あまり驚きはありませんが、朝日、読売、日経のANY連合が展開していたネット情報サービス「あらたにす」が来年春をめどに終了するそうです。
▽日経・朝日・読売の読み比べサイト「あらたにす」、2012年春メドに終了 PV伸び悩む(J-CASTニュース 11/10)
http://www.j-cast.com/2011/11/10112808.html
2007年11月、「ANY連合立ち上げ」の会見は業界人を震撼させたものです。今後の新聞業界の動きを大きく揺るがす連携かと思いきや三社ともそれぞれの独自路線を崩すことなく、この4年間は“ゆるーい”連合体として関係を維持してきたように思います。「あらたにす」(08年1月31日オープン)を業務連携のシンボル的に扱ってきたような節ももうかがえますが、ある関係者からは、「あれは12段組、印刷提携の(他社への)呼び水ともカモフラージュともいえるもの。いずれなくなる」という話を09年に聞いたこともありました。
「あらたにす」終了後には「ANY協議会」を新設して、「これまで事業ごと、プロジェクトごとに随時組成してきた協力関係を一元的に統括する役割を負う常設機関」として、あくまでも「連携の絆」は続けていくようです。
「(終了する理由について)…アクセス数や広告収入の低迷が背景にある」とのことですが、日経も朝日も有料電子新聞事業を展開しており、「タダ漏れ」させているサイトを整理したいというのが本音だろうと推測します。読売も来春から有料サイトの立ち上げを検討しているという話も聞いているので、3社が有料電子版で競合するとなると、ネット上でコンテンツを売るビジネスモデル(これまでのPV稼いで広告収入をあげるモデルではなく)にシフトした時点で「終了」となる運命にあったのでしょう。「あらたにす」は無料だったから展開できたモデルだったとも言えますね。個人的には「あらたにす」をブックマークへ入れて常にチェックしていたので残念なのですが…。
これは、日本の新聞社のネット事業にも大きく関わってくることのように思います。新聞社のネット事業をビジネスとして捉えるのか、地域社会とのコミュニケーションツールとして役立てるのか…。そう喘いでいる間に下流部門から切り捨てられていくのが、新聞社のみならず資本主義経済の常ですね。
販売系は地域に根差した「足で稼ぐ」御用聞き部隊として、物流系の販路を拡大させていくよう進化していかなければなりませんね。ふんばります…はい。
>上から目線
往々にしてそのような印象を持たれる方が多いのですが、記者の方々と話してみると(ほとんどの人は)そういう意識を持っている人は少ない―私はそう思っています。中には偉ぶってる人もいますがね。
新聞は限られたスペースに文字を収納しなければならないので(だったら広告面を少なく城戸の意見もあるかもしれませんが)、淡々とした文字に編集されるからなおさらですね。
またいろいろとご意見ください!