昨年末、第二の故郷の山形県米沢市で2日間過ごしました。雪深い地域として知られる置賜地方では、この時期の積雪量としては10年ぶりの大雪だそうです。
雪国の朝は雪運びからはじまります。早朝5時からゴム長をはいてスコップ片手に屋根から落ちてくる雪のかたまりを敷地内の雪置き場へ運び導線を確保します。ちょうど、ひと汗かいたところで、新聞配達の方が朝刊を届けてくれました。地域性によると思いますが実家への冬期間の配達は車で行われているようです。あらためて、新聞配達の大変さが身に染みた年の瀬でした。
現役時代に地元の信用金庫に勤めていた義父は、私が訪問すると待ってましたとばかりに平均2〜3時間は経済の話で盛りあがります。そして、自分が読み終えた本を「よかったら読んでみろ」と渡してくれます。今回は元大蔵省職員の橋洋一著「財務省が隠す650兆円の国民資産」(講談社)と元経産省職員の古賀茂明著「決別!日本の病根」(オフレコBOOKS)の2冊。
アルコールを一滴も飲まない義父との議論は延々と続くのですが、左党の私にとっては少々つらく…。野田首相肝いりの消費税率引き上げが主なテーマでしたが、義父と私の共通認識は、消費はさらに低迷してデフレ経済はより深刻化(増税のためのデフレ・タイミングを見計らってインフレを誘導)し、中産階級の労働者にとってはさらに厳しい世の中になる―ということ。そして、消費税率を上げる前に財務省をはじめとする官僚・公務員の制度改革(末端で頑張っている公務員がいることも理解しつつ)が先ではないかと声を荒げながら、市役所勤めをしていた義母をチラ見しながら議論は煮詰まり…。いずれにしても、米国(ロックフェラー財団)の言いなりになっている財務官僚に政治屋がコントロールされている―という結論で、早くビールにありつきたい輩は早々に引き上げて台所でチビチビと…。
でも、よくよく考えると、そもそも消費税率の引き上げが「しょうがない」という世論がすでに形成されてしまっているのではないかと思うのです。これはオールドメディア(特に新聞)の報じ方(解説)によるものですが、全国紙のほとんどが「消費税引き上げやむなし」との論調を展開していたように感じます(自宅で3紙取ってますが最近読んでいません)。
▽全小中校図書館に新聞予算計上 15億円、NIEに弾み(2011/12/26共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122601001231.html
まさか、こんなことで財務官僚と裏取引をしたとは思いたくありませんが、国民の暮らしを代弁する(そう期待してます)新聞社がこぞって「税率引き上げはしょうがない」の世の中ってどうなんだろう。もしかして、新聞が課税軽減の対象品目に加えてもらったから「手心を加えている」と思ったりもして…。新聞界のドンが動いているのかもしれませんが、ありえない話ですね。
この調子だと2014年4月に8%、15年10月に10%へ段階的に引き上げられることになり、新聞購読料も実質値上げになりそうです。一部マスコミご用達のFACTA(2012年1月号)では「朝日と〇〇は消費税引き上げ分を購読料へ転嫁せず、消耗戦に持ち込む」と書かれていましたが、どうでしょう。販売店への補助金カットなどで相殺するのだとか…。まさにタコ足食いのサバイバル時代への突入です。
コメントありがとうございます。「古臭い」ではなく、「歴史のある」と自身では捉えたいのですが、前者をイメージされる方がほとんどでしょうね。私のまわり方々(ほとんど中の人たちですが)の多くがこの単語を使っているので、すでに共通語となっている感も否めません。少し考えます。
コメントありがとうございます!多くのサラリーマンが年収ダウン。将来の不安からできるだけ出費を控えたいと昼食は250円の牛丼。新卒者も契約社員という身分で就職する事態…。この状況下で直接税を引き上げれば、さらに消費全体が冷え込むばかりだと思います。こういう時だけ「赤旗がんばれ」ではいけないのでしょうけれど…。