生涯忘れることのできない出来事となった東日本大震災。津波の猛威にねじ伏せられた人間の無力感にグッと奥歯を噛む日が続いています。多くの知己が不慮の旅立ちをよぎなくされ、未だに行方不明の知人もいます。
被災3県の首長たちは「新年の祝賀式等は自粛する」と早々に表明し、喪中の便りにまじって「賀状での挨拶は控えたい」とのメッセージも相当数届きました。私も伯父と伯母を今回の震災で亡くしましたが、被災された方が1日でも早くこれまでの生活に戻るため、これまで通りの生活をすることが大切だと考えています。
「再生へ 心ひとつに」は、河北新報社が掲げた震災復興のスローガンです。とてもよい言葉だと思います。コミュニケーションを取りづらい社会へ一石を投じた言葉としてのインパクトは相当なものでしょう。しかし、言葉の強みは理解しつつも、それが実践されなければ何の意味も持ちません。果たして「心ひとつに」という言葉をどう理解し、実践していけるのかと昨年4月から携わっているボランティア活動を通じながら日々考えています。
新聞産業も消費税問題や印刷部門など新聞社間の業務提携の動きが活発になっています。新聞産業のアンカー役を担っている新聞販売店はこれまで培ってきた宅配機能、顧客管理、地域住民とのつながり―という人材資源をもっと活用していかなければならないと思っています。業務提携による効率化も新たな仕事の創出もやはり「人」が知恵を出し合い行動していくしかないのです。
今年もよろしくお願いします。
2012年1月
追伸、年明けからいろいろなことがあってPCに向かう気力を失っていました。しかし、きょうであの3・11大震災から10カ月。ふんばらなくては―と自分に言い聞かせて「今だけ委員長の独りごと」の2012年をスタートさせます。今年もよろしくお付き合いください。