中国新聞史の源流
著者 孔健(批評社)2,400円
中国四千年の歴史の中で、あの広大な土地でどのような情報伝達が行われたのか興味のあるところである。中国における新聞の歴史を調べようと読んでみたが、中国新聞史の源流というよりは辛亥革命(1911年〜1912年)での孫文などの「中国ブルジョア革命派」の活動などを主に記してある書という印象。
中国で最初に発刊された月刊誌は『東西洋考毎月統紀伝』で、主宰者はイギリス人のグラッツラフであった。1833年、広東で発刊され、のちにシンガポールへ移り、4年間を経て1837年に停刊する。最初の週刊誌は『中外新報』で1858年香港で発刊された。この新聞は、週刊英字紙「┿品鵝ハシイロウホウ)」の中国語版で、イギリス人のA・ショートリードが主宰し、1876年2月1日には日刊紙となった。最初の日刊紙『昭文新報』が艾小梅(エーショウメイ)により発刊されたのは、1873年、漢口においてだったという。
あとがきには、著者が上智大学大学院新聞学科に提出した修士論文であって、原題は「辛亥革命前後の中国新聞」だという。中国新聞史のルーツを探るという趣旨ではなかったので、呼んでいて間抜けをした感は否めない。孔子の75代の子孫である孔健(著者)は他にも「儲けることにきれい汚いはない」(講談社)、「日本人と中国人どちらが残酷で狡猾か」(徳間書店)などの著書があるが、個人的には中国人と日本人のイデオロギー的な部分を誘導する論調が強すぎるという感じがする。
内容はいたって簡単です。あとは、知りたいことが書いてある本に巡り会えるか、途中で「読まなくともよい」と投げ出してしまうかです。当方も3分の1は読破していない本が山積みです…