今年も残すところ、あと3日になりました。
新聞社は元旦号の特集面を作り終え、一段落といったところ。一方、下流部門の印刷、発送、販売店は降版された特集号の印刷、発送、折込広告との組込み作業に追われ、明日くらいまで慌ただしい状況が続きます。
新聞販売店は雑誌の厚さまでになる元旦号を読者の手元までお届けして、やっと仕事納めという感じがします。元旦の天気は北海道、東北・北陸の日本海側を除いて穏やかな天候に恵まれそうです。事故のないよう2013年をスタートしたいものです。
小ブログも年内の発信はこれで終了します。本年もご愛読いただきありがとうございました。新聞業界は歴史と伝統が負担となり大きな飛躍は期待できませんが、未来を創造できる方々と手を取り合い1歩ずつ歩んでまいりたいと思います。
皆さまにとって素晴らしい2013年になりますことを祈念しています。
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報道界2012年重要ニュース(日本新聞協会報編集部選定)
▽東日本大震災から1年/各紙が特集、原発報道検証も
東日本大震災の発生から1年となる3月11日、新聞各紙は特集紙面を展開した、1万5874人(警察庁調べ)の犠牲者を出し、復興への課題も山積する現状を踏まえ、被災者の生活再建、健康・医療、福島第一原発事故の見通し、除染、防災再対策などテーマは多岐にわたった。
在京各紙は、被災者などへのアンケートや聞き取り調査を実施。被災地での暮らしぶりなどについて尋ねたほか、全国の学生に震災後の意識の変化を尋ねたり、教育委員会に防災教育の見直しについて調べたりする社もあった。
原発事故報道については、多くの批判が寄せられたことなどを踏まえ、検証記事を掲載する動きも見られた。
被災地の岩手日報、河北、福島民報、民友は、犠牲者の追悼企画などを載せた。震災の記憶が風化していくことへの懸念から、犠牲者の生前のエピソード、復興に向けたプロセスや課題などをきめ細かく報じた。4紙合同で震災翌日の紙面をパノラマで載せた広告企画も注目を集めた。
▽NIE推進協、全都道府県に/新聞社と教委の協定進む
全国で47番目となる富山県NIE推進協意義会が5月10日、設立総会を開いた。これにより47都道府県すべてに推進協が発足し、NIEを全国展開する体制が整った。朝日、毎日、読売、日経、北日本、富山、北陸中日の7紙と共同、時事が加盟。新潟県で1994年に全国初の推進協(新潟県新聞活用教育推進協議会)が誕生してから18年がかりでの達成となった。
4月には新聞活用を盛り込んだ新学習指導要領が、前年の小学校に引き続き中学校で実施された。こうした追い風が吹く中、今年もNIEの広がりを感じさせる出来事が相次いだ。
学校での新聞活用推進を目的に、文部科学省は2012年度から5年計画で、全学校図書館へ新聞配備のため75億円の財政措置を取った。使い方を特定しない地方交付税措置であるため、各地方自治体で予算化しないと新聞配備に使われない。新聞協会博物館・NIE委員会は、予算化を促し学校図書館への新聞配備を求める新聞広告を作製した。
▽協会、軽減税率を求める/消費税率引き上げへ知識課税強化に反対
消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が8月10日、成立した。消費税率は2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。新聞協会は活字文化を守るという観点から、新聞への軽減税率適用を主張している。
欧州はじめ経済協力開発機構(OECD)加盟の主要国は、新聞への付加価値税(VAT)について、ゼロか最低の税率を適用している。新聞協会はこうした世界の情勢を踏まえ、新聞は民主主義社会や文化の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与していると主張。知識への課税強化は確実に国力を低下させ、国際競争力を衰退させると訴えている。
▽広がるソーシャルメディア活用/ジャーナリズムに新たな可能性
ツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアを活用して読者や取材先と新たな関係を築き、ジャーナリズムの可能性を模索する動きが見られた。
朝日は1月、記者が氏名や肩書を明かし、記事の裏話や紙面で紹介できなかった写真などをツイッターで公開する「つぶやく記者」を開始した。アカウントの開設・承認プロセスを明確にし、研修やトラブルサポートの態勢を整えることを定めたガイドラインも設けた。
河北が3月に始めた震災関連の情報を発信する「つむぐ 震災を超えて」をはじめ、新聞社がフェイスブックのファンページを開設し、そこで読者が情報を発信する動きも広がった。
▽読者の信頼揺るがす誤報も
人工多機能性幹細胞(iPS細胞)をめぐる誤報や、兵庫県尼崎市の連続変死事件での別人の顔写真掲載など、読者の信頼を揺るがす問題が相次いだ。
iPS細胞の臨床応用が実現したとする森口尚史氏の発表を、読売は10月11日付朝刊で報道。共同も同日、同様の記事を配信した。しかし、発表が虚偽である疑いが強まり、読売は13日朝刊に研修お記事を掲載、誤報を認めた。共同も誤報を認め、12日に検証記事を配信した。過去に森口氏の研究を記事にした他紙も、検証結果を紙面で公表した。毎日は16日付朝刊で、同氏の肩書き全てに誤りがあったなどと説明。日経も11月6日付朝刊で検証記事を掲載した。
▽災害援助協定の締結相次ぐ
災害やシステム障害等に際し、相互に新聞発行に協力する援助協定。通信途絶や停電など、さまざまな事態が発生した昨年の東日本大震災で重要性があらためて認識され、今年に入り締結が相次いだ。
1月に産経=秋田魁、中日=中国、5月に朝日=中日、北海道=釧路、7月に毎日=北海道、8月に産経=上毛、9月に産経=下野、産経=山梨日日、10月に西日本=琉球などの協定が結ばれた。
▽東電、TV会議映像公開/規制庁発足、21社が常駐
東京電力は8月6日、東日本大震災による福島第一原発事故直後の本店でのテレビ会議録画映像を公開した。しかし、社員のプライバシー保護を理由に映像や音声を修正したほか、録画や録音、撮影を制限した。
新聞各紙は制限の撤回を訴えた。新聞協会編集委員会も公開に先立ち8月3日、全面公開を東電に申し入れた。
※日本新聞協会報から引用しています。重大ニュースの序列は協会報の紙面構成などから今だけ委員長が独自に並べています。
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