「私の新聞オーディション」という企画を5年前から取り組んでいます。
内容は地域コミュニティの中でミニコミ新聞を発行している方々に自分の作品を応募いただき、入選すると1年間、毎月1回を上限に無料で新聞(夕刊へ)へ折り込む権利が副賞として贈られるという企画。印刷したものを搬入いただければ何部(B4サイズ以下に限る)でも受入れ可!
現在、9作品(継続して発行しているるのがほとんど)の発行者とお付き合いをさせていただいていますが、先日こんな話題で盛り上がりました。
その発行者は、自分が住む地域の河川敷に消息する野鳥の保護や地域のボランティア活動などを取り上げたミニコミを発行されている方で、自らが行動してさまざまな問題点の答えを見出し、行政側をはじめ時には新聞社や放送局へも果敢に要望書を提案している素晴らしい視点を待っている方(元教員の方です)。
その方が先月、いつもの通り河川敷を歩いていたら、遊歩道脇に植栽してある木々に「アメリカシロヒトリ」(害虫です)がビッシリ張り付いていたのを発見。どのような対処をすればよいのか相談を受けたわけです。
販売労働者の私をして@行政側へ害虫駆除の要請をするAなかなか行政側が動かないことが目に見えていたので、新聞紙面で取り上げてもらい世論を形成する―などのことを鑑み、行政側と地元新聞社へ電話を掛け捲ったわけです。しかし、行政側は縦割りのお役所組織では当然のことながら「たらい回し」をされ、「どこの管轄」がハッキリするまで相当な時間が掛かりました。今だけ委員長が質問をした県の環境衛生課は2週間以上経った今でも何の返答もありません。
その発行者も、行政側やこれまでアメリカシロヒトリが大量発生し駆除に成功した行政区へ直接電話をして「その対策」をまとめ行政側に提示するという動きをされました。
先日、その発行者の方にお会いをして今回の問題点を伺ったのですが、行政側の対応の遅れや、「農薬を散布したらそれでおしまい」という担当部署の見解を聞いてガッカリされたそうです。杜の都として観光客を増やそうと行政側も頑張っているのですが、市内中心部をはじめとした樹木管理の予算が毎年削られ、予算が取れない=少々の害虫騒ぎに構ってはいられない―ということでした。
そして地元新聞社へも問題点(害虫被害の対策と行政側のあり方)を文書でまとめて提出したのですが、まったく連絡が途絶えてしまい、その投稿は取り上げられずじまい…。今年の異常気象で大量発生をしたと思われるアメリカシロヒトリの駆除問題(安全性を守る)なのですが、「時期的に合わない」などとして掲載は見送られたようです。これで新聞社と読者との双方個性の議論は棚上げとなったわけです。
そのようなマスコミの商売的な記事掲載に対して、ミニコミ発行者は今月号で「今回の問題(害虫の異常発生と農薬を極力使用しない環境保全)を取り上げました。とても理解しやすく、読む側にとって説得性のある渾身の作品。そして1枚のミニコミが行政を動かしたわけです。
ネットの方が露出度も高いことは知っての通りですが、地域コミュニティを結ぶ個人発信の「ミニコミ」でも行政を動かせる力があるということを、あらためて考えさせられました。