このセミナーはメディア・リテラシー・プロジェクト、日本放送労働組合、河北新報労働組合が主催したもので、全5回開催されるセミナーの1回目。今回の講演者は東北大学大学院情報科学研究科の関本英太郎氏。演題は「多様な価値観の中での放送」でした。
内容は、ワンセグ、地上波デジタルなどのメディア環境の劇的な変化を踏まえ、ケータイ(NTTドコモ)の可能性と横並び主義の既存メディアのあり方を提起。論点として@多様な価値観A双方向性B公共性を挙げてパワーポイントを使った分かりやすい講演でした。
@時代のメディア環境―外的問題―
・技術的条件(デジタル化を受けて)
伝統的メディア(テレビ、新聞、ラジオ)
+
ニューメディア(インターネット、ブログ、ケータイなど)
2006年4月、「ワンセグ」スタート
2011年 「地上波デジタル」スタート
A放送と通信の融合(もうテレビは要らない…とドコモが言っている)
・NTTの戦略「テレビは情報生活のハブへと進化する」
↓
映像も活字もすべて「ドコモから…」
↓
すべてのメディアは「ケータイ」に特化する!?
『お茶の間の団欒のイメージは崩れる』
Bいよいよ氾濫する情報/垂れ流し
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・コンテンツの供給+質(送り手のリテラシー)
・受け手のリテラシー
Cローカル局を取り囲む、待っている厳しい現実
(1)2011年、地上波デジタル
×ハイビジョンで映像がもっと綺麗に…?
○双方向性、データ情報入手
↓
準備のための資金。民放の場合、広告料に反映される。間接的に一般視聴者にしわ寄せ。
(2)ローカル局の現状
・自立? 自前の番組制作率は20%程度
・BSデジタル放送が本格的に普及されれば? 電波は空から遍く行き渡る。
・多チャンネル化の時代? 細分化、専門化
『論点』既存のメディアに「対抗戦略」を問う
自ら「開かれたメディア」として、市民、視聴者の参加(公共性議論の場)、多様な価値観の反映、EPIC2014の危機…
Dプロとアマチュアの棲み分け、それゆえに「多様性」
プロとして何を伝えるのか?取材力、調査力の歴然とした違い。人を育てる工夫、そのための教養講座など。
以上、メモを列記しました。とても感慨深い内容の講演でした。あと4回開催されるセミナーもアップしていきたいと思います。
※「リレー講演」は、ドイツ語の「リングフォアトラーク」の訳です。前の講演者がテーマについて話をしたら、次の講演者はその講演内容を受けて話をする、という具合に継続していく。したがって、講演者はかならず前のセミナーに参加する。 ということです。
日放労(NHK)、関本さんのゼミの方なのかなぁ 大学&大学院生の方も結構いらっしゃってました。ざっと60人くらいでしょうか。
もしかすると去年の夏あたりからLMNで議論をしていたことも含まれていました。でも業界以外の方の話だからこそ、さらに新鮮に受け入れられました。