「がんばる手に、“ありがとう”」のキャッチコピーがジワリと感動を与えてくれる広告です。きのうの全国紙に掲載されたユースキン製薬株式会社の全面広告には、お母さんや大工さん、自転車屋さんなど14職種の「手」がズームされ、「新聞の配達員さん」も紹介されています。
新聞配達というと「届ける」仕事なので「足」をイメージするのですが、新聞のアンカー役として配達スタッフから読者へと、手と手で情報をつないでいるのだとあらためて感じます。インターネットのように光ケーブルや無線LANでつながれている世界と比べると、その範囲もスピードも到底かなうはずもありませんが、商品を届けることにその強みもあるわけです。
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最近、新聞販売界隈ではこんな話題が持ちあがっています。
「きょうの新聞が必要なので500部用意してほしい」という電話が販売店にかかってくるというのです。でも、オーダーの電話だけで実際に新聞を取りにくるわけでもなく、在庫(残紙)の確認をしているようだ―というのです。誰がこのような電話をかけてくるのか。勝手に推測すると広告スポンサーか週刊誌系のライターのような気がします。
大店を除けば1000部弱から3000部程度の扱い部数の販売店にそもそも500部の残紙が残っていること自体おかしな話なのですが、「いまから取りに行く」との電話に対して「いつでもお越しください」と答えようものなら「(過剰在庫が)あるんだ」となるわけです。
販売店は在庫をお金に換えたいわけですから、このようなオーダーは願ってもないこと。でもその裏には何やらきな臭い調査の手が及んでいるかもしれません。そもそもそんなことが話題になること自体、おかしな話なのですが…。
返品がきかない過剰在庫(押し紙)を減らせない新聞産業。過剰在庫が金を生む仕組みになっているので、なかなか無駄がなくなりません。
同感です。他人に対して“ジャーナリズム”をかざしたところで、「内部の問題はどう対処しているの?」という問いには答えられないのが現状です。信頼の崩壊が起きないように何とか内部的手術をしなければと感じています。