三陸物語―被災地で生きる人びとの記録
著者 萩尾信也(毎日新聞社)1,500円
毎日新聞の連載から愛読していたこともあって「待ちわびていた」発行でしたが、購入から1年半も部屋の隅に置いていてしまったことを後悔しつつ、このゴールデンウィーク期間に一気に読了しました。一気に・・・といっても翌朝はまぶたが腫れぼったいくらい涙を流しながら読ませていただきました。
岩手県釜石市出身の著者のコミュニケーション力と「体験談を残す」という行動力に凄まじいものを感じました。これが新聞記者の真骨頂なのだと思います。そして、被災した取材対象者から「つぎ」をつなげていく長けた嗅覚・・・。釜石を中心にして生死を狭間をさまよい、肉親が犠牲となった12人の「記録」は映像など必要ないくらい釜石なまりで表現されている文字で十分に「あの時」の様子が目に浮かびます。
先日、北海道新聞に勤める釜石出身の友人とこの「三陸物語」の話になり、その際、「萩尾さんは取材の時に一切メモを取らないそうだ」という話を聞きました。その友人も実家を津波で失い、父親も著者の取材を受けたとのこと。
常識で考えれば取材した内容をメモするのは当たり前だし、記録しないと取材対象者との(言った・言わない)もめ事にもなりかねないわけです。
でも、あの惨状で被害に遭われた方と向き合うのにメモや録音は必要なかったのではないか、発せられることばの(方言まで)一言をメモなどしなくとも心に刻み込みながら取材をされたのではないかと思うのです。
「生と死の記録―続・南三陸物語」も昨年6月末に発行され、まだ自室の机上に積み重なったままになっていますが、「早く続編も読まなければ」とカウンターパンチを食った気持ちです。ぜひ厚手のタオルを脇に置きながらご一読ください。
ネット工作員(twitterにもいる。)に注意して、事実を積み上げていけば核心に至ると思います。
〉去年の選挙、布施緯線居であったのご存知ですか?
知りません。
初めてコメントさんがおっしゃる「ことの真実」に興味があります。ぜひ、ご教示くださいませ。