読売新聞が仙台市にほど近い大和町へ印刷工場を建設することが確定しました。2015年2月からの稼働で、宮城県内円域と岩手、山形両県の一部へ同紙約12万部を印刷するとのニュースが入ってきました。以下に引用します。
▽宮城・大和に本社新工場 東北に情報発信(読売新聞 10/27付)
読売新聞東京本社は26日、震災で被災、閉鎖した仙台工場(仙台市宮城野区)に代わり、新たに宮城県大和町(たいわちょう)に用地を取得し、新仙台工場(仮称)を建設すると発表した。2015年2月から、宮城県全域と岩手、山形両県の一部地域に配達する読売新聞朝刊約12万部を印刷する予定だ。
新仙台工場は、大和町の工業団地「大和リサーチパーク」内の約1・2ヘクタールに建てる。この土地を選んだ理由は、地盤の固い内陸部で、東北道の泉インターチェンジに近いなど輸送にも適しているため。仙台工場の跡地は売却した。
26日には、同本社と県、大和町が県庁で立地協定書に調印した。杉山美邦(よしくに)・専務取締役経理局長は「東北の読者にニュースを確実に届けるのが我々の使命。一刻も早く建設したい」と意気込みを語った。宮城県の村井嘉浩知事は「情報発信の拠点としての重要な役割を担ってほしい。新工場建設は復興に欠かせない」と期待し、大和町の浅野元町長も「一日も早く用地を引き渡せるよう協力したい」と力強く話した。
同本社は現在、閉鎖した仙台工場の代わりに、今年3月から河北新報社に印刷を委託している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20121026-OYT8T01524.htm
▽読売新聞印刷工場宮城・大和に建設へ 県・町と立地協定(河北新報 10/27付)
読売新聞東京本社は宮城県大和町に新たな印刷工場の建設を決め、26日、宮城県、大和町と立地協定を結んだ。来年11月に着工し、2015年2月の稼働を目指す。
用地1.2ヘクタールに鉄筋3階の建屋を建設し、輪転機2セットを備える。宮城県全域と岩手、山形県内の一部に配る朝刊約12万部を刷るほか、他媒体の印刷も検討する。総投資額は未定。稼働に伴って新規雇用を予定する。
立地場所はリサーチパークの拡張区域約9ヘクタールの一部。同社は仙台市宮城野区の旧工場が東日本大震災で被災、閉鎖したため、代替拠点の整備を検討していた。
協定締結式に出席した読売新聞東京本社の杉山美邦専務は「(立地場所は)地盤がしっかりしている。安定してニュースを届けたい」と語った。村井嘉浩知事は「雇用拡大など地域活性化を期待する」と歓迎した。http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121027t12030.htm
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今年3月から読売新聞、10月から報知新聞(スポーツ報知)を受託印刷している河北新報印刷センターですが、その受注業務は永続的なものではなくあと2年4ヵ月という期限付き。同じく受託印刷している朝日新聞も「ずっと…」という保証はないわけです(読売の印刷工場竣工と同時に鞍替えされないか心配)。受託によって既存の河北系販売店の店着遅れなども生じ、逆に新聞社として窮屈になっていく可能性もあるように感じます。
また、読売新聞は地方都市で印刷工場を運営する際に大手印刷会社との合弁会社を設立して運営していることから、「今度はどこと組む?」のか気になります。
フェイスブック上では、「被災地への工場建設と雇用創出で(読売新聞が行政から)助成金のようなものが受けられるのだろうか」といった意見も出されており、今後の同社の動きも気になります。