著者 崎川洋光(日本評論社)1,575円
新聞販売の職場は「ブラックボックス」と言われている。それは新聞業界のタブーを一手に引き受けている部署が販売局に他ならないからだと言われている所以だ。しかし、近年はそのブラックボックスにも現役を退いた諸先輩の暴露本やウェブでの内部告発など業界内部の方々の手で開かれようとしている。
元朝日新聞社の販売局の担当を歴任され、昨年退職(関連会社の役員の任を終えた)された著者が、これまで販売局員として公の場での挨拶(30章)を時系列にまとめ、販売問題の本質にチョイと触れた一冊。なぜ“チョイと”かといえば、もう100歩は踏み込んで書いてもらわないと何の役にも立たない一冊になってしまう(なってしまった)からだ。もうすでに業界人でなくとも新聞販売の構造的問題は知っているのだが・・・。残念ながら不完全燃焼の仕上がりになっているといわざるを得ない。
この業界の本質を変えようと思って発刊したのであれば、もっと踏み込んで真実を書くべきだし中途半端な業界擁護ではやはり業界内部の人間のマスターベーションで終わってしまうと思う。もう別の次元に販売問題は向かっているのに・・・非常に残念だ。