2006年07月30日

誇れますか 新聞社員

 の青年女性部主催の全国協働討論集会が、きのう29日から30日まで仙台市内で開催され、「分科会のアドバイザーとして参加してきました。
          青女協全国集会 表紙.jpg       青女協全国集会 全体.jpg
 今回の集会のテーマが「誇れますか 新聞社員〜「こんなはずじゃ…」と言わせない職場を考える〜」。全国から95名が集まる大集会。元気溢れる青年(30歳アンダー)女性部員の方々は、会議でも活発な意見交換をされていました。
 きのうの全体集会では、河北新報社論説委員の寺島英弥氏が基調講演を行い、「シビックジャーナリズム」の必要性とその広がりについて話し、地域コミュニティーにおける新聞の役割、読者との双方向性などについて米国の新聞社の状況などを踏まえながら参加者に問題点を提起しました。
 その後、各分科会に分かれて討論が行われたのですが、その分科会の数がスゴイ。ナント6分科会。その中の「新聞特殊指定問題」について、これまでの経過と今後の問題点を話してきました。
@より良い職場作り、子育て、パワハラ、セクハラ
Aメンタルヘルス、若手の退職問題、局間異動
B新聞特殊指定問題
Cインターネット問題、若者の新聞離れ、新聞の今後
D別会社化について、組織問題、大量退職問題
E地元密着(スポーツ、地方版、事業のあり方)
                 青女協全国集会 報告会.jpg
 分科会では「いまや新聞(1部売りでも)は水より安いということを読者に対してキチンと説明できないでいるのではないか?これだけ新聞の制作や宅配に経費が掛かっているという説明をする必要がある」、「何でも値引きという規制緩和政策では値引くところがあれば、値上げするところも出てしまう」、「読者や公取委に対して自信を持って新聞の価格の正当性を訴えられないのは、販売の現場でルールを無視した販売行為が行われているからであり、業界をあげてに取り組む必要がある」などの意見が出されました。
 
 それぞれの新聞社や職場間でも特殊指定問題に対する関心の温度差は否めないとして、それぞれの職場で、そして労働組合で “おかしいものはおかしいと声を出そう” ということは伝えられたかなぁと思っています。まさしく参加された方々が「新聞を読まない世代」。その対策ももしかすると彼ら、彼女らが妙案を出してくれるかもしれません。若手の声に耳を傾けられる先輩たちの度量もありますが…。
 
 新聞社員として誇りを持てるよう参加された皆さんにはご期待申し上げます。

posted by 今だけ委員長 at 14:47 | Comment(3) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
>「何でも値引きという規制緩和政策では値引くところがあれば、値上げするところも出てしまう」

こういう意見は、「新聞業界は今後も変わることはないだろう」という確信を私に持たせてくれます。

値上げすればいいじゃないですか。利益を増やすには費用を削減するか売上を増やすかの二つしかないのですから、それは選択の自由です。

売れなければ値段を下げて販促する必要があるかもしれませんが、売上を維持するためには値段をむしろ上げねばならかもしれません。反対に、売れれば値段を上げても部数が減らずに売れるかもしれません。でもこんなプロセスは、どの業界でも普通に行われていることです。なぜ新聞だけが特別な保護されるべき存在でなければならないのでしょうか。

先日新聞業界が一丸となって断念させた新聞の特殊指定廃止は、値下げのための規制緩和ではなく、何が何でも値下げを認めないという枠組みから自由にして、値上げでも値下げでも、自由な価格政策を新聞販売業にも認める、というもののはず。

それなのに、新聞業界は公取委の見解を歪曲して偏向報道をし続け、OBを動員して政界にも根回しして、特殊指定廃止を「見事」阻止しました。公取委が質してきたことには真正面から説明出来ないくせに、論点のすり替えで「国民の知る権利」「表現の自由」を訴え、自作自演で活字文化の危機を煽るとは、恐れ入りました。

一つぐらい新聞社がつぶれても、国民の知る権利には何ら影響はありません。必要な媒体であれば誰かが救うでしょう。そうでなければ淘汰されるのみです。それが資本主義経済であって、自由経済なのではないでしょうか。常に政府を批判しておきながら、都合のいいときだけ政府の庇護を受けたいなんて、素晴らしい身のこなしですね。

現場で働いている方はご苦労をされていると思いますが、なぜ今新聞がこれまでにないほど(特にネット上で)批判を浴びているのかをよく知った上で、今後の生き残りを考えた方がよいと思います。
Posted by 新聞を読まない人より at 2006年07月30日 15:55
新聞を読まない人よりサマ!コメントありがとうございます。

 舌足らずな文章なのはご勘弁を頂くしかないのですが、「資本力の強い新聞社が局地的に値下げ攻勢を掛け、地方紙(ライバル紙?)の息の根を止めた後に更なる値上げをする」と言う内容の話でした。

>新聞業界は今後も変わることはないだろう
 
 うーん変わってもらわねばならないので、この会議に出席された方には“新聞が抱える矛盾”(特に販売問題などのグレーゾーン)を伝えて、ぬるい意識を変えてもらいたく「机上の感覚的な発想ではない話し」をしたつもりです。読者からの意見とネット上で寄せられるブロガーからの意見にまだ温度差はありますが、近づいているのは確かだと感じています。新聞はもっと消費者にも公取委にも「なぜ特殊指定が必要か」を説明できなくてはダメですね。働いている人たちが説明できないのであればどうしようもないのですが…。
 私は必要だと言い続けていますが、業界内部の癌は取り除かなければならないと思います。「ご都合主義」、「歪曲した偏向報道」、「世の中からの批判」その通りです。

 特殊指定が告示された経緯からすると、いまは「仲間はずれにされたくない」制度になっているのは確かでしょう。新聞を読まない人さんガ島指摘されることはもっともで、自社の目的貫徹に自信を持って自由な発想で経営をすべきですし、そうでなければ記事も発表モノしか書けなくなる。編集権を振りかざしておきながら、主張も同一化してくる(もうしていますね)のだと思います。

 「踏み切れない」新聞業界の馴れ合い体質にメスを入れないとどうしようもありません。でも何もしなければ終わりです。

 これからもご意見をよろしくお願いします。頂戴をしたコメントは参加された方々にもお知らせしたいと思います。

Posted by 今だけ委員長 at 2006年07月31日 18:18
Web0.0はじつざいしたんだ!
Posted by ほんとうだ! at 2006年08月03日 21:05
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【意見募集】新聞の特殊指定存続を、市民が望んでいた?
Excerpt: 【PJニュース 08月12日】− 新聞の特殊指定とは、「新聞は全国均一料金」「新聞社が販売店へ、注文部数以上の部数を押し付ける行為の禁止」「新聞の勧誘などでの過剰なサービスや値引きの禁止」などを定めた..
Weblog: T.Goto’s PJ(パブリックジャーナリスト) Blog
Tracked: 2006-08-15 01:02
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