▽中国新聞が4月で夕刊休刊 朝刊とセットの新媒体創刊(2/13付・中国新聞)
中国新聞社(広島市)は12日、夕刊を4月末で休刊し、朝刊と同時に配達する日刊の新媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」を5月1日、創刊すると発表した。同社夕刊は1924年から発行しているが、部数減により91年に及ぶ歴史に幕を下ろすことにした。▽中国新聞社:4月末で夕刊を休刊に(2/12付・毎日新聞)
SELECTは、経済や海外のニュースを中心に、幅広いジャンルから読み応えのある記事を盛り込む。外部投稿や写真特集、文化、芸能のほか脳トレやクロスワードなど遊びの要素も加える。
朝刊と同じサイズの16ページで、全ページカラー。月曜日を除く週6日発行する。朝刊と同時に配達することを条件に、販売エリアは限定しない。
中国新聞社(広島市)は12日、夕刊を4月末で休刊し、朝刊と同時に配達する日刊の新媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」を5月1日、創刊すると発表した。同社夕刊は1924年から発行しているが、部数減により91年に及ぶ歴史に幕を下ろすことにした。
SELECTは、経済や海外のニュースを中心に、幅広いジャンルから読み応えのある記事を盛り込む。外部投稿や写真特集、文化、芸能のほか脳トレやクロスワードなど遊びの要素も加える。
朝刊と同じサイズの16ページで、全ページカラー。月曜を除く週6日発行する。朝刊と同時に配達することを条件に、販売エリアは限定しない。(共同)
新聞社は県内を発行エリアとする地方紙と近隣県にまたがる広域エリアで発行するブロック紙、そして全国紙に分類されますが、いよいよブロック紙勢も「夕刊休刊」の堰(せき)を切ったと捉えています。(※産経新聞東京本社は全国紙ですが2002年3月で夕刊廃止)
今だけ委員長は、この流れはさらに加速すると予感しています。
新聞社および販売店の経営問題のみを考えると夕刊発行(配達経費含む)にかかるコストは総じて赤字です。完全セット販売も顧客のニーズによって崩れており、朝刊単配の読者がセット読者数を上回っている地区が増加、記事の連動性も編集段階で相当難しくなっていると聞きます(夕刊で一報した記事を翌日朝刊へ掲載する際、夕刊を購読していない読者へ記事重複しないように掲載の仕方を工夫するなど)。
また、新聞社において速報性という概念がいまのネット時代に照らし合わせて、どう作用しているのか。号外の発行も電子号外(WEBで発信)へシフトしている状況を考えると、情報の速報性については「紙」だけに固執しない流れになっているわけで、これまで(中国新聞社は91年間)続いてきた朝・夕刊という新聞のセット発行は多メディア時代(情報摂取の機会の多様化)とともにその意味を成さなくなってきたと感じています。
しかし、販売現場にいると夕刊が配達されるのを待っている読者もいる(その多くが高齢者ですが)。そして、新聞配達で生計を立てている労働者のことを考えると何とも言えないジレンマを抱きながら、私を含め多くの新聞関係者は「自分たちの足元」を見ていることだと思います。
けさはやくに、旧知の中国新聞販売店の方へ話しをうかがいました。その所長さんも夕刊配達スタッフへの説明やメディアとしての価値について、複雑な気持ちでいるようでした。夕刊休刊の社告は本日付だったのですが、業界紙などに情報が漏れて当初3月発表の予定を前倒しして13日発表となったこと(共同通信などは前日12日に配信)。販売店側へ夕刊休止の通達・説明会が行われたのは先月28日だったそうです。夕刊を扱っている販売店の多くが採算割れしていたことなどから「歓迎」する向きもあるとのことですが、この所長さんは「やはりスタッフのことやメディアとしての価値を考えれば、どうなんだろう?と言う気持ちです」と語ってくれました。
中国新聞社では夕刊に変わる新たな媒体「中国新聞SELECT(セレクト)」(週6回発行・単売なし)を発行するとのこと。夕刊休止による収入減を補う施策として期待されますが、中国新聞の読者が2パターン(SELECTとのセット読者と朝刊単読者)となるので、配達はとても複雑になるのではないかと感じます。
【追記】
※中国新聞 発行部数(2013年4月15日現在)
朝刊 639,084部 夕刊 34,967部