この問題は、自身も公聴会に出向き昨年末にアップしていますが、「オマケ」の上限を2倍(取引価格の『10分の1』を『10分の2』へ)にすることは、脆弱な小売業者の経営を追い詰めることにつながり、より格差を拡げることに他ならないのです。公取委は「時代に即した総付景品規則の在り方について検討した」と述べ、@コスト削減により価格競争力を追及するA商品の品質・性能向上をPRするB当該商品値引きで販売するC景品付きで販売する−その他、販売促進活動を行なうのかは各事業者の自由な決定にゆだねるべきとしています。いまの社会状況を全く理解せずに「規制を外して競争させる」ことこそが国民全体の利益になると錯覚しているのではないかと疑わざるを得ません。
海外で事業を展開する業績好調企業が偽装請負という法律違反の雇用形態で訴えられるなど、過剰な競争で派生するコスト削減は労働者の生活水準を貶めることに他なりません。規制緩和や撤廃によって企業間格差を増長させ、まさしく「負のスパイラル」から抜け出せない状況を役人が推し進めているのです。
新聞業界については「各業界の特別な事情を認めて一般ルールと異なる特別なルールを定めている公正競争規約等については、今回の告示の改正に併せて見直しを求めることは予定していません」とし、新聞公正競争規約の「6・8ルール」を改定する動きはないようです。社団法人日本新聞販売協会をはじめ販売関係者は「ホッ」と方をなでおろしたのかも知れません。
来月から朝日、読売が金券類(ビール券)の使用廃止を販売店に通達したと報じられていますが、新聞公正競争規約を守らない販売行為は減ったとはいえ完全ではありません。中央協のまとめでは5千円を超す拡材(金券類)提供を受けた読者が494人中、41人(8.4%)もいます。さらに問題なのは拡材の種類で洗剤、ビール券の次に「無代紙」があがっていることです。景品購入に掛かる経費がかさみ実質値引きになる無代紙の提供が横行すればこの業界はアウトです。自ら特殊指定を放棄するしかありません。