2006年10月14日

新聞経営にモラルは求められないのか?

経営不振により昨年11月30日付で休刊した奈良日日新聞社が、今年9月に新会社(題字などは継承)を立ち上げ、今月27日朝刊から復刊するそうです。ネット新聞「ならにち」を既にスタートさせていますが、新聞協会には加盟をせず、8万部あまりの発行部数を予定しているとか…。

 驚いたのは、おととい東京で開かれた新聞労連の会議で伺ったのですが、「新会社の経営陣には西島謹二氏が名を連ねる」ということです。西島氏は奈良新聞社の取締役会長を務めていた当時に、「阪神・淡路大震災」(1995年1月17日)に際し、被災者へ義援金を贈ろうと市民に対し、紙面や主催イベントなどで大キャンペーンを展開したのですが、集められた義援金を横領した事実が発覚。1998年2月には辞任に追い込まれたという経歴の持ち主。このようなモラルを欠いた人物が新聞社経営に参加するということに違和感を覚えました。その他の経営陣には自民党奈良県連の幹部もいらっしゃるようです。

 関東、関西、北九州などの大都市圏は、全国紙の印刷拠点もあり熾烈な拡販競争が歴史的に続いてきました。それぞれの地方紙は全国紙の攻勢に押され、厳しい経営を余儀なくされています。

 昨年9月に休刊した「みんなの滋賀新聞」もわずか半年足らずで経営不能、従業員の全員解雇となるなど、この時代に新たな新聞を発行する難しさを近間で見ながら、西島氏が率いる奈良日日新聞がどのような形で再スタートを切るのか見守りたいと思います。  

posted by 今だけ委員長 at 16:25 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
サンケイも新しい新聞を発行しますね。10月は試読期間ですが、あまり芳しくないようです。
最近あれこれ新聞の暗部について書かれていますが、まだまだこの業界はいいと思います。経営すると、本当に実感します。ある程度は、長いものには巻かれたのがいい部分がありますけど・・・労務難・消費税・無読、、、色々懸案ありますが、暮らしてはいけると思います。若手店主も少なくなってきていますが、逆に絶好の好機と捉えています。
Posted by newspaper at 2006年10月15日 04:48
newspaperサマ!コメントありがとうございます。
新聞の暗部については、最近ではなく以前から「正すべきところは…」書かせていただいております。

販売店の経営については、部数を維持していくためには地域コミュニケーションが必要―と思い返した方々が増えてきたのでしょうか?しかし、私の住んでいる街では「戦後最長の好景気」という実感はありませんし、生活は十分していけますが年々厳しくなっているというのが実情です。
でも、マイナス思考になるのはダメですね。ポジティブに行きたいと思います!
Posted by 今だけ委員長 at 2006年10月16日 23:38
共感致しました。
ラルを欠いた人物が作る新聞に中正公平があるのか
疑問に感じています
いまだに
Posted by マンモス西 at 2008年01月29日 12:54
マンモス西さま

コメントありがとうございます。
2006年10月のエントリーにコメントを寄せていただけるとは恐縮です。

この書き込みで取り上げた状況が、いまだに変わっておらずより深刻な状況に向かっていると感じています。局地的にはヤクザよりひどいと聞いています。
Posted by 今だけ委員長 at 2008年01月31日 00:59
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