2006年06月01日

全国3紙の解説記事を比較してみました

 きのうの「新聞の特殊指定維持」の動きを受けて、けさの全国3紙は見事に1面で大きく取り上げています。1面トップの記事はほとんど横並びなので、各紙の解説記事(ネットには出ていないと思うので)をアップします。

朝日新聞「公取委、廃止見合わせ」−見直し作業打ち切り−(1面見出し)
自民、独禁法改正案見送り(3面・解説)
 公正取引委員会が新聞の特殊指定廃止を当面見合わせる方針を固めたことを受け、自民党は31日、特殊指定存続のための独禁法改正案の今国会提出見送りを決めた。
 同党では「新聞の特殊指定に関する議員立法検討チーム」(高市早苗座長)が独禁法改正案をまとめ、国会提出に向けた党内手続きを進めていた。
 一方で、保岡興冶・独禁法調査会長らが公取委側と協議を重ね、31日の公取委の竹島和彦委員長との会談で特殊指定維持を確認。これを踏まえ、中川秀直政調会長と改正案を提出しないことで一致した。
 中川氏は31日、党本部で記者団に「世論を反映した意見を入れ、(公取委が特殊指定を)見送ったことはよかった」と語った。また、保岡氏は同日、記者会見し、特殊指定を見直すための条件として「全政党が反対しているような状況でなく、何らかの合理的理由が存在する必要がある」との考えを示した。(南岡信也)

毎日新聞「新聞特殊指定 維持へ」−公取委、廃止見送りを決定−(1面見出し)
国会と世論 配慮か(2面・解説)
 公正取引委員会が新聞の特殊指定の廃止方針を一転して見送った背景には、国会で与野党がこぞって反対し、指定を維持するための独占禁止法改正案を今国会中にも提出する動きが出てきたことがある。
 自民、公明両党が個別にまとめた独禁法改正案は、現行の特殊指定の内容を法律に別表として盛り込み、指定の廃止には公聴会の開催や国会の議決などを義務付けるというものだ。
 特殊指定廃止に対しては、地方議会でも反対の意見が相次いだ。また、主な新聞社、通信社が今年2月以降に相次いで実施した世論調査では、7〜8割の人が特殊指定の維持を支持し、8〜9割の人が、特殊指定によって支えられる新聞の宅配制度の継続を望んだ。
 公取委のある幹部は「(与党の改正案は)かなり違和感のある法律だ」と明かす。このような状況で廃止を主張し続ければ改正案が現実化しかねないため、公取委の竹島一彦委員長らも強行を見合わせるとの判断に傾いたとみられる。
 しかし、公取委は「特殊指定は法的に説明がつかない」という立場は変えていない。日本新聞協会などとの協議で「指定を廃止しても宅配に影響はない」と主張しているが、具体的な根拠を示さないままだ。
 国会内には「公取委は裁量の幅が大きく、第二の立法機関だ」との批判も根強い。反対意見に耳を傾ける姿勢が求められる。(横井信洋)

読売新聞「新聞特殊指定維持へ」−公取委、与党に見解伝達−(1面見出し)
特殊指定、公取委見解の要旨(37面・公取委の見解要旨)
 公正取引委員会が31日、自民党などに示した見解「特殊指定の見直しについて」の要旨は次の通り。
1.これまでの取り組み状況
 公正取引委員会は、制定後長期間を経過し、近年運用実績のない5つの特殊指定について、昨年11月以降見直しを行ってきたところ、これまでに、@食品缶詰または食品瓶詰業における特定の不公正な取引方法A海運業における特定の不公正な取引方法B広告においてくじの方法等による経済上の利益の提供を申し出る場合不公正な取引方法C教科書業における特定の不公正な取引方法――の4つの特殊指定について廃止することとした。
 残る「新聞業における特定の不公正な取引方法」については、新聞業界等との間で鋭意議論を進めてきた。
2.新聞特殊指定をめぐる議論(略)
3.今回の対応
 これまで公取委と新聞業界との間で議論を繰り返してきたものの、議論がかみ合っておらず、これ以上の議論を続けても特段の進展は望めない状況にある。また、各政党においても、新聞特殊指定を存続させるべきとの議論がなされているところである。これらの状況を踏まえ、公取委は新聞特殊指定については、今回の見直しでは結論を出すことを見合わせることにした。

 あす、公取委が公式見解を示す前に読売は「その要旨」を先駆けて掲載しています。これを取材力と言うのかどうか分かりませんが、「2.新聞特殊指定をめぐる議論」に公取委の本音があるように感じてなりません。
 公取委の公式発表(記者会見)は、通常であれば上杉事務総長が行うと思われますが、ぜひ竹島委員長に本音の沙汰を述べてもらいたいものです。

追伸:きょう開かれた新聞の特殊指定問題を考える公開シンポジウム「知識格差が生まれる」(主催・毎日新聞労働組合、ジャーナリズムを語る会)は、今回の報道を受けてどのような反響だったのでしょうか・・・


posted by 今だけ委員長 at 00:00 | Comment(2) | TrackBack(1) | 特殊指定
この記事へのコメント
公式発表では、本音をコメントされてませんでしたね。政治家の手前、表現できなかったのでしょうか?!

特指問題の次は、消費税問題ですね・・・私でできることは先手先手で打っていきたいと考えております。
Posted by newspaper at 2006年06月04日 10:42
newspaperサマ!コメントありがとうございます。
欧州では新聞に消費税が掛けられていない国もありますが、日本ではまず無理でしょうね。国民が納得してくれないと思います。
ほとんどの新聞社がこのデフレ社会によって値上げできない状況にありますが、栃木県の下野新聞社がこの6月から2950円に(142円の値上げ)値上げをしました。まだ読者の反響などは伺っていませんが、興味のあるところです。
Posted by 今だけ委員長 at 2006年06月04日 20:35
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Weblog: 江戸摩呂日記 ??メディア千本ノック??
Tracked: 2006-07-11 19:16
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