2013年04月21日

陸奥の動向が心配・・・/3年後に東奥が朝日を受託印刷

 現場(販売店)勤務から2週間が経ちました。まだ思うように自分のペースをつかめていないため、多くの方々からいただく連絡や情報提供に反応できず申し訳なく思っています。
 新聞産業などの硬派ネタは引き続き小ブログで綴っていこうと思っていますが、販売店の日常については、河北新報社が運営するSNS「ふらっと」で発信していこうと考えています。こちらもお時間のあるときに訪問していただければと思います。
 「こせきかつや通信」 
http://flat.kahoku.co.jp/u/senpan/
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 「朝日新聞が東奥へ新聞印刷を委託」の記事が18日、東奥日報(2社面)、朝日(3社面)、河北新報など(共同通信配信)へ掲載されました。


▽朝日新聞を受託印刷 ―東奥日報社2016年春から―
 東奥日報社と朝日新聞社は17日、青森県と岩手県北部、秋田県北部に配達する朝日新聞本紙3万〜4万部を東奥日報印刷センター(青森市)で印刷することに基本合意した。印刷開始は2016年春を予定している。
 朝日新聞社は現在、青森県と岩手県北部、秋田県北部向けの新聞を朝日弘前プリンテック(弘前市)で印刷している。東奥日報社と朝日新聞社は今後、輸送面での協力の在り方も協議する。
 基本合意書の調印式は同日午後、東京都中央区の朝日新聞社本社で行われ、東奥日報社の塩越隆雄社長と朝日新聞社の木村伊量社長が合意書に調印した。
 東奥日報印刷センターは2015年夏を目標に輪転機の更新事業を始めており、現在2セットある輪転機を3セットに増強する。(東奥日報 4/18付)

 東奥日報社内でも極秘扱い?されてきたとのことですが、これまでも小ブログで指摘してきたとおり部数収入が伸び悩む新聞産業界は合理化へシフトせざるを得ません。全国紙と地方紙の業務提携だけではなく、地方紙と地方紙の下流部門の受託もさらに加速すると思われます。

 今回の朝日と東奥の印刷受託に関して、個人的に気になったのが陸奥新報社の動向です。陸奥は1975年1月から青森県内で発行する朝日、日刊スポーツ(日刊スポは同年3月から)の受託印刷をしてきたのですが、朝日の受託印刷から25年目の2000年1月に事態は一変することになります。
 1998年、朝日は業績不振と再販制度の対応に向け、21世紀に生き残りをかけた体制を掲げ、全国19ヵ所の現地印刷工場を2000年までにすべて40頁(カラー面12頁)印刷可能な輪転機を設置して独立採算の印刷会社組織に統合する方針を陸奥へ通達。それまでも経営悪化に喘いでいた陸奥は自社の印刷部門を廃止し、新会社の樺ゥ日弘前プリンテックへ出資(出資比率:朝日51%、日刊グループ34%、陸奥15%)、経営に参画することになるのですが、逆に印刷を委託するという立場になったのです。設立当時は陸奥の印刷局員が朝日弘前プリンテックへ出向して作業をしていました。

 3年後とはいえ、朝日が東奥日報印刷センターへ印刷委託をするということは、朝日弘前プリンテックはいずれ廃止(陸奥が単独で印刷工場の経営まで維持するのは困難)となる公算が強い。そうすると陸奥の印刷をどこが担うのか。1985年にそれまで陸奥への印刷委託をやめた日経系の青森高速オフセット株式会社になるのだろうか・・・。
 陸奥新報の仲間がこだわってきた新聞発行が途絶えないことを願います。

posted by 今だけ委員長 at 17:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事ニュース
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