2014年11月22日

ドラッカー学会に参加してきた

 ドラッカー学会が主催する「第9回 ドラッカー学会 大会in仙台」が15日、仙台市内で開催されました。ふんばろう支援基金の代表理事・西條剛央さんも講演者の一人であることから、学会員ではないのですが「午後の部」(参加費4,000円)へ参加してきました。テーマは「復興とマネジメント〜マーケティングとイノベーションの実践〜」。先行きの見えない日本経済に反映してか、定員を超す参加者で満席でした。備忘録として講演内容を自分なりにまとめてみます。

ドラッカーパンフ.jpg▽企業の目的を明確にすべし
 最初の登壇者はアイリスオーヤマ株式会社・代表取締役社長の大山健太郎さん。昨年執筆された「経営教室〜ロングセラーが会社をダメにする〜」をなぞりながら、「変化に対応する経営」の実践法をドラッカーの考察に照らし合わせながら話されました。アイリスオーヤマは5つの企業理念を掲げています。@会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立することA健全な成長を続けることにより社会貢献し、利益の還元と循環を図るB働く社員にとって良い会社を目指し、会社が良くなると社員が良くなり、社員が良くなると会社が良くなる仕組みづくりC顧客の創造なくして企業の発展はない。生活提案型企業として市場を創造するD常に高い志を持ち、常に未完成であることを認識し、革新成長する生命力に満ちた組織体をつくる―。特に「いかなる環境になっても利益をあげる会社になる」という理念を実践している同社は、昨年からお米のビジネスへと参入しています。大山さんは新たなビジネスへの参入も企業理念に照らし合わせて、「本質的、多面的、長期的」にもの事を考えて決断されているとのこと。顧客の潜在的ニーズをキャッチ(ユーザーイン)し、スピードを優先させながら需要を自らつくりあげていく(創造需要)企業の方向性にドラッカーが提唱するマネジメント力を感じました。

▽すべての人間は肯定されたいと思っている
 次に登壇したのが早稲田大学ビジネススクール客員准教授の西條剛央さん。テーマは「日本最大級の支援組織をどうマネジメントしたか?」と題し、自ら立ち上げたボランティア「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の活動に照らしながら自ら提唱する「構造構成主義」に基づいた方法の原理を説きました。
 ボランティアという組織は「お願い」はできても命令権がないので、頑張りすぎる人にしわ寄せが増えてくるもの。「どうすればよいか」と悩むのではなく、「どう考えればよいか」というのが構造構成主義。目的の抽象度を上げるのが理念であり、企業(組織)理念がお飾りになっているところも少なくない。理念は組織の目的であり、目的がなければただの集団と化してしまう。本質を見失わないことが大切だ(本質観取)。理念とビジョンの違いについては、ビジョンは具体的な将来像(いわゆる下書き)で従業員などが色を塗ってくれるもの。リーダーは的確なビジョンを示すことが大切である。また、「人を集め、人を動かす」には、人間の本質を知ることが重要。すべての人間は肯定されたいと思っているわけだから、否定から入ってしまえばその組織はうまくいくはずがない―「知識労働者はボランティアとして扱わなければならない」というドラッカーの名言は、人間の労働とは体力労働には限界があるものの、方法の本質を見極めながら知識を提供することはボランティアでもあるという解に膝を打ちました。
◇「チーム作り」の最初の本質とは何か?(西條剛央連載 第1回)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141111/423901/?rt=nocnt

▽常に失敗することを人間は願っている
 最後は、作家の岩崎夏海さん。5年前にベストセラーになった「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」の著者で、作詞家の秋元康氏に師事し、AKB48のプロデュースにも携わっていらっしゃる方です。「私は講演の際、原稿を一切用意しないようにしている。その場の雰囲気を重んじるために…」と切り出した岩崎さんの講話は、虚飾しない人間の本質を見事に言い当てた内容でした。会場内が「岩崎ワールド」に引き込まれ、メモをとることも忘れて聞き入ってしまいました。なぜ「もしドラ」の続編を書かないのか?この講演を聴いた人にしかわからない(参加した人でもわからない人も多かったはず)逆説的なテーマを参加者が与えられたような気がします。
◇岩崎夏海がとある高校で2014年11月6日に講義を行った!(1/5)
https://www.youtube.com/watch?v=qdmq0oWCDo8

posted by 今だけ委員長 at 11:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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