真 実 ―新聞が警察に跪いた日―
著者 高田昌幸(柏書房)1,900円
以前にも小ブログで書きましたが、著者の高田昌幸さんと初めてお会いしたのは2004年初夏。当時、日本新聞労働組合連合主催の産業研究会で知り合った若手労組員たちが「SNS(mixi)を使った情報交換を」と、立ち上げたコミュニティ「ローカルメディアネットワーク」のオフサイトミーティングでの会場でした。高田さんの講演(そのほか湯川鶴章さん、寺島秀弥さんも講師として参加)を聞き、その夜の懇親会で「学生時代は新聞奨学生として販売店へ勤務していた」という話から、いろいろとご相談をさせていただくようになりました。
文中に時折登場する「高田君、あなたも組織の人間ならわかるだろう」という会社上層部のもの言いは、権力監視をする新聞社(そう願っていますが)という組織をダメにしていくのだと思います。そこで抗えるかどうか―。いまの新聞社に働く方々を見ていると「抗う要件」をも個別バラバラになっているように感じます。組織の人間だから“わかる人たち”が組織の中枢に君臨する新聞社って、どうなのかなぁと…。いろいろな考えを巡らせながら、飛ばし読みができない1冊でした。
▽高知へ行ってきました
「南海トラフ(浅い海溝)で起こる巨大地震で34メートルの津波が予測されているのに会社の準備が遅れている」。
高知新聞労働組合(中屋守委員長)と新聞労連四国地連(村川信佐委員長)の共催による「震災学習会」が20日、高知新聞社会議室で開催されました。会場には約70名の組合員や編集局長などの役職者も参加されました。
岩手日報大船渡支局の鹿糠(かぬか)敏和さんと小関勝也がそれぞれ60分ずつ東日本大震災での経験をもとにした留意点などを報告しました。小関は「新聞販売現場から見た東日本大震災の課題」と「震災時の初動」というテーマで、「有事の際の新聞社と販売店の関係(販売店経営のサポート態勢)」「配達スタッフの使命感に感謝」「配達エリアの安全が確認されないうちは人を送り出さない」などの話をさせていただきました。また、高知労組の計らいで、ボランティア活動支援のためのリストバンド(1個300円)の販売も行っていただき、持ち込んだ100個すべてを完売していただきました。
▽「やりたいことはたくさんある」 高田さんとの再会
学習会の後、1時間程度時間が空いたので、4月から高知新聞社へ中途入社された高田昌幸さんを訪ねました。「いまは試用期間中なので」といつもと変わらぬ笑顔で対応してくれた高田さん。近況を報告しながら、地元紙、本記とサイド記事、新聞デザイン、新聞産業問題、福島第一原発―などのキーワードでいろいろな話をさせていただきました。
これまでも多くの知人が新聞社を辞め、活躍している人たちも少なくありません。その方々は口をそろえて「新聞社は肥大化する組織にがんじがらめになって何もできないよ」と言います。でも、新聞社(新聞産業)を何でもチャレンジできるような組織に変えていくことも大事。外圧でもって変革を求めるよりも内側から変えていく人たちの方がカッコいいと思っているので、高田さんの再就職に「いいね!」です。