2006年09月03日

米国の調査会社が日本の新聞のネット利用状況のリポートを発表

 湯川鶴章サンのブログ「湯川鶴章のIT潮流」にアメリカの調査会社TheBivingsGroup817日に発表した「日本の新聞におけるインターネットの利用状況についての調査レポート」がアップされていました。
 
 このレポートの説明では、日本とアメリカの新聞業界の違いと、それぞれの市場の構造がインターネット利用の度合いにどのような影響を与えているかについて考察―。 結論として、日本独自の新聞文化では、オンラインのニュースよりも印刷されたニュースを圧倒的に重視していることが明らかになった―と結ばれています。
 
レポートの「結論」を引用
 日本で最も発行部数の多い新聞21紙のウェヴサイトを調査しアメリカの新聞サイトと比較した結果、日本の新聞は積極的にWeb2.0の特徴をウェブサイトに導入していないこと、そして、代わりに、携帯電話向けのウェブサイトの構築に関しては大きく進んでいることが明らかになった。しかし、日本の新聞サイトにおいてWeb2.0の活用が立ち遅れている主な理由として、日本とアメリカの新聞業界の性質が大きく異なるためであると判断される。ニュースを得る手段としてアメリカ人はインターネットを活用するのに対し、日本人は活字やテレビといった従来のメディアを好むのだ。そこには日本の新聞文化におけるニーズにふさわしい戦略が築かれており、日本の新聞が大きな遅れを取っているわけではないのである。                               
 
 この調査会社が発表したリポート見て感じたことは、どこの誰に向けて発信しているのかなぁということ。日本の新聞社がウェブサイトを展開する理由は、その多くがネットによる広告収入が増やせないかの模索でしか今のところはないように感じます。新聞社内でもWeb2.0の広がりや将来の企業経営に対する認識のギャップは、世代間であまりにも離れすぎているように思います。広告収入が低迷しているから、何か新しいビジネスモデルを展開しなければいけない―とか、各社が行っているのでウチでも始めないと―といった経営側の認識で展開されているため、あまりパッとしないのだと思います。
 
 日本の新聞経営者がこのリポートを読むと「そうだろう。新聞は日本の文化であり、確固たるものだから部数は益々増えるに違いない」というのでしょうねぇ。経営者を持ち上げて新聞をより多く買ってもらう業界紙の手法とも受け取れるし、「裸の王様」の新聞経営者を安堵させておいて、排他的でガードの固い日本のマスコミ市場への参入を企てるアメリカ企業の戦略なのかもしれません。 
 
 ともあれ、結論の結びに「日本の新聞が大きな後れを取っているわけではないのである」と書いてありますが、日本の新聞産業は進んでいるわけでもないのです。30歳代を境に若年層は新聞を読んでいないのですから、「遅れている」と太鼓判を押される日も近いのかもしれません。
 
posted by 今だけ委員長 at 03:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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