2013年07月09日

泉田知事「安全よりもお金を優先したのですね」は今年の流行語大賞に決まり!

 日本国は原子力規制委員会が策定した新たな原発の規制基準を8日に施行し、北海道、関西、四国、九州の電力4社が5原発10基の再稼働を申請しました。
 各メディアとも「どちらかというと脱原発だけれど・・・」と煮え切らない状況の中で、9日付の朝日新聞1面に掲載された上田科学医療部長の解説と東京新聞の社説「原発の新規制基準 廃炉時代の始まりに」は生活者の声なき声を代弁してくれたと膝を打つものでした。


▽原発再稼働の前に将来像を 科学医療部長・上田俊英(朝日新聞7月9日付)
 われわれが急ぐべきは、将来のエネルギー利用のなかで原発をどう位置づけるかをはっきりさせることだ。安易に原発を再稼働させることではない。
 電力会社が再稼働を急ぐ理由は、もっぱら経営問題だ。東京電力の広瀬直己社長が5日、新潟県の泉田裕彦知事に柏崎刈羽原発の再稼働申請に理解を求めたとき、「安全よりもお金を優先したのですね」と言った知事のことばは、本質を突いている。
 福島第一原発事故から2年以上がたつ。しかし、日本にどれだけの原発が必要か、いつまで使い続けるのか、原発は安全なのか、といった根本的な議論はまったく進んでいない。エネルギーの将来をめぐる政府内の議論は止まっている。
 事故後、原発の安全規制は強化された。独立性が高い原子力規制委員会が発足し、原発の運転期間を原則40年に制限した。活断層の影響をより厳密に再評価する制度もできた。
しかし、何が事故の原因だったのか、どうすれば防げたのかといった問題に明確な答えは出ていない。再び大事故が起きたときの防災対策も不十分だ。
 事故によって、われわれは原発が抱える途方もない危険性を知った。多くの人がいまも放射線の不安のなかで避難生活を強いられている。
原発がなくてもふつうに生活できることも知った。いま稼働している原発は、わずか2基。それでも節電などの工夫によって、停電することはない。
 国内には50基の原発があるが、その3割にあたる14基は2020年までに稼働40年を超える。原発はいや応なしに減っていく。
 国民の多くは原発を減らしたいと思っている。原発に頼るやり方は限界にきている。理念なき原発の再稼働は将来に禍根を残す。
 *
▽原発の新規制基準 廃炉時代の始まりに(東京新聞7月9日付)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070902000144.html

 原発問題はとても深い問題なわけです。
 先日、電力会社に勤める同級生と杯を交わした時も「自然エネルギーに切り替える施策に投資すべき」という私に「お前は何もわかっちゃいない」と国策を論じはじめる同級生。原発の再稼動に踏み切れない電力会社は値上げを強行しようとしたものの、従業員の年収の高さを指摘され夏のボーナスも支給されず電力(社員)需要が伸びないと嘆く地域経済・・・。新聞などのマスメディアもこれまでの(広告的分野での)蜜月の関係が影響しているのかどうか知りませんが、地域経済のことを重んじる地方紙などは原発問題に対して総論では「脱原発」を主張するものの、各論では「地域経済」という言葉を使って立ち位置を微妙に棚上げすることで手一杯のように感じます。
* * *
 新潟県の泉田知事が明言した「安全よりもお金を優先したのですね」は、県民(国民)の生命を預かる首長として経済優先の財界に一石を投じる重いことばでした。今年の流行語大賞に推薦したい気持ちです。
 経営者は株主への配当のために利益を出さなくちゃいけない。それが仕事だからあらゆる手を打って利益を追求するわけですが、「安全」であったり「信用」といったキーワードをないがしろにしてしまっては、企業そのものの信頼を失うことになります。でも、電力会社のような独占的企業だからこのデフレの時代でも値上げも強行することができるし、「電気が供給できなくなってもいいのですか」と脅されると消費者も言われるがままになってしまう。

 さて、話しを新聞産業に置き換えてみると販売現場では「○○よりも発行本社を優先したのですね」となりますが、それはごく当たり前のこと。そういうものなのですこの産業って・・・。発行本社の経営を維持するためには相応の部数を、身を削ってでも買い続けなければいけないという宿命を背をわされる産業構造なのです。立場の弱い販売店従業員(皆さんによく誤解されるのですが販売店主と販売店従業員はその意味合いが違います)からいろいろなものが削られていく。といって電力会社のように「値上げ」ができるわけでもなく(再販制度があるので値上げは新聞社しかできません)、ただひたすら部数を増やすために読者(シルバー世代)の奪い合いが繰り広げられています。昭和の企業戦士のように・・・。

 理念・・・重い言葉だなぁ。この新聞産業の下流にある販売現場では、一心不乱に足を使い、頭を使い読者獲得に全力をあげていますが、(自宅で定期購読をするという)新聞離れの潮流は加速するばかり。この状況をどうデザインして新聞産業を、人と企業を残していくのか。新聞販売のこれからの時代に舵取りをする新聞経営(人、企業)を自分の立ち位置からしっかりと見ていこうと思います。あくまでも自然体で。
posted by 今だけ委員長 at 23:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | きょうの喜怒哀楽
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
ツイート