年末の忙しさを言い訳にだいぶ遅レスになってしましましたが、河北新報社(河北新報印刷センター)は朝日新聞に引き続き、読売新聞と来年3月から受託印刷することに合意したと発表しました。
▽河北新報社が読売新聞の一部を受託印刷 来年3月から(河北新報 12月9日付)
河北新報社と読売新聞東京本社は9日、東北地方に配達する読売新聞本紙の一部を河北新報印刷センター(仙台市泉区)で印刷することで基本合意した。印刷開始は2012年3月を予定している。期間は3年間。
読売新聞東京本社は、仙台工場(宮城野区)が東日本大震災で被災し、現在は宮城県外の工場で印刷している。こうした状況を解消するため、河北新報社に委託することにした。委託するのは宮城県全域と、岩手、山形両県の一部に配達する11万9200部(年平均)。
河北新報社が全国紙の印刷を受託するのは、朝日新聞社に次いで2社目。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/12/20111209t12037.htm
▽読売が河北に印刷委託 仙台工場運休による分散解消へ(日本新聞協会報道界ニュース 12月9日付)
読売新聞東京本社と河北新報社は12月9日、東日本大震災の前まで読売新聞仙台工場(仙台市)で印刷していた宮城県全域と岩手・山形両県の一部向け読売新聞朝刊11万9200部を、来年3月1日から河北新報印刷センター(仙台市)で印刷することで基本合意したと発表した。読売は仙台工場が震災で大きな被害を受けたことにより、他の工場に分散しての印刷を余儀なくされていた。委託期間は3年。両社は輸送協力についても今後、協議を進めるという。
今回の委託印刷で読売は、印刷を分散している状況を解消し、東北地域での新聞発行体制の安定化を図る。河北は印刷を受託することで、生産設備を有効活用する。
読売の仙台工場は現在、製作設備を撤去し、運休している。震災前まで同工場で刷っていた読売・報知の両紙は、読売の郡山工場(福島県郡山市)と岩手日日系の青森高速オフセット(青森県弘前市)に振り分けている。今回、委託印刷を合意したのは読売のみ。仙台工場で刷っていた報知1万7千部は現在、郡山工場で1万4千部、弘前工場で3千部を印刷している。
河北新報印刷センターは2003年に稼働、40ページ24個面カラーが可能な高速タワー型オフセット輪転機4セットを保有している。免震構造を採用し、震災でも被害はなかった。
河北が全国紙を受託印刷するのは朝日に続き2社目。読売は十勝毎日、岩手日日のほか、近年では新潟(10年9月開始)、北日本(11年3月)、朝日船橋工場(千葉県船橋市、同年6月)などに委託している。
http://www.pressnet.or.jp/news/headline/111209_1629.html
3カ月ほど前から関係者の間では話題になっていたことですが、読売新聞と関係の深い報知新聞(スポーツ紙)も受託するかどうかが難航していたようです。報知新聞の関係者によると「(受託印刷によって)労務問題が発生する可能性がある為、報知の入るスペースはなかった」とのこと。
スポーツ紙は、プロ野球のナイター結果を完全掲載することがいわば生命線でもあるため、降版時間が確定しづらいスポーツ紙の受託は難しいと判断されたのかもしれません。それでなくとも、聖教、朝日、読売、河北新報と輪転機を目一杯稼働させながらの業務はかなり大変になるでしょう。
また、今回の業務提携では輸送部門の協力体制も検討されているようです。共同輸送の仕組みは新聞社経営の効率化という意味で必要不可欠ではありますが、雪の多い東北では「安全第一」の輸送体制に重きが置かれるべきですね。
もっとも下流にある販売店問題については、これまでのところ販売店同士の紙の持ち合いなどの話は聞こえてきません。配達経費がかかるエリアの合売店化は加速しそうですが、仙台市などの比較的大きな都市部では拡販合戦がまだまだ続きそうです。