とても不幸な事件です。大阪府大東市にある毎日新聞の販売店が放火により全焼。なんと火を放ったのがその販売店に勤めるアルバイト従業員だったのですから。
自ら働く職場に火を放つなんて言語道断。火を放った22歳のアルバイト従業員は、「店が燃えたら仕事をしなくていいだろうと思った」と供述しているそうですが、被害にあった販売店主サンはこのアルバイト従業員の勤務態度について「悪かったのだが…」と述べているとのこと。そもそも雇用する段階で吟味できないのかと一般の方は言われるかもしれませんが、悪くとも雇用せざるを得ない状況に追い込まれている販売店も少なくありません。配達業務は、まず人員確保をしないと配りきれないのですから。
毎日新聞で言うと、一昨年に起きた奈良県幼児誘拐殺人事件の教訓が全く生かされないでいる…。すべては脆弱な経営基盤の上にある販売店主にまかせっきりになってしまうのです。
志の高い販売店主サンも大分増えてきましたが、これから販売店機能を活性化させることによって地域コミュニティとの関わりを生み、仕事の幅を持たせられると思うのですが…難しいのかなぁ。
2006年08月14日
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【連載】中小・ベンチャーの広報戦略(11)部数の問題
Excerpt: ABC協会という「公査」によらず、いまだ「公称部数」を唱える「総合産業紙」や「...
Weblog: NewsAsiaBiz
Tracked: 2006-08-23 16:00
なぜ新聞社や販売店店主が「配達労務費」をケチるのか?を考えたことがあります。
「できるだけ経費を抑えたい」のは誰でも考えることなんでしょけれど、新聞の配達は専業よりも圧倒的に副業の短時間雇用者(通常は主婦業や会社員だったりする)ため、権利をないがしろにされ、労働条件の底上げを自ら訴えられない環境があるのではないかと考えたことがありました。
朝の薄暗い時間帯に従事する配達スタッフでも某運送会社のようにユニホームを着用してさまざまな防犯活用にも寄与できる人材の育成が必要になってくると思っているのですが、「人を育てられない」販売店の環境があります。新聞配達は「五体満足なら誰でもできる仕事」ではなく、読者からのあらゆるニーズに応え、付加価値を提供できるスタッフへと変化させたいと思っています。
普通に考えても商品の物流において配達経費がダントツのはずなんですが、いまは新聞原価がダントツになっているのです販売店は!
そんな事はないと思いますよ。
過去に経営が苦しく経営者夫婦が一生懸命頑張って生活がやっとの状況の時に配達員さんも一生懸命休みなしで働いてくれました。
その後、折込なども増えて近年は異業種が不況で苦しむ中、かなりの利益はあったと思います。それを「労務改善」「従業員教育」などに使えば今ごろは一般業種とかわらない条件になっていたのではないでしょうか。
何に使ったか・・・
周りが「新聞屋さんはたいへんだね、休みなしで・・・」
という声に甘えて、それが当然のように捉え従業員は休みなしで経営者はもっぱら社長業に専念して高級外車にゴルフ三昧。
労務改善はそっちのけのこんな経営者を多く見てきました。これは今でも多くいます。そんな利益があるなら従業員を一人でも増やして労務改善したら・・・といいたくなります。
ちなみに私のところでは一周毎のシフト制をとり、午前勤務と午後勤務で分けており、もちろん早朝業務も1週間毎です。休日は月に6日とっていただいています。確かに人件費はかなりかかりますが、夫婦で一生懸命やっていた頃を思えば、まだまだ楽ですからね。
「人を育てられない」環境があるのでなく
「人を育てようとしない」のが真実だと思います。
労務改善するには不当な販売行為を止めて健全な経営が出来る事が条件であり、まずは労務条件を整備して、部数競争はその次だとも思います。これは企業としての最低の責務ではないでしょうか。
生意気言ってすみませんm(__)m
>生意気言ってすみません
なんてもったいないお言葉を…。いつもブレのないご指摘に感謝申し上げます。
私は現在、新聞販売会社の組織内労働組合の“今だけ委員長”をしておりますが、けっこう系統を超えた販売店の方からご相談を受ける場面があります。私が思う労働者のカテゴリーは専業従業員や配達員サンのことを対象としているのですが、ご相談を頂戴するのはナント店主(大手紙販売店を経営?もしくは雇われている方)サンが意外と多くいらっしゃいました。その方々の話を聞くと「人を育てられない」のだなぁと思っていた次第です。
企業としての最低の責務の果たし方は、「人を育てること」に他なりません。スタッフもまた管轄するエリアの読者なのですから…。「気持ちよく働いていただく」、「大変だけれど協力をしていただく」 毎日の業務に従事していただいているスタッフへの感謝の気持ちなしには、労働集約型の新聞販売店の経営はできないのでしょう。
どうもありがとうございます。
何代も続く個人経営の販売店(特に地方紙の専売店が多い)では、しっかりとした地域コミュニティを構築できているところもありますが、大手紙の専売店では「部数を増やさなければ首切り」というのが実態としてあります。
これも新聞社の販売政策なのでしょうが、新聞販売店は「取扱う新聞」の政策を受け入れなければならない(メーカーとディーラーの関係ですから)ので、読者とのクレームの元となる不正常な販売についても新聞社が黒幕なのです。
新聞社も販売、広告、事業など報道機能以外の部門で予算を立てて収益拡大を図っています。それ自体は一般の企業活動として当然のことなのですが、それぞれにルールがあるわけなのですが…。そのルールを守られていない実情を認識し、正して行かなければならないと運動をしています。
「販売店さんの経営努力はほとんど無駄というものですね」ありがとうございます。でも、新聞社だけのせいだけにせず、販売店も配達従業員や新聞奨学生の雇用問題も含めて、生き生きと配達業務が行なえる環境作りに勤めなければならないと考えています。
コメントならびにTBありがとうございました。産業構造の限界を見据えながらも、将来展望を見失わない姿勢に頭がさがります。日本の企業では今「適正利益」という話があり、日本の企業が海外大手と比べて利益率が低すぎるという話が勢いを増しています。しかし、「適正利益」とは何ぞや、何のための「適正利益」かという議論はあまりありません。少なくともルールだけは守ってほしいと思うのですが…。今後ともよろしくお願いします。