2006年07月05日

机上で唱える理想と販売現場で起きている実態とのズレ

 先日、新聞関係の講演を聞く機会がありました。とても分かりやすく、販売店にも関係する話だと感じたので内容を掻い摘んでアップします。

 最近、アメリカ新聞協会(NAA)の「販売の将来」検討委員会が今年2月にまとめた「米国新聞販売の将来―現状と長期展望」という報告書を読む機会がありました。アメリカの新聞販売業も大変なようです。例えば無購読層が次第に増えてきているとか、さらに新聞に対する信頼度が年々低下してきており、特にこの中で若い人たちが新聞を信頼しないという非常にショッキングなデータが書かれています。あるいは読者の興味というものが、これまで多様な情報を伝えてきたマスメディアから、個人の興味に特化した非常に狭い範囲の情報へ興味が移ってきている。この状況については、日本もアメリカも全く同じ傾向であろうと思います。しかし、重要な指摘は数々ありました。新聞を継続的に読んでいる読者は、裕福で学歴も高く地位が高い場合が多い。あるいは、将来エリアの中で競合する新聞も含めて、すべての印刷物を配達できるモデル(いわゆる共配)を構築すべきだということです。アメリカでも同じような悩みを抱え、同じようなことを考えているのだということを感じました。

 また、この報告書には新聞販売の幹部が一体どういうことをこれから考えなければならないのか―という議論も書かれています。昨年6月に開かれた「新聞販売未来サミット」(米国新聞協会が開催)の中で、新聞販売の幹部にとって、いま最も重要な課題は、「急激に変化する今日の環境に適応する能力を持つことである」ということだそうです。そして、この報告書には進化論で有名なチャールズ・ダーウィン(Charles Robert Darwin)の『生き残るのは最も強い種ではなく、最も知的な種でもない、変化に最も適応した種が生き残る』という一説が紹介されています。いくら力強くても、頭が良くても、状況の急激な変化に瞬時に対応できる能力を持った種が生き残るというわけです。そして、いまの販売の幹部に求められるのは、まさに変化に適応する能力であるというのが、昨年の「新聞販売未来サミット」での結論であったということです。これはとても重要な示唆だろうと思います。新聞業界は非常に苦しい状況の中にありますが、この苦しさの中から生き残っていくためには、「机の上」で考えたことで突破できるとは思っていません。すべては現場に答えがある。販売店の第一線にいる従業員こそが、読者がどう考え、何を求めているのかを教えてくれるはずです。現場から目をそらさずに今後の新聞販売を考えて行く必要があると思うのです。


 新聞社の中にもこのような発想を持っている方がいらっしゃるのですが、何故か現場の第一線には登場してきません。以前、熊本日日新聞の森茂さんが販売改革に取り組み、全国紙を相手に正常販売を貫いたことがありました。森さんのような改革派(ルールを守っているだけなのですが…)は、今のところ存在していません。やはり、机の上で理想を唱えるだけで、現場にはなかなか入って来られませんねぇ。
posted by 今だけ委員長 at 17:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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