、護憲の是非というより、国民が憲法問題をしっかり考えるように新聞紙面で3年間くらいの長期連載(Q&A方式)でもやられてはどうでしょう?東京新聞でやっている「国民投票ポイント解説」は結構オモシロイです。

 
posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
 元新聞奨学生の自分としてはやはり第25条の「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」を守って欲しいと思いますね・・・。
Posted by 徳川家康 at 2007年05月25日 13:49
徳川家康サマ!コメントありがとうございます。

新聞奨学生でなくても、牛丼チェーンやコンビニで働く方も皆そうですね。

先日、明治公園で開かれた「青年ユニオン」の集会をのぞいてきましたが、不安定な雇用契約の中で苦しむ若者が増えている現状を目の当たりにしました。訴える方々の声を社会に届け、政治を動かすために日々活動をしていこうと思っています。
いくらブロガーが問題性を訴えて、PVをあげたとしても(今のところ)新聞(紙面)の力にはかなわないと思いますが…
Posted by 今だけ委員長 at 2007年05月28日 17:16
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