積雪も大変なのですが、とにかく寒いっ!寝間着姿で新聞を取りに行こうものなら、凛とした寒さが背筋にゾクっときます。このような寒い時期の新聞配達は大変で、夜明け前の最も気温が下がる配達時間帯は道路がテカテカに凍りついてスケート場そのものです。真っ暗で凍てつく寒さのなか、自転車を押しながらの配達は普段よりかなり時間を要するものです。本当にお疲れさまです。
▽東北埋雪 交通、空も陸もストップ(河北新報 2月3日付)
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/02/20120203t75004.htm

販売店に届いた新聞は2〜3時間のうちに各戸へ配達しなければなりません。できるだけ最新のニュース(配信記事ですが)を掲載したい編集部門と、できるだけ早く新聞を読者のもとへ届けたいという印刷、発送、販売店の制作・流通部門の間では、降版時間の取り決めでしょっちゅう揉める―という話を聞いたことがあります。また、今年のような大雪になると交通事情によって新聞店着が遅れるというケースも起こります。(写真は、超読み日記さんの「雪の日の新聞配達」から引用)
販売店の朝刊配達作業は新聞が到着した後、折込チラシを新聞へ組み込んで配達区域ごとに紙分けをします。1区域の配達時間がおおむね60−90分。一人で2区域を配達されている方や新聞配達を副業にして配達を終えた後にほかの仕事に向かわれる方、家族の朝ご飯の支度をする奥さまたちは、できるだけ早く配達を終了したい。でも、大きなニュースで降版時間が遅れたり、印刷ミスで発送作業が滞ったり、悪天候による交通事情の乱れなどによって、店着時間が遅れたりすると大変です。急な代配への対応に追われることも少なくありません。店着時間が30分遅れると配達作業自体が約60分ずれ込むわけですが、配達終了時間を60分遅らせることはできません。その時間を埋めるために代配という人的投入でもって配達路線を増やし「決まった時間までに配達」をしているのです。読者によっては「5時までに配達をしてもらえるなら購読する」という約束をしているお宅もあるため(別配で対応)、販売店にとっての「朝の1分」はとても重要なのです。
読者の立場で考えると、できるだけ新鮮なニュースが掲載されていた方がよいに決まっています。速報性はその日の朝のニュース番組で確認できるわけですが、新聞の解説記事を読みたいという声は相当なものでしょう。でも、配達時間が遅れることとニュースの収容(そのニュースの価値にもよりますが)のどちらを重んじるかというと、読者は間違いなく「配達時間を厳守してほしい」となる。これは習慣的なものだと思いますが、新聞を愛読してくれている読者(特にシルバー世代)は決まった生活スタイルの中で朝刊、夕刊を読む時間を決めているわけです。だから決まった時間に新聞が届かないと販売店に電話がくるのです。「きょうは配達遅れているの?」と。
一方、新聞という作品をつくり上げる編集側は「(他紙に遅れまいと)最新のニュースを」ということになるのですが、速報性でほかのメディアと勝負するのは厳しい…。そして、その調整弁が新聞販売店になっているようにも感じます…。
「道路が大雪で渋滞し一夜を明かす」のニュースは、ここ2〜3年で目立つようになったと記憶しています。3月までは気が抜けないですね。